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認知症を患うと誰もが不安に陥ると言われています。
何故って?
昨日の事、一昨日の事を忘れてしまうのですよ?
認知症を患った人によっては20歳頃の記憶で生きることもあります。
極端な例ですが、若い娘さんが記憶を無くしてしまったら?
パニック以外にありませんね。
そんな方々に、安心感を持って過ごしていただくことはとても大切なのです(*^▽^*)
そんな記憶がない…思い出せない人に、思い出すように働きかけを強めることには却って逆効果となります。
慌てさせることを避けることが最も大切にすべきなのです。
例えばです。
お仕事で能力以上の単純作業をたくさん部下に実施してもらったとします。
初めはミスなくできていた単純作業も能力以上だとミスが目立ち始めて、いつしか失敗だらけになってしまいますよね。
その時に上司は『出来る作業しか任せていないのに』と言います。
部下は『できるはずでしたが、失敗ばかりで』と自らを責めます。
これが何日も続いたらどうですか?
上司は『こんな簡単な作業なのに、気が抜けている』と言い、部下は『私はこんなことも出来ないダメ人間になってしまった』そう自分を責めます。
発展すると部下は退職してしまいますし、跳ね返って上司も失職します。
例としては極端ですが、記憶力の欠如によって使える能力が低下した認知症患者に元気だった頃と同程度の作業を任せることは失敗を誘い、自らを責めてやまない悪循環を引き起こすのです。
認知症患者の悪循環の末路は行動をしなくなり、無気力な言動に繋がり、何もしないことで心身の機能が低下して、臓器が適切に働かなくなり、亡くなることが多いのです。
この悪循環を防ぎ、穏やかに安心感を認知症の本人もその家族も共有するにはどうしたら良いのか?
単純に分かれば誰も苦労しませんが…。
いくつかのキーワードや方法があるのも事実です。
まず対話から大切にするポイントがあります。
対話を行います。
ゆっくり話します。
丁寧に話します。
分かりますか?
短文です。
短文を活用することで、認知能力の低下をきたした患者さんは理解しやすくなります。
この時、頷きやはいいいえ、表情の変化など認知症の患者さん本人の反応を確認してから次の声かけに進むことが大切です。
間違っても次々と連発してちゃかしたりして、会話を主導してはいけません。
つまり…。
認知症の患者と向かい合い対話を行います。
相手の反応を見ながら、理解と納得を得つつ話をします。
語調を緩やかに内容の端々には攻撃性ある言語を含まずに丁寧に話すことが大切です。
と、患者の前で話すことはタブーになるわけです。
縁側に座布団を敷いて、高齢者のお婆さんが湯呑を持ってお茶を飲む姿…。
高齢者を想像する絵の1枚に、皆様の記憶に下のような絵はありませんか?
対話の次は真似てもらうということの大切さです。
認知症になったからといって複雑な事柄がこなせなくなるわけではありません。
昔から手に馴染んでいる仕事なども立派にできたりもするものです。
経験が損なわれるわけではなくて、慌てることで手順を一瞬、違えてしまうということです。
何事もゆっくりと丁寧に行うことが大切です。
その上で、認知症を患った本人が望み、あなたに回復したい技術や技能があったとします。
もちろん獲得は可能です。
ただ望まれる技能を持っている人と共にゆっくりと焦らずに取り組むこと。
真似て失敗があっても暴言を受けず、慌てないようにじっくりと進められる環境の設定がとても大切になります。
一緒に何かに取り組む、そして出来ているという充実感を持って生活を過ごすことで悪循環を防ぐことができます。
一緒に食事をして、一緒に風呂を楽しむ、一緒に運動をして、外出を楽しんで旅行をして…。
一緒に楽しむことのできる人を…。
認知症を患った方が求める境地の一つだと思います。
簡単に書きましたが…。
24時間365日を共に歩むのはとても難しいものです。
誰しも自らの生活と将来がありますから…。
出来るだけ、出来る限りで真摯に向かい合うことが大切なのです…。
そう私は言い訳しつつ、介護の現場に携わっています(*^▽^*)
慌てず焦らず共に歩もうというのが認知症ケアの基本です。
何故、共になのか、それは同じことをしている安心感がそこにあることから、行動が穏やかになり、慌てず、じっくりと行動するとミスや失敗が少なくなるという好循環が生じるということです。
絵にも登場する温かいお茶や温かい日差しといった環境のツールも見逃せません。
座布団がないのが絵の選択ミスですが…絵の才能がないので無料ツールから拝借させていただきました。
有益に活用させていただいており、感謝いたします(*^▽^*)