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11月の酉の日に毎年開催されています。
鷲神社と酉の寺や大鳥神社など鳥に所縁のあるところで開かれ、関東地方を中心とするお祭りです。
東京の浅草鷲神社や台東区の酉の市 長國寺が有名ですよね。
10月を宵宮、11月を本宮として酉の日に行うところもあります。
また12月の一の酉を大酉 ( おおとり ) として締めくくるところもあります。
酉の日は、一の酉、二の酉、三の酉まで11月中に3回もある年があります。
3回開かれるのも酉の市の特色ですよね
24時間、がっつりと行われる熱気あるお祭りですよね。
今日はそんな酉の市の縁起物、顔となる縁起熊手!
由来を知って、丁寧に買って、飾る!
そして最後の処分を行うところまで記事にしてみました(*^▽^*)
酉の市で露店の多くを占めるのが、『 縁起熊手 』 です。
農作業の熊手を想像しますよね?
それも間違いではありませんが、長い歳月の中で意味や由来は、複雑に入り混じって現在に至っています。
主なお話を並べますと、
□ 主祭神の一柱である日本武尊が東征した際に、社前に熊手を立てかけたことにちなむ。
□ 鎌倉の時代、もう一柱である鷲見妙大菩薩さまが鷲の背に乗って現れたのが酉の日だったとされます。
この菩薩さま、じつはお釈迦様だったとの話もあります。
また『 わしの爪の鷲掴み 』と言って、獲物をがっしりと離さないところから運気を逃さないに結びつきました。
□ 酉の神様なので氏子は鶏を食べるのを禁止してお供えした。後片付けに熊手で追い込み集めたとか…。
□ 戦国時代に戦前に置いた扇子が戦から戻ると、ハリだけになり曲がっていて熊手みたいだったから。
日本は古くから農業国ですから、熊手は農作業の道具。
おかめの面は主祭神の1柱が女性を模しているから。
大判小判の飾りはお釣りであったり、商売繁盛などを記念して付けられたのでしょう。
もうお分かりですよね?
熊手は農業に欠かせない大切な道具の1つ。
熊手の独特な形状は『かき集める』ことに活用されます。
農作業で米などをかき集めたり、枯れ葉を集めて燃やして焚火にしたり…。
かき集めた結果に残るのは、食べ物だったり、火だったり、清潔と手元の幸福が残るわけですよね。
ですから、酉の市のご利益は、『 開運招福 』 と 『 商売繁盛 』だと言われています。
こうして飾りは時代を経て、どんどんと盛大に賑やかなものとなり、現在の酉の市の 『 縁起熊手 』 に変わったわけですね。
年々、廃れているとは言いますが、縁起熊手には購入のやり取りが粋だとされてきました。
例えば5000円の熊手があったとして…。
3度値切ります。
3度目に『買った ( 勝った ) 』『まけた ( 負けた ) 』
といい、値切った分をご祝儀として5000円で購入するというもの。
結局は定価で買い物をするのですが、気持ちの良い掛け合いと、ご祝儀…チップを出した気分というのでしょうか…。
商売人も正しく物が売れるので、結局は全員が気持ち良く売り買いするというものです。
これが成立したら、三本締めの手拍子で手締めとする習わしです。
さて、縁起熊手。
買って自宅に戻った後にどこに飾るのか?
御祈祷を受けた熊手と露店で購入した熊手は別にする方が良いと言われています。
御祈祷を受けた熊手は、神棚に捧げます。
そうなると小ぶりなものを選んでおくことがコツですが、御祈祷で加護を得たものですから、置く場所は神棚に置ければ神棚。
置けないようでしたら、神棚の下に立てかけて捧げるようにします。
次の露店の縁起熊手と混同しがちですが、神棚に捧げる縁起熊手は、捧げものですから、神棚以上の高さに置かず、低い位置に置くようにします。
露店で購入したものは酉の市の楽しい思い出の品です。
『 開運招福 』 や 『 商売繁盛 』の願いのこもった品ですので、玄関から招き入れる…玄関に飾ることがおすすめです。
方角は北を避け、なるべく福に届きやすく、多くの福を掻き込むことを目指すために、高い位置に配慮することが望ましいとされます。
また受験を控えているなどの勝負ごとを抱えるご家庭では、受験先の方角であるなど、願い事の向きに立てかけることもあるようです。
縁起熊手を購入した場所には、一年が経ち古くなった縁起熊手を納める『 熊手納め所 』 があります。
御祈祷いただいた熊手は、こちらへ納めるようにしましょう。
酉の市は12日ごとに11月中は行われていますが、万が一、お返し出来ないような場合は、年末のお焚き上げの神事で、依頼することも出来ます。
露店で購入した縁起熊手には、単なる飾りとしてそこまでの丁寧な処分は求められていません。
解体して、各市町村の分別に従い処分します。
一昔前は、この飾りも分解の上、処分する前に再利用部と燃やす部分に分けました。
布はお手玉になったり、おたふくの面もそうですが、子どもの遊び道具になったりもしました。
単に処分を行うことは簡単ですが、何かしらの再利用を一度、検討してみてくださいね(*^▽^*)
酉の市は粋に楽しむお祭りで、農業と商業の祭りとして現在でも親しまれています。
縁起熊手が祭りの顔とも言えます。
開運招福と商売繁盛のシンボルです。
お祭りのマナーを知り、縁起熊手の売り買いを楽しんでみますと、一層、お祭りを楽しめることは間違いありませんね。
縁起熊手は家庭内の神棚に祀るものと玄関に飾るものを混同しないようにします。
処分についても、祈祷していただいた捧げものの縁起熊手は購入元に納める。
飾りは処分しても差し支えないですが、出来たら、再利用を検討してみましょう(*^▽^*)