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介護保険で福祉用具のレンタル品目に特殊寝台と付属品という種類があります。
今日はこの特殊寝台と付属品についての記事です。
いろんな種類が日々、開発されていますし、使い方もいろいろです。
また事故や怪我などの報告もあるものです。
今日はこの辺りをまとめて記事にしてみました(*^▽^*)
一般的に60歳以上で市役所で要介護認定を受けますと判定が出て、等級が決まります。
現在は要介護2という等級以上に重度であると認定されるか、あるいは起き上がりが自力で出来ない軽度者の方につき、主治医の承認があれば手続きによりレンタルできる仕組みになっています。
ベッドは、保険設定上は特殊寝台と呼ばれる本体とその付属品の2種類に分けられます。
付属品とは、ベッド周囲の柵やそのカバーであったり、ベッドに敷くマットレスを指しています。
※床ずれ防止用のマットレスは床ずれ防止用具という分類で別に存在します。
これらを総合して一般的にベッドと呼ぶわけで、一体的な扱いがあって、付属品だけ…本体だけ…というレンタルは認められません。
またA社のベッドにB社の製品の柵というような組み合わせも出来ません。
A社もB社も、とても嫌がりますし、品物同士が合致しないので事故の原因になったりもします。
また同じ型番のレンタル商品であっても、A社では1000円、B社では1200円などレンタル価格に開きがありましたが、平成31年度から同一商品帯の価格設定の値幅が法的に定められたので大きな差異は今後、縮小していく見込みです。
つらつらと書きましたが、伝わりましたでしょうか…。
レンタルするには、介護保険での要介護認定が必要であること。
認定の結果に関わらず、起き上がりが出来ない方のためにベッドのレンタルが設定されていることが眼目です。
さて、ベッド…。
寝るのはご本人様です。
介護ベッドは介護をされる方が支援しやすいように設計されている面もあります。
特殊寝台にはモーターの数が1個~3個まで組み込まれています。
モーター数が多いほど複雑な動きを実現しますが、当然、価格が高くなります。
さて、ベッドの動きなのですが、
1背上げ
2足上げ
3高さ上げ
4連動して動く
大きく分けると4タイプになります。
ベッド本体が上下に動く、ベッドの寝ている面はNを反転した形に動きます。上半身は一枚板、下半身は2枚板で曲がる構図です。
ベッドタイプにより、その1面もじゃばらじょうに薄い板で波打つように工夫されたタイプもあります。
背上げはお食事などの姿勢保持から離床支援までいろいろと活用しますよね。
足上げは低血圧の方の静養時に血圧回復支援に用いたり、足の浮腫を軽減するために用いたりします。
高さの高低調整については、ベッドから車椅子への相互移動を介助する際に調整しますし、日常的にベッドを離れられない方がお食事を摂るなどの際に姿勢を保持する目的で活用したりします。
また介護者の方が介護をベッド上で提供する際に体にかかる負担を大きく軽減する役割も担います。
連動して動く機能については、機械に頼り過ぎる危険性もはらむ注意点があるのですが、平坦なベッドから安楽な姿勢への移行を円滑にしたり、活用後の姿勢を保持することにも役立ちます。
背上げ、足上げ、高さ上げ、連動の4つの機能が利用者さんの枕元のリモコンのボタン1つの操作で動かせてしまいます。
じつは、手軽にボタン1つの操作で出来る機械ですので事故もあるのが実状です。
h3>背上げの注意点
背上げのボタンを押しますと、ゆっくりと上半身部分がせり上がります。
まず、ちゃんと利用者さんの腰の位置が、この曲がる部分に合致しているかの確認が大切です。
中途半端な部分でせり上がりますと利用者さんはとても苦しいですよね。
きちんと確認しましょう。
また上昇部に逆向きに過度に力を加えますと故障の原因になりますので、重い物が負荷をかけていないかの確認も大切です。
さて確認の上、45度程度まであげますと、条件的に合致していても利用者さんに負荷がかかります。
背上げと共に下向きに利用者さんの自重や円背などの条件で背中部分に摩擦する圧力が加わることが原因です。
一端、可動を止めて、少し体を起こして背中とベッドを離して摩擦抵抗を解消することが大切です。
これは背抜きと呼ばれる技法です。
h3>足上げ
先述したような用途で用いますが、熟睡時には平坦・フラットにすることを忘れないようにしましょう。
足を挙げたまま、熟睡できる方は…まぁおられません。
ですので、揚げままですと熟睡も出来ず、苦しい一夜になってしまいます。
先の背上げと足上げが連動して動かす場合もありますが、座位姿勢を保持して、離床を徐々に促す目的でこの操作を活用するのですが、ここでも注意点があります。
連動させてしまうことで、利用者さんの自発的な行動を見落としてしまうリスクがあります。
車椅子でもベッドでも利用者さんが座位姿勢をとっている時に『 しんどい 』と発語することが出来ない方がとる動きがあります。
ずり落ち。腰が足元側へズリズリと進む動きです。
健常者の方々でも映画館などで長く座るとこうした動きをするでしょう?同じです。
しんどいとだんだんと寝る姿勢へ移行するのです。
姿勢保持のために背上げと足上げを連動しますが、足上げがありますと、この寝る動きが出来なくなるので、利用者さんが限界以上に苦しくなってしまうリスクがあることを忘れてはいけません。
h3>高さ上げ
ベッド上から車椅子などへ移動する際に、利用者さんの足の長さに合わせて立ちやすい、あるいは戻りやすい高さに整えます。
この時、昇降するわけですが、ベッド下に何もないことを確認してくださいね。
背上げや足上げを下げる際にも同様です。
事例的には、下に子ども、動物、収納ボックスなどのあってはならないものがあっての事故ということもあります。
介護をする上で高さ調整は、介護者の腰部を守ることに大きく貢献します。
低い位置への介護は極力避けるようにしましょう。
むしろ高めの位置で介護することにより、上半身の活用のみで介護が可能になるので腰部の負荷が大きく軽減できるようになります。
h3>ベッドと言えばマットレス選び
合わないマットレスは腰痛悪化の原因になります。
柔らかい、固いなどタイプ的に数種類が用意されていますので使ってみて体感の上で決めるようにしましょう。
交換がこまめですと2枚目、3枚目とこまめに料金を請求される事業所さんもありますし、月間にどれだけ交換しても一番高い1個分だけの請求という事業所さんまで、事業所さん次第ですので確認して調整するようにしましょう。
床ずれ防止用具に含まれるエアマットも同様に単純な空気循環のタイプから複雑な体重設定をした上で空気圧まで設定できるタイプまで、いろいろとあります。
床ずれ発生後や未然に予防のためにと目的により導入しますが、これも注意が必要です。
機械の力で自動で利用者さんの体にかかるマットレスとの圧力を分散させることが目的のエアマットですが、こまめに動く、動きが大きいタイプは虚弱な利用者さんの場合、かえって床ずれを悪化させるリスクがあります。
床ずれがある場合、栄養状態と体位変換の頻度など、いろいろな要素を加味してエアマットのタイプを慎重に検討していく必要があります。
傷があってですね、激しく動かされると傷が悪化することもあるということですよね。
しっかり栄養が摂れていて、回復傾向にある場合は、逆に適度な刺激になることもあります。
この辺りは常の観察と匙加減がとても大切ということですね(*^▽^*)
ベッドって、一度、レンタルしてしまうと、自立して返却!ということにならなかった気がします。
また高機能なベッドがレンタルに並んでも交換する!という方も少なかったですね…。
ベッドの下が埃だらけだったり…。
交換する時に離床することが手間と思われたり…。
交換そのものの時間を手間と思われたり…。
思いはいろいろだったわけですが、定期的な交換をおすすめします。
1つはマットレス。
シーツ交換はされておられますが、やはりノミ・ダニ・以外の害虫やカビなどを考慮しますとこまめな交換や天日干しは定期的に必要です。
利用者さんがデイサービスやショートステイ、受診などで外出している隙に大掃除しておきましょう。
梅雨時だけではなくて、風邪の流行する冬場の換気と合わせて行うなどしますと風邪予防にもなりますし、お日様の匂いで利用者さんがリラクゼーションの効果を得たり、夜間の良眠に繋がる要素になるかもしれませんよね。
ベッドをレンタルされている方、1年に1回は出入りの業者さんから最新のカタログをいただくようにしましょう。
1年経てば、品揃えは確実に増えていますし、ベッド以外にもお役立ち商品が見つかる可能性があります。
あと今回はレンタルのご紹介でした。
購入を迷われる方もおられますよね。
ご自身の寝床ですし、自分専用でくつろぎたい…そんな思いがあるかもしれません。
ただこの手の機械商品はレンタルがおすすめです。
購入されますとベッド本体+付属品で20~30万円、エアマットを足すと50万円に及ぶこともあります。
さらにモーターなどが故障しますと別途費用がかさんでしまいます。
レンタルですと、1割負担の方で月々の利用料が、ベッド本体は1000~2000円、付属品は数百円、エアマットも1000~1500円程度で借りることが出来ます。
…1割でも毎月ですから、高い…痛い出費が続くと感じられるかもしれませんね…(/o\)
是非、ご家族様と点検と整備をする日を1年に1回、設けてみてくださいね(*^▽^*)