目次
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「年に一度だけ会えるって、ロマンチックだよね」
七夕が近づくと、毎年のように聞こえてくるこのセリフ。
けれども、よく考えてみてほしい。
年に一回しか会えないって、もはや“ご褒美”じゃなくて“罰”じゃない?
どこかの中学生カップルだって、週に2回は会ってるぞ。
織姫と牽牛の話は、子どもの頃は「素敵なお話」として聞いていた。
だけど、社会に出て、上司に怒られたり、休みが取りづらかったり、あれこれ我慢しながら働くようになると──あの伝説、なんだか不穏な空気をまとってこないだろうか?
恋をしたら仕事が手につかなくなって、上司に叱られた──まではまだわかる。
だけど、「じゃあお前ら、天の川の両岸に引き離して、365日に1回しか会わせない!」って、ちょっと処分がエグすぎやしないか?
しかもその処分、恋の始まりからいきなり即決。
ヒアリングも事情聴取もなく、突然の左遷。
そんな展開、普通はブラックドラマの中だけだろう。
というわけで今回は、あの有名な七夕の話を、“現代の視点”でふか~く掘ってみることにした🩷。
天帝の判断、ちょっと待って!
織姫と牽牛、抗議しなかったの?
ていうかそれ、普通に裁判沙汰じゃない?
笑って納得、読んでスッキリ。
あなたの短冊に「今年もおりひめとひこぼしが会えますように」と書く前に、ちょっとだけ、裏のドラマをのぞいてみてほしい。
恋をしたふたりがいた。
織姫と牽牛。
天の川の両岸で出会い、意気投合し、いい感じになって──そこまではよくある話である。
問題は、そのあとの展開だ。
突如現れた天帝が「お前ら、会うの禁止。仕事に戻れ。年に一度だけ会ってよし!」とバッサリ裁定を下した。
……ちょっと待ってくれ。話が飛びすぎじゃないか?
職場恋愛がバレたからって、いきなりそんな重い処分を食らうのは、現代だったら完全にコンプラ違反である。
織姫と牽牛が少し浮かれてたくらいで、ここまで厳しいお仕置きが下るって、どんだけ天帝イライラしてたの?
もしこの件が天界社内での問題だったとしたら、労務相談はおろか、報連相すらされずにトップの独断。
もっともらしい「仕事をサボった」という理由も、具体的な証拠ゼロ。
織姫が織機の前でうたた寝してたとか、牽牛が牛にワイヤレススピーカーでラブソング流してたとか、そういう“現行犯的証拠”があるなら納得できる。
でも、話を聞く限り「付き合ってたら仕事の効率が落ちたっぽい」程度のふわっとした噂だけで、この裁定である。
職場でこんな決定を下されたら、今の時代は間違いなくパワハラ認定で一発アウトだ。
それにしても、引き離す方法がまた非情だ。
会えないどころか、物理的に天の川で引き裂く。
ふたりの関係が始まった場所がそのまま境界線になって、再会は1年後。
これがドラマの演出ならともかく、実際の運用として考えたら恐ろしいにもほどがある。
しかも、それを止める人が誰もいない。
天界にも人権はないのか。
「恋にうつつを抜かすと、こうなるんだよ」という教訓を込めたかったのかもしれないが、それにしたって手続きが雑すぎる。
少なくとも、初回は口頭注意。
次に書面での業務改善指導。
それでも改善が見られなかった場合に限り、両者にヒアリングの上、必要に応じて面談のうえ処分……それくらいの段階を踏んでくれないと納得できない。
それを一発アウト。
しかも無期限の遠距離。
ほんの少しの温情として、年に一回だけ会ってもいいよという条件付き。
その「一回だけ」すら、天候不良でパーになるという始末。
カササギが橋をかけてくれないとダメ?
なんでIT化しないの?
星のインフラ、遅れてない?
そんな素朴な疑問が次々湧いてきて、気づけば「織姫かわいそう」から「天帝ちょっと反省して?」に気持ちが傾いている。
もしかしたらこの裁定、恋に落ちたふたりよりも、嫉妬と支配に取りつかれた権力者の心の中の不安の表れだったのかもしれない🩷。
織姫と牽牛は、恋をした。たぶん、ごく普通のことだったはずだ。
だが、それを“見てはいけないもの”のように断罪した天帝は、いきなり天の川を引き裂いて、2人を年に1度しか会わせないことにした。
ここだけ聞けば「厳しいけど、それだけ重い処分だったんだろう」と思うかもしれない。
ところがこの“年に1度だけの再会”というのがクセ者だ。
優しさのように見せかけておいて、実は究極の嫌がらせなのではないかとすら思えてくる。
1年365日、364日は「絶対に会うな」と言い渡しておいて、残りの1日は「会ってもいいよ」とちらつかせる。
これはもう、やさしさではなく牽制である。
しかもその再会日が固定で7月7日というのも、不安定きわまりない。
雨が降ったら会えない、曇っててもダメ、橋をかけるカササギの都合まで加味される。
はたしてこれは再会のチャンスなのか?
それとも「ほらね、会いたくても簡単には会えないでしょ?」という“心理的お灸”なのか?
だとしたら、やってることが完全に陰湿である。
「恋は自由」なんて言われるようになったのは、つい最近のこと。
その昔、身分や立場によって恋の仕方にも制限があったのは確かだ。
でも、それにしても天帝の“恋愛制限条例”は、あまりに一方的すぎる。
理由の説明なし、改善の余地なし、反省の機会なし。完全に“押しつけ型の慈悲”である。
しかも、その1回を待つために、2人は364日を耐え続ける。
会いたくても、声を聞きたくても、視線すら交わせない。
もしかして、天帝はそれを楽しんでいるんじゃないか。
「よしよし、まだ我慢してるな」
「来年まではあと300日か。せいぜい反省してなさい」
……そんな独裁者の心の中が透けて見えるような管理方法に、背筋がうすら寒くなる。
こうなると、あの“年に一度の再会”って、甘くも美しくもない。
むしろ「会えるかもしれないという希望で支配する」という、
古典的な“飴とムチ”の飴部分にすぎないのでは?という疑念すらわいてくる。
天帝にとっては、たった一人の娘が恋をしたことが許せなかったのか。
それとも、恋によって職務が乱れたことが面目を潰されたと感じたのか。
どちらにしても、この処分が「愛ある裁定」だとはとても思えない。
年に1回しか会わせないのは、優しさの仮面をかぶった呪いだったのではないか。
そう考えると、七夕に願いを託す気持ちも、少し違って見えてくる🩷。
時は流れ、もし織姫と牽牛が令和の世に生きていたとしたら──
この一件、きっとただの星祭りでは終わらなかったはずだ。
まず初動として、週刊天界がすっぱ抜く。
「天帝の娘、織姫が勤務中に牛飼いとの交際!」
記事は瞬く間に拡散され、SNS上は騒然となる。
「職場恋愛禁止って、今どきありえなくない?」
「牽牛くんイケメンすぎでは?天界女子が選ぶ理想の彼氏ランキング1位!」
「そもそも織姫って働きすぎじゃなかった?休憩取っただけじゃん!」
一方で、天帝側の火消しチームも動く。
「天界の秩序を守るための必要な判断だった」
「恋愛禁止規定は明文化されていた」
──だがその言い訳は空回り。
天帝のXアカウントはリプライ欄が地獄と化す。
牽牛の元にはTV局から出演依頼が殺到。
「年に1回しか会えない恋人の気持ち」特集に出演し、涙ながらに語る姿がネットニュースのトップに踊る。
織姫は涙をぬぐいながら会見で訴える。
「好きな人に会いたい。それだけのことが、なぜこんなに難しいのか分かりません」
ここで動いたのが“天界人権団体カササギ・ユナイト”。
「恋愛も表現も自由に」というスローガンのもと、7月7日には全世界的なシンパが短冊に
「#年1回じゃ足りません」
「#働き方改革 in 天界」
「#もうちょい会わせて」
と書きまくる運動が巻き起こる。
さらにはインフルエンサーたちがカップル動画で再現コントを始め、TikTokで「織姫チャレンジ」なるタグがバズる。
1年ぶりに会う恋人を10秒以内で感動させるショート動画の応酬により、七夕の意味が完全に迷子になるのも時間の問題だった。
天帝?
さすがにちょっと黙るしかなかった。
「意外とみんな、自由に恋したいんだな……」
そんなつぶやきが投稿されたという噂もあるが、公式アカウントからの発表はまだない。
時代が変われば、正しさの定義も変わる。
織姫と牽牛が今にいたならば、それは切ない恋ではなく、バズり散らかした社会現象になっていたのかもしれない。
愛されるべき恋人たちの物語じゃなく、“会えないことにちゃんと怒っていい”という、新しい風が吹いていたはずだ🩷。
七夕といえば、笹の葉に願いを書いた短冊を飾るのが定番だ。
「ピアノが上手になりますように」
「家族が健康でありますように」
「推しが幸せでいてくれますように」
──そんな微笑ましい願いが風に揺れて、夜空を彩る季節行事。
けれども、そもそもこの“願いを託す”という習慣、何がきっかけだったのだろう。
織姫と牽牛の立場になって考えてみよう。
年に1回しか会えない。残りの364日は、ただ待つだけ。
再会は保証されておらず、天候次第で無効になる可能性すらある。
それでもふたりは、再会を信じてじっと耐えていたという。
──いや、ちょっと待て。
この状況、感動より先に違和感が勝ってこないだろうか。
もしかしたら、ふたりが最初に始めた“願いを書く”という行為は、
「再会させてください」という純粋な願望ではなく、
「会わせろよ、そろそろいい加減にしろよ」という静かな抵抗だったのかもしれない。
だって、言えないじゃないか。
「天帝のやり方、間違ってると思います!」なんて叫んだら、次は年2年に1回になるかもしれない。
だからこそ、“願い”という形で、自分の心の叫びを遠回しに訴えるしかなかったのだ。
短冊に書く文字はきれいでも、その裏にはきっと無数の涙がにじんでいた。
「織姫と牽牛が会えますように」──そう書いて笹に吊るす行為は、恋愛応援のようでいて、実は天界の処遇に対する全国的な署名活動だった可能性もある。
願いという名の意見表明、短冊という名の意志表示。
「我々は見ているぞ」「変わってほしいと思っているぞ」
……そんな密やかな意思が、風に揺れていたと考えると、七夕という行事の意味がぐっと深まってこないだろうか。
恋の願いは、ただのキラキラした気持ちではない。
どこかで「これはおかしくない?」と思いながら、それでも前を向こうとする心の表れだ。
もしかしたら短冊とは、個人の尊厳を取り戻すための小さな旗だったのかもしれない。
今も昔も、願いごととは“叶わぬかもしれないけど、黙っていられない”から生まれるものなのだ🩷。
都心のIT企業に勤務する織姫さんは、24時間稼働の織物系ファッションブランドのエンジニア。
日々SNSで“織フィルター”をアップデートし、天界トレンドを先取りする超ハイスペック女子。
その分、残業も休日出勤も当たり前。
過労で心がパリパリになっていたある夜、偶然フォローした農場系アカウントが運命を変えた。
「今日は牛と昼寝。気温もちょうどよくて、最高だった。」
投稿したのは、酪農業を営む牽牛くん。
地方の自然あふれる町で、牛とともにスローに生きる姿がなぜか心に刺さった。
DMのやりとりは、朝の搾乳報告と夜のシステムエラー相談から始まった。
「わかんないけど、機械にも気持ちがある気がするよ」
そんなズレた返答が、妙に癒されて仕方がない。
気づけば通話、ビデオチャット、ハートのスタンプ、そして──いつの間にか恋になっていた。
それを快く思わなかったのが、彼女の父であり、織物会社の創業者にして社長の天帝。
「仕事そっちのけで恋愛? そんなヤツと付き合う時間があるなら、新作コレクションの納期を縮めろ」
突如織姫のスケジュールから“自由時間”が削除され、牽牛くんには「牛の世話以外禁止」の通達が届いた。
二人は一度だけ、強行して会う。
大雨の中、ビルの隙間で、たった15分。
ずぶ濡れになりながら交わした約束は、「また来年、同じ日、同じ場所で──」。
そこから始まった364日の長距離恋愛。
メッセージは検閲対象、ビデオ通話は制限つき、年に1度の再会以外は基本的に禁止。
織姫は仕事に没頭しながら、開発中のAIボイス機能に牽牛の声を模した設定を追加し、深夜にこっそり再生して心を癒やす。
牽牛は牧場の草に短冊を括りつけ、「見えないけど、いつもおまえの星を見てる」と空に手を伸ばす。
迎えた7月7日。
天候は曇りのち豪雨。
「中止ですね」と広報が伝えようとした瞬間、空にひとすじの虹が差す。
カササギ・ドローンが自動飛行で橋をかけ、AIが天帝の感情データを分析し「まあ許してやるか」モードを検出。
システムエラーで開いた出入り口から、ふたりはようやく会うことができた。
再会の瞬間、織姫は泣きながら言った。
「今年も会えたね。やっぱ、あんたの声、本物が一番だよ」
牽牛は照れくさそうに言った。
「来年はもう、雨でも風でも会いに行く。ドローンの橋なんて使わない。泳ぐ」
そんな2人の姿は、密かに撮影されてSNSでバズり、
「年1の恋人たち、AI超えて再会」の見出しとともに、翌日のニュースを賑わせた。
人は、どれだけ時代が変わっても、会いたい人に会えないつらさを抱える。
それでも、願う心と工夫する知恵があれば、きっと天の川だって越えられる。
AIもドローンも星空も、それを応援してくれる時代に、私たちは生きている🩷。
七夕といえば、恋人たちが星空で出会うロマンチックなイベント──
そんなイメージで長年語り継がれてきたけれど、ちょっと立ち止まって見直してみると、
「仕事をサボったから年に一度しか会わせません」という処分、
「雨が降ったら会うな」という謎の縛り、
「上司(父親)がすべて決める」という構図…どこを切っても圧が強い。
それでも織姫と牽牛は、黙って従って、再会のたびに笑顔を見せる。
文句を言ってもいいのに言わず、短冊に願いを託し、空を見上げ続ける。
もしかしたら私たちは、そんなふたりの「耐える愛」に感動していたというよりも、
「そうでもしなきゃやってられない社会」に共感していたのかもしれない。
年に一度しか会えないなんて、冷静に考えればキツすぎる。
けれども、365日ずっと会えてても気持ちが通じない関係もある。
人は“会えない”時間のなかで、相手のことを考え、自分の気持ちに気づくものだ。
そう思えば、天帝の極端すぎる処置ですら、少しだけ“考える余白”として意味を持っていたのかもしれない。
願いが叶う日。
それは、短冊に書いたことが現実になる日ではなく、
「そうあってほしいと願える心を、私たちが取り戻す日」なのかもしれない。
さあ、今年の七夕。
あなたは、何を願いますか?
空を見上げて、ちょっとだけ“本音の願い”を、風に乗せてみてはいかがでしょう🩷。
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