Menu
介護技術の 『 食事介助編 』 です。
お食事は誰にとっても日々の栄養を得る大事な行為です。
抱えた障害や加齢によって自力でご飯を食べられなくなる方もおられますよね。
我々介護者は手の代わりを行って、利用者さんに日々のお食事を摂取していただくわけです。
しかしですね…。
この代わりをする、介助することが…とても難しい。
一端、利用者さんの口の中に食べ物が入ってしまうと、口の中は当然見えません。
急ぐと詰まらせてしまう…。
遅いと満腹になってしまう…。
食事介助の世界にもいろいろな工夫があるものなんです。
今日はそんな食事の介助のあれこれについて記事をまとめてみました(*^▽^*)
各施設では食事介助のマニュアルが設けられていますよね。
エプロンや介助用スプーンなどの道具の使い方と使用方法…。
食事介助の時間や声かけ、技術的な摂取方法まで…。
そして万が一の事故対策までがマニュアルに記載されているところ…ですよね。
いつから配膳してどう片付ける。
嚥下状況や咽込みを見て食事形態を変更する。
などなど、マニュアルが整備されていることで決まった動きになります。
マニュアルはとても介助側にとって便利な物で、利用者さんには徐々に苦痛と嫌なものの対象になっていきます。
管理する側とされる側の壁が出来るわけですよね。
いろいろなことを四角四面に決めてしまいますと、お食事は楽しみの1つなのに全く楽しいものではなくなっていきます。
人間という生き物は自由を好みます。
決まった時間に決まった方法で決まった量を食べなければいけない!
そう言われると食欲を無くしますよね。
つまり、言われなくてもマニュアルの徹底を図るということはそういう現実を作り出してしまいます。
はぃ…。
ここは私の独壇場…。
1つはどこの施設でも、よくある掲示板!
もしくはホワイトボードでの『 今日の献立! 』
これを削除。
理由?
朝から掲示されてて嫌いなものだったら、1日が憂鬱になっちゃうでしょ?
全員が喜べないものは削除対象~♪
次に時間。
皆で一斉に?
だいたいで良いじゃないですか。
介助者側が統制しやすくした中でご飯って利用者さんの息が詰まりますよね。
というわけで、画一的な介助につながるマニュアルは削除していきましょうということです。
批判ばかりではダメですよね。
充実すべき点は事故対応の項目です。
利用者さんの口内は食べ物が入ると見えない。
頬が膨らんでいるから、食べ物がまだある。
咀嚼しているから、食べ物がある。
と、そのくらいしか分かりません。
肺に食べ物が落ちている…。
喉に引っ掛っている…。
胃から逆流しそう…。
腸で詰まってる?
この辺りは全く見えないですからね。
万が一の事故対応を徹底して決めておくことは大事なことです。
本来、お食事は楽しいもの。
心待ちにして味わうくらいが丁度良いものです。
1日の運動量や睡眠時間。
前日の食事量などで当日の食事に向かう心境は変わるものですよね。
デイサービスやショートステイ、施設入居の方といろいろな立場の方がおられますが、いずれにしても同じ利用者さんは1人もいないということです。
では個々人に合わせて食事時間を変更する?
これが個別ケアとしては正解ですが、介護職員さんが潰れてしまいますよね…。
自立されている方は目視観察で摂取いただく…。
一部介助と全介助が必要な方は個別ケアとアセスメントしつつ、時間を変更していくことが適切でしょう。
利用者さんには、楽しく美味しく、がっつりと胃袋を満たしていただく!
そのために先述の時間の個別化も進めるわけですけども…。
他にもいろいろな工夫があります。
『 お昼の食事ですよ~♪ 』
この一言で顔が青褪める利用者さん…もおられます。
たくさん食べることを強要される組の方ですよね。
食事がつらい方もおられるものです。
逆流性食道炎が顕著な方は逆流の苦しみとの闘いになります。
COPDの方は重篤であるほど飲み込みの一瞬の呼吸停止に疲労を感じます。
全体に呼びかける声かけのあり方も難しいものですよね。
昔は介護者さんによって同じ利用者さんでも摂取量が違う…。
介護技術の優劣を測ったような時代もあったものです。
でも、あえて全量摂取は無意味であると断言しましょう。
1日の総トータルカロリーの数値が独り歩きしますけども…。
差し入れのクッキーなどお菓子を食べたら、軽く超えますからね…。
技術的に強制的な嚥下をさせたところで晩に腸閉塞を引き起こしたら、誰が責任をとるのですか?
そういう問題に繋がってしまいます。
水分や食事をしっかり摂って元気に過ごしていただきたい!
介助者の共通した願いでもありますよね。
先述の時間に個別性を盛り込み十分なアセスメントをまず行います。
次に胃腸の全体的な空間を十分に作ることが出来ましたら、次は個別ケアです。
摂取量を見込むなら、食事をお弁当に設えまして、屋上か庭でマンツーマン介助をしてみますと、気分が晴れやかになり、摂取量が飛躍的に伸びることがあります。
ピクニック効果ですね。
もちろん、天候や風などに左右されますし、他にも緊急事態などでパーになるリスクもありますからね。
でもきっと、この方法が自然な食事量の目安になると思います。
日本人のDNAに刻まれた慣習を活用してみてはいかがでしょう?
・木製のお箸とスプーンを使う。
洗ったり、雑菌の都合だったり、長期間の活用を目指して、プラスチックや金属性を用いませんか?
戦後まで、木が主流ですからね…。
一番、しっくりくる道具は木で、口当たりに影響しますよね。
・三角食べをする。
和食の作法に混ぜるという作法はありません。
1つずつの食器を辿りながら、全部が最後に無くなるというのが作法の1つ。
いろいろな味を混ぜて1口に入れるのではなくて、1口ずつ、別のものが口に入るようにしましょう。
・ふりかけの醍醐味
ふりかけも日本の文化の1つ。
いろいろなふりかけがありますよね。
人気ふりかけ調査アンケート~♪
…を開催しまして、お食事に添えてみてはどうでしょう?
おすすめは紫蘇のふりかけです♪
理由は栄養価が高いことと独特の得難い風味ですね。
お食事編いかがでしたか?
マニュアルや工夫など、主に環境設定のお話でしたね。
お食事編と言いつつ、具体的な食べさせる介助方法を書いていないことに、今の今、気づいた次第です…。
食事形態や一匙の妙味といった食べる行為そのものについては…。
また次の機会のまとめ記事に回しますね(*^▽^*)