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介護の世界では離職者が多くて人材不足だとよく話題になりますよね。
在宅介護のケアマネ―ジャーをしていますと、あちこちの施設を覗かせていただく機会に恵まれます。
客観的に気づいた事柄もありますし、具体的に突撃取材してみて気づくこともありますし…。
今日はその辺りを話題に記事にしてみました(*^▽^*)
国や市町村で出る統計やらはさて置き…。
置いちゃダメな世界もありますが、遠くの景色よりも身近な景色を大切にしましょう。
経営責任の部分、意外にも大きいです。
介護報酬の点数が下がったからとか、地域における平均給与がこれだから…など適当な理由をつけて職員給与を下げていませんか?
頑張る労働者からすれば納得がいかないところです。
さて、収入面では基本給・資格手当・夜勤手当・休日手当が一般的。
給与から引かれる面は社会保険料、所得手当、食事代、職員交流会費、退職金手当。
他にも類似や多少の違いでいろいろと設定されていることでしょう。
人員配置基準というものがありますが、人材不足で人がいない…。
入居者さんは満床…。
こんな特別養護老人ホーム…珍しくないですよね?
職員さんは人員基準を満たした施設よりも数倍、お仕事をこなすことになります。
夜勤回数が増えたり、1日の介護量も多く、残業も重ねて…。
給料はどうですか?
2人分働いても倍にはなりませんよね?
こうした1人前のお仕事の量に対する給与報酬と余剰分の成果に対する報酬を誤魔化さずに手当として支給すること。
ここをあらゆる方法を用いて、削減して経営の懐に入れてしまう…なんてことをしていますと離職者の波は止まりません。
例えば退職金制度、1つですか?
いやぁ、やはり3つ程度はかけていきましょう。
掛け金は会社2、個人1の割合負担がベストです。
介護施設で働きますと多くの高齢者さんが無年金で子どもさんを頼る様子も見てきますし、働け亡くなった時の自身の生活を意識してしまうものです。
『全力で働いてください!』言葉で言うのは簡単。
でも退職金制度を手厚く行うことで『あなたの人生は会社が保障する!』
そう語ることが出来ます。
これ…至極当然のようですけど、経営者さんによっては数字だけを見て、使い潰しに思う人って多いものなのです。
だって年々、労働者賃金は昇給しますでしょう?
定年まで昇給し続けたら、数字で圧迫するじゃないですか…。
だから上がり過ぎる前、3年程度で新人さんと入れ替わっていただきたい…。
もちろん、このような施設は質が上がらず、慢性的な人材不足になることは間違いありません。
常の人事で経営陣にすり寄る人材は昇格させないようにします。
苦言でも公益になる意見を採用できる社風を培いましょう。
そのため、身内であれば出世がないことを予め説明して一般職員として労働いただくようにしましょう。
この辺りを徹底しないと会社の基盤は定まらず、発展することはありません。
経営が悪い…経営者が悪いというのが1章の眼目でしたね。
次は現場の課題。
人数が少なくなってしまいますと、1人1人の能力の底上げに目が向きます。
徹底したマニュアル化、運動量の増加、接遇のロボット化です。
適当な方が適当にマニュアルを進めますと、適当なマニュアルしかできません。
行きつく先は縦割り・横無し・バラバラに乱立するマニュアルです。
そもそもマニュアルは大切な事柄が抜け落ちたり、失敗しないように作る物ですが、それに捉われてしまうとケースバイケース・臨機応変といった行動が出来なくなります。
□ マニュアルを理解していない!
□ 失敗したじゃないか!
□ 減給だ!
□ 事故報告書だ!
□ ヒヤリハットだ!
こうしてまた新たなマニュアルが出来る…。
多すぎる記録やマニュアル、新入社員はもちろん把握できませんよね?
さらに多年に渡り勤務する職員は次々と枝葉は軽く忘れていきます…。
マニュアルは丁寧に改訂して整備する。
数を増やすのではなく中身・大事なことを整理して理解しやすくすることが大切です。
悪循環に陥った環境下では労働者の時間が伸び伸びになっていくことはもちろんですが、1人辺りにかかる運動量も大きくなりがちです。
1日24時間、1年365日の限られた時間です。
お仕事の量が多ければ、介護業界で働こうという純粋な心根の方々です。
きっとお仕事が目の前にあると無理をしてでもクリアしようとするでしょう。
体を壊す、心を病んでしまう…これは企業体質が産むものであることを自覚しましょう。
趣味や外出など職員の私生活を取り上げる会社の仕組みに至った場合、もはや末期の悪循環をおこしていると言えます。
1人の人が出来る運動量は限界があります。
その人を潰す前に、もう1人の別の方が育つように雇用して支えるようにしましょう。
人が必要不必要という尺度ではなくて業務の必要不必要の尺度を見直しましょう。
例えばですけど、
特別養護老人ホームがあったとしましょう。
特養の施設の看板、地域での顔、地域催しへの参加。
人数不足でこのレベルを徹底しますと事故の原因になりがちですよね。
職員の準備から実施、後片付けまで含めますと日常の介護が難しくもなってしまいます。
十分な人員が揃うまでは停止することも大事でしょう。
もちろん労働環境、現場の中身でしょう。
支援の対象となる高齢者さんは本当に快適に、終の住み家と呼ばれる特養で過ごせているのだろうか…。
お食事の直後、食べこぼしや介助の失敗で衣類が汚染したままになっているとか…。
排泄介助後の臭気が室内に充満しているとか…。
お風呂の介助待ちの裸の高齢者さんが並んでいるとか…。
想像するにいびつな現実がありませんか?
経験不足、知識不足なスタッフで占める施設で起こりがちな現象です。
もちろん、経営者は算盤しか見ませんので気づきもしないかも…です。
利用される高齢者さんを機軸に見直しを徹底していきましょう。
誰もが同じ言葉をしゃべり、介護をする…。
介護ロボットの登場が期待されています。
でも、これは介護をする際の重労働部分を軽減する向きのものです。
ロボットに目を捉われて、現実に、高齢者さんの接遇に向けて、話し方マニュアルなんぞを作ったりしちゃっていませんか?
おはようございます、こんにちは、こんばんは
朝10時までは朝バージョン、16時以降は夜バージョン…。
お疲れ様でした…。
高齢者さんの介護をして疲れた?高齢者さんに失礼だろう…。
お疲れ様の挨拶交流は禁止…。
通り一辺倒の挨拶ですらマニュアル化できますよね。
でも…まったく意味がない。
それどころか悪循環につながるので廃止するようにしましょう。
なぜ?
もちろん、生身の人間がロボット的に扱われる…個性を廃止しろと命令されているようなものです。
またこれを強要します経営陣は必ず見捨てられます。
だって1人1人の個性と向き合うことを放棄したことを宣言するようなものですからね。
1章2章は、とても固い内容でしたよね…。
3章はどこの施設でも簡単に取り入れて効果的に好循環を産み出すポイントをご紹介します。
介護って高齢者さんや障害者の方に提供しますでしょう?
対象となる彼らの笑顔や満足を引き出せた時って、介護職は嬉しさと楽しさを感じます。
これを1人の対象者さんにつき、1日1個、出来事を明確に文章化していきます。
やる気・充実感・達成の部分を明文化するわけです。
振り返っても楽しい記録の出来上がりですよね。
笑いや満足に満ちた施設が充実しないはずがありませんからね。
厨房さんにもご協力いただいて、職員の食事を一定コストで用意するようにしましょう。
高齢者さんと職員も一緒に食事を楽しむわけです。
介助ばかりして、味を知らずに提供していませんか?
トロミ剤やミキサー食のその日の味は?
提供される食事の熱い冷たいはいかがでしょう?
塩味甘さ加減はどんなものか?
一緒に食事をしながら、介助を提供しますとこの辺りの話題を共有しながら出来ますので食事の時間が華やいできます。
たくさんお話をして、高齢者さんの嚥下能力も向上いただけるかもしれませんよね。
機械化を進めるのであれば、施設内の居室や詰所など全館の通風システムがおすすめです。
排泄臭の刷新が思いつかれるところですが、意外にも利点は他にもあります。
インフルエンザ・ノロウイルス・風邪の蔓延防止になりますよね。
さらにカビ・ダニ・ノミ対策にもなります。
寒い時期に全館窓を開け放つ…暑い時期に熱風を取り込む…このような苦痛も軽減されますよね。
今回は自動販売機を替えてみましょう。
一般的にはペットボトルで160円くらいの自販機の値段ですよね。
これを1コイン100円で提供して数台設置する喫茶コーナーを作ってみてはいかがでしょう?
儲けにならない?
いえいえ、十分な儲けになります。
数が出ますから…。
3枚払うのが1枚で済む利便性と一般価格より安い設定と品揃えの数々で売れます。
こうして、ご家族の面会を呼び込み、リラックス空間を充実することで、高齢者さんもご家族も寛いで過ごせて喜んでいただけますよね(*^▽^*)
じつは施設改革の手法はいろいろと手段があるものです。
取り入れて実践するしないのレベルです。
構図を理解して進めない経営陣が悪いか、理解を伝えて現場を波に乗せるのがヘタかのいずれかです…。
介護の職員さん…崇高な志を忘れずに頑張ってくださいね。
働き甲斐があり、全職員が一丸となってどんどん進歩する職場以外は淘汰されてしまう時代に、もう少しというところです。
明るい笑顔に満ちた職場であれば、あとはちょっとした知恵と工夫だけです。
1日にして成らず…。
日々の積み重ねが大事です。
はぃ…私も今日も1日頑張ります(*^▽^*)