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介護支援専門員時代…。
一度は必ず巡り合うパーキンソン病患者さん。
パーキンソン病は難病です。
年々、新薬が開発されたり、学術研究が発表されるなど朗報も多いのですが…。
全員が一気に治癒するわけもなく…。
今回はパーキンソン病の特性から介護をどう対応していくべきなのかについてまとめ記事を作成してみました。
これが正解というわけでもなく、個人差もありますので、日々の工夫対応が正しいという結論でもありますけどね(*^▽^*)
パーキンソン病は脳内で分泌されるドーパミンが不足することで症状が現れます。
じっとしている時の手先足先の震え。
筋肉の強張り…固縮ですね。
動作が遅くなる無動。
バランスをとれなくなる姿勢反射障害。
このうち、2つ以上に当てはまるようであればパーキンソン病が疑われます。
精密検査で確定するのですが、この段階では疑いで、パーキンソン病症候群と呼ばれます。
実際にはドーパミンが脳内で分泌されているかどうかの検査になりますので、費用もかかります。
高齢者に多いのは、単純な老化現象と境界線を引きにくいからですね。
□ 農作業で丸まった背骨で不安定な歩行…。
□ バランスが取りずらそう…。
□ 長年のアルコール摂取などで手先が震えている…。
□ 字を書こうとすると手先が震えている…。
これらは高齢者によくある症状でもあります。
パーキンソン病症候群の段階で、医師からはお薬を処方されるケースも多いです。
お薬が効いている間は症状が消え、お薬の効果が切れるとたちまち症状がぶり返す。
一人で散歩に出掛けられていた人がベッドで寝たきりの状態にまで変化することがあります。
これをON-OFF現象といいます。
1日に5回も7回も…。
3時間~4時間おきにお薬を内服して、何度も訪れるON-OFF現象。
お薬は間隔を空けて内服することでOFF時間をゼロにすることを目標にしていますが、なかなかゼロにならないんですよね。
朝の3時や5時の時間に寝ているところを起きて内服することもあるんです。
それでも来るOFF時間。
そして強いお薬には副作用があります。
幻覚、幻聴、幻視が起こりやすくなるのです。
※患者さんは理解されていることが多く、現実と区別しながら状況を説明してくれたりもします。
ともあれ…この状態が続くと何が起こるのか?
まず、心理的に病んでしまいますよね。
だって自立されている方がOFF現象でトイレ1つ自立できなくなるんです。
介護を受ければ羞恥心も、自分で出来るという思いがあるだけに強いものになりますよね。
お食事もお風呂も、ON-OFF現象のために見守りや手伝いが必要になる。
助けていただく有り難さと自身の不甲斐なさに悩まれて、心理的に病まれていくのです。
介護を受ける方の羞恥心などのお気持ちに十分な配慮することが、大切ですよね。
これは一般的な介護を受ける方、全員に向けて丁寧に対応すべきことと共通する部分です。
さてパーキンソン病を抱える患者さんに特に介護をする上で対応すべきことは何だと思いますか?
いろいろとありますけど、ON-OFF現象の移行時間などベッドに向かわれることも多く、ベッド回りの環境は事故がないように手配することが大事ですよね。
そしてお風呂やお食事、おトイレなどの環境も、扱いやすい環境を整えます。
全般の環境整備が整いましたら、
□ 食事…1日の食べ物、水分量も記録します。
□ 運動…意図して行った運動から労働的な疲労を伴うものまで記録します。
□ 排泄…回数と共に感覚や量も記載します。
□ 睡眠…何時間ほど眠れたのかなど時計を見て記録しましょう。
□ 温度…年中の温度も影響します。室温を計測します。外出向きが多ければ外気温も記録します。
□ 湿度…温度と共に判断指標になります。
など、日常の事柄を細かく記録できるように整えることが大事です。
何をどのくらい食べて、運動をして、体を休めることが出来ているのか?
この記録は主治医に向けて提出するものです。
□ 十分な休息が取れていなければ体が弱る。
□ 栄養が摂れなければ体が弱る。
□ 運動が出来ていなくても弱る。逆にやり過ぎても症状が悪化することもある。
全てが連動するので、お薬の匙加減だけではないのです。
日常をこまめに記録することで、主治医の判断材料を豊かにすることができます。
結果として、早期に症状を安定化させていく道が見えてくることになります(*^▽^*)
今回の手法は、明るく前向きに治療に臨めるうちに行うことが望ましいです。
記録することは、すごく手間ですけども、丁寧に行うことが早期安定化の道になりますよね。
パーキンソン病の方に対する介護計画は、要介護5の寝たきりの方用のテンプレートから軽度者用のテンプレートのいずれも当てはまりますよね。
つまりテンプレートなど固定的な発想や考えでは、ダメという証拠です。
適切に利用者さんに向き合い、丁寧に聞き取りをせねばなりませんね。
似たパーキンソン病の方がおられたから…そんな過去の経験則も合致しません。
丁寧に一括りにせず、1対1でとことん臨む先に、パーキンソン病を抱える利用者さんの安定が見えてくるのです(*^▽^*)