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3月は卒業シーズンですよね。
介護保険を利用されている高齢者さんの世界でも卒業という言葉が予防給付の中でしばしば活用されています。
お元気になって介護保険を卒業するという発想です。
正直、絵に描いた餅ですよね。
今日はその辺りの話題とレクリエーションに『 卒業 』を組み込んでみようという企画記事です。
高齢者さんも、
□ 子どもの頃に〇〇小学校を卒業!
□ 私は大学まで卒業したのよ…。
などなど、みなさんそれぞれの経歴をお持ちですので、卒業や卒業式に関するイメージはお持ちです。
ですから、テーマに卒業を銘打つことで、卒業のイメージは固まりやすく導入することは、それほど難しいことではありません。
では、現代の高齢者福祉の世界で実質として、介護保険を卒業されるということはどういうパターンを示すことが多いかと言いますと…。
□ お亡くなりになる。
□ お子さん宅へ同居のため転居される。
□ 長期入所施設などへの入居が決まる。
□ 興味関心が無くなり不要となったのでサービスを利用しない。
介護保険の利用目的を達成したので不要となったという本来の輝かしいイメージの卒業は1割未満であり、ほとんどが上記のような…いまいちパッとしない理由での卒業になっています。
高齢者さんのレクリエーションに卒業というテーマを当てはめて企画してみましょう。
卒業式を企画する。
□ 利用者さん一同入場
□ 卒業者さん入場
□ 施設長挨拶
□ 卒業の歌その1
□ 卒業証書授与
□ 記念品贈呈
□ 来賓挨拶
□ 卒業の歌その2
□ 理事長挨拶&花束贈呈&記念品授与
□ 卒業者さん退場
…本格的ですよね。
ここまで企画しますと高齢者さんのとっても深い思い出の1つになりますよね。
企画書の中身を以下でご紹介です。
歌は春らしい歌から童謡を選択することも良いですし、今昔の流行歌から選択しても良いでしょう。
朝の始まりの会や夕方の終わりの会などで練習する時間を挟むことで発声練習、嚥下訓練にもなると共に当日に向けた意識付けや高揚につながります。
例では2曲ですが、3曲を設定して、卒業者さんグループの人数が多いようであれば卒業者からの歌として披露いただいても宜しいかと思います。
卒業証書は筒を用意することと証書そのものは印字でシンプルな物を用意した方が良いでしょう。
はぃ、ここは本格的で厳かであるほど、高齢者さんのイメージとかぶるので良い効果になります。
こだわりを持つなら、紙質を上級品に替えるくらいでしょう。
これは職員で用意しましょう。
パソコン処理が基本ですから、テンプレートがあれば使い回し出来ますのでテンプレートを丁寧に作り込みましょう。
次に記念品。
残留を決められた高齢者さんからの個別メッセージカードや全体での色紙をカラフルに作成して贈ることもレクリエーションになります。
卒園者さんのこれまでの写真の中からメッセージカードと合わせてアルバムにして贈ることも良いでしょう。
全般的な留意点ですけども、施設長や理事長、来賓などの人と花束が登場して非日常性を醸し出すところが、レクリエーションで式典系を選択する眼目になります。
外部来賓については市議会議員さんに数か月前に丁寧なお便りを出して見られるとどなたかが賛同いただけます。
ただ式典そのものはビシッと決めませんと恰好が悪くなりますのでご注意くださいね。
式典と言いましても1時間もかからない程度のものですから、参加いただける確率が高いとも言えます。
さらにご招待すべき来賓として市町村の介護保険関連の課よりどなたか1名の列席を依頼します。
卒業者を産み出す高クオリティーの施設であることを証明するという見方もありますが、スタンスとしては介護保険、市町村職員さんの支援があって卒業出来たことに他ならず、出会いも制度としてあったからこそ、成り得たと言えるでしょう?
ここまでご紹介してきた人々は忙しい公務の方ですので頼めばOK確実というわけでもなく、大勢からの選択になります。
工夫としては、必ず式典プログラムを作り、予めお渡しするなど招待客おもてなしも丁寧に考えておく必要があります。
そうした意味で必ず参加していただきたい方もご紹介しておきますね。
□ 自治会会長さんもしくは副会長さん
□ 老人会会長もしくは役員さん
□ 婦人会会長もしくは役員さん
□ 卒業者さんのお身内、縁戚、お隣さん
この方々は卒園者さんの身近な関わりの方々になります。
施設を卒業されたとしましても、縁の切れない方々です。
施設から地域へ以後、『 卒園者さんのサポートをよろしくお願いします 』 という引き継の儀式を兼ねるわけです。
卒園者さんにしてみれば心強くありますし、地域との絆を深める重要な卒業式になるわけですね。
敵は本能寺にあり!…とは申しませんが…。
施設は利用していただいて利用料を支払っていただくことで経営が成り立ちます。
卒業を積極的に働きかけて達成しまくりますと、定員の枠から見えてしまう最大利益に到達できないわけでして…。
空床や空席が目立つと経営者さんは営業して来い!効率化を図れ!というお達しを出さなきゃいけなくなるわけで…。
あ、経営者さん、営業を強要すること自体が、そもそもの違法行為ですのでご注意くださいね。
と、そのような抵抗もありますし…。
あとは利用者さんの意識そのものも抵抗の原資になることがあります。
デイサービスなんかですと、
□ デイサービスでお友だちがいるので…。
□ 近所にお友だちがいないので…。
と、友だち交流の場として介護保険を活用し続けるわけですね。
10分の1価格で、配慮がある介護施設は高齢者さんの憩いの場…。
価格据え置きでも、お金を払って得る効果として地域コミュニティーではなくて施設ではちょっと…限定的で寂しいですよね。
これも悲しい現実と言えるでしょう?
フィットネスジムだったり、民間プールだったり一般の施設では環境設備や人材が優しくなかったり、料金が公費が含まれないので高くなってしまうという発想です。
ですが、フィットネスジムであればデイサービスのインストラクターよりも専門のスタッフと機材があるでしょう?
プールにしても広くて流れて、より高度な水泳が楽しめます。
こうした、より一般社会人としてクオリティーの高い事業への移行を実現できますと利用者さんにとっては、お金はかかりますが高度な舞台で活動でき、より高い質が担保できることを意味します。
お金ではなくて物の価値と時間の大切さを学ぶことが大切かもしれませんね(*^▽^*)
実質、卒業は絵に描いた餅。
加齢での自然な低下を抑制して活動を担保して積極的にその方らしく生きていただく。
病気にならないように、体力が低下しないように予防線を張る。
それでも、いずれは低下が来てしまいますし、病気になってしまうこともあります。
卒業が一時のことで、入学式も数か月後に登場してしまう事態もあるかもしれませんね。
ただ卒業式をレクリエーションに導入しますと盛大なものほど、開催が限られ年に1回くらいになってしまいます。
そこを目指して日々を生き抜く活力の1つに、モチベーションの向上になるかもしれません。
レクリエーションで活力を得る機会というのはいろいろなパターンでたくさんあるほど利用者さんにとって活力を産み出す原動力になりますよね。
是非、派手な導入を実践してみてくださいね(*^▽^*)