介護経営の未来は入学式で決まる!?~施設が『学び舎』になる日~
目次
はじめに…入学式って何でい!~でも経営の地図が見えてくる話~
「介護の経営の話なのに、入学式って……学校じゃないんだから!」
はい、そのツッコミ、正しいです。正しいのですが……敢えて言います。だからこそ“入学式”なんです。
介護の事業って、真面目にやればやるほど、予定が読み難いところがあります。ご本人やご家族の事情、体調の波、地域の流れ、紹介の順番。きちんと準備していても「明日から急に人数が増える」もあれば「今月は静かだなぁ……」もある。経営者としては、胃がキリキリして当然です。胃薬に入学式の招待状を同封したくなるくらいです。
そこで登場するのが「入学式」という発想。これは新入社員の式ではありません。利用者さんとご家族に向けて、「この日から、ここで新しい生活の練習を始めましょう」と宣言する“スタートの儀式”です。言い替えるなら、事業の未来をフワっとした願望ではなく、ちゃんとカレンダーに乗せるための仕掛け。日付が決まると、人は動きやすくなります。見学や体験、面談、準備も“筋道”が出来て、施設側も利用する側も迷子になり難いんですね。
しかも、入学式は施設の中だけで完結しません。地域の人が「ちょっと覗いてみようかな」と来やすくなり、スタッフも「ただ受け入れる」から「迎えにいく」姿勢に変わっていきます。介護は閉じた世界になりやすいと言われがちですが、入学式はその扉を、礼儀正しく、でも賑やかに開ける鍵になり得ます。
この記事では、まず「将来性のある成功ビジョン」をどう描くかを整理し、その上で、強い存在がいる地域でどう戦わずに前へ進むか、そして入学式をどう仕組みに落とし込むかを、笑いも混ぜつつ現実的に組み立てていきます。最後には、学習・洗濯・運動など“併設”のアイデアも出しますが、ここだけは大事なので先にひとこと。楽しい仕掛けほど、ルール確認は命です。守るべき線を守った上で、堂々と面白いことをやる。これが長く勝つコツです。
さあ、入学式の鐘を鳴らしましょう。校長先生の挨拶は……安心してください、短め。次の章から本題です。
[広告]第1章…『成功の絵』がぼんやりする理由~介護経営の将来像を言語化~
介護の経営で一番厄介なのは、「頑張れば、頑張っただけ先が見える」と思い込みやすいところです。世の中の多くの商売は、努力と工夫がそのまま売上や評判に繋がりやすい。ところが介護は、努力だけで一直線に上がり難い。まるで“階段”だと思って踏み出したら、途中から“ぬかるみ”に変わっている感じです。踏ん張ってるのに、靴が片方だけ残るやつです。あれ、地味に心が折れます。
では、介護の経営者が「将来性のある成功ビジョン」を持つって、具体的に何を指すのでしょう。大事なのは、夢を語ること自体ではなく、夢の中身を言葉にして“人に伝わる形”にすることです。何故なら介護の現場は、経営者1人の意思だけで走り切れないから。職員、ご利用者、ご家族、地域、関係機関。登場人物が多い分、目指す方向が曖昧だと、全員が別々の地図を持って歩き始めます。これ、遭難の典型です。施設内で遭難すると、何故か一番最初に無くなるのはボールペンです。次に無くなるのは余裕です。
成功ビジョンが「お金持ち」だけだと迷子になりやすい
もちろん、事業として成り立たせる以上、数字は大切です。ですが「市町村の長者番付に載る!」「お金持ちになる!」が前面に出過ぎると、介護の世界では逆に動きづらくなります。理由は単純で、介護は“信頼の事業”だからです。ご利用者やご家族は、商品を買うというより、生活の一部を預ける気持ちで事業所を選びます。信頼が主食で、安心が味噌汁で、説明責任がおかずです。ここで「うちは儲けまくります!」と叫んでも、拍手より先に静寂が来ます。あれ、1つだけ鐘が鳴った?みたいな空気になります。
だからこそ、成功ビジョンの中心には「地域でどう役に立ち、どんな価値を積み上げるか」を置く方が強い。結果として数字がついてくる設計にする。言い方を替えるなら、「儲けるために介護をやる」ではなく、「介護で価値を作り、その対価として事業が安定する」。この順番が、長持ちします。
「事業計画通りに進めば成功」…が危うい理由
もう1つ、ビジョンをぼんやりさせる落とし穴があります。それは、事業計画を“未来の保証書”だと思ってしまうことです。計画は大事です。でも計画は、あくまで予測です。介護の現場は予測を裏切るポイントが多い。台風だけじゃありません。感染症、制度の運用の変化、人材の流れ、地域の紹介の偏り、ご家族の意思決定のタイミング。小さな波が重なると、予測の線は、たこ糸くらい簡単に切ってしまいます。
特に新規参入の方ほど「よし、階段を一段ずつ上がろう」と思います。でも、その階段の踊り場には、既に強いプレイヤーが座ってお茶を飲んでいることがある。しかもそのお茶、地域の人が差し入れたやつです。これは努力不足ではなく、構造の問題です。
介護の将来像は「3つの言葉」に落とすと強くなる
では、将来像をどう言語化すれば良いのか。ここでおすすめしたいのは、難しい専門用語ではなく、誰でも分かる“3つの言葉”に落とすことです。長いスローガンより、短い言葉の方が現場で生き残ります。
例えば、「誰を元気にするのか」「何で元気にするのか」「元気になった先に何があるのか」。この3つです。ここが決まると、経営判断がブレ難くなります。設備投資、採用、研修、地域への発信、連携先との付き合い方。全部がこの3つに照らして決められるようになります。逆にここが曖昧だと、良さそうな話が来るたびに方針が揺れます。揺れると現場が疲れます。疲れると離職が増えます。増えるとさらに揺れます。はい、負のループ完成です。おめでとうございます、にはなりませんよね。
そして結論~介護経営の成功ビジョンは「体験の物語」で語る~
最後に、1章の結論です。介護経営の将来性は、「理念」だけでも「数字」だけでも弱いです。強いのは“体験の物語”です。ご利用者がどんな気持ちで通い、どんな時間を過ごし、どう変化して、ご家族が何に安心し、職員がどんな誇りを持てるのか。これを一枚の絵のように語れること。これが、周りの人を動かすビジョンになります。
そして、この「体験の物語」を、みんなが同じタイミングで共有できる仕掛けがあったら強いですよね。そうです。ここで、あの突飛に見える“入学式”が効いてきます。
次の章では、地域の強い存在との関係をどう設計するか、「勝つ・避ける・仲良くする」を現実路線で整理しつつ、入学式に繋がる道筋を作っていきます。ここからが、経営者の腕の見せどころです。腕まくりは不要です。袖が汚れますので。気持ちだけまくっていきましょう。
第2章…既得権益と三つ巴~勝つ・避ける・仲良くするの現実戦略~
介護の経営を始めようとすると、まず見えてくるのが「既に強い人たちがいる」という現実です。地域には地域の流れがあり、顔の見える関係があり、紹介の道筋があり、何なら「電話したらすぐ出るところが正義」みたいな空気もある。ここに新しく飛び込むと、いきなり“アウェー戦”になりやすいんですね。野球ならまだ声援で耐えられますが、介護経営は声援より書類が飛んできます。しかも速球です。
だからこそ第2章では、理想論ではなく現実戦略として「勝つ」「避ける(弱い所を突く)」「仲良くする(調和する)」の3つを、ちゃんと地に足つけて整理します。大事なのは、どれか1つに偏らず、時期や地域の性格によって配合を変えることです。料理と同じで、塩だけでも砂糖だけでも食べられません。バランスです。
勝つ~同じ土俵で勝負しながら上に『もう1枚』重ね着する~
「勝つ」と言うと物騒ですが、ここで言う勝ちは“戦って潰す”ではありません。「安心して任せられる」と思われる土台を作り、そこに自分たちならではの価値を上乗せしていく、という意味です。
現実として、介護保険の基本業務は枠が決まっています。ここを雑にすると、どんなに面白い企画をやっても信頼が積み上がらない。まずは型通りに、きちんと、丁寧に。これは地味ですが、地味な強さは裏切りません。地味は最強です。派手に転ぶと目立ちますが、地味に積むと静かに強い。介護は後者が勝ち残りやすい世界です。
その上で「上にもう1枚」。ここがポイントです。既存の大きい事業者がやりにくい領域、やっても利益になりにくい領域、やると手間が増える領域に、敢えて価値を置く。例えば“生活の困りごとが減る仕組み”や、“家族の不安が軽くなる説明の丁寧さ”や、“職員が誇りを持てる専門性”。こういうものは、チラシの一言より、体験の積み重ねで効いてきます。
そしてここで地味に効くのが「見える化」です。口で言うだけの良さは、風が吹くと飛びます。でも、誰が見ても分かる形にすると、紹介する側も安心する。紹介は“責任”を伴うので、「あそこなら大丈夫」と言える材料があるほど強いんです。
避ける~強い場所を正面突破しないで薄い場所を丁寧に拾う~
次は「避ける」。これは逃げではありません。戦う場所を選ぶという意味です。
地域には、強いところが強くない領域が必ずあります。例えば、制度上は同じサービスでも、実際には対応しづらい層や時間帯、連携の細かさが必要なケース、本人・家族への説明が長くなるケースなどです。大きい組織ほど、標準化が強みになりますが、標準化が強いと“例外”が苦手になりやすい。そこに、小回りの利く事業者が入る余地が生まれます。
ただし注意点があります。「薄い場所」を狙う時に、尖り過ぎると地域から浮きます。浮くと、良いことをしていても誤解されます。誤解されると、噂が先に歩きます。噂は歩くのが速い。職員の歩行訓練より速い。なので、やることは攻めでも、見せ方は礼儀正しく、説明は丁寧に、連携先への共有はこまめに。これが“避けて勝つ”コツです。
それからもう1つ。介護の世界には「卒業」という言葉が出てきますが、現実はそんなに単純じゃありません。状態は変動しますし、課題は連鎖します。だからこそ、利用者さんをただ増やすのではなく「どう元気でいてもらうか」「どう生活の困りごとを減らすか」を設計できた事業者は強い。これは規模に関係なく勝ち筋になります。
仲良くする~調和は“媚び”ではなくて地域の交通整理である~
最後が「仲良くする」です。これも誤解されやすいのですが、媚びることではありません。地域の流れを理解し、摩擦を減らし、連携の交通整理をすることです。介護は、1事業所だけで完結しません。医療、行政、支援機関、家族、地域の目。全部と繋がっています。ここを雑に扱うと、やる気があるほど空回りします。
調和の基本は、「相手の得を作る」ことです。紹介する側が安心する材料を提供する。連携先の負担が減る形で情報を渡す。問い合わせに対して返事を早くする。難しいことは言わず、必要なことを必要な順で共有する。これだけで、信頼はじわじわ育ちます。派手な宣言より、地味な約束の積み重ね。ここでも地味が勝ちます。
ただ、調和にも落とし穴があります。周りに合わせ過ぎて、自分の色が消えることです。色が消えると選ばれる理由が弱くなる。だから「調和しながら、芯は曲げない」。第1章で言語化した将来像に照らして、やらないことも決める。これが経営者の大事な仕事です。
3つを混ぜる時の合言葉は『斜め45度』
ここまでの3つは、全部やろうとすると混乱します。そこで合言葉を置きます。「斜め45度」です。上だけ見ても足元で躓く。足元だけ見ても前に進まない。ちょうど良い角度で、現場の足元と未来の方向を同時に見る。その感覚が、介護経営には必要です。
そして、この「斜め45度」で未来を見ながら、現場の動きを整理し、地域との関係も整えていくための“儀式”があると強い。はい、ここでようやく次章の主役が登場します。
次の章では、この三つ巴の戦略を、1年の中の具体的な動きに落とし込む方法として「入学式」を扱います。式といっても堅苦しくはしません。ちょっとワクワクして、ちゃんと安心できて、気づけば席が埋まっている。そんな設計の話を、現実的に組み立てていきましょう。
第3章…『入学式』で先に席を埋める~事前面談➡見学➡スタートの型~
ここからが、今回の主役「入学式」です。介護の世界で入学式と言うと、「いやいや学校じゃないし、ランドセルも置いてないし!」とツッコミが入ります。はい、ランドセルは無くて大丈夫です。代わりに必要なのは“安心して通い始められる日”を、こちらが先に用意してあげることなんですね。
介護サービスのスタートは、どうしても人それぞれの事情でバラバラになりがちです。ご本人の体調、ご家族の仕事、病院の予定、ケアマネさんとの調整。気づけば「始まったけど、まだ慣れてない」「説明したけど、家族の不安が残っている」という状態になりやすい。これは利用する側にも、受け入れる側にも、じわじわ負担になります。つまり、スタートが“フワっ”としている。
そこで入学式です。入学式の正体は「全員の気持ちと手続きを、同じ方向に揃える日」です。たったそれだけ?と思うかもしれませんが、たったそれだけが、めちゃくちゃ強い。何故なら“日付”は、人を動かす最強の道具だからです。目標は曖昧だと逃げますが、日付は逃げません。カレンダーは裏切らない。裏切るのは大体、こちらの胃です。
入学式は『儀式』ではなく『流れ作り』である
入学式と聞くと、式典や挨拶を想像しますよね。でも、ここで大切なのは式のカタチより、その前後にある流れです。例えば、入学式を年に1回か2回に設定するとします。すると逆算が始まります。
「3か月前から、相談や問い合わせを受け付けます。2か月前には個別面談と見学を進めます。1か月前には必要な説明と契約の準備を整えます。そして当日から、安心して通い始める。」こういう“筋道”が、施設側にも利用者側にも生まれます。スタートの時点で「初回なのに情報が足りない」「誰が何をいつ説明したっけ?」が減る。つまり、現場が落ち着くんですね。
落ち着くと何が起きるか。職員さんの笑顔が増えます。笑顔が増えると、場の空気が良くなる。空気が良いと、初めての方が安心する。安心すると、通うハードルが下がる。下がると、次の相談が生まれる。はい、こうして“良い循環”が回り出します。介護の現場で一番強いのは、結局、空気です。空気は見えないけど、全員が感じています。
『先に席を用意する』という考え方が経営を助ける
入学式のすごいところは、始まる前に“見えるもの”が増えることです。バラバラに始める形だと、来月の人数は最後まで読みづらい。でも入学式があると、「この日に何人がスタートする予定か」が比較的見えやすくなる。経営者としては、ここが大きい。
もちろん、途中で事情が変わる方もいます。それでも「いつまでに」「何を」「どこまで整えるか」が明確だと、ブレが小さくなる。人員配置も準備も、心の準備も、全部がしやすくなる。経営って結局、未来の不安を小さくしていく仕事ですから、入学式はその道具として相性が良いんです。
そしてもう1つ、入学式には“見学や体験の入口”としての力があります。「入学式があります」と言うだけで、雰囲気が柔らかくなるんですね。「施設の利用を決める」という重たい言葉より、「入学の前に見学してみませんか」の方が、言いやすいし来やすい。ここが地味に、でも確実に効きます。
入学式当日は『安心の説明会』と『小さな成功体験』を仕込む
当日の中身は、派手にする必要はありません。むしろ“落ち着いて、わかりやすく、温かい”が正義です。例えば、最初に「今日から何が始まるのか」「困ったら誰に言えば良いのか」「家では何を気にすると楽になるのか」を、短く丁寧に共有する。これだけで、ご家族の表情が変わります。
そして、もう1つだけ入れて欲しいのが“小さな成功体験”です。大きな目標ではなく、今日その場で「出来た」と感じられること。例えば、椅子から立つ動作を安全に出来たとか、簡単な体操を一緒に出来たとか、自己紹介で一言話せたとか。こういう小さな「出来た」が、通い続ける力になります。人は“正しさ”より“実感”で動くんです。
もちろん、式なので写真を撮りたくなるかもしれませんが、そこは無理にやらないで大丈夫です。大事なのは記念撮影より、記憶に残る安心です。写真はブレても撮り直せますが、初日の不安は撮り直しが難しいですからね。
入学式が『地域に開く仕掛け』になる瞬間
入学式は、施設の中だけの行事にしなくても良いんです。例えば、入学式に合わせて「見学週間」を作る。あるいは「家族相談日」を設ける。すると、地域の人が“入りやすい理由”を持てます。介護の施設って、どうしても外から見ると閉じて見えるものですが、入り口があるだけで印象が変わります。
そしてここが、次の章に繋がるポイントです。入学式を軸にすると、施設の空き時間や空間の使い方も考えやすくなります。学び、洗濯、運動など、別の仕掛けと組み合わせると「通う理由」が増えていく。けれど、面白いことをすればするほど、守るべき線も増えます。夢と現実はセットです。夢だけだと飛びますし、現実だけだと歩けません。
次の章では、入学式と相性の良い併設アイデアを、ワクワクしつつも地に足着けて紹介します。なお、ここでの合言葉は1つ。「楽しいは正義、でも整合性はもっと正義」です。
第4章…塾・洗濯・運動で町が動く~併設ビジネスの相乗効果と注意点~
入学式の流れが作れたら、次に出てくる欲望があります。ええ、経営者さんの脳内にフッと現れる、あの囁きです。「……この箱、もっと働けるのでは?」施設は建物です。建物は寝ない。人間は寝る。つまり、箱はまだまだ働ける。こうして“併設”という発想が生まれます。ここで間違えると「楽して儲けよう」みたいに聞こえてしまうのですが、今回の話は真逆です。地域に開き、価値を増やし、結果として安定に繋がる道を作る。これが併設の本筋です。
ただし先に釘を刺します。併設は、夢が広がる分、転びやすい。滑りやすい床にワックスを塗り足すようなものです。だからこそ「面白い」と「整合性」の両輪で進めます。片輪だけだと転びます。転ぶと痛い。痛いと反省文が長い。反省文が長いと夜が短い。夜が短いと翌日さらに転ぶ。はい、負のループです。避けましょう。
併設が効くのは『通う理由』が増えるから
介護のサービスは、本人の必要性だけでは続き難いことがあります。体調や気分、家族の都合、季節。だから「通う理由」を増やすことが強い。通う理由が増えると、本人も家族も「行ってみよう」と言いやすくなる。ここに併設の価値があります。
そしてもう1つ、施設が地域に開くと「施設のことを知らない人」が減ります。知らないものは怖い。怖いものは避けられる。避けられると、いざという時に頼られ難い。逆に、普段から入れる場所だと、心理的な壁が下がります。これは長期的に効いてきます。
学習塾~高齢者の『学び直し』は想像以上に刺さる~
まずは学習塾。ここは誤解されやすいので、最初に言っておきます。高齢者さんに幼児向けのような授業を受けさせる、という話ではありません。ポイントは「学び直し」を“ちゃんとした学び”として扱うことです。
昔の高齢者世代は、子どもの頃に十分に学べなかった方も少なくありません。家の手伝い、時代背景、地域の事情。そういう中で「勉強はしたかったけど、出来なかった」という気持ちを持っている人はいます。ここに、軽い脳トレとは違う“本物の学び”を置くと、目の色が変わることがあるんです。国語の読解、算数のパズル、漢字の成り立ち。子どもに戻るのではなく、「今の自分で学ぶ」。これが効きます。
さらに塾が併設されると、夕方以降に保護者や子どもの出入りが生まれます。これが地域の目になり、防犯にもなり、施設が“人の気配のある場所”になります。介護の場は静か過ぎると閉じて見える。適度な人の流れは、施設の印象を柔らかくします。
入学式との相性も良いんです。「春の入学式」「秋の入学式」といった季節の節目を作りやすい。学びは節目があるほど続きますからね。
コインランドリー~職員の手間が減って家族の不安も減る~
次にコインランドリー。これも「儲け」に見えやすいので注意が必要ですが、本質は“生活支援の延長”です。
デイサービスの現場で洗濯は地味に重い業務です。枚数が多い、汚れ方が多様、乾燥までの時間、取り違えリスク。ここを設備の力で整えると、職員の負担が軽くなりやすい。その分、ケアの質や見守りに力を回しやすくなります。
さらに、家庭側のメリットもあります。家族の負担が大きいのは、介護そのものだけではありません。洗濯や寝具、季節の入れ替え。生活の雑務の波が重い。施設の利用と同時に、生活の手間が少しでも整うと、家族の不安が軽くなるんです。ここが“継続”の鍵になりやすい。
そして地域開放をすると、「施設に行く理由」が一般の方にも生まれます。何気なく来た人が、スタッフの対応や利用者さんの雰囲気を見て「意外と明るいんだな」と思う。そういう小さな印象の積み重ねが、いざという時の安心に繋がります。
スポーツ教室~専門家が入ると施設の体が変わる~
最後にスポーツ教室。これが一番“化ける”可能性があります。何故なら介護現場の永遠のテーマが「安全に動く」「痛めない」「続けられる」だからです。
運動の専門家が関わると、利用者さんの運動だけでなく、職員の体の使い方も変わります。腰痛予防、移乗の姿勢、立ち座りのコツ。つまり、職員研修としても価値が出る。これは離職予防にも繋がりやすい。現場の身体が守られると、現場の心も守られます。これは本当に大きい。
地域向けの教室を併設すれば、若い人の出入りも増えます。世代が混ざると、空気が変わる。利用者さんの表情が変わる。表情が変わると、ご家族の安心が増える。安心が増えると、事業が安定しやすい。スポーツ教室は、実は“経営の空気作り装置”にもなり得ます。
最重要なのは併設は『一体化し過ぎる』と事故るということ
さて、ここで大事な注意点です。併設をする時にやりがちなのが、「全部1つのサービスです」と言いたくなること。まとめた方が分かりやすいし、案内もしやすい。でも、ここで線を引かないと危ない。
介護保険で提供している時間と、別サービスの時間が混ざり過ぎると、説明が難しくなります。利用者さんが支払う費用の整理も複雑になります。現場としては善意でやったつもりでも、「これは何の時間ですか?」に答えられないと、後で困ります。だから、運用ルールは最初に作る。説明も最初に作る。記録の考え方も最初に決める。これが必要です。
併設は“足し算”ではなく“編集”です。足せば良いではなく、混ざらないように並べる。料理で言えば、全部を鍋にぶち込むのではなく、定食にする。主菜、副菜、汁物、ご飯。順番がある。役割がある。だから美味しい。施設も同じです。
入学式があると併設は『イベント』ではなく『仕組み』になる
ここまで読んで、「面白そうだけど、難しそう」と思われたかもしれません。大丈夫です。難しいのは、最初だけです。入学式があると、併設は単発のイベントになり難い。年に1回〜2回の節目に合わせて、「見学➡体験➡入学」という流れに自然に載せられるからです。
塾なら「学びの入学」。スポーツ教室なら「体作りの入学」。生活支援なら「暮らし整えの入学」。こうしてテーマごとに入学式を設けると、施設の価値が“分かりやすい物語”になります。物語になると、人に話されやすくなる。話されやすいものは、広がりやすい。広がりやすいものは、安定しやすい。はい、良い循環です。
次はいよいよ「まとめ」です。卒業より入学、閉じた施設から「通う場所」へ。最後は、経営者さんの背中をちょんと押す形で締めます。押しますが、押し過ぎません。転ぶと危ないので。ここは安全第一でいきましょう。
[広告]まとめ…卒業より入学で閉じた施設から『通う場所』へ替える次の一手
介護の経営って、気合いと根性だけで押し切ろうとすると、だいたい途中で“書類の雪崩”に埋もれます。埋もれた後に発掘されるのは、熱い想いより、冷えたコーヒーだったりします。なので大事なのは、想いを燃やしつつ、仕組みで守ることでした。
今回の話を一言でまとめるなら、「入学式は、介護事業の未来をカレンダーに固定する装置」です。スタートがバラバラになりがちな現場で、見学・面談・準備・開始までの流れを整え、利用者さんとご家族の不安を軽くし、職員さんの現場を落ち着かせる。落ち着きは、何より強い武器です。空気が良い場所は、また来たくなる。ここが長く続く理由になります。
そして入学式が効いてくると、次の展開として“併設”の発想が現実味を帯びてきます。学び直し、生活の手間の軽減、体作り。どれも共通しているのは「通う理由が増える」ということでした。通う理由が増えると、本人の前向きが生まれ、ご家族の安心が増え、地域の目も増える。施設が閉じた場所から、自然に“通う場所”へ変わっていきます。
ただし、面白いことをやるほど、守るべき線は増えます。ここで一番のコツは、勢いで全部を一体化しないことです。介護の時間と別サービスの時間、説明、記録、費用の考え方。最初に整理しておくと、後で自分たちが助かります。夢を広げるために、整合性で地面を固める。これが転ばない進み方です。
最後に、未来の一歩が踏み出しやすくなる“広告っぽい呼びかけ”を、少しだけ置いておきます。堅い言葉より、入口が柔らかい方が人は来やすいですからね。
「〇〇年4月〇日 〇〇プログラム入学式 事前面談・体験見学 受付中」
「〇〇年5月〇日 △△プログラム入学式 見学週間 開催」
この一文が置けるだけで、施設は“待つ場所”から“迎えにいく場所”になります。介護の経営は、正解を当てるゲームではなく、信頼を積み上げる長距離走です。走り続けるために、節目を作る。節目を作るために、入学式を使う。どうでしょう。ランドセルは無くても、未来への入学はできます。
次にやることはシンプルです。第1章で描いた「誰を、何で、どう元気にするか」を、あなたの言葉で短く決める。その上で、入学式の日付を仮で良いので置いてみる。カレンダーに丸をつけた瞬間から、事業は少しだけ前に進みます。丸は小さくて良いんです。大きい丸は、後で描けば良いので。
今日も閲覧ありがとうございましたm(__)m
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