平安時代や江戸時代の昔からある夏の氷の保存の仕方は?食べる?飲み物?~現代世界どこまでも氷の記事
1はじめに
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暑い夏…。
夏の暑さは昔も今も、その時代に生きる人にとって同じくらい暑く感じられるもの。
暦にも暑さが厳しい 『 大暑 』 などの言葉が伝わっていますから。
夏の涼は、昔から熱心に求められたものです。
じつは昔から氷がありました。
当然、昔はとても貴重なものでした。
今回は平安時代~現代のかき氷まで氷の記事をまとめてご紹介。
2平安時代や江戸時代の昔にも夏に氷はあったの?
昔から夏の氷…じつは存在していた記録があるのです。
夏の氷は平安時代には存在した?氷の歴史
平安時代のことを書いた有名な清少納言が書いた『 枕草子 』の四十二段にも氷の塊を手洗に入れて遊んだとか、かき氷に似た食べ方をしたという記事があります。
また日本書紀の中にも天皇陛下に氷を献上したと記録が残っています。
昔の人は、冬の間に自然に出来た氷を切り出して運び、涼しい山中の洞窟や地面に掘った縦穴の入り口に、茅葺( かやぶき )などの小屋で覆い、夏まで保存して、暑い季節に少しずつ使うという方法でした。
地下水の自然な流れが地表の熱とは異なり、気化熱で冷やす効果があったと言います。
この氷の保存庫を 『 氷室 ( ひむろ ) 』と言います。
この氷室に適した土地を見つけ、昔の地名では山城、大和、丹波、河内、近江…。
現在の京都、大阪、奈良、滋賀から京の都の天皇家まで、人力で氷を溶かさないように大急ぎでリレーをするように、時には荷車を引いて天皇家の御膝元まで運んだのです。
氷にかける情熱と、ものすごい労力を感じます。
とても天皇家の権力が強かったことと、為政者の贅沢を感じられてしまいます。
ちなみに江戸になりますと、関東では富士山の風穴や日光、遠くは上野や下野、甲斐、駿河、現在の群馬や栃木、山梨や静岡から江戸の東京へ運ぶという記録が有名です。
江戸時代で、将軍家に献上される頃には100kgの氷が10cm四方の小さな小さな氷になってしまっていたと言われています。
また江戸時代になりますと、大勢の氷職人や水屋と言われる氷で冷やした水を売る商人が誕生したり、大店の商家では地下に氷室を作って、氷を独自の工夫で保管するようになりました。
雪や雨水を貯蔵して、冬場に凍った氷を採取して保管していたわけですが、不純物を取り除く専門職があったくらいで、純度100%の氷を目指すほどに、情熱を傾けていました。
桐の箱に入れ、おがくずやススキ、茅で覆うことで保冷性を少しでも高めて氷室や土蔵の奥深くで保管する。
いずれにしても古来から明治までは氷は自然の物を保管して、夏に少しずつ使い、また冬に多く貯蔵するという流れでした。
半年先の夏を見越した長期計画だったわけです。
冷蔵庫が発明されて、ガス式、電気式と発展して、氷が作られるようになったのは明治からで、庶民が冷蔵庫を手にするのは、さらに後の戦後のことになります。
ですが、現代でも『 氷室開き 』など祭事が残っていて、氷室の文化は継承されています。
※熊本県八代市…5月31日~6月1日に八代神社で氷室祭りがあります。…きっと他にもあるでしょう。
3昔の人は氷をどのように食べた?飲み物?
平安時代から江戸中期頃までは天皇家や公家、将軍家など身分の高い人たちだけが独占できる氷でしたが、江戸中期頃には庶民も望めば、高価ながら手に入れられるようになったと言われています。
さて、どのように氷は用いられたのでしょう?
運ぶ道中に滴り落ちる氷が水となった雫ですら、体に浴びて喜ぶ素朴な民衆の行列が出来たと言われています。
平安時代の頃の記録では、夏にご飯に水をかけて氷を入れて食べたという記録があります。
冬に湯漬けといって熱い湯をかけて食べていた…夏バージョンです。
そんな氷は昔は小刀で削ったり、カンナで削ることが多かったようです。
甘蔓を煮詰めて葛でトロミを付けたものに氷を入れて食べる。
単に甘蔓の煮汁ではなくて、冷たさが葛のトロミで、緩やかに口内で涼を楽しめるようにしたようです。
江戸時代にはスイと呼ばれる砂糖水をかけたかき氷が、とても人気があったと言われています。
4暑い夏のかき氷を現代の日本や世界ではどう食べて飲んで楽しんでる?
そんな氷ですけど、日本では『 氷室 』、英語圏では『 アイスハウス 』 と呼ばれ、世界的に氷への情熱は傾けられてきました。
最後に、世界での氷の食べ方や飲み方を調べ着いた限りでまとめてみました。
現代の日本のかき氷のいろいろは?
貴重だった時代の氷から徐々に日常的な氷へと文化は進み、現代はとってもバラエティーに富んでいます。
□ シロップはいろいろ開発されている。
屋台の定番 いちご、メロン、レモン、オレンジ、ブルーハワイは屋台の定番です。
イチゴなどミルク、練乳を合わせたもの 炭酸のサイダー コーラシロップ
砂糖水の『 すい 』 も伝統的。
マンゴーシロップ、カルピス、日向夏、コーヒー、黒蜜、梅酒や日本酒なども…。
また『 レインボー 』といっていろんな色をかけまくった複雑な妙味のかき氷も。
□ トッピング
… 定番は小豆や抹茶でしょうか?他にもいろんな缶詰やフルーツを載せて食べられています。
昔あって今は廃れたかき氷かも?シンプルイズベスト!
□ 雪 ゆき … 戦前にはかき氷に砂糖をかけたと言われます。純粋な砂糖の甘さだけで氷が楽しめます。
□ みぞれ … これも減ったか消えたメニュー。砂糖水をかけたかき氷です。
□ 酢だまり氷 … 酢醤油をかけた氷。心太 ( ところてん ) を食べる感覚ですね。
近年話題になったかき氷
□ 赤福氷・あかふくごおり … 伊勢路の赤福の夏の風物詩。赤福の餅や餡、抹茶仕立てのシロップなどをかけたもの。
□ ぜんざい … 沖縄ではかき氷に金時豆を黒蜜で似た物をかけてかき氷をぜんざいと呼ぶ。さっぱりした風味で親しまれています。
□ みかん氷 … 明治2年に横浜で商売として、かき氷が初めて売られたと言われ、現代でもみかん氷が根強く親しまれています。□ パイナップル氷 … これも横浜名物の一つです。
□ 焼き氷 … 大阪通天閣の喫茶店のメニュー。
かき氷にシロップをかけた上から焼酎をかけて火を点けたもの。
テレビで話題になったと言われています。
…などなど。
世界の氷にちなむ食べ物や飲み物は?
世界のかき氷…。
かき氷のものから、飲むから食べるまで、いろいろな工夫があります。
今年は世界のかき氷の味を求めてみても豊かな夏になるかもしれません。
□ フレオフリオ … ドミニカ共和国。レモン味やタマリンド味など数種類があります。とてもかき氷に近い状態です。
□ ケテック … 新疆ウイグル自治区。はちみつを混ぜたヨーグルトをかけて食べます。
□ アイス・カチャン … マレーシア。豆の甘露煮が乗ります。氷自体に味付けがあります。
□ ポポチャチャ … シンガポール。南国果物の果汁で作ったシロップをかけるので、とてもトロピカル感が満載です。□ タッチェー … ベトナム。緑豆やココナッツ入りの白玉ぜんざいが、かき氷にかけられています。
□ ハロハロ … フィリピン。ナテデココやアイスクリームなど、豊富に具を載せたかき氷です。
□ ピンス … 朝鮮半島。
小豆餡、缶詰フルーツなど豊かにトッピングしています。しっかり混ぜて食べると美味しいのだとか…。
ピンス自体、載せるもので名前が追記されていろいろあるようです。
1つ注文して、数人で仲良く分けて食べるのが楽しみ方なのだとか…。
□ 芒果氷・まんぐぉぴん … 台湾。マンゴーの切り身をたくさん載せて、マンゴーシロップと練乳をかけたものです。
□ 雪綿氷・しぇんめんぴん … 台湾。粉雪状のかき氷。牛乳から作った氷で作るまろやかさが魅力です。□ 月見氷・ゆえちえんぴん … 台湾。かき氷に黒蜜、練乳、ドライフルーツなどのトッピングを載せて、中央をへこませて卵黄があることが特徴です。
□ 八宝氷・ばーばおびん … 煮豆や蜜煮の果物、団子などいろんなものをトッピングしたかき氷です。
□ 刀削氷・だおしゃおぴん … 台湾。包丁で削って作る。クラッシュアイスに近いものです。いろんなシロップや練乳をかけて食べます。
□ シーフードかき氷 … 台湾。塩味の海老などをトッピングした形で、かき氷として売られているとか…。もはや食べ物の文化です。
□ 紅豆氷・ホンダウベン … 香港。小豆のぜんざい、エバミルク、その上に荒めの氷を山盛りにして提供してくれます。
5まとめ
日本では、かき氷協会の主導で認定された『 かき氷の日 』は7月25日です。
かき氷が最も美味しく食べられるのは気温が30℃を越えたらだと言われています。
ちょうど夏休みに入る頃合いです。
今では冷蔵庫の発達もありますし、かき氷を手軽に各ご家庭で楽しめるようにもなりました。
さらに楽しみたい方は、『 江戸切子 ( えどきりこ ) 』 や 『 薩摩切子 ( さつまきりこ ) 』などの伝統のガラスの器の名品を用いて、涼を感じさせてくれると共にかき氷をいただいてみると…。
さらにグレードアップして夏の涼と氷の世界を楽しると思いませんか?
誠にありがとうございました。
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