夏休みの夜は虫たちの時間~カブトムシとクワガタに会いに行く時期・時間・見つけ方~
目次
はじめに…子どもも大人も少しワクワクする夏の夜へ
夏休みの夜には、昼間とは少し違う顔があります。じりじりした暑さが和らぎ、木の匂いがフッと近くなって、懐中電灯の光の先に何かいそうだと思うだけで、もう胸は興味津々です。子どもと一緒に虫かごを持って出かける時間は、昆虫採集というより、家族で出かける小さな冒険そのもの。たった一匹との出会いが、夏休みの一晩を忘れにくい思い出へ変えてくれます。
カブトムシやクワガタムシは、昔から子どもたちの憧れの的でしたが、不思議なことに大人まで心を持っていかれます。木を見上げながら「いた?」と聞く子どもより先に、こちらが真顔になっていたりして、いやいや落ち着こうと自分に言いたくなる場面もあります。けれど、それがまた良いのです。夏の夜に親子で同じ方向を向いて歩く時間には、一石二鳥どころか、気分転換までついてきます。
嬉しいのは、気合いだけで山に飛びこまなくても、会いやすい時期や動きやすい時間を知っておくと、空振りがグッと減ることです。闇雲に歩き回って「今日はセミの抜け殻が主役でしたね」で終わる夜も悪くありませんが、せっかくなら会える確率は上げておきたいところ。そんな夏の夜の歩き方を、優しく順を追って見ていきましょう。
[広告]第1章…いちばん会いやすいのはいつ?~季節と時期の狙い目~
カブトムシやクワガタムシに会いに行くなら、まず大切なのは気合いより時期です。夏休みが始まったから毎晩いけるぞ、と前のめりになる気持ちはよく分かりますが、早過ぎても遅過ぎても木の前で右往左往しやすくなります。カブトムシは概ね5月下旬から9月頃まで見られ、見つけやすさの山場は7月中旬から8月中旬。クワガタムシは4月から11月上旬頃まで姿を見せやすく、盛んな時期は6月上旬から9月中旬あたりです。けれど、親子で狙いやすい時期を1つにしぼるなら、両方に出会いやすい7月中旬から8月中旬が時機到来の一か月です。迷ったら、まずは7月中旬から8月中旬を目安にすると、夏休みの夜はグッと当たりやすくなります。
この時期がうれしいのは、子どもの予定とも合わせやすいことです。梅雨明けの頃は空気もムッとして、虫たちにとっては動きやすい夜が増えてきますし、大人の側も「今日は行ってみようか」と腰を上げやすい時季です。しかも、夏休みの中盤は自由研究の話題にも繋がるので、一匹見つけただけで急に家庭内が博物館みたいになることもあります。いや、さっきまで麦茶をこぼしていたのに急に学芸員みたいな顔をするのは、夏の親子あるあるかもしれません。季節と生き物の動きが重なる瞬間には、一挙両得の楽しさがあります。
ただし、虫の出方は地域の気候や木々の状態でも少し変わります。南の地域では動き出しが早めになりやすく、涼しい地域では盛り上がりが少し後ろへズレることもあります。気温や湿り気で差が出るので、ピタリと暦通りにはいきません。それでも「夏休み前半から中盤にかけてが勝負どころ」と覚えておくと、無理なく計画が立てやすくなります。空振りの夜も思い出になりますが、やはり会えた夜は別格です。
第2章…何時にどこへ行く?~見つけやすい夜の条件~
カブトムシやクワガタムシを探しに行くなら、時間はとても大切です。狙い目は、夜がしっかり深まった20時頃から明け方4時頃まで。この虫たちは夜行性(暗い時間に動きやすい性質)なので、周囲が明るくなってくると見つけ難くなります。夕方の散歩気分で出かけると「まだ早かったね」で終わることもありますし、昼に行って木を見つめても、こちらだけが熱心な時間になりがちです。虫たちに会いたい夜は、人の都合より“暗さ”に合わせた方が近道です。
夜の森や木立は、昼とは空気が別ものです。懐中電灯で幹を照らした瞬間、樹液の出ている場所に黒くツヤっとした影が見えると、それだけで気持ちは電光石火。親の方が先に「アッ」と言ってしまい、子どもに「静かに」と注意されることすらあります。急がば回れ、という言葉はこういう時にも似合います。光をあてる、立ち止まる、目をこらす。その繰り返しが、夜の宝探しをグッと面白くしてくれます。
場所選びにもコツがあります。クワガタムシは川沿いの木立でも見つかることがあり、カブトムシはクヌギやコナラなどの広葉樹がある雑木林で見つけやすいとされています。特に、日当たりが良くて樹液が出ている木は有望です。さらに、雑木林の近くの道路沿いや、街灯の傍、自動販売機の近くなど、明かりが集まる場所も見逃せません。虫たちは灯りに寄ってくる習性があるので、真っ暗な森の奥だけが正解というわけではないのです。用意周到に場所を選ぶと、歩く距離まで優しくなります。
月が出ていない夜、高温多湿で風が弱い夜は、飛んで動く虫が集まりやすいとも言われています。夏の夜にムワっとした空気を感じると、人は「今日は寝苦しそう」と思いがちですが、虫の世界では「今夜は出番です!」という合図かもしれません。もちろん、明かりのある場所にはカブトムシやクワガタムシだけでなく、別の虫たちも来ます。そこも含めて夏の夜らしい、賑やかな景色です。
[広告]第3章…準備で差がつく~道具と場所選びのコツ~
昆虫採集は、出かける前のひと工夫で空気が変わります。夜になってから「懐中電灯どこ?」「虫かごのフタがない」と始まると、出発前から家の中が珍道中です。夏の夜はそれだけでも思い出になりますが、せっかくなら落ち着いて出かけたいところ。基本の道具は、虫取り網、虫かご、長袖長ズボン、懐中電灯。この4つが揃っているだけで、親子の安心感はグッと増します。クワガタムシは木の隙間やうろに隠れやすいので、ピンセットや曲げた針金のような補助道具があると役立つ場面もあります。採集の夜は、虫を探す前に“忘れ物がないか”を見ておくだけで随分と楽になります。
そして、本当に差がつくのは昼間の下見です。明るいうちに、樹液が出ている木を探しておく。これだけで夜の歩き方がまるで変わります。暗い中で1本ずつ木を見て回るのは、宝探しというより修行になりがちですし、「この木かな、いや違うかな」と家族全員で幹を見上げて首が疲れることもあります。昼のうちに目星をつけておけば、夜はその木を静かに確かめに行くだけ。用意周到のひと手間が、夜のドキドキを良い方向へ運んでくれます。
狙いたい木は、樹液が出ていて、周囲に雑木林や川辺の木立がある場所です。特にクヌギやコナラのような木は人気があります。木の幹だけでなく、根元や裏側も見逃せません。虫は堂々と見える場所にいる日もあれば、「そんなところに?」と声が出る位置にジッとしている日もあります。親の方が先に熱中して、子どもに「まだ?」と言われるのも夏の夜らしい一幕です。けれど、その試行錯誤があるから、見つけた瞬間の嬉しさがグッと増します。
もう1つ、採れない時の工夫として知られているのが罠です。バナナに焼酎と酢を混ぜて発酵させるバナナトラップや、灯りに集まる習性を使うライトトラップは、昔からよく知られています。道具を準備して仕掛ける時間まで含めると、もう気分は半分探検隊です。ただし、罠は置いたら終わりではなく、きちんと回収して周囲に迷惑をかけないことまでが大切な作法。楽しい夜ほど、最後まで気持ちよく終えたいものです。
第4章…捕まえ方にも作法がある~安全・マナー・持ち帰った後の話
いよいよ見つけた時は、嬉しくて手元が少し慌ただしくなります。けれど、こんな時こそ冷静沈着が似合います。オーソドックスなのは、懐中電灯で見つけて、虫取り網や手でそっと捕まえる方法です。クワガタムシは木のうろや隙間に入りこんでいることがあるので、後ろ側を優しくつついて前へ動かし、出てきたところを取るやり方もあります。木を軽く蹴って振動で落ちてくることもあるとされますが、勢いよくやり過ぎると虫にも木にも優しくありません。降ってくるのは…いろいろです。夏の夜の主役は人ではなく虫たち。そこを忘れないだけで、動き方が随分と穏やかになります。
安全面もとても大切です。夜はつい木の幹や枝ばかり見てしまいますが、足元には草むら、斜面、石、ぬかるみがあり、思っている以上に転びやすいものです。しかも自然の中には、ヘビやマムシ、時間帯によってはスズメバチ、地域によってはイノシシやシカなど、こちらが会いたくない相手もいます。子どもが「いた!」と走り出した瞬間、大人の心臓が先に飛び出しそうになるのも無理はありません。虫を見つけるより先に、無事に帰れる動き方を家族で揃えておくことが、一番大事な準備です。夜の採集は気分爽快ですが、慎重さまで置いてこないようにしたいですね。
マナーにも、ちゃんと美意識があります。バナナトラップや灯りを使った仕掛けは楽しい反面、使いっ放しにすると自然にも人にも迷惑がかかります。仕掛けたものは必ず回収する。たくさんいたとしても、飼える分だけにする。ライトを強く当て過ぎたり、民家や道路の近くで目立ち過ぎたりしない。この辺りを守るだけで、昆虫採集はグッと気持ちの良い遊びになります。百花繚乱のように虫が集まる夜ほど、こちらの振舞いは静かな方が格好良いものです。
持ち帰った後にも、小さな現実があります。カブトムシは越冬しませんし、クワガタムシも種類によっては冬を越せるものとそうでないものがあります。さらに、どちらも夜行性なので、夜になるとケースの中でガサガサ、ゴソゴソとかなり元気いっぱいです。昼に見ると堂々たる勇者なのに、夜中に音だけ聞くと「誰か台所で作業してる?」と一瞬だけ家族会議になりかねません。飼うなら、置き場所や世話の仕方まで含めて迎えたいところ。捕まえる楽しさの先に、命を預かる静かな責任が待っています。
[広告]まとめ…一匹との出会いが夏休みをちょっと特別にする
夏休みの昆虫採集は、虫を捕まえることだけがご褒美ではありません。時期を見て、夜の時間を選んで、道具を揃え、足元に気をつけながら歩く。その1つ1つが、家族の夏を少し濃くしてくれます。見つからない夜があっても、それは失敗ではなく、木の匂いと静かな道と「今日は空振りでしたね」という小さな笑いが残る夜です。そういう晩があるからこそ、幹にしがみ付く一匹を見つけた瞬間が、一期一会のように光ります。
虫たちは、こちらの都合ではなく、季節と暗さと空気の中で生きています。その時間に少しだけお邪魔するつもりで出かけると、景色の見え方まで柔らかくなります。捕まえられたら嬉しい、見つからなくても悪くない。そのくらいの気持ちで歩く夜が、実はちょうど良いのかもしれません。夏休みの思い出は、大きな出来事よりも、懐中電灯の先で家族が同じものを見つめた数分から深く残るものです。
有終の美を飾るコツは、たくさん持ち帰ることではなく、楽しく行って、無事に帰って、自然にも人にも気持ちよく終えることです。虫かごの中の一匹が宝物になる夜もあれば、何も入らないまま帰ってくる夜もあります。それでも、次の夜にまた行きたくなるなら、その夏はもう十分に豊かです。
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