ここはどこ! バーチャルで楽しむ真夏の夢旅 ~今日は施設で小旅行~

[ 夏の記事 ]

はじめに…外は猛暑でもここは南の島!? 北の花畑!? 心が浮かぶ新体験とは?

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梅雨が明けたある日のこと。

窓の外はカンカン照りの猛暑日、玄関には「熱中症に注意!」の貼り紙、施設の冷房は今日も大忙し。

だけど――その日、うちの高齢者施設はひと味ちがったんです。

「今日は沖縄に行きます!」という職員の掛け声に、利用者さんたちの目がまんまる。

え?旅行?今から?この施設から?

どこにも動いていないのに、なんだか空気が南国めいてきたのはなぜなんでしょう。

そう、今年の夏レクは“バーチャル旅行の日”と銘打って、施設にいながらにして旅気分が味わえるスペシャル企画を開催したんです。

VRなんて難しいことはしません。

大きなモニターで流れる絶景映像、BGMの波音、ミストで感じる潮風、鼻をくすぐるパイナップルの甘い香り、そして昼食にはゴーヤチャンプルーと紅芋の天ぷら――五感をくすぐるしかけが次々と飛び出して、そこはもう、まるで南の島の観光ツアー!

高齢者レクリエーションといえば歌や体操ももちろん素晴らしいけれど、「旅」という非日常が加わるだけで、こんなにも心がときめくなんて。

認知症のある方も「昔、修学旅行で行ったわ~」と笑顔を見せ、外出困難な方も「こんな景色、久しぶりに見た」と涙を浮かべて🩷。

たった一日で、職員も利用者さんも“冒険の仲間”になれる――そんな魔法のような日を、一緒にのぞいてみませんか?

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第1章…「沖縄に着きました~」施設にいながら旅行番組が始まる朝


朝のテレビ体操が終わるやいなや、食堂の一角がざわつき始めました。

今日は何の日?そう聞かれて、職員のひとりが満面の笑みで宣言しました。

「皆さん、お待たせしました。本日は――バーチャル旅行の日でございます!行き先は……沖縄!」その声と同時に、施設の大画面に青い空とエメラルドグリーンの海がドーン!と映し出され、まるで旅番組のはじまりのようなBGMが流れ出します。

しかも職員のひとりが、アロハシャツにレイをかけて「はいさーい」と元気に登場するもんだから、利用者さんの笑いが止まりません。

「え、今ここにいながら沖縄行けちゃうの?」「そんなことあるわけないでしょ、あんたテレビの見すぎよ」

――そんな冗談交じりのやりとりが飛び交う中、旅の“しおり”が配られ始めました。

表紙には「令和版・どこでもドア旅しおり」と手書きの文字、中を開くと那覇空港から始まり、美ら海水族館、古宇利島、そして首里城。

ちゃっかり「本日の昼食:ゴーヤチャンプルー&もずくスープ」とメニューまで印刷されていて、もう本気なんだか冗談なんだか分かりません。

でもこの“旅ごっこ”、やってみると本気で楽しいんです。

ふだんは少し無口な方が「ここ、行ったことあるのよ」と語り出したり、「ほら、若いとき撮った写真あるよ」と家族に電話をかけたり。画面の向こうに広がる青い海が、記憶の奥の扉をそっとノックしてくれるのです。

まさかこの年になって、また旅行の話ができるなんて――そう言って目を細めるその表情は、まるで本当に沖縄の空の下にいるみたい。

こうして、旅の一日は静かに、でも確かに、心の中で出発していたのです🩷。

第2章…映像だけじゃない!? 波音と潮の香りがやってきた五感トリップ


画面の中では、エメラルドグリーンの海にぷかぷか浮かぶシュノーケリングの人々、そして白い砂浜を元気に走る子どもたち。

その映像だけでも、なんとなく心がほぐれていくのですが、施設職員の本気はここからが勝負。

ひとりがそっとスピーカーの音量を上げると、ザザーッと心地よい波音が部屋じゅうに広がりました。

まるで浜辺のそばに座っているかのようなリアルな音に、「あら、ほんとに海の音が聞こえるじゃない!」と利用者さんたちの目がぱっちり。

さらに、どこからともなくふんわり漂うトロピカルな香り。

職員が用意していたのは、パイナップルとココナッツのアロマスプレー。

噴霧器で空中に拡散すると、施設の空気が一瞬で南国リゾートに早変わり。

「なんだか昔行ったグアムを思い出すわ~」と話す方もいれば、「これはあれだね、南の風だ!」と満面の笑顔で胸いっぱいに深呼吸をする方も。

嗅覚が記憶を刺激するというのは本当だったようで、利用者さん同士の会話もいつも以上に弾みます。

でも職員チームの本気はまだまだ止まらない。

お次は、涼しい風を送る小型の扇風機と、ほんのりしっとり感のあるミストを噴出する装置の登場。

風に混じる霧が肌にあたると、「あっ、潮風みたい!」とびっくりしながらもにこやかな表情。

ひとりひとりが“今、ここじゃないどこか”を感じ始めていて、誰かがぽつりと「このまま、帰りたくないわ~」なんてつぶやけば、「帰る必要ないよ、ここが沖縄だからね!」と返されて、もう笑いが止まりません。

ただテレビを観るだけじゃ終わらない、映像×音×香り×風のコンボ。

高齢者施設だからこそ、「行けない」ことを「感じられる」に変える🩷――

そんな五感の冒険が、今日もゆっくりと続いているのです。

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第3章…ご当地グルメに舌鼓!今日は“なんくるないさ~定食”の日


さて、旅といえば、忘れてはいけないのが――そう、「食」です。

観光地に行ってもお土産より先にお腹が空くのが人間のサガ。

どんなに映像や香りで旅気分を盛り上げても、「お腹が減ったよ~」のひと言で現実に引き戻されては台無しです。

ところが、この施設、やっぱり一味違うんです。

「皆さま、本日の昼食は……“なんくるないさ~定食”となっております!」

司会役の職員がそう言って運んできたのは、ゴーヤチャンプルーに、じゅーしー(沖縄風炊き込みご飯)、もずくのスープ、そして紅芋の天ぷらという本格派の沖縄メニュー。

ご利用者さんたちの目がまんまるになったのは言うまでもありません。

「施設のごはんって和風の煮物ばかりかと思ってたけど、今日は南国の風が吹いてるねぇ」なんて言われると、厨房スタッフが鼻高々になるのも当然です。

でもここで終わらないのが、この施設の底力。

なんと“旅館風のお品書き”まで用意されていて、まるで本当に観光地の食堂に来ている気分。

しかも職員がひとりずつ「ようこそ~沖縄へ~」とお膳を運んでくるものだから、「あら、あなたガイドさん?」「違いますよ~今日は板前役なんです」なんて、まさかの寸劇が始まり大爆笑。

なぜか頭にタオル巻いてる職員までいて、「うちの旦那より板前っぽい!」と利用者さんも大喜び。

「ゴーヤは苦いからちょっと…」と遠慮していた方も、「でも旅先では挑戦するのが旅のマナーよねぇ」と恐る恐る一口。

すると「あら…意外とイケるじゃないの!」と笑顔に変わる瞬間が訪れたり。

普段は食の細い方も、いつもよりしっかり箸を動かしていたり。

食事って、味だけじゃなく“気持ち”でもおいしくなるんだなぁと、職員みんなでしみじみ実感。

“高齢者向けの介護食”といえば、やわらかくて飲み込みやすいことが大前提。

でも今日はそれだけじゃなく、「食べて楽しい」「心に残る」そんなレシピが並んでいたんです。

「明日はどこ行くの?北海道?それとも海外!?」

そんな冗談が飛び交うほどに、食卓には“旅のつづき”が広がっていました🩷。

第4章…しおりもパスポートも手作りで…レク係の本気が光る演出力


「旅のしおり、お持ちですか~?」「パスポートの確認をお願いしま~す!」

そう声をかけられて、ぽかんとしながらもしっかりと差し出す利用者さんたち。

よく見ると、その手には可愛らしい冊子と、名刺サイズのカード。

なんとこれ、レク係の職員が前日まで夜なべして作った「旅のしおり」と「バーチャル旅行用パスポート」だったんです。

表紙には「高齢者施設発・南の島ツアー」と手描きのロゴ、裏表紙には“発行:レクリエーション課”の印まで。

なんならホログラム風のシールまで貼られていて、「本物感」に思わず職員も「なんでこんなに凝ったん!?」とツッコむレベル。

中を開けば、行程表から観光スポット紹介、おやつタイムの時間割にいたるまで、細やかに構成されていて、もはや“施設内の旅番組台本”といってもいい完成度。

しかもところどころに「見どころポイント:これは施設長も行ったことないスポット!」など、やや悪ノリ気味のコメントがあって、読むだけで笑いがこぼれます。

旅の気分を盛り上げるには、やっぱり“その気にさせる仕掛け”が必要なんですよね。

お品書きを和紙で印刷したり、施設内の案内表示を「第1ゲート」や「お土産処」と呼び変えたり、食堂を「食事処・うみかじ亭」に模様替えしたり。

とにかく細部の演出がすごすぎて、「ここまでやる!?」の連続。

あまりに凝っているもんだから、「今度は本物の旅行もこれでお願いね!」と利用者さんから無茶ぶりされる始末。

でも、こうした“ちょっとした遊び心”が、高齢者の心をわしづかみにするんです。

「昔はしおりを自分で作ったもんだわ」「修学旅行でパスポートなんて使った記憶ないけど、新しいわねぇ」と、自然と会話も広がっていきます。

そしてなにより、職員の努力と愛情がにじむ小道具の数々に、「楽しいね」「よく考えたねぇ」「また来年もお願いね」と、心からの拍手が送られるんです。

お金をかけずとも、アイデアと気持ちがあれば、旅はここまでリアルになる。

レクリエーションとは、もはや“演出芸術”なのかもしれません🩷。

第5章…「北海道にも行っちゃう?」2便目はまさかのはしご旅!


「それでは沖縄の旅はこれにて終了でございます~」と、アロハシャツのガイドさん(=職員)が深々とお辞儀をした、その直後。

なぜか鳴り響く飛行機のジェット音。

え?まさか……と思う間もなく、スクリーンに映し出されたのは一面のラベンダー畑。

そして聞こえてくるのは「なまらいい景色だべさ~」という謎のナレーション。

そう、まさかの“2便目”が、勝手に出発したのでした。

「皆さま、ようこそ北海道へ!」と今度はタオル鉢巻きに長靴姿の職員が登場。

「今朝は南の島、午後は北の大地、明日はどこ行くの!?」というツッコミが飛ぶ中、旅はまだまだ続いていたのです。

室内の気温もひんやり調整され、BGMには風に揺れるラベンダーと森のさざめき。

沖縄のあの陽気なノリとは打って変わって、どこか落ち着いた大人の旅時間が流れ始めます。

画面には小樽運河や富良野の丘陵地帯、そして函館の夜景までが映し出され、まるで『世界ふれあい街歩き~北国特集~』が始まったかのような上質さ。

そして…来ました来ました、おやつタイム。

職員が誇らしげに運んできたのは、「じゃがバター&メロンゼリーの北国セット」。

しっかりとした甘じょっぱさのじゃがいもに、口いっぱいに広がる夕張メロンの香り。

高齢者向けに食べやすく工夫されたやわらか食材なのに、見た目も味も本格派。

「旅先でじゃがバター食べるって、最高の贅沢よねぇ」と声があがれば、「これはお取り寄せしてほしい!」と大絶賛の嵐。

レク担当の職員は内心ドキドキしてたんです。

午前と午後で2カ所も回ったら、利用者さんたちが疲れちゃうんじゃないか…って。

でも、そんな心配は無用でした。

むしろ「次はどこ?」と瞳がキラキラしている方ばかり。

旅は距離じゃない、気持ちが動けば、それはもう冒険なんだ――そんな言葉が自然と浮かんできたのです。

まさか一日で沖縄から北海道へ。

そんな夢のようなはしご旅が、冷房のきいた食堂と笑顔と少しのアイデアで、ほんとうに実現するなんて。

「旅の終わりが寂しいわ~」と漏らす声に、「では来週、ヨーロッパ便いきますか?」と職員が返すと、「それまでにパスポートの更新しなきゃね!」と、まさかの前のめり。

夢はどこまでも広がるのです。

施設の中でも、心はいつでも旅立てる――そんな名言が、またひとつ生まれた瞬間でした🩷。

第6章…旅の終わりに…“おみやげ”は笑顔とポストカード


「皆さま、本日は長旅おつかれさまでした~」と、最後にアナウンスが響いたとき、食堂の空気にはほんのりと名残惜しさが漂っていました。

まるで、本当に飛行機から降りてきたかのような気持ちになるから不思議です。

旅の一日が終わるときって、少し疲れてるけど、心はふんわりあったかい。

そんな空気が、確かにそこにはありました。

でも、旅といえば最後に欠かせないものがありますよね。

――そう、「おみやげ」です。

「本日のおみやげはこちらで~す!」と、職員が配りはじめたのは、なんと手作りの“旅の記念ポストカード”

それぞれのカードには、今日の旅先の写真(沖縄の海や北海道のラベンダー)と、利用者さんの名前、そして一言メッセージが印刷されています。

「〇〇さん、今日の旅はいかがでしたか?次回のご参加もお待ちしております」と添えられたメッセージに、思わず目を細める方続出。

さらに、数人の利用者さんには職員がこっそり写真を撮っていて、カードにその笑顔の写真が入っているサプライズも。

「えっ、私こんな顔してた?笑ってるじゃない!」

「見てよコレ、お父さんにも見せようっと」

なんて声が飛び交い、まるで観光地の土産物屋で「どれがいいかな~」と悩む観光客のような雰囲気に。

しかも、そのカードにはちゃんと「本日発行:南の島空港」や「特別記念印スタンプ(風)」もついていて、もう芸が細かすぎて職員の誰かに表彰状を出したくなるレベル。

「これ、家族に送りたいわ」「孫にLINEで送ってもらおうかな」なんて声もあり、いつもは写真に無関心だった方も、今日はなぜかウキウキ。

旅の余韻はカード一枚で何倍にも膨らむんですね。

記念写真といえば、ふだんはカメラを向けると「やだわ、シワが目立つじゃない」なんて言われることも多いのですが、今日ばかりは違いました。

「あら、今日の私は旅人の顔ね」と、自信たっぷりに写る姿がまぶしく見えるほど。

施設の中にいながら、たった数時間で2つの県を旅して、笑って、驚いて、懐かしんで。

バーチャルだったけど、感動は本物。

笑顔も本物。

何より――「また行きたいね」とこぼれるその言葉が、いちばんのおみやげかもしれません🩷。


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まとめ…「また来年も行きたいね」バーチャルが結ぶ心の旅路


旅の余韻というのは、不思議なもので――足取りはその場を離れても、心はしばらく旅先に滞在しているものです。

今回の“バーチャル旅行の日”もまさにそんな体験でした。

施設の中という限られた空間の中で、映像と音と香りと食と演出が、ひとつの魔法になって、高齢者の皆さんを本物の旅行へと連れていってくれたのです。

もちろん、沖縄の砂を踏んだわけでもなければ、北海道の風を本当に浴びたわけでもない。

それでも、「楽しかったね」「あのラベンダー、もう一度見たいな」と口々に語られる感想は、どれも“心で旅した証”そのものでした。

高齢者施設において、外出の機会が減っていくことは避けられない現実です。

けれども、だからこそ「心が外へ向かう時間」はもっともっと必要なのだと、このレクを通して改めて感じさせられました。

バーチャル旅行という選択肢は、今後ますます注目されていくでしょう。

機械やVRゴーグルがなくても、工夫ひとつでここまでできるというのは、全国のレク担当さんたちにとっても希望になるはずです。

それにしても、今回の行事が大成功した理由――それはやっぱり“笑い”と“想像力”に尽きます。

パスポートを手にしたあの瞬間、しおりをめくったときのワクワク、食卓での寸劇、じゃがバターに驚く顔、ポストカードを胸にしまうしぐさ……。

全部が、記録には残らないけれど、確かに心には刻まれているんです。

「バーチャルなんて偽物でしょ?」なんて思っていた利用者さんが、「また来年も行きたいね」とぽつりこぼしたひと言――

それこそが、きっといちばんの“リアル”なんじゃないでしょうか。

さあ、次の行き先はどこにしましょう?

四国?

ヨーロッパ?

それとも……宇宙ツアー?

心の旅は、まだまだ終わりそうにありません🩷。

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