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食事は人間の生活の根幹ですよね。
さて、施設に勤務されている職員さん。
自分の施設の食事がどのように利用者さんに届くのかまでご存じですか?
食事介助をしていて、たくさん食べてお元気に過ごしていただきたい!
健康の根幹となる源の食事だからこそ、一度はお考えいただきたい。
今日は、その辺りの昨今の事情を踏まえつつ、記事にしてみました(*^▽^*)
じつは、これ…とてもお手軽です。
電子レンジでチンするタイプだったり、おかずだけそのようにして、ご飯は炊飯器にお任せする施設もあります。
こうして書くとお手軽ですが、お手軽=劣悪というわけではなくて、宅配のお弁当に注力されている業者様の工夫は競合も多いので日々、進化しているところです。
毎日1日3食、メニューを違えて提供できるほどにメニューを充実させていたり、糖尿病や高血圧、腎臓職などの塩分制限や糖質制限などの基準を守ったカロリー計算。
さらに電子レンジや湯煎して温めて、美味しい味に到達できるように計算されていたりします。
…確かに立派です。
一人暮らしの方やご病気の方に適した料理に整い、忙しい現代社会で手間暇を省く、じつに見事な発想が宅配弁当にはあります。
デイサービスや施設など小規模なところほど、宅配のお弁当を器に盛りつけることで提供する形態が採用されているところが多いようです。
厨房設備を施設で用意して、調理業者さんと契約して調理いただくという委託業務の形態。
大型の施設では、よくある形態ですよね。
施設を利用される利用者さんと委託業者を結ぶ架け橋として施設側と委託業者の双方に栄養士さんが配置されてメニューを決めていく流れです。
予算、材料費や人件費などの費用の折り合いも相談になりますし、納品業者まで相談になる場合など複雑な折衝を経てメニューが決まっていきます。
…確かに複雑化しますが施設ならではのメニューが誕生します。
栄養管理もでき、利用者さんに合わせたメニューの提供が可能になりそうですよね。
もちろん、現実的には利用者さん全員が異なるメニューになる!なんて非効率なことはなく、100人おられれば100人同じを目指したメニューありきなのですけども…。
おそらくアレルギーや誤嚥原因など生命に関わる点がまず最優先にメニュー変更や食事形態の変更の対象になります。
それも、既存メニューの部分改訂を基点にするのがセオリーです。
この辺りは、なるべく効率的に短時間で全員に食事を提供せねばならない…集団生活の歪みの部分から生まれてしまう仕方のない発想かもしれませんね。
ここで一般の飲食店や旅館などで提供される食事を考えてみましょう。
いつ食べに行って注文をしましても、予想を裏切らないお味ですよね。
一般の飲食店や旅館では、期待を裏切らない品質が問われます。
ここは一期一会の世界です。
お会いするのはお食事のその場限り。
ですから、期待を裏切らない品質が求められる。
ここで変動があったり、イメージを損なう評価を得る場合、客足は遠のいてしまうでしょう?
さて、施設のお食事。
言葉は悪いですが、一定の条件で逃げれないお客様が利用者さんです。
特養など介護が目的で入所された利用者さんなどは、要介護3~5という重度な介護もあって逃げ出して次なる施設を探す…そんなことも難しいものです。
逃げたい…そんな主張が出来ない方もおられます。
そんな利用者さんの心持ちを斟酌を含みつつ、お食事を提供せねばなりません。
100人の利用者さんがおられれば100通りの味への満足・不満足があることが普通です。
最初に飲食店や旅館を例にしましたが、そもそも飲食店や旅館は味のサービス業として洗練され、一定のクオリティーを提供することが当然の位置付けです。
入居されている高齢者さん…そんなお食事を毎日、3食されてきた方っておられませんよね?
逆に朝昼晩に1つの飲食店や旅館でお食事を摂り続けてみたら、どうなると思われますか?
きっと、おそらく一ヶ月程度で早い方は飽きられます。
これは味の組み立てもパターンが体感し尽くされてしまうからです。
一ヶ月で100食くらい、塩加減、煮加減、料理の素材の予算制限による貧相化。
味が均一になるように100食を一斉にしっかり混ぜて作りますでしょう?
どれか1食が味が濃いなんてこともありませんもの…。
1日に投入される塩分も国の指針で年々g数が減少しているところです。
高血圧が万病の素として忌避されるからですよね。
こうして様々な指針に捉われますと、日々、画一性が増してしまい、どんな料理を作ろうが予想できる範囲を超えない味になってしまいます。
予算の壁も出来てしまいますしね…。
気づけば終章…。
ポイント書かずに進んでましたね(/o\)
昔、国が販売してきたお塩ではなくて、いろいろなミネラルを含んだ天然塩に替えてみる…。
という具合に材料のスイッチングで味は大きく変化しますが、まずは同じお料理や似たお料理を作る際に画一的な調味料投下を止めるようにしてみてはいかがでしょう?
施設の高齢者さんのご家庭の味に限らず、介護職員の皆様のご家庭でもそうですが、そこまで厳密に調理されていますか?
実際には適当・適切、味見をしながら調理しますよね。
しっかり混ざらないから、微妙な部位による味の差も生まれ、そこがまた美味さの秘訣になります。
予算ありき…施設ではここに陥りがち。
もちろん予算があるので、無い袖は振れなくなります。
工夫が最も大切な局面です。
豊作の年に安価に値崩れした野菜を大量購入して解凍して使う…。
解凍品は味の劣化を産み、出汁や水分を含ませて食感を再生しないと…それ以前に旨味が足りず補うのに出汁…いずれにしましても、ご家庭では、まずされない技法なので美味しいと思う方は食べ続けるほどに減少してしまいます。
旬の時期に旬の素材を用いて、不揃い感を大切に調味料を投入してご用意しますと、1口ずつの味わいが大切にされることになりますよね。
結果として食事量は大幅にアップしてきますし、利用者さんの健康の土台になることは言うまでもありませんね(*^▽^*)
ポイントを2つ掲載しましたけど、最後のポイントは食事介助にあります。
寝たきりの方などにスプーンで運ぶ和食…日本人の文化には馴染みません。
とはいえ、お箸で全ての食事介助はとても難しい…。
お粥や麺類、汁物などを介助する時にスプーンは必須ですよね…。
ここを木製のスプーンに変更しますと介助児に温かみが伝わりますので食欲に差が出ます。
そして混ぜ混ぜの技法!
お食事の際に、介助をしていますといろんな味が混ざり過ぎないことに注意しましょう。
1口ずつの味を丁寧に味わう時、多くの種類のおかずを口には入れませんよね。
塩辛いもの、甘すぎるもの、いろいろなおかずがありますが、じつはおかずの後、あるいは一緒にご飯と咀嚼するのが日本人。
この一緒に咀嚼するご飯とおかずの量の比率でも1口の味わいは大きくことなります。
施設の厨房と栄養士さんがタッグを組んで考えてくださったメニューを利用者さんにしっかりと摂取いただいき、満足いただく工夫です。
お食事の介助でごちゃ混ぜになって提供されていたり、その後のお薬までご飯に混ぜられてしまうなんて事態がないように…。
1口のおかずとご飯がどのような味になって高齢者さんに伝わるのか、一匙の味を想像しながら、お食事の介助をするように心がけてみましょう(*^▽^*)