Menu
介護支援専門員をしていて、困難事例に出会うこと…。
けっこう数がありますよね。
私の15年の中でも、いろんなパターンで当然、困難事例に出会っているのですが…。
今日は、いくつかのパターンとその時の対応。
最後に、最も大変と思った困難事例についてまとめてみました。
困難事例が大変なのは、支援者の身心に重くのしかかるからだろうなぁ…と(*^▽^*)
介護支援専門員は、利用者さんの自宅に訪問して、ご本人様、ご家族様と共に、ご本人様がいかにご本人様らしく生活を継続、発展できるかを計画的にサポートするのがお仕事ですよね。
時に計画立案が難しい…そんな困難事例のご家庭に出会うことがあります。
よくあるのは、
□ お金がない…。
□ 一人暮らし…。
□ 家族様が障害を抱えておられる…。
□ 虐待
□ 本人が過度に高圧的…。
□ 重病
□ 家屋環境がひどい…ゴミ屋敷とかですね。
□ ペット問題…。
□ 近隣から孤立している…。
□ クレーマーもしくは権力好き…。
この辺りのどれかに課題は当てはまるのではないでしょうか…。
…市町村の福祉事務所に相談して生活保護の手続きを進めますね。
他にも社会福祉協議会の制度や市町村制度を組み合わせて解消を図ることもあります。
ただ…ご本人様とご親族が申請に同意してくださったら…という条件付きですよね。
場合によっては成年後見制度なども並行して相談していきます。
自立性が高い間は見守りますが、明らかに困難だったり、ミスが嵩むようになりますと一人暮らしが危ぶまれます。
そんな時には施設に向けたご相談も仕方がありません。
ただ、ご本人様の意思決定が大事ですよね。
子ども様が障害を抱えておられたり、配偶者さんが障害をお持ちの場合…。
介護保険だけではなくて、障害サービスとの連携と効率化を模索する必要があります。
時に障害者手帳の手続きや運用も行わねばならないこともあります。
ただ、これもご本人様の同意が大事ですよね。
これも程度が非常に微妙ですよね。
市町村には通報せねばなりません。
通報後にどう介入するのか…とても難しい課題です。
高圧的になられる原因が明確な場合はそれほど困難性を感じないものですが、元々のご性格…というような場合には支援の仕方がに困る場合が多いです。
何故…このような方を助けねばならないのか…支援者として悩むところですよね。
ですが、介護支援専門員には法的に拒否権がゼロなのです。
癌から持病まで多くの疾患を抱えた利用者さんの支援を行います。
主治医様や訪問看護師と丁寧に病気の理解から対応方法まで密に詰めることが大事です。
でも…苦しみを共にするほど、何か出来ないものかと支援者として焦ります。
出来ることをして差し上げるしか仕方のないことではあります。
大掃除からお引越し手伝いまで…。
支援者として業務外?と思うレベルまで時に介入することもあります。
だって、介入する方が段取りを組むよりも早く終わりますからね…。
でも、業務外?と思うことを続けるとバーンアウトを起こすので気を付けましょう。
ゴキブリやノミ、蛆虫との闘いも、時には遭遇することがあります。
シルバー人材センターさんや訪問介護の自費ヘルパーさんと協力して解消を目指したりします。
餌にワクチン、避妊手術など…。
適切に出来ておらず、ペット屋敷になる家は…じつは多い。
飼えないなら、飼うことは罪だ…。
訪問するだけで、何枚ストッキングが破けてボツになるか。
素足に傷が入るなんて、日常茶飯事…。
そんな事例も少なくはないものです。
獣医師さんや市町村と連携しつつ解決を目指すんですけどね。
本当に孤立して過ごす人も多い。
地域の輪に戻すのはとても大変。
市町村が用意しているイベントにも出掛けてくれない閉じこもり…。
大きな支障にならねば静観することもあるのですが…。
明るく楽しく生活してもらおうと躍起になると…バーンアウトに繋がりますかね…。
市長の〇〇さんに言うぞ!
教え子に〇〇やってる子がいてさ!
『 はぃ、どうぞ 』
と、返答するものの、気が気じゃなくなって落ち着けなくなるもんです。
実際に電話が回って、回り回って事情聴取~…なんて事態には遭遇したくないものです。
他にもいろいろなタイプの困難事例があると思いますが、今日のところは思いついたのがこんなジャンルでしたので…。
1~10個目まで、1つだけで困難事例が形成されるようなケースも稀なものです。
困難事例は、けっこう数点の課題を内包していることも多いです。
解き解すのは、とても難しかったり、時間がかかることもあるものです。
さて、私が介護支援専門員をしていて、最も困難事例だと思ったケース…。
末期の肝臓癌の患者さんで肝性脳症を併発された方。
肝臓の機能が癌で低下したためにアンモニアが処理できず、脳に結果として到達すると脳がやられます。
本人に自覚を求めることも出来ず…。
お薬を分解する肝臓が機能しないので、効果的な薬も高価である上に、効き目が薄い…。
起きれば徘徊して言葉が通じず…。
制止する人、そのものが認識できない…。
お元気な頃の人格も出たり出なかったりと変遷…。
突然、電池が切れて昏睡状態に陥る…。
食事も排泄も本能のまま…。
着替えや保清も、チャンスを見て取り掛からねばならない。
寝ているうちに、起こさないように…。
定時の訪問型サービスでは対応が出来ませんでしたね。
訪問看護さんの臨時対応と私自身の突撃を24時間で繰り返して…。
支援者側も、体力的にも精神的にも苦しかったです…。
この状態では、どこの病院も施設も入居させてくれないものです。
自宅で家族と介護、医療のサービスで奮闘するしかない…。
透析でコントロール出来るという記事も見つけたんですけど、透析に送るにも穏やかに過ごしてくださらない…。
主治医と一緒に悩んで対応に走る間に、病気でお亡くなりになられてしまいました。
困難事例への対応はケースごとに1つ1つ違うので、これ!という解決策が出て来ないです。
経験則から、医療指導から、最適解を目指すんですが、傍から見ると迅速に解決せねば!と時間との勝負になることもあります。
逃げ出したくなることもある困難事例…。
今日も日夜、奮闘されている支援者さん、ご苦労様です。
気を張り詰め過ぎず、じっくり考えて着実に解決していきましょう(*^▽^*)