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介護施設…社内留保が問題になりますよね…。
慢性的な人員不足なのに、少ない人数で利用者さんを囲い、余ったお金を貯蓄…。
どうにも始末に負えない…。
20年後30年後の施設の建て替え費用でもありますもの…。
効率化を考えて、次に練り込む作戦はセンサーでしょうか…。
人手不足を補うためにセンサーを設置するのは確かに有効なのですけども…。
結局は、人を大事にしない施設には未来がないと思うんですよね…。
赤ん坊を出産された方。
入院中に赤ちゃんの心拍数を計測するベッドがあったでしょう?
あれ、ようやく介護施設にも普及しつつあるのをご存じでしょうか?
ワーカーステーションなどでモニターがあって異常を検知するとお知らせブザーが鳴るというもの。
特養なんかでは当たり前だと思っていましたがそうでもなかったようです。
ない施設には未だにないです。
で、施設の規模にもよりますが設置には機器や配線、人件費と膨大な金額がかかります。
貯め込んだ内部留保をはたいて…まだまだ残る内部留保。
さて、センサー。
□ 肩口などに洗濯バサミのようにして止めて、外れると鳴るタイプ。
□ 起き上がると重みの動きを感知して鳴るタイプ。
□ 起き上がって赤外線を遮断すると鳴るタイプ。
□ ベッドから降りるべく足を付くと重みで鳴るタイプ。
□ で、先述したように呼吸状態や心拍数を計測して伝達するタイプ。
これで事故率が下がると思いますか?
夜勤が1人とか…日勤が数人で4対1とかの人数比で少ないなんて状況で、センサーが鳴ってどれだけの早さで駆けつけられるのか?
もちろん、事故後の発見率は時間が短縮化されますけどね…。
法改正をして高齢者さん2人に1人の人員配置としたり、夜勤者さんをフロアにつき2人配置することを義務化する方が、よっぽど巡回や人目が届く介護になるのではないだろうか…。
機械類は便利だけど、頼ると人の感性が鈍る。
数値化だけが全てではないのである。
高齢者さんがお金に見える…。
加算、単価、稼働率!
こんな言葉が飛び交う施設はよろしくない。
高齢者さんを金づると見て商売が先行しやすい。
儲かると思えば、あれもこれもと事業の幅を広げ、人材不足に泣くハメになるだろう。
綺麗事を申せども、収益がなければお給料が出なくなり、さらに人は離れてしまう。
経営陣は、今ある人材を大切にする必要がある。
交代の育成には時間がかかるのです。
その間のサービスの質は確実に低下する。
現場の邪魔になるかもしれないが経営者は1日に数時間、現場に入り介護を行うようにしよう。
自分の会社の職員がどう感じてどのように仕事をしているのか?
経営者が入ることで現場は緊張と余所行きの顔になってしまうが、それでも日常化して数日、観察してみれば様々な気づきを得られるだろう。
さて、日々を過ごす職員さんとセンサーのお話。
センサーが反応してから、すぐに現地に走れるか?
走った挙句に、放置したその場が事故の原因になることも…。
トイレ介助中にセンサーが鳴ったので持ち場を離れてセンサー対応。
トイレから転落してしまう事故が起きて対応に追われる。
センサーの場所でも事故が起きていた…。
という具合に二重三重のトラブルに見舞われたりもする。
発見から対処まで即断、即決、即応とはいかないのである。
持ち場の高齢者さんの特徴や考えを事前に情報として把握。
その時の持ち場の様子を把握。
優先順位と対応程度を決めて迅速に動く。
その場での判断力が物を言う。
判断が正しいほどに、処理が少なくて次の業務に向かうことが出来る。
机上の空論ではこうだけど…。
センサーの音1つでスイッチが入ったかのようにナースコールを押す複数の高齢者さん。
無用な刺激になって別の機械に振り回される。
けっこう…よくあるパターン。
結果として、センサーにもナースコールにも即応できないのが現状ではないだろうか。
予め、高齢者さんに必要と思われる小道具を用意して置き、事故率を下げる。
AをしてBをして、それからCの業務をして〇時になったら記録時間を採る。
スケジュールを思い描いて、後はひたすらスキルを発揮しつつ、こまごまと仕事を消化する。
自分自身は先の流れだけど、1人で介護をするわけではない。
Aさんが〇〇を、Bさんが△△を、Cさんが☆☆の業務をしているから、私は今、これをする!という具合にも業務を組み立てる。
これも理想形である。
Aさんが〇〇、Bさんが△△、Cさんが☆☆…打ち合わせをしていないとそうはならない。
誰もが自己中心的で指示や取りまとめが無ければ予想通りにいかないものである。
逆に、この指示や命令経路を徹底してシステム化するとロボットのような介護になる他、臨機応変な能力が損なわれてしまい、事故率は一向に下がらなくなる。
あるいは、体力があって有能で率先力のある人に仕事の負担が大きく圧し掛かり、バーンアウトさせてしまうことになりかねない。
人の心や考え方は見えないが、日頃の言動で測れるものである。
チームで行う介護、人の輪がいかに大事な場かが伺えるだろう。
センサーがあって、ナースコールがあってと機器類に恵まれる。
その事自体は悪いことじゃない。
そこに介護に向かう人の輪がポジティブに機能して初めて実を結ぶ。
スカスカの人の輪だと意味がない。
潤沢な人の輪を形成できてこそ、介護現場は生きてくるのである。
離職者も多く、人材育成もままならない。
お給料を釣り上げても人が来ない…。
コロナウイルス感染症の影響もあって施設や病院が大変な状況なのは誰もが知っているので尻込みしてしまう。
起死回生の一手を思いついた。
家族教育とボランティアとしての参画である。
外部から人を入れるのはダメ?
お金を支払っている?
様々な声が聞こえてきそうではあるが、一ヶ月に何回か、1日の何時間かを高齢者さんのために当てていただけるようにお願いしてみてはどうだろうか?
ご家族に予めマニュアルをお配りして熟読いただく。
次に来苑時間のスケジュール調整を行う。
大勢で来苑されたら、過密な状態になってしまいますからね。
各フロアにて高齢者さんが30人規模であれば10%の3人までとするなどルールを決めておく。
お食事の介助やおトイレの介助も実践いただく。
ご本人様とご家族様で、その時間は基本的に自由にお過ごしいただくのである。
もちろん、日常的に大勢の介護を実践している現場スタッフの介護とご家族の提供する介護は中身が全く異なることがあるだろう。
その細部の差異は記録することで次の良質な介護に向けた土台を作ることになる。
予めマニュアルと教室を設けることが大事な点である。
施設のエントランスを除く程度では施設内の悲惨な現状は見えて来ない。
お食事、排泄、お風呂といった三大介護も実践現場は覗きにくいものです。
特養では要介護3~5の重度な方が入居されています。
職員さんは一生懸命に頑張っていますが、介護を必要とされる方と職員の人数が釣り合わず、1日中、悲鳴が聞こえてきそうな状況…かもしれません。
機器類の投入よりも人の投入、人の輪を形成することに腐心せねばなりません。
機器類ばかりが先行しないように注意しましょう。
機械は機械で誤作動もあって、手間暇を増やしてくれる場面もありますからね。
日々、忙しい特養勤務の皆様、背負い過ぎ、働き過ぎに気を付けて今日も頑張りましょう。