目次
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6月の梅雨空の続くこの季節、カレンダーをめくっても、空を見上げても、なんとなく心は曇りがち。
洗濯物は乾かず、傘は手放せず、髪はふくらみ、気持ちももれなくふくらみ気味。
気圧のせいか、気分のせいか、午後の時間がちょっぴり重く感じる日もあるでしょう。
でもね、そんな時こそ、冷蔵庫を開けてほしいんです。
そこにちょこんと佇む、冷たくて、つるんとしていて、やさしい甘さをもった“あの子”。
スプーンを入れた瞬間のやわらかい抵抗感、口に運んだときの、あの……なんとも言えない幸福な質感。
🍀夏の手前、雨音のなかで静かに輝くその存在は、まるで甘味の妖精。
心の中の曇り空を、ひとさじでふわっと晴らしてくれるような――
そんな魔法が、冷たくて甘くて、しかもぷるぷるしてるなんて。
さあ、もう少しだけ梅雨が続くその前に、とっておきの“冷たい幸福”をめぐる物語を、はじめましょう。
一見、よく似ているふたり。
つるんとした透明感、涼しげな佇まい、冷蔵庫での存在感もほぼ互角。
でも、静かに見つめていると分かってくるんです。
このふたり、根っこから違う人生(甘味生)を歩んできている、と。
水ようかんは、和菓子界の育ちのいい長男坊。
「ようかん」と名がついてはいるけれど、通常の練りようかんとはまるで別物。
あれはどっしり重厚、冬のこたつと緑茶に似合うタイプ。
それに対して水ようかんは、暑い季節にひっそりと登場する涼の申し子。
こしあんを寒天でとじ込めて、さらりと流れるような舌ざわりに仕上げたその姿は、まさに「静寂の中に佇む甘味」。
対するゼリーは、洋菓子界のカラフルな自由人。
グラス🍸に光を散りばめて、ぷるんと揺れるその様は、まるでパーティー会場で踊っているみたい。
もとはと言えば、イギリスの貴族たちが「見た目が楽しいじゃない?」と始めたお菓子遊びがルーツとか。
そして時を経て、フルーツやジュレ、炭酸やミントまで取り込みながら、ついにはカフェのデザート皿でも堂々たるスターに。
そんなふたりが、今ここに並んでいる。
冷蔵ケースの中で、お互いを意識しながら静かに主張を始めているのです。
「上品な甘さが、日本人の心に寄り添うんです」と語る水ようかん。
「いやいや、見た目とバリエーションが勝負でしょ?」と挑発するゼリー。
そして、わたしたちは問われるのです。
あなたはどちらの甘味に、心を許すのか――と。
この物語、まだ始まったばかり。
次なる舞台は、スプーンを入れたあとの“あの瞬間”に、光が当たります。
ひとくち目を、どう迎えるか。
これが、冷たい甘味の運命を分ける最大の分岐点。
まずは水ようかん。
スプーンをそっと入れれば、まるで静かな湖に船を浮かべたような滑らかな感触。
そのまま口へ運べば、つるんと入り、ほんの少しだけ“ほどける”。
そう、まさに“ほどける”のです。
もぐもぐではない。カリカリでもない。
“するり”と、そして“ほろり”。
これはもう、食べるというより、舌があんこに包まれて昼寝してる感じ。
一方、ゼリーはどうだろう。
こちらは、スプーンを入れた瞬間から違う。
ぷるん!と反発してきたかと思えば、そのままふるふると震えながら崩れていく。
ちょっとしたパフォーマンスである。
そして口に入れると…おや、跳ねた。
ひんやりと冷たく、弾力のある食感が舌をくすぐる。
フルーツが入っていれば、甘さの中にちょっぴり酸味もあって、味覚の上でまるで夏祭りが始まったような騒がしさ。
これはこれで…いや、かなり楽しい。
水ようかんは、呼吸を整える。
ゼリーは、気分を上げる。
それぞれの食感には、もはや性格が出ている。
控えめな品格を持つか、明るく揺れる自由を愛するか。
スプーン🥄がどちらを選ぶのかは、その日の気分次第。
そう考えると、冷たい甘味とはなんと繊細な選択だろう。
わたしたちは、たった数秒の舌触りに、ここまでの物語を見出しているのだ。
だが、ここで話は終わらない。
見た目の華やかさ、つまり“第一印象の魔力”もまた、甘味界において無視できぬ力。
次章では、つるんと冷たいこの子たちが、どんな顔で誘惑してくるのかを、じっくり覗いてみようと思う。
お皿の上にひとつ、涼しげに置かれた甘味。
そのとき私たちは、まず「目」で食べている。
つややかな表面、光を受けてキラリと反射する輪郭、ひんやり冷たい存在感。
そして次に浮かぶのは、こうだ――「これは、写真を撮るべきか、すぐ食べるべきか」。
ゼリーに至っては、その悩ましさが段違いである。
カラフルな層になったジュレ、透けて見える果物たち、時には炭酸の気泡まで閉じ込めて。
まるで宝石箱をひっくり返したような眩しさ。
しかも、器がまたずるい。
ガラスのグラスに盛られていたり、足のついた洒落た容器に収まっていたりするものだから、スプーンを入れる前に3枚は撮ってしまう。
こうして今日もSNSはゼリーで溢れるのだ。
一方、水ようかんはどうか。
こちらは派手さを競う気はない。
シンプルで、静かで、すっと空気になじむようなたたずまい。
だけどその奥にあるのは、凛とした「和のたしなみ」。
竹の器にちょこんと盛られたり、栗ようかんのような木の舟に乗って出てくる姿は、
どこか茶室の美意識に近いものがある。
🌟光を吸い込むような深いあずき色。
飾らないのに、目を離せない。
控えめで、でも確実に記憶に残る。
それぞれの甘味が、自分らしい衣装をまとって、わたしたちの食卓に登場してくる。
ゼリーは「さあ、見て見て!」と華やかに。
水ようかんは「お邪魔します」と静かにすっと。
でも、どちらもふるふると、まるで舞台の上で微笑む役者のように、存在感は抜群だ。
そして、このあたりでわたしたちは、ふと思うのだ。
いや、どっちが上ってわけでもなく、これはもう**“好み”という名の沼**なのではないか、と。
だが油断してはいけない。
この世界にはまだ、ぷるぷる仲間たちが潜んでいるのだから。
次章では、あの子たちのことも、きちんと紹介しておかなければならない。
さぁ、そろそろ決着を――という雰囲気が漂ってきた頃。
舞台の袖から、誰かが手を挙げた。
「その勝負、まだ終わってませんけど?」
まず静かに現れたのは、くず餅。
つややかに透き通ったその姿は、まさに初夏の陽射しを受けて輝く川面のよう。
その上からとろりと黒蜜がかかれば、もう風情と誘惑が共演。
口に含めば、もっちりとしつつ、儚くほどけるその弾力。
これは和の底力、まさに“渋くて粋なぷるぷる代表”。
続いて、タピオカが弾ける音と共に登場。
かつて世界を席巻したこの黒い粒、冷たいミルクティーに沈んでいるかと思えば、今やプリンにも、ココナッツミルクにも溶け込んでいる。
その弾力たるや、ぷるぷるというより、もちもちとむにむにの共演。
「飲むのか?食べるのか?」という根源的問いかけを投げつけながら、今日も存在感は抜群だ。
その隣に、すました顔で控えるのはパンナコッタ。
イタリア生まれのぷるぷる貴族。
シルクのような舌触り、クリームのコク、ほんのりとした甘み。
主張は控えめなのに、食べた人は「なんか上品…」とつぶやいてしまう。
バニラビーンズが舞い落ちたその一皿は、ぷるぷる界の社交界からの刺客かもしれない。
そして誰よりも静かに、でも凛と立つのがところてん。
さっぱりとした味わい、つるんとした喉ごし。
甘くないからこそ、逆に印象が強い。
酢醤油派と黒蜜派に分かれて争いが絶えないところも、彼の魅力の一つかもしれない。
「わたしは甘味じゃない」と言いつつ、夏になると必ず食卓に登場する――この控えめなスターも、忘れてはならない。
そして最後に、登場するのはプリン。
ええ、あなたもです。
スプーンを入れたときのなめらかさ、卵とミルクのふくよかな香り、そしてカラメルソースのほろ苦さが一体となったその存在感。
もはや説明不要、ぷるぷる界の王道中の王道。
洋も和も関係ない。
プリンはプリン🍮。
そこに在るだけで、誰もが笑顔になる。
こんなにも、ぷるぷるたちは多種多様。
色も、香りも、食感も、背景も、それぞれ違うけれど、
どの子もみんな、この時期のわたしたちの気分をほんの少しだけ持ち上げてくれる、小さな魔法使いたち。
そしてここにきて、わたしたちはようやく悟るのだ。
この戦い、勝ち負けなんてなかったんじゃないか――と。
そう、次章ではついにまとめ。
それぞれの個性が花開いたこの舞台、最後に笑うのは、実は読者のあなたかもしれませんよ?
ぷるぷる、つるん、ひんやり。
その一口の向こうに、これほど多くの物語が潜んでいるとは――誰が想像したでしょうか。
水ようかんの静かな美しさに心を鎮め、ゼリーの華やかなキラメキに目を奪われ、くず餅の和の奥ゆかしさにうなり、タピオカのもちもち弾力に笑い、パンナコッタのなめらかさにため息をつき、ところてんの潔い清涼感にハッとし、そしてプリンの絶対的安心感に包まれる。
気がつけば、スプーンは止まらず、冷蔵庫は賑わい、わたしたちの午後は、静かに幸せに満たされていたのです。
では、ついに発表しましょう。
ぷるぷる界の王者は――
……選べません!
だってどれも違って、どれもいい。
栄養価を比べても、食感を比べても、冷え具合を比べても、プルプル指数はそれぞれ100点満点で、舌も心🩷もすでに全員に惚れてしまった今、勝敗をつけるなんて、とてもできません。
というわけで、この戦いの勝者は――
スプーンを持って、ニヤニヤしながら読んでくれた、あなたです。
今日のあなたが選ぶひと皿が、正解。
水ようかんでも、ゼリーでも、くず餅でもプリンでも、その時の気分と体調と気温と冷蔵庫次第。
甘味とは、自由で、気まぐれで、気持ちのよい裏切りなのです。
梅雨の空がどれだけ曇っていても、おやつの時間には、ひんやり甘い希望をひとつ。
そしてぷるぷるたちが、そっとこう囁いてくれるでしょう。
「また冷やしといたから、いつでもおいで」って。
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