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お盆に高齢者の方がデイサービスや施設で過ごされる時に、レクリェーションを日常と変わらず提供されますよね。
お盆の期間は高齢者の方にとっては、とても大事な数日になります。
レクリェーションと表題にしますと、いささか不敬に値するかもしれないと思いつつ、意義深い事柄を多く内包しているので、このような表題にしてみました。
お盆にレクリェーションを担当者様が選択して行う時に、高齢者の記憶力を維持するための連想や回想のあり方を模索されることは、とても意義があることです(*^▽^*)
レクリェーションで楽しく記憶を連想したり、回想してグループで共有を図ることは、とても意義があることです。
ただお盆という時期を連想したり、回想するとなりますと、不要な記憶が続いて出てきます。
お盆と重なる8月15日は終戦記念日ですよね。
同時に空襲や被爆など戦争に絡む記憶が続いて連想されてしまいます。
戦争で親兄弟が亡くなられた方もおられます。
家が焼けたり、自分も大怪我をされた方もおられるでしょう。
はたまた戦後の焼け野原の中、食べ物や生活そのものが苦しかった時代を想像される方もおられます。
その負の遺産から連想される時に伴う感情は激しい苦痛になります。
高齢者さんによってはその激しい記憶から、夜に眠れないほど神経が尖ってしまう方もおられます。
ですから、このテーマが深掘りされる時には、穏やかな雰囲気を形成して、違和感なく別のテーマへと誘導転換を図る必要があります。
レクリェーションで回想すべきは印象深い出来事をさらに深掘りすることではなくて、曖昧となっている記憶を繋ぎ止める、鮮明にする作業であることを意識するようにします。
お盆は、ご先祖様が自宅に戻られる日でお迎えしておもてなしする風習です。
どこのご家庭でも、話題になるテーマを取り上げることが妥当です。
じつはお盆は各家で飾り方が厳密には異なります。
同じ家の構造をしていたわけでもありませんし、様々な物を調達して並べるのですが、同じ物を同じ数だけ揃えて、同じ向きに丁寧に並べていた…なんて細かいところまで合致することはありませんよね。
ほおずきや盆花、精霊馬に精霊牛、盆提灯などお盆を代表する道具をテーマにしてみることで、各高齢者さんの拘りや家風が見えてきます。
きっとお盆に丁寧に飾り、お線香をしてご先祖様を大切におもてなししてこられたと思います。
各お家での違いで、良いと思ったことを帰宅されたら、取り入れて実践される…なんてプラス思考の方が登場されれば効果的ですよね。
どの地方で土着して活躍されてきた家柄なのか?
身近な利用者さんが、歴史上の有名人につながっているかもしれませんよね。
誇らし気に語られるご先祖様は、きっと喜ばれるでしょうし、語る側の利用者さんも心が弾みますよね。
こうした楽しく話ができるテーマが回想法では有効になりますよね。
お盆飾りや灯籠流しなど一連のお盆という風習には、利用者さんごとに必ず下地があります。
その下地を深掘りしましょう。
お盆はどのように過ごされてきたのでしょうか?
一人で過ごされてきたということはありませんよね。
小さい頃はお友だちと遊んだり、家の井戸水でスイカを冷やして皆で分けて食べた…。
まくわ瓜を冷やして食べた…。
お母さんが水あめを作ってくれた…。
皆さん、それぞれのお盆の頃の過ごし方があったはずです。
日常の穏やかな生活の中の記憶をそっと呼び覚まして思い出すことで、その時の周囲で自分を支えてくれた人の温かみを感じることにも意義がありますよね。
そんな小さい頃のお盆。
学生の頃のお盆。
大人になってからのお盆。
と時系列を並べて回想していくことで、豊かな回想を結ぶことができますよね。
ほおずき、盆花、キュウリの馬にナスの牛、盆提灯はお盆を連想しやすい小道具になりますよね。
現物が用意できれば連想もしやすいですが、写真や絵でも大丈夫です。
また高齢者さんの親御様などのご職業や家柄などが分かっている場合には、そんな職業に関連した小道具も有効ですね。
特に農業の場合は、戦後まもなくまでは牛を活用した農業ですし、脱穀機や精米機も木製であるなど有名な写真や絵で用意しやすいですよね。
他にも街中を馬が走ったりもしていましたので牛や馬の写真。
当時の自然風景から建物の写真も有効です。
高齢者さんが回想法で思い出しやすい環境を整えましょう。
男性と女性では大きく生活が異なるので組み合わせて効果的な場合と別々に回想法に入ることで効果的な場合があります。
また人数は大勢では効果が薄くなりがちで、少人数で深掘りをじっくり進めていくことが効果的になります。
部屋は和風で小部屋が一般的に適しています。
リラックスして会話が弾むように、お茶とお茶菓子を用意します。
お茶とお菓子も古風に。
昔からあるもので統一感を持たせていきましょう。
出来れば、室温、湿度を適度に保ち、若干、涼しく設定して飲み物を温かく、お菓子は夏らしく清涼感あるものが最適ですよね(*^▽^*)
レクリェーションでお盆を想定して回想法を活用する場合には、負の遺産を避けます。
楽しく、過去を振り返る工夫を充実させていくことで効果が高まります。
誰でも味わった幼い頃の記憶まで深掘りできましたら、効果的です。
終わった後、豊かな時間を過ごせたと高齢者の方に実感いただけることが何よりの成果になります。
~ 企画書 ~
レクリェーションの企画書では思い出す、回想するということでは企画書として成立しません。
連想から深い回想を導き、記憶の定着化を図ること。
さらに常の感情を穏やかに保つための訓練の一環であることとその後の感情の大きな変化がないか注視していくことも必要です。
ですから穏やかで楽しい気持ちが最も重視されることになります。
レクリェーション担当者さんは十分なリサーチの上、実施上は努めて明るく、穏やかに高齢者さんを誘導していかねばなりません。
レクリェーションがうまく達成できると良いですね(*^▽^*)