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誰もがご両親から生まれて、お亡くなりになるまで…。
そして、お亡くなりになられた後にも辿ることになる人生の節目があります。
そんな人生の節目は、『 通過儀礼 』と呼ばれています。
人生に点在している通過儀礼には、様々な儀式が、昔からの慣習として用意されています。
今回はそんな通過儀礼を年齢順に並べてご紹介する記事にしてみました。
お母さんが妊娠されて、赤ちゃんが誕生する前。
出産まではと十月十日 ( とつきとおか ) 頃と伝えられています。
もちろん出産予定日も計算されますけど、前後して早いお子様も遅いお子様もおられます。
妊娠中の安産祈願のことです。
妊娠五カ月目にある儀式です。
腹帯を巻いて、安産に備えます。
いよいよ赤ちゃん誕生!
赤ちゃんが誕生して、産湯を経て産着を着る。
これも産後の通過儀礼です。
赤ちゃんが生まれて7日目の夜です。
命名祝いとも呼ばれ、名前を決めて命名書を神棚に飾り、お祝いします。
生後一ヶ月頃です。
氏神様に宮参りして、赤ちゃんの誕生を報告します。
生まれて初めての外出を兼ねます。
魔除けの印を赤ちゃんの額に書くという風習があります。
男の子は『 大 』 、 女の子は 『 小 』 地域によって異なる場合もあります。
細かいところでは、男の子は生後31日目、女の子は33日目に行うのが一般的とも言われています。
実際には、天気が良く、ご両親や祖父母の都合がつく日を選んで行われてます。
生後100日目に行います。
丈夫な歯が生えて、一生を食べ物に困らないように願う儀式です。
お祝い膳に、氏神様の境内の石を並べ、歯茎に石を添えることで丈夫な歯になるという風習もあります。
その祝い膳には、
□ 尾頭付きの焼き魚
□ すまし汁
□ 煮もの
□ 香の物
□ 赤飯
…などを用意して、赤ちゃんに1つずつ食べる真似をしてもらいます。
器は、漆器が本式で、男の子は総朱、女の子は黒内朱。
箸には祝い箸を用います。
生誕から初めて迎えるお正月をお祝いします。
昔はお正月に年齢を重ねる風習がありまして、その名残りです。
一升分のもち米を焚いて、餅をつき、背負う風習もあります。
お正月に行うのと、実際のお誕生日と2回、盛大に祝うことになっています。
女の子は3月のお雛様を飾り、男の子は5月の子どもの日に武者人形や兜を飾り、盛大にお祝いをします。
11月15日に行われる儀式です。
前後の良い日に行われることが多くなっています。
男の子は3歳と5歳、女の子は3歳と7歳でお祝いをします。
これは最近の風潮ですけども、10歳で成人までの半分としてお祝いの席を設けるようになりました。
小学校で流行しております。
あ、義務教育ですから小学校でお祝いするのは当然です…。
一応は4月15日の儀式。
この前後に行われることが多いです。
数え年で13歳になる男女の開運と幸せを願う行事です。
知恵を司る虚空蔵菩薩に参拝する習わしで関西地方で盛んです。
本裁の着物を着て成人になる練習をする日でもあります。
この辺りまでが、昔からの風習の通過儀礼です。
他に保育園や幼稚園の入園式と卒園式。
小学校、中学校、高校、大学、専門学校の入学式と卒業式。
未成年の間の通過儀礼は、他にもまだまだたくさんあります。
20歳になった男女を新成人として祝う儀式です。
今は18歳引き下げです…。
昔は、男子は『 元服 』 、女子は『 髪上げ 』『 裳着 ( もぎ ) 』という儀式が15歳前後で行われていました。
1月15日に暦で小正月と呼ばれ、この日に儀式を行っていたので、今も成人式はその頃に開催されています。
現在は1月の第2月曜日ですけど…。
□ 結納
□ 結婚式
□ 披露宴
大厄と呼ばれ最も祈祷が大切とされる年齢は男性が42歳で女性が33歳です。
『 しに 』とか『 さんざん 』と読める語呂合わせで覚えられます。
語呂合わせが悪いから、縁起が悪いとされています。
だからこそ、厄払いをしてもらい、気をつけようという1年になっています。
厄年の年齢は…、
男性は、
□ 25歳
□ 42歳
□ 61歳
女性は、
□ 19歳
□ 33歳
□ 37歳
いずれも満年齢に+1で数える、数え年で行うとされています。
この他にも通過儀礼としては、
□ 入学式
□ 卒業式
□ 入社祝い
□ 転職祝い
□ 退職祝い
…なども、現代社会では、誰もが通る儀式と呼べるかもしれません。
□ 還暦 ( かんれき ) 60歳 … 干支が60年で一回りで、自分の生まれ年の干支に還るから。
□ 古希 ( こき ) 70歳 … 唐の時代の中国の杜甫という詩人の詩から。
□ 喜寿 ( きじゅ ) 77歳 … 喜の草書体を分解すると七十七と強引に読む洒落から。
□ 傘寿 ( さんじゅ ) 80歳 … 傘の字を略字にして分解すると八十と読めるから。
□ 米寿 ( べいじゅ ) 88歳 … 米を分解すると八十八と読めるから。
□ 卒寿 ( そつじゅ ) 90歳 … 卒の字の略字を分解すると九十になるから。
□ 白寿 ( はくじゅ ) 99歳 … 百の一歩前は一をとると…白だから。
□ 百寿 ( ひゃくじゅ ) ( 紀寿とも ) … 100歳の縁起の良い数字から。
□ 茶寿 ( ちゃじゅ ) 108歳 … 茶を分解すると二十と八十八で合わせると百八になるから。
□ 皇寿 ( こうじゅ ) 111歳 … 皇は白と王に分けられて九十九と二十に解字できて足すと111だから。
□ 大還暦 ( だいかんれき ) 120歳 … 還暦を二周するので大きな還暦です。
還暦が二周目する大還暦まで、昔から長寿を願う心が、風習として大切にされて出来た言葉です。
さて、人生の通過儀礼はまだ続きます…。
そう死後も、いろいろあるのです。
ご先祖様に仲間入りです。
□ 通夜
□ 葬儀 … 火葬
□ 告別式
□ 初七日
□ 四十九日
□ 百か日
□ 一周忌
□ 三回忌
□ 七回忌
□ 十三回忌
□ 十七回忌
□ 二十三回忌
□ 二十七回忌
□ 三十三回忌
死後の儀式も、とても先々まで用意されています。
毎年の春と秋のお彼岸。
そして、お盆。
月命日といって、亡くなられた毎月の日付で御経をあげていただく風習もあります。
ご先祖様を大切にしてきた日本の文化の1つです。
生まれる前から、亡くなった後まで、多くの通過儀礼があるものでしょう?
並べて見ただけですけど、たくさんあります。
ここで大事にしたい思いは、『 お祝い 』は本人だけでは成り立つものではなくて、『 自分以外の誰かに祝ってもらう 』です。
…そう生まれる前から、亡くなった後まで、誰かと共にお祝の場を過ごすことになるわけです。
誰かと共に過ごす。
一生の通過儀礼に込められた眼目は、その辺りにあると言えるでしょう。