目次
🎻BGMをご用意しました。お好みで▷ボタンでお楽しみください。
夏といえば、そう、虫取りである。
だが、虫を取るのは簡単なことじゃない。
なにせそこには、網を握る小さな手と、熱中症寸前の大人の影、そして、見えない場所で叫び声をあげるママの存在がある。
今回の主役は、保育園児の男の子とそのパパ。ママは…叫ぶ係である。
麦わら帽子、虫かご、虫取り網。
いまどきの親子がそんな昭和フル装備で夏の外に出るなんて、珍しいかもしれない。
でも意外なことに、虫たちはまだいる。
マンションのベランダにも、公園の木陰にも、ひっそりと。
パパと息子がふたりで見つけたのは、セミの抜け殻だけじゃない。
足元にある夏の冒険と、にぎやかな家族の騒動、そして小さな命に触れる時間だった🩷。
「パパ、あの虫なに?」「え、知らんけど…」そんなやりとりがきっと、人生で一番素敵な思い出になるのだ。
この記事では、都会でも意外と見つかる虫の正体や、たくさん捕まえるための裏技、家に持ち帰ったあとのパパの地獄、そして何より、ママが発狂する理由をユーモア満載でお届けする。
検索でこのページに辿り着いたあなた。
ようこそ、パパと息子の“夏の虫ハンター列伝”へ──。
「ねぇパパ、虫ってどこにいるの?」
そんな素朴な疑問を抱えて、網と虫かごを持った保育園児とその父は、アスファルトの街に繰り出した。
いや、正確には、ママに「熱中症になるから30分だけよ!」と釘を刺されつつ、出撃したのである。
公園に行けば虫がいる、そう思っていた。
ところが、見渡す限り整備された芝生と遊具の海。
虫、いないじゃん…。
しかし、虫というのは、案外人の見ていないところにいるのだ。
パパが蚊に刺されながら腰をかがめ、子どもが「あっち行ってみよう!」と叫ぶ。
すると──。
いた。ダンゴムシ。
しかも大量。
植木の陰、ブロック塀の裏、枯葉の下。
まさにダンゴムシのテーマパーク。
息子、大興奮。
パパ、腰が限界。
そんな彼らの前に、次々と現れる夏の昆虫たち。
飛び立つバッタ、セミの抜け殻、アゲハチョウ、カナブン、カメムシ、時々よくわからない謎のやつ。
「ほら!虫、めっちゃいるじゃん!」と息子は誇らしげに言う。
パパは内心「やばい、名前知らないやつ出てきた…」と焦る。
でもそれでいいのだ。
虫取りで大切なのは、“探す”のではなく、“虫の気持ちになる”こと。
草の下、木の幹、ちょっと湿った場所。
そこが彼らの居場所。
朝は涼しくて活動的、昼は暑くて隠れてる。
夜は灯りに集まるやつも多い。
人間とはリズムが違うからこそ、面白い。
「見つける」というより、「出会う」。
虫たちはどこにでもいる。
ただ、見えてなかっただけ。
パパと息子は、この夏、虫と出会い、自然とつながり、そしてママの雷に怯えながら、静かに家路についたのだった🩷。
──まだ、はじまったばかり。
虫取りの旅は、これからだ。
午前九時、公園に到着。空は青い。セミが鳴いてる。
そして、すでにパパは息切れしていた。
「パパ〜!こっちこっちー!」
元気いっぱいの保育園児が駆けてゆく。
虫取り網を掲げて、戦隊モノの主役のようなポーズ。
対してパパは、頭からすでに汗が流れ、首に巻いたタオルはフル稼働中。
「なんでこんなに暑いんだ…まだ朝なのに…」
虫取りという遊びは、どうしてこうも大人を追い詰めるのか。
しゃがむ、立つ、移動する、追いかける。
そしてまたしゃがむ。
虫と違って、パパの足腰にはリミットがある。
しかもそこに飛び込んでくるのは、蚊。
さっきからやたらパパばかり狙ってくる。
子どもは無傷でピンピンしているというのに。
「パパ、これなんの虫?」
「ん?えっと…カナ…カナ……ナントカブン……?」
「ふーん……ちがうっぽいね」
完全に信用を失った瞬間である。
さらに追い打ちをかけるように、セミがパパの耳元でいきなり「ジィィィィィィィィ!」
パパ、のけぞる。
息子、笑い転げる。
後ろで見ていた知らないママ、つられて吹き出す。
それでもパパは虫を探す。
なぜなら、息子が「パパすごいね」と言ってくれる…その一言のために🩷。
炎天下の中、熱中症寸前で麦茶を一気飲みしながら、ふと思う。
これ、虫取りじゃなくて、パパの修行じゃないか?
だが、ふと足元を見ると、小さな虫がぴょんと跳ねた。
「パパ、いまの見た!?バッタだよ!追いかけよう!!」
その瞬間、疲れはどこかへ飛んでいく。これが、夏の魔法だ。
パパは今日、虫と汗と息子の笑顔にまみれながら、人生の経験値をひとつ上げた。
ただし、帰宅後に待ち受ける“ママのジャッジタイム”だけは、まだレベルが足りない…。
「パパ、これ…うちで飼える?」
その一言は、全てのはじまりだった。
虫取りというイベントが、ただの“野外エンタメ”で終わっていれば平和だったのに。
虫かごを手に帰ってきた息子の目は、キラキラしていた。
いや、ギラギラしていた。
「今日からこの子がうちの家族なんだね!」
もう名前まで付いている。「ダンちゃん」「セミたん」「クワくん」など、誰が誰かも分からないが、とにかく多い。
パパは心のどこかで思っていた。
虫は“逃がして完結する”存在だと。
だが現実は、すでに子どもの頭の中で“飼育計画”が始まっていた。
「ケース買おうよ!昆虫ゼリーも!土も!木も!」
その声の奥に、親の財布が軽くなる未来がチラつく。
と、そこにママ登場。
網戸を開けた瞬間、虫かごを見て表情が固まる。息子がうれしそうに報告する。
「ママ!この虫、家で飼うからね!」
「……あ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛ーーーーーーーーっっ!!!💢」
リビングが一瞬で戦場になった。
「虫は外の生き物でしょ!?」
「ママの寝室に置かないでね!?」
「羽音聞こえたら無理だからね!?」
その後、ダイニングテーブルに家族会議が招集され、ママによる厳重なる条件付き“仮保護”が認可された。
虫の飼育は意外と奥が深い。
カブトムシやクワガタは、腐葉土とゼリーで手軽に育てられるし、ダンゴムシは野菜くずで生きていく。
アゲハチョウの幼虫なんて、羽化の瞬間はまさに感動的だ。
でもそれを支えるのは、エサ、水、掃除、そしてママの忍耐力。
息子は自由研究気分で観察記録を書き始め、パパは深夜に虫のうごめく音にビクッとし、ママは「虫の呼吸とか聞きたくないんですけど」と言いながら玄関にスプレーを構える。
家に虫がいる。
それだけで、家族の風景はちょっと変わる。
「この虫、冬まで生きるかな?」
「卵産んだらどうするの?」
まるで命と向き合う、小さなレッスン。
虫を通して、家族はちょっとだけ、たくましくなっていく。
……ただしママだけは、いまだに虫かごを視界に入れない🩷。
「パパ、今日はどこ行く?」
朝から網を持って玄関でスタンバイする保育園児。
すっかり虫ハンターの顔つきである。
対するパパは、昨日の筋肉痛でひざを曲げるたびに「あいたたた…」と唸っているが、それでも笑って虫かごを手に取る。
週末になると、ふたりはまるでルーティンのように虫を探しに出かけるようになった。
初めは名前も分からない虫にビビっていた息子も、今ではセミを素手でつかまえて「パパ、見て見て〜!」と誇らしげ。
網さばきも上達し、ついにパパの虫取り成功率を超える日も。
そのときパパは思った。
ああ、これが成長か。
ちょっと悔しいけど、すごくうれしい。
そして、捕まえた虫を家に連れ帰ると、息子は小さな観察日記を書き始めた。
「きょうのダンゴムシはおなかすいてた」
「バッタがぴょんぴょんしてた」
ひらがなと間違ったカタカナが並ぶそのページは、どんな図鑑よりも温かい。
パパもつい、夜な夜な「カブトムシ 越冬 飼育方法」で検索してしまう。
育て方なんて今まで調べたことなかったのに。
虫ってすごいな。
親を変える力があるのかもしれない。
もちろん、ママはずっと「無理!それは無理!」と言いながら、こっそり観察日記のノートを買ってくれていたりする。
冷蔵庫の横に貼られた虫カゴのルール一覧も、実はママの字だ。
夏の終わりが近づくにつれ、虫の数は減っていく。
けれど、ふたりが過ごした時間は虫と違って“消えない”。
「パパ、また来年も虫とりしようね」
「よし、来年はパパが本気出すからな」
そうやって交わした約束が、虫かごよりも大切な“思い出”として残っていく。
たかが虫。
されど虫。
この小さな命に触れたことで、親子の心は確かに近づいていた──ママの悲鳴が響くリビングの隅っこで、今日も静かに虫はゼリーをかじっている🩷。
パパと息子が虫かごを抱えて帰ってくる、その足音だけでママは全てを察する。
あの虫かごの“ガラガラ”という音、あの勝ち誇った笑顔、そして、カーテンのすき間から入り込む未知の生命体。
もはや、この家にとって最大の夏の恐怖は、暑さでも湿気でもなく、「虫を持ち帰る家族」である。
洗濯物に羽のかけらがついていた日、ママは言った。
「……これ、何の部位?」
虫かごの中に謎の抜け殻が増えていた日、ママは叫んだ。
「数、増えてない!?」
そして、真夜中に「ブンブン…カサカサ…」という音で目を覚ましたママは、怒りを通り越して、魂が抜けかけていた。
虫かごは玄関先、と決めたはずなのに、気づけばリビングの一角に侵食している。
小さなテーブルに乗せられた虫かご、その横には観察ノート。
もはやそこは「息子と虫の研究所」と化し、ママの化粧道具は隅に追いやられている。
とはいえ、子どもが楽しそうなのも分かる。
パパがなぜか虫のことを語れるようになっているのも、ちょっと笑える。
でも!でもでも!!
カーテンに止まったカナブンを素手で捕まえてリリースしようとした瞬間、ママの怒号が飛ぶ。
「ちょっと!虫の通り道に私の布団あるんだけど!?!?」
そしてついに、リビングに貼り出された“虫との約束”五か条。
虫かごは室内持ち込み禁止。
虫ゼリーは冷蔵庫に入れない。
羽ばたき音禁止。
逃げたら即通報。
勝手に卵産ませないこと。
家庭内に突如出現したこの“虫条例”が、今年の夏の平和をギリギリで守っている🩷。
ママにとって、虫とは「想定外」そのもの。
でもその虫が、息子の目をキラキラにして、パパのやる気スイッチを押している。
それが少し悔しくて、ちょっと嬉しい。
だからママは、今日も網戸のすき間をチェックしながら、遠巻きにふたりを見ているのだ。
──そんなことを、パパも息子も知らない。
彼らは今日も元気に、虫を探しに出かけていく。
「じゃあ行ってきまーす!」という声に、「帰ってこなくてもいいからねー!!」と叫び返すママの声が、今年の夏のBGMになっている。
虫取りなんて、昔ながらの遊びだと思っていた。
でも気づけば、スマホじゃなく虫かごを覗きこむ息子のまなざしに、パパは毎週、感動していた。
網を持って駆け出す姿。
名前も知らない虫を抱きしめるように見つめる顔。
泣いて、笑って、叫んで、怒られて──。
気がつけば、夏はすっかり“ふたりの冒険の季節”になっていた。
もちろん、ママは大変だ。
洗濯物に虫の足がついていたり、夜中に羽音で目が覚めたり、突然リビングで「羽化ショー」が始まったり。
でも、その全てが「家族の夏」に必要なピースなのかもしれない。
虫取りは、子どもだけの体験じゃない。
大人も、いえ、家族みんなが“育てられる”きっかけになる。
自然に触れること。
命を知ること。
観察して、疑問を持って、時に失敗して、涙すること。
そのすべてが、テレビの中でも図鑑の中でもない、“リアルな学び”になっていく。
あのとき、網を振ったパパの腕の先にいた一匹の虫が、家族の記憶をつくった。
カブトムシよりも、クワガタよりも、もっとすごい“きらめく宝物”だった。
──そして、また来年。
きっと同じ場所で、同じように虫を探すんだろう。
息子は少しだけ背が伸びて、パパは少しだけ太って、ママは相変わらず叫んでいるかもしれない。
でも、それでいい。
これが、我が家の夏の正解🩷。
今日もどこかで、虫を追いかける親子がいる。
あなたの夏も、きっとどこかで、小さな“ブンブン”が始まっているかもしれない──。
[ ⭐ 今日も閲覧ありがとう 💖 ]
読み込み中…読み込み中…読み込み中…読み込み中…😌来場された皆様、今日という日の来訪、誠にありがとうございます
お気づきのご感想を是非、お気軽にお寄せくださいましたら幸いです
😌2つも参加して欲張りですが、是非、ポチっと応援をよろしくお願いします