目次
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桜が咲くと、なぜだか心もぽわ~んと和んでしまいます。
特養のおじいちゃまもおばあちゃまも、ほんの少しの時間でも、お花見に連れ出されれば「えぇ〜?寒いのにぃ…」なんてブツクサ言いながら、いざ桜を見れば目がほころび、帰り道には「来年も…また見られるかなぁ」とぽつり。
でもね、花ってあっという間に散るんです。
…そして、散った後に残るのは――冷たい風と、洗濯物の花粉。
あぁ、春ってなんてはかない。
なんて忙しい。
なんて鼻がムズムズ。
さて、そんな余韻の中で、職員さんたちはふと思うのです。
「桜の次、どうしよう?」って。
みんな花見で盛り上がっちゃって、次のネタ…もう無いじゃん!?って。
いやいや、ありますよ。
桜の後にも咲かせましょう、心の中にふんわり咲く「笑いの花」を。
というわけで今回は、特養でしか味わえない、春の「室内レクリエーションの旅」へご招待🩷。
体はゆっくり、心はぽかぽか、笑顔のつぼみがほころぶレクリエーション、その名も――「五感ぐるぐるルームツアー」!
さぁ、お部屋にいながらお花見の第2幕を、開幕です(^-^)
桜って、咲いているときはヒロインみたいに注目されてるのに、散るときの潔さもまた、日本人の心をつかんで離さない…
でも、散ったあとって、ちょっと寂しくないですか?
「ふぅ~、今年も見た見た。さぁ、終わり終わり」って、お花見が終わると同時に、行事カレンダーにブザーが鳴ったように静かになって。
施設の庭も、つい昨日までキャーキャー騒いでたのに、今日はもう誰も通らない。
あらまぁ、急に冬かしら?ってくらい。
だけどね、高齢者さんの心の中では、まだ桜が咲いているんです。
満開の花の下で交わした何気ないひと言とか、あの日だけ許された甘酒のおかわりとか、ぽかぽか陽気と一緒にやってきた春の香りとか、そういう記憶って、案外いつまでも残ってるものなんですよね。
だからこそ、私たちにできることはただひとつ。
その余韻を、そっと優しく引き延ばすこと。
言うならば、桜のエンディングロールを上映するみたいなものです。
心の中にそよぐ春風を、もうちょっとだけ味わってもらいたい 🩷。
ベッドで過ごす時間が多い方にも、「ああ、春ってやっぱりいいわねぇ」と、ふと呟いてもらえるような、そんな仕掛けをしたいんです。
桜は散っても、記憶は咲き続ける――
だったら、その記憶に寄り添うレクリエーションを用意するのが、私たちの“レク職人”魂じゃありませんか!
レクリエーションと聞くと、なんだか楽しそうで軽やかな響きがありますよね。
でも、それを“特養で”やろうと思ったその瞬間、空気が一変します。
そう、あの言葉を思い出すんです――「できればやりたい(けど、現実は無理!)」って。
まず、参加してくださるご高齢の皆さま。
立ち上がるどころか、まばたきの速度だって個性豊か。
片眉ひとつ動かさずに「それ、面白いの?」と問うてくる達人や、途中で夢の世界へ旅立ってしまう旅人もおります。
さらには職員さんの“人員パズル”もなかなかの難解さ。
あっちでトイレ誘導、こっちでおむつ交換、ナースコールが連打されて、気づけばレクの担当がひとり…!?
もうこれ、完全に脱出ゲーム。
クリア条件が「全員笑顔で」なんて無茶振りです。
しかも施設内には、ひと部屋に2人~4人の多床室。
お隣さんは今リハビリ中、お向かいさんはお昼寝中、もう誰に声をかけていいのか分からない!
それでも「誰も取り残さない」っていう理想を掲げてしまう、職員魂の尊さよ…涙で眼鏡が曇ります。
それにね、音楽1つとっても難しいんですよ。
ある方は「昔の演歌しか受け付けん!」と言い、別の方は「私はクラシックしか聴かないの」とおっしゃる。
そして中には「無音が一番」という猛者も。
じゃあ何を流せばいいの!?
まさかの選択肢「小鳥のさえずり(CD)」が意外と無難だったりして…。
でもね、そんなに複雑だからこそ、やりがいがあるんです。
一人ひとり違うということは、一人ひとりに届いたときの感動も格別。
今日うまくいかなくても、明日は少し笑ってくれるかもしれない。
まるで日替わりスープみたいに、味わい深いのが特養レクの魅力です。
難しい?もちろん。
でも、あきらめる?…それは、つまらない。
さて、そんな私たちが辿り着いた、とっておきの方法があるんです。
次章、ついに登場――五感フル活用!
お部屋ぐるぐるレクの世界へ、ようこそ!🩷
さぁ、桜の余韻がふんわり残るある日。
「春って、まだ終わってないよね?」とつぶやいた職員さんのひらめきから、奇跡のレクリエーションが誕生しました。
その名も――五感ぐるぐるルームツアー!略して「ゴカグル」!
え?
テーマパークみたいって?
いえいえ、それ以上に贅沢なんです。
なにせ、アトラクションが“部屋”ごとに違うんですから。
まず、あるお部屋ではやさしいクラシック音楽がふわり。
ラベンダーの香りがほのかにただよい、カーテン越しの光も、ちょっぴりオレンジに色づけ。
おばあちゃまは「ここ、温泉宿みたいねぇ」とニッコリ。
別のお部屋では、童謡「春が来た」がやさしく流れ、どこからともなく桜の香りがふんわり。
柔らかいガーゼの感触に包まれて、おじいちゃまがぽつり、「昔、春になると庭にタラの芽がねぇ…」
――ほら、記憶のスイッチが、ポンっと入りました。
そして、最終ステージは“味覚”の部屋。
そこでは職員さんが「お茶のお姉さん」に変身して、小さなハーブティーを一杯ずつ丁寧に手渡し。
ローズヒップにミント、ジャーマンカモミール…
「これ、なんてお花のお茶なの?」と聞かれたら、
「これは春の妖精の涙でございます」なんて返して、
お茶請けも出せば、もう立派なカフェですよ、ここは。
利用者さんは車椅子で順番にお部屋を回っていくだけ。
なのに、目はキラキラ、口元はゆるんでほころび、まるで春の旅に出たかのような満足感。
もちろん準備はちょっぴり大変。
でも、ひと部屋でもふた部屋でもいいんです。
無理なく、楽しく、できる範囲で。
もし職員さんだけじゃ手が回らない時は、ご家族にも「押すだけスタッフ」として出動してもらいましょう。
ついでに、「あら、うちの父ったら、レモングラスでこんなに笑うのね」と発見もあるかも🩷。
“お部屋が変わると、気持ちも変わる”――
たったそれだけのことで、人の心って、案外簡単に春めくものです。
「特養でレクリエーションなんて、できるわけないでしょ?」
そんな声が聞こえてきそうな現場に、ぽとりと落とした一粒のアイデアの種。
それが、今回の“お部屋ぐるぐる五感ツアー”だったのです。
大きなイベントはできなくても、目を閉じれば風の音が聞こえる部屋、鼻をくすぐる季節の香り、手に触れる布の感触、そして心にしみる一杯のお茶。
そんなささやかな演出が、高齢者さんの“今日”という一日を、きっとちょっとだけ、特別にしてくれるはず。
「今日も、なんか、よかったなぁ」
そのひと言が聞けたなら、私たちは大成功。
たとえ全員が同時に参加できなくても、それぞれの“感じる春🍀”がそこにあれば、もう立派なレクリエーションです。
それに、職員さんだけで頑張らなくてもいいんです。
ご家族にも、ちょっぴりレクの仲間入りをしていただいて、一緒に“ただ車椅子を押す”という時間を分かち合う。
それだけで、「一緒に春をめぐった」記憶が刻まれるのですから。
そして忘れちゃいけないのが…レクの後は換気です(笑)
残り香もほどほどに、次の花の香りに備えて、またお部屋をリセット。
春はいつでも、何度でも、再演できるのです。
特養の春に、もう一度“ひとひら”の彩りを添える、そんなレクリエーション、あなたの施設にも咲かせてみませんか?
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