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介護関係のお仕事のハードル。
入社にこぎつけるのは、とても容易い世界になってます。
ですが…とても長続きしない…。
早期退職してしまうのは、スタートから原因があることを早期に知る必要があります。
今日は、新人職員教育の名の下に、企業が定める研修…そのあり方についての課題です。
是非、今後の介護職不足の原因追及にご活用ください。
小規模な事業所ほど、丁寧に職員を育て活用する道を模索しているかもしれません。
大規模な事業所ほど、大雑把でマニュアル的で大事な部分を欠落しているかもしれません。
と、思うのは、これまでの私の福祉人生20年、10社以上との関わりの中から思う経験談。
小規模事業所には資金力がなく、新人職員を大事にしつつも、即戦力としての急成長を求め過ぎてしまう。
大規模事業所は、既に辞めることを見越して雇用して使い潰す。
新人研修も手厚いようで画一的、マニュアル的になってしまう。
そこに大きな落とし穴がある。
新人さんの思惑は把握していますか?
新人でも労働者ですから、
□ 賃金が欲しい
□ できる仕事だと思えたから…。
□ 友人、知人の推奨を得たから…。
□ ハローワークに掲載があったから…。
□ 労働条件があっていたから…。
このようなところが一般的な思惑でしょう。
ところが、多少、穿った思いを伺いますと、
□ 人の役に立つ仕事がしたいと思ったから。
□ 祖父母に大きな思い出がある。
□ 看取り経験があって印象に残っている。
□ 人と協力して何かを成し遂げたい。
このような思い入れある志望動機も少なからずあるものである。
企業が少なからず、後者のような思いを求めるからです…。
新人教育…。
一律にプログラムして、前者も後者も同じに扱ってしまっていないだろうか…。
さて、前章で、
□ 生活にウエートを置く者
□ 志にウエートを置く者
この2つのタイプで新人が存在すると述べたが、正確に数字などでは量れるものではない。
複雑に心の内にあるので、比重は個々にまちまちである。
これを見極めるのが、虚実を見抜く採用面接である。
もちろん、見抜くことが百発百中でできるとして、悪用するようなシステムを築くことは論外である。
大事なのは、見抜きつつ、新人教育で補正をかけ、長く将来的に施設の中核を担ってくれるであろう人材に育成していくことです。
ところで、企業理念…。
どこの会社でも綺麗事が書かれていますが、実践の根幹に据えられていますでしょうか?
ハローワークやホームページに掲載する綺麗事…。
日々、現場で話される言葉の数々…。
一致率は?
不整合率は?
いかほどばかりでしょう?
まずはこの辺りのギャップが新人の特に後者の理想を崩してしまいます。
企業はすみやかに是正していく体質を持つようにしましょう。
余談に逸れました…。
新人教育を語るにズレた部分は会社の体質の話題で、会社側の問題です。
新人である方も、この記事を読んでくださっているはず。
新人のあなたには、『 理想は貫いてこそ美徳 』この言葉を贈りましょう。
介護保険では収入は単価で見られがちです。
まず、
□ 日々、単価だけを負うような企業は辞めましょう。
□ 日々、利用者でなく、その家族にしか目が向かない企業も避けましょう。
□ 日々、利用者の幸福追及に向く企業に就職しましょう。
この辺りが大切です。
お金や給料の話題ばかりが飛び交う職場の先行きには理想を持つ新人職員の居場所はありません。
クレームを恐れ、各種の条件を飲み過ぎて、立ち往生する企業にも先行きはありません。
利用者や家族、地域に愛される事業所にこそ、将来的な活路ありです。
一般的な新人教育ですけど、マニュアルがあったり、講座形式で三大介護と呼ばれる食事、排泄、入浴の授業があったりするんですけど…。
もちろん大事なことですけど、これらが先行するような企業は、将来性がない理由の1つとも言えます。
じつは、介護保険が始まって飛躍的に書類量が増え、パソコンでのデータ管理が主軸になっている側面があります。
昔と同じ人数でも、書類に盗られる時間が増え、直接的な介護の効率化か、あるいは時間が採れない…なんて時代なんです。
つまり、介護業界で高齢者に向けて愛情を持って手間暇をかけ丁寧な介護を行う方向性が理想の1つになりつつあるということです。
そこに願望を向ける新人さんが淘汰されてしまいかねない現状があるわけです。
ですから、新人教育では介護は何たるか?そこを問う前に、
□ 介護に臨む心構え
□ 新人が思う介護への想い
□ 将来への展望
この3点を確固に固めてあげることが大事です。
固める過程で相互理解を深めることになり、現場での即戦力化が進んでいくことになります。
新人職員が入社した時に注意すべきこと。
大きな企業ほど、調和を大事にすることです。
お互い知らない者同士が集まって、いきなり良い介護を実践だぁ!…なんてできません。
どんな時に、どんな方向で、どう考えるのか?
あらゆるパターンを知るには入社試験や面接だけでは不十分です。
もちろん、入社試験や面接が法人内の隅々の人に周知されるわけでもありませんが…。
少なくとも試験官や面接官の心証そのものも曖昧なものに過ぎません。
ようは正確に初日から仲間内に知らしめることは不可能です。
1日目から大勢に好かれる新人がいれば…。
1年目にして好かれ始める新人もいたり…。
ずっと疎遠にされてしまう新人さんもいたり…。
1日目でも1年後でも、法人内全体で、調和を図る努力って必要だと思うのです。
できないことを強要するのではなくて、やる気を引き出し、成長を支え合う。
時にミスがあれば、皆でカバーし、合い互いに経験を積んでミスをゼロに…。
こうして伸びる会社でなければ、これからの少子高齢化、乗り切れないと思うんです。
4月は特に新卒の方の入社があります。
2章で説くべき心構えを書きましたが、これを実践するのに、良い方法があります。
施設でも在宅でも介護現場であれば、新人は先輩について同じ行動をするように心がけます。
まず、ここが失敗点です。
先輩=100点満点では決してないのです。
正解は、新人は自由に利用者さん=高齢者さんとの会話時間をもってもらう。
この新人さんを先輩方は介護技術を駆使しつつ、フォローしながら観察して、新人に対する気づきを得ること。
そして自らの反省に立ち返ることが重要です。
□ これまでの介護の失敗点はないか?
□ 新しい介護視点の気づきはないか?
既存の職員さんにも、惰性で介護提供を行わずに、日々の介護を失敗や漏れなく実施する心構えができます。
あ、注意点です。
新人さんには、
□ 言葉遣いに注意する。
□ 人生の先輩に対する配慮。
□ スキンシップの力加減。
□ 介護技術は提供しない。→先輩を呼ぶ。
この4点を予め伝えておき、トラブルを回避するようにしましょう。
既存の職員さんには、
□ 他の職員が発言したことに、同意意見を言わないこと。
□ 新人の発言を否定しないこと。
集団で同じ意見を言われたら…新人さん潰れちゃいますから。
特に役職者は、さらに言動が重要になります。