Menu
例年6月21日頃に訪れる夏至。
コロナウイルス感染症で、特養を筆頭に苦労が絶えません。
病は叡智により1つずつ解決される。
新しい病が発生したとしても続く人の営み。
夏至に高齢者さんに和んでいただくレクリエーションを考案してみました。
暑さに負けず、病の逆境に負けず、無事に夏を乗り越えましょう!。
夏至って言われると、暦の上では立夏から立秋のちょうど真ん中。
夏至の日は1年の中で最も日中の長さが長い1日と言われています。
実際には梅雨の真っ只中で日差しは真夏に比べるとまだまだです。
5月になると気温がぐんぐん上昇し始め、5月末~6月上旬には梅雨入り。
じめっとして暑さが徐々に上昇…息苦しい最中です。
気候の変化から考えますと、リラクゼーションも良いですし、屋内でのレクリエーションが無難です。
梅雨の雨でじとじと感じられる頃合いに気持ち良くリラックスを考えるわけです。
もちろん、夏至は夏の中間点ですから、後の梅雨明けや猛暑を考えてみますとリラックスばかりでは困りものです。
怠けたり、楽ばかりだと苦難の夏に熱中症や食あたり…はないかもしれませんが体が追い付かないです。
やはり『 健全な肉体に健全な魂宿る 』と言われるように文武両道・生涯現役を要介護になろうとも目指していただきたいものです。
夏至で日中の時間が長い。
何かに熱中できれば明るい日差しの時間帯が長いので結果は大きなものが期待できるとも言えます。
何か?そこを何にするかで職員さんは悩みます。
ところで…。
職員さんは勤務中に高齢者さんの介護をしますが、一緒に何かをするということをされていますか?
□ 水分補給の介助
□ 食事介助
□ 排泄介助
□ 入浴介助
□ レクリエーションの提供
□ 就寝起床介助
介助は一方的になってませんか?
おトイレの時間ですよー。
お食事の時間ですよー。
お風呂の順番ですよー。
1対多の世界では、やはり限界があるものです。
全員に過不足、不公平なく介助の手を差し伸べたい…。
真面目で熱心な職員さんが陥る欠点の1つです。
高齢者さんは集団で生活をしていても、障害も手伝って全体で1つの輪を形成することができません。
生い立ちも能力もバラバラですので、個が際立ってしまいます。
ですから一律に何かを順番に提供しようとすると、
□ 我先に…。
□ 私は焦っているから先に…。
□ 待てません。
と、なりがちです。
一律に提供する方法で、少し頭を捻って切り口を変えてみる必要があります。
例えば1つのフロアで30人の高齢者さんを5人で介護する1日を想像してください。
5人が全員、排泄の介助に向かったとして…放置される高齢者さん25人は暴動を起こします。
ここは、正しく分業しましょう。
1人が30人を沸かせる全体レクリエーションを展開する。
1人が排泄の介助に誘導をする。
1人が排泄の介助に専念をする。
1人が水分補給の飲み物を用意して給仕する。
1人が全体の写真撮影や記録付けをする。
このように分業していきます。
あくまでメイン部分でこう!という分け方で、それぞれが役割を被るようにします。
全体レクリエーションを提供しつつ、全職員にアイコンタクトで指示を促す。
誘導をさりげなく行いながら、レクリエーションに合いの手を入れて盛り上げる。
排泄介助に徹底しつつ、感想を伺って記録サポート、及び最終点検をする。
給仕をしながら、高齢者さん1人1人の飲み物を伺ってみたり、レクリエーションの盛り上げをしたり記録をする。
全体の写真撮影をしながら、欠けるポジションのサポートに目配りを行う。
このように相互関係を築きながら、30人の介護をクリアしつつ、レクリエーションの成立を狙っていきます。
夏至というテーマを盛り込むとさらに多様化できます。
□ 1日のお昼間の時間が長い。
↓
□ 作業時間が長く確保できる。
↓
□ 普段はできない超大作が完成する可能性がある!□ 仮に終わらなくても普段よりも大きな事柄に挑戦できる!
↓
□ 各高齢者さんに見合った作業に没頭していただく。
↓
□ 完成物の効果を狙う!
作業に没頭出来ない方は出来ないなりの理由があります。
□ のどが渇いた。
□ トイレに行きたい。
□ とても眠い。
□ お腹がすいた…。
という具合に…、その要望に沿って材料を抱える方の気持ちに沿って介護中心担当者が支援の手を見極める…ここもポイントの1つです。
夏至というテーマで多角的に高齢者さんに取り組んでいただきつつ、機動的に5人が結束して必要な介護を優先度の高い順にクリアしていくわけです。
もちろん、一朝一夕にできませんが、日々、介護の研鑽を積む皆様であれば、転回するのは時間の問題でしょう?
きっと到達できる境地です。
さて6月21日頃の夏至。
6月第3日曜日の父の日も近いですし、6月30日の夏越しの祓も近い。
さらに7月2日の半夏生やビッグイベントの7月7日の七夕とか二十四節気の小暑にもヒントを得ることが出来ます。
季節を先取りしつつ楽しんでみたり、目先のポイントに向けて準備をレクリエーションにしてみる手法です。
その辺りは…いくつか記事にしておりますので是非、参照ください。
さて、夏至と日中時間から作業に集中!という視点で考えた時に、高齢者さん本人様は何をしたいのだろう?
レクリエーションを提供するから職員が考える!…ではダメです。
何がしたいか?そこをリサーチせねば始まりません。
いかに集団を熱中させて介護を万全に提供しつつレクリエーションを展開しようとも、そこが欠けてしまいますと全てが水泡に帰してしまうこともあります。
ちなみに…高齢者さんのご年齢や時代背景を考察してみたことはありますか?
小さい頃の夏至はどんな生活?
今のようにテレビゲームなんてありません。
戦前戦中で冷蔵庫やクーラーすらありません。
でも、熱中して楽しんだ何かがゼロだったこともないのです。
何を見て、何を感じて、何をして過ごしたのか?
その再現をサポートすることも1つの介護の境地です。
回想法の実現版です。
ちなみに筆者の地元は田舎ですので…、
男性は、
□ うちわ作り
□ 灯籠流しの灯籠作り
□ 竹細工
女性は、
□ 針仕事
□ お手玉
□ あやとり
□ 子守り
なんかを楽しんだのだとか…。
手習い・手仕事の世界です。
もちろん、経験は残っていても障害が許さないかもしれません。
でも、チャレンジしてみて出来た興奮は何物にも替え難い成果となることも期待できます。
もう1工夫。
高齢者さんの時代は変遷が激しかったです。
家電が普及して扱いを覚え、複雑な機器まで登場しました。
夏全体の過ごし方も大きく様変わりしてきたようです。
五右衛門風呂がユニットバスに、黒電話が携帯電話になったように…。
1つずつの変遷を夏に合わせて話題してみてはいかがでしょう?
タブレットで懐かしの品物を見せてあげても良いでしょう。
さらにその様子を見て何を思い、どう考えてどう行動するのかを記録させていただくと良いです。
具体的に見た物から昔を懐古・回想して出てくる感慨…。
その言葉・想いを綴って1冊のメモリアルにしてみてはいかがでしょう?
順番に回覧してみたり、ご家族に提供して次段階のレクリエーションの構想に役立てる…役割や効果の幅はどんどん広がっていきます。
夏至はお昼間の最も長い日。
まさに長い人生を歩んできた高齢者さんに似合う1日ではないでしょうか?
和んでいただいたり、美味しいものを行事食として食べて夏の健康を培っていただいたり…いろいろとレクリエーションの提供の幅があります。
目的意識を持って、職員さんは一致団結して事に臨めば成せる幅は無限だいです。
今年の夏も昔と等しく暑いかもしれません。
高齢者さんには暑い中、暑さをいなしながら楽しみを持ち続け、充実した人生を誇っていただきたいものです。
工夫はいろいろ…。
今年の夏も楽しく充実して楽しんでください。