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誕生日なのに、デイサービスに通う日…。
記念日なのに、1日の生活を過ごしている場所は、施設の中…。
どんな高齢者さんたちにも等しく訪れる1年に1日しかない誕生日の日。
誕生日会を開催して、盛大にお祝いして差し上げたいもの。
おいくつになられても、お祝いの席は華やかに迎えていただきたい。
誕生日会を楽しい1日として企画する話題です。
お誕生日会をタイトルに挙げてみました…。
高齢者の皆様が施設やデイサービスで迎えるお誕生日は、どのような感じでしょうか?
毎月、月末に手製のカレンダーに訪れる予定の誕生日会のしるしを付けて、その月に誕生日がある方に集まっていただく。
当日は主役になっていただき、お誕生日会を行う…。
そんな連動性を持てて実施できているでしょうか?
実際のお誕生日に、該当する高齢者さんにお声掛けをして、
『 おめでとう 』
と、お祝いをお伝えることすらできていない…
日付が過ぎ去ってから気づくといった…、とても忙して寂しい施設になってしまってはいないでしょうか?
止めに、さらにお誕生日の当日に、心ばかりのプレゼントのご用意もできていない…。
こんなことが現実となってしまってはいないでしょうか…。
デイサービスや施設には、1日の大まかなスケジュールや個別メニューが決まっています。
ご利用される高齢者さんは、それを目的に施設へ通ったり、入所をされています。
ですから、法的にも介護職員さんは、高齢者さんそれぞれの個別性を尊重しながらも、満遍なく介護の手を届かせないといけません。
そのため、大きく次のスケジュールを崩すわけにもいかず、お誕生日の人だけに手厚く偏る…、少しでも多くのことを行うといった余裕も持てないのが実際ではないでしょうか。
しかしお誕生日は、その高齢者さんご本人にとって、とても特別な日です。
お誕生日を祝うと聞くだけで、心を弾ませることが出来る日なのです。
何もしてもらえなかったり、適当に扱われる、疎かにされる…。
そんな気づきに満ちて、1日を過ごす…。
高齢者さんを落ち込んだ心境にさせてしまった原因が介護職員さんの技量にあるとしたら…。
介護職員の立場として、とても寂しく感じてしまうことになってしまいます。
ご利用いただいている高齢者さんには、様々な工夫を堪能していただきたい。
是非とも高齢者さんに盛り上がって、思い出深くて、今後の弾みとなるような…。
そんなお誕生日の1日を過ごしてもらいたいものです。
高齢者レクリエーションと題しましたけど、お誕生日会も立派なレクリエーションの一環です。
個別レクリエーション、集団レクリエーション。
いずれを選択しても成果は簡単に大きなものにすることが出来ます。
周りからお祝いを受けて…当該高齢者さんの心が和む…。
もちろん、心はけっして見えたり計測できるものではありません。
当事者である高齢者さんの満足感とほころぶ笑顔が引き出せれば大成功です。
成果の量は数値化できませんが、確実に目に見える成果と出来ます。
何も難しいことではありません。
何より人間として感情の起伏の幅を体験することは、表現力を鍛え、コミュニケーション能力の活性化につながります。
生活を豊かにする土台に必ず繋がっていきます。
今年の今日というお誕生日に、今年の新しい思い出を記憶に刻んでいただく…。
どうです?
お誕生日会1つを成功させることで、デイサービスや施設でしかできない、すごく意義あるお仕事が出来る!
介護職員さんの心には、そんな期待がムクムクと湧いてきませんか?
むしろ、ご家庭、ご家族よりも、誕生日というその日にタイムリーに祝う機会を持てるのですから。
ある意味、機を逃さず実践することで、当該高齢者さんの喜びという何事にも代えがたい成果を掴むチャンスとなります。
さて、お誕生日会を盛り上げる要素のお話でした。
主役は複数人あるお誕生日の月を迎えた高齢者さん。
まずは、ここを修正するポイントにしておきましょう。
『 今日、お誕生日を迎えた高齢者さん 』に替えてみます。
お誕生日は月間にあるものですが、当該高齢者さんにとって、本当に意味があるのは、その月間の中のたった1日です。
すると主役は1人…あるいは、とても稀な偶然が重なり2人程度になります。
この主役の1人ないしは2人の高齢者さんは、特別な日ということをより大きく体感できるようになります。
まずはここを前提に企画するようにしましょう。
お誕生日会の要素はじつにたくさんあります。
□ 食事
□ 飲み物
□ プレゼント
□ 映像
□ 花束
□ 飾り
□ 音楽
□ 芳香
□ プログラム
□ 人選
この10個が基本です。
10個の1つ1つに拘ってしまうと…様々な大型行事企画まで完成させることができます。
何もお誕生日会を大型行事企画にまで発展させてしまう必要はありません。
むしろ大型行事企画にしてしまうと、高齢者さんも心理的に引いてしまい、お誕生日会があると知れると恥ずかしさから欠席…、施設なら嫌がってお部屋から出てこられない…、そんなマイナスだったり、デメリットな状況に陥りかねません。
10個の要素があると一定の効果は確実ですし、比重を調整して変えることで大小のバリエーションを試すことができます。
□ デイサービスや施設で出来る予算。
□ 時間の都合。
□ 活動できる職員の数や余力。
介護職員さんには企画する段階で、この辺りでイメージを掴むことが重要になります。
食事、飲み物、プレゼント、花束、飾り、音楽、芳香
この辺りがもたらす効果は言うまでもないでしょう。
映像は、これまでの高齢者さんの奮闘振りであったり、思い出の動画であったりをナレーションを付けてご紹介してみるというものです。
あるいは、高齢者さんが選んだDVDの視聴を他の高齢者さんと共有することも工夫の1つです。
そこには当該高齢者さんの人生やご性格、お考えを反映することになり、代弁して当該高齢者さんを語ることになります。
そうすることで当該高齢者さんへの理解が深まる一助となり、今後の高齢者さんの生活の豊かさの一助ともなります。
高齢者さん自身を体現できる動画を流すことで、周囲はより高齢者さんを理解して親しさを深めてくれるのです。
それを感じた高齢者さんもまた周囲との一体感を楽しまれ、好循環が形成されますとレクリエーションとしては地域振興クラスで大成功と言えるでしょう。
もちろん動画には高齢者さん自身が登場しない、社会的なもので構いません。
テレビ番組だったり、ビデオだったり、予めご本人様やご家族様と内容を詰めておきましょう。
こうした下調べや根回しも、大きな計画的結果獲得への素地になります。
さて、前後のプログラムも、お誕生日会を形式的に、かつ儀式的に盛り上げる効果があります。
□ 司会挨拶
□ 開会挨拶
□ お誕生日者紹介
□ 映像披露
□ お食事
□ プレゼント授与
□ 思い出の音楽紹介A
□ 贈る言葉A
□ 贈る言葉B
□ 贈る言葉C
□ 答辞
□ 思い出の音楽紹介B
□ 閉会挨拶
という具合の儀式的進行。
現代っ子には、とても堅苦しくて重過ぎる内容に感じますけども、高齢者さんにとっては感無量ものです。
昔のお祝い事というのは、このような形式的、儀式的な要素が社交の場でも、そしてご家庭の中でも多かったのです。
いまだに学校教育などでは普通のことですし、長寿のお祝いで市町村の方がご家庭を訪問する時なども形式や儀式を重視するでしょう?
最後に人選。
高齢者さんが最も祝って欲しいであろうご家族様もご招待してみましょう。
お仕事?年に1回なのですから、有給休暇を取得して参加いただきましょう。
そのためにも情報収集や告知、想定される大きな効果については相当早い段階で企画するようにしましょう。
ご家族様がおられない高齢者さんの場合には、
□ 地域の老人会会長
□ 区長さん
□ 地域包括支援センターのセンター長さん
□ 介護福祉課の職員さん
などに依頼して参加いただいても厳かな会になります。
え?来てくれない?忙しい?
そんなことはありません。
相当前からのお願い…予めのご連絡と、そこに込める介護職員さんの熱意次第で可能です。
1人ないし2人の高齢者さんが大勢に祝福されるお誕生日会。
2章で厳かな式典風の会をご紹介しました。
さて、企画を練るのに大事なこと。
□ ご利用最初のアセスメントから当日まで記録を練り続ける。
□ 当日の誕生日会の予算。
□ 必要な介護は、全員に漏れることなく提供する。
□ 評価を記録して来年につなげる。
この4つです。
情報は常に最新に更新されていきますが、過去ログと言いますか、初心の頃の気持ちなど記録を残しておくことも大切です。
特に趣味・趣向、好きなこと嫌いなことなど、ご性格を反映する記録は日々、少しずつ充実させておきましょう。
当日の予算も予め、人数予測と共に決めておきましょう。
今や介護は事業の世界です…。
予算がないと何も始まりません。
新年度の事業計画を作る段階で全て決まっていると言えます。
最後に最も大事なお誕生日会での介護の提供についてです。
誰もが介護を受けるために、そこにあるわけですから、当該高齢者さんを含めて参加される高齢者さん全員に等しく漏れなく介護をお届けするのが使命です。
誕生日会であっても、介護提供が必要な場面があれば優先せねばなりません。
そのためのスタッフの位置取りや担当分担を明確に打ち合わせしておく必要があります。
またどれだけ素晴らしい誕生会をしても、評価できる記録が残らねば保険者さんからお叱りを受けかねません。
誕生日会に参加する高齢者さんの全員、それぞれに向けた評価も必要となります。
と、記録は書くと大規模になり過ぎてしまいますので、動画撮影者を用意します。
保険者さんより『評価は?』と尋ねられたら、全員の笑顔がちりばめられた動画を見せる!というのもアリです。
参加者さん1人1人に、誕生日会の今日、こういった評価が出来たと記録することも大事です。
笑顔以外に、
□ ケーキを1人でフォークを活用して食べることが出来た。
□ プレゼントの包装を自力で開封することが出来た。
□ 隣席の方と会話のキャッチボールを楽しめていた。
□ おしぼりを隣人に手渡す気遣いをしてくださった。
□ 高齢者さんで作った手製のプレゼントにご本人様が涙を流して喜ばれていた。
といった具合に具体的な評価は細かいところに出てきます。
撮影担当者さんの腕の見せ所です。
誰が参加して、どのような価値を得たのか…。
それが動画1つで全員分、証明できていればヨシです。
あ、盛り上げる内容が曖昧です…。
誕生日を迎えた高齢者さんの笑顔やうれし泣きの顔が呼ぶ感動…。
とても大きいインパクトになります。
花束やプレゼントを贈る時、当該高齢者さんから、お返事にどのようなお言葉をいただけるのかもポイントです。
さて、オーソドックスなところは、この記事で網羅できたことでしょう。
他に細部をアレンジしていくと良いでしょう。
主役にはお化粧をして、女性であればシュシュの飾りを付けたり、着物をまとっていただいたり…。
男性であればスーツやテンガロンハットなど…。
衣装や見栄えにワンポイントでも、こだわっていただくのも良いでしょう。
時代劇風に羽織袴を用意して、雛壇に登っていただきお披露目させていただくなど…。
もちろん、全てを演出して時代劇風に、お言葉を述べていただく会にしても、悪ノリではないでしょう。
あと、1日中に渡って特別にするのも、良い雰囲気作りになります。
お風呂でシャンプーからボディーソープ、保湿剤まで特別な物をご用意してみても喜ばれます。
おトイレの芳香剤をさり気なく変えておくのも、良いでしょう。
お食事のお料理だけでなくて、器や箸、コップを特別な器にしても良いです。
工夫はあちこちにあれこれ可能、千差万別で融通無碍です。
高齢者さんの毎回のお誕生日を、その方のお祝いのために…。
とことんチャレンジしてみても、楽しい1日になります。
View Comments
こんばんは!
お誕生日会は、いくつになってもうれしいと思います。
色々と工夫を凝らして、お誕生日会を催したいと思いました。
施設でも、心づくしでやってくださるお誕生日会、嬉しいですね。
また、のぞきにきます。
いつもコメントありがとうございます。
拙い文章…誤字脱字だらけですが、共感いただけた部分、本当に感謝しております。
お誕生日会。
生涯、大事にしていただきたいイベントですよね。
子どもから老人までお誕生日会で命の大切さ、オンリーワンであることを実感して欲しいと思って記事にしてみました。
命と人生の楽しさはいくつあっても大切なものです(*^▽^*)