サバの日にサバが強過ぎる件~理事長と事務長の鯖まみれ会議録~
目次
はじめに…サバが身近すぎて記念日にされても困るの巻
サバの日と聞いて、「へぇ、そうなんだ」と言いながら、心の中でそっと冷蔵庫を思い浮かべた方。あなたは悪くありません。だってサバって、あまりにも普通にスーパーに並んでいて、気づけば味噌煮・塩焼き・サバ缶・しめさば…と、いつもそこにいる“近所の顔見知り”みたいな魚なんです。誕生日があっても「そういえば…」で終わるタイプ。春でも秋でも、しれっと棚に座ってる。主張しないのに、存在感は強い。そんな魚、あります?
ところがどっこい。サバは身近な顔をしておきながら、時々、人生の空気を変えてくる“事件発生装置”でもあります。焼いた香りだけで白米が立ち上がる日もあれば、お弁当箱を開けた瞬間に周囲の視線を集めてしまう日もある。「今日はサバだよ」と言っただけで家族が二派に割れる。「最高!」と「今日は違う気分だった…」が同居する。さらに言うと、体質や量によっては、サバが合わなくて困った経験がある人もいます。あの“強烈さ”は、ただの気のせいじゃない。サバは優しい顔で、癖のある正直者なんです。
そんなサバが、3月8日に「サ(3)バ(8)」の語呂で記念日になっている。しかも八戸の話が出てくるし、「とろ鯖棒寿司」なんて、名前からしてもう反則級の旨さが滲み出ている。さらに東京の経堂では「八戸サバ祭り」なんてものまである。これ、ただの魚じゃないですよね。全国の台所に潜入しつつ、祭りまで開かれてしまう。サバ、地味な顔して出世し過ぎです。
さて、ここで登場してもらいましょう。特養の会議室で、理事長が言います。
「よし、今年はサバの日をやるぞ!」
事務長が顔を上げます。
「理事長、また“やるぞ”が先なんですか。目的を先にください」
「目的?サバを……敬う!」
「敬うなら、献立に入れる前に、現場が安心できる形にしましょう」
こんな感じで、理事長の勢いと事務長の現実がぶつかりながら、サバという“身近過ぎる魚”を、ちゃんと面白く、ちゃんと役に立つ形にほどいていくのが、今回の記事です。
サバ尽くしのあるあるで笑って、合わない人の話で「分かる…」と頷いて、料理の変身っぷりで腹が減って、最後は特養でも使える「これならいける」を持ち帰る。サバの日を「ふーん」で終わらせず、「今年はちょっとサバに礼を言っとくか」に変える。そんな一日分の読み物、今日もはじめます。
[広告]第1章…サバ尽くしあるある大集合~弁当の香りが事件になる~
サバという魚は、普段はとても静かです。冷蔵ケースの端っこで、塩焼き用に切り身になって、いつも通りの顔で並んでいる。ところが一度、火が入った瞬間から空気が変わる。サバは“台所の主役”というより、“家の空気を支配するタイプ”です。
例えば朝。理事長がニコニコしながら言うんです。
「今日の昼はサバだ。良いだろう、健康的だろう!」
事務長は、書類から目を離さずに返します。
「理事長、健康的かどうかは置いといて、今日は“香りが強い日”になります。会議室が一瞬で海になります」
すると理事長が胸を張る。
……この時点で、もうサバの勝ちです。誰もサバを止められません。
サバの“あるある”でまず最初に来るのは、香りです。良い香りです。すごく良い。だけど、良過ぎて困る。塩焼きが焼ける匂いって、正直ちょっとズルいんですよね。白いご飯を呼び出す力が強過ぎる。まだ昼じゃないのに、お腹が「はい、集合!」って勝手に整列します。しかも弁当に入れたら最後、フタを開ける前から周囲に自己紹介を始めます。
「こんにちは、サバです。今日は私が主役です」
そんな声が聞こえるレベル。本人は悪気がないのに、存在感が強い。サバって、そういう魚です。
次に来るあるあるは、骨です。サバの骨は、意外と仕事熱心です。身の中に、きっちり潜んでいる。理事長が言います。
「骨?よく噛めば大丈夫だ!」
事務長が静かにペンを置きます。
「理事長、噛む力が強い人ばかりではありません。骨は“運”じゃなくて“確認”です」
この会話、介護現場でも家庭でも、地味に真理です。サバは美味しい。けれど、美味しさの傍に“確認ポイント”がある。そこがまた、サバがただの優等生じゃないところです。
そして油。サバの脂は、とろける時は天才。でも調理中は、たまに暴れます。フライパンでジュワッと鳴いた瞬間、油が跳ねて「熱っ!」となって、何故か腕だけがサバの日を先に祝ってしまう。味噌煮にすれば味噌煮で、鍋が「ブクブクブク…」と主張してきて、目を離した瞬間に“味噌の小噴火”が起きる。台所が一瞬で戦場です。
理事長がまた言うんです。
「よし、サバの味噌煮を大量に作って、明日も明後日もサバだ!」
事務長が、笑顔で止めます。
「理事長、サバは連勤させ過ぎると、みんなの心が反乱を起こします。サバは主役が似合うけど、主役は毎日だと重いんです」
この“サバ連勤問題”も、あるあるです。美味しいのに、何故か続くと「今日はサバじゃない気分」という声が出てくる。サバは濃い。濃いから愛される。でも濃いから、休みも必要。サバは魚なのに、存在が濃いんです。
ここで救世主として登場するのが、サバ缶です。サバ缶は偉い。開けたらすぐ食べられて、料理にも化ける。忙しい日に「取り敢えずサバ缶で何とかするか」と言える安心感は、現代の護符みたいなものです。ところがサバ缶にも、あるあるがある。あまりに便利過ぎて、頼り過ぎてしまう。気づくと棚にサバ缶が増えている。災害用の備蓄のはずが、いつの間にか“日常用の友達”になっている。
理事長が缶を手に取って言います。
「これだ。サバは缶になっても偉い。よし、サバ缶だけで献立を回そう!」
事務長が、今度は即答します。
「理事長、サバは偉いですが、同じ顔ぶれが続くと、みんな飽きます。サバにも衣装替えが必要です」
そう、サバの面白さは“変身”にあります。焼く、煮る、しめる、寿司になる。サバは姿が変わるたびに、性格まで変わって見える。だからこそ、サバの日はただの語呂合わせじゃなくて、「サバという魚の癖の強さを、笑って受け止める日」にできるわけです。
この章の結論を事務長が一言でまとめるなら、こうです。
「サバは身近です。でも身近だからこそ、油断すると主役を持っていきます」
理事長は少し考えてから、にっこりします。
「つまり、サバはスターだな!」
事務長は頷きます。
「はい。ただしスターは、段取りと安全があってこそ輝きます」
次の章では、その“安全”の話――サバのご機嫌問題に、ちゃんと優しく踏み込みます。サバは美味しい。でも合わない人もいる。その辺りを、怖がらせず、ちゃんと役に立つ形で整理していきますね。
第2章…当たる?合わない?サバの“ご機嫌”が難しすぎる問題
サバの話をすると、だいたいどこかで小声になります。
「サバって……当たること、あるよね……?」
この“あるよね”が、妙に重い。何故ならサバは、うまい顔をして近づいてきて、たまにこちらの体調に強烈なツッコミを入れてくることがあるからです。ここで理事長が、また勢いよく言います。
「大丈夫だ!サバは健康に良い!良し、みんなで食べよう!」
事務長は、湯のみを置いてから、静かに言います。
「理事長、“健康に良い”と“体に合う”は別の話です。サバは強い。強いから、合わない人もいます」
この一言が、現場でも家庭でも、割りと真ん中を射抜きます。
サバで起きやすい“困った反応”は、ざっくり言うと2つの方向があります。1つは体質の問題。食べた後に痒みが出たり、蕁麻疹が出たり、何となく具合が悪くなったりする人がいます。量が多いと出やすい人もいるし、毎回ではないけど出る人もいる。ここはもう、勝負がついているところがあって、無理に「慣れろ」と言う話ではありません。理事長が「根性で!」と言いかけた瞬間、事務長がすかさず止めます。
「根性で止まるなら、世の中の蕁麻疹は絶滅しています」
もう1つは、サバの“扱われ方”の問題です。サバは青魚で、鮮度や温度の管理が上手くいかないと、食べた後に顔が赤くなったり、痒くなったり、頭が痛くなったり、気持ち悪くなったりすることがあります。いわゆる「当たった」という言い方でまとめられがちですが、実際は体調や条件が重なって起きることもあって、これがまた厄介です。サバ本人は「ちゃんと冷やしてくれたら大丈夫なのに」と言いたいのかもしれませんが、サバはしゃべらないので、こちらが先回りするしかありません。
事務長は、ここで理事長の暴走を止めるために、例え話を持ち出します。
「理事長、サバは“雪国育ちの繊細なスター”だと思ってください。暑い部屋に長く置かれると機嫌を損ねます。スターには控室が必要です。つまり冷蔵です」
理事長は眉をひそめます。
「スターに控室……確かにそうだな。よし、サバに控室を用意しよう!」
こういう変換ができると、注意の話も重くなり過ぎず、ちゃんと頭に残ります。
じゃあ具体的にどうすれば良いのか。難しい専門用語を並べるより、暮らしのコツとして覚えておくとラクです。買ってきたら早めに冷やす。室温で長く放置しない。作った料理も、置きっ放しにしない。弁当のサバは特に“時間”が勝負になりやすいので、保冷を味方にする。こういう当たり前の積み重ねが、サバのご機嫌を保ちます。
そして、もう1つ大事なのは「生っぽいサバ」の扱いです。しめさばやお寿司のサバは最高に美味しいけれど、家でやる時は慎重さが必要になります。理事長が言います。
「よし、サバの日は全員しめさばでいこう!」
事務長が微笑みます。
「理事長、〆るのはサバだけにしてください。安全の準備が出来ないなら、焼きと煮で勝負しましょう」
このブレーキが、実はすごく大事です。家庭でも施設でも、“背伸びしないサバ”が一番平和です。
最後に、サバと仲良くしたい人への優しい結論を置いておきます。サバは旨い。でも、合わない人もいる。体に出やすい人は、無理に主役にしなくて良いし、少量で様子を見るのも大事です。もし過去に強い症状が出たことがあるなら、自己判断で挑まず、医療機関に相談して「自分はどういうタイプか」を確認できるのも現代の安心です。事務長は最後にこう言います。
「サバの日は“頑張って食べる日”じゃありません。“サバを知って、上手く付き合う日”です」
理事長も、少しだけ大人しく頷きます。
「……つまり、サバは、こちらが大人になれば優しいやつだな」
そういうことにしておきましょう。次の章では、この“強い魚”を、どう料理で華麗に変身させていくか。サバの本領発揮、いきます。
第3章…焼く・煮る・しめる・寿司る~サバは変身が多過ぎる~
サバという魚の怖いところは、さっきまで「身近過ぎてピンとこない」と言われていたのに、料理の話に入った瞬間、全員の目つきが変わるところです。サバは不思議な魚で、“普通の顔”をしているくせに、調理法が変わると性格まで変わって見えます。
理事長が会議室で言いました。
「サバの日なんだから、サバ料理を1つに絞る!王道でいこう!」
事務長は首をかしげます。
「理事長、サバは1つに絞ると機嫌を損ねます。変身させてこそ、みんな幸せです」
そう。サバは“変身枠”です。しかも変身の数が多い。ここからは、サバがどれだけ顔を変えるかを、緩く楽しく眺めていきましょう。読むだけで腹が鳴っても責任は取れませんが、サバのせいにしておいてください。
まずは焼く。塩焼きです。サバ界の正門。何も考えずに焼いても「旨い」が成立しやすいのが強い。皮がパリッとなった瞬間、白いご飯が急に礼儀正しく並び始めます。理事長は嬉しそうに言います。
「ほら見ろ!サバは焼けば正義だ!」
事務長は、そこで1ミリだけ現実を足します。
「ただし理事長、焼きは骨の確認が必要です。正義にも点検はあります」
焼きサバは正義。でも点検は大事。サバはここでも、ただの優等生じゃありません。
次に煮る。味噌煮です。これは“安心の味”の代表格みたいな顔をしているのに、意外と繊細です。煮詰め過ぎると濃くなるし、薄いと物足りない。つまり、家庭の鍋がその日のコンディションを試される。理事長が鍋を覗いて言います。
「味噌は多いほど良い!」
事務長がすかさず返します。
「理事長、味噌は愛情ですが、塩分は現実です。愛情は足しても良いけど、現実も一緒に入れてください」
この会話、現場でも家庭でも割りと使えます。味噌煮は旨い。だけど“ほどほど”が光る。サバの味噌煮は、優しい顔でこちらにバランス感覚を求めてくる料理です。
そして、〆る。しめさばです。ここでサバは一気に“大人”になります。酢で締めると、さっきまでの“家庭の正義”が、急に「職人の世界」みたいな顔をする。しめさばは、好きな人はとことん好き。逆に苦手な人は匂いで一歩引く。サバはこの辺りで、完全に好みを割ってきます。
理事長が言います。
「よし、サバの日は全員しめさばだ!大人の宴だ!」
事務長が止めます。
「理事長、宴は良いですが、全員が大人の酢の世界に入れるとは限りません。焼きと煮の“みんなが帰れる道”も残しましょう」
この“帰れる道”という言い方、サバを語る上でとても大事です。サバは変身が多い分、好みも分かれる。だからこそ、選べるようにしておくと平和になります。
さて、ここでサバはさらに大きく変身します。寿司になる。鯖寿司、棒寿司。これを聞いた瞬間、サバは“ハレの日”の顔になります。祭りの顔です。特に「とろ鯖棒寿司」という言葉、ズルいですよね。口に出すだけで脂が乗ってる。理事長が机を叩きます。
「これだ!サバの日は棒寿司だ!みんなでかぶりつく!」
事務長は落ち着いて言います。
「理事長、かぶりつくのは元気な人の特権です。施設では“ひと口サイズ”にするだけで、同じ幸せが作れます」
そう。サバの魅力は、派手な料理だけじゃない。“食べ方の形”を変えるだけでも、サバはちゃんと輝きます。棒寿司はそのままだと豪快だけど、小さく切れば上品に、食べやすくなる。サバのハレ感を保ったまま、安心へ寄せられる。ここがサバの面白いところです。
さらにサバは、郷土料理でも人格が変わります。博多の胡麻鯖みたいに「え、サバって生っぽく食べるの?」と驚かせたり、なれ鮨のように“発酵の世界”に連れて行ったり、缶詰で「万能の相棒」になったりする。サバは一匹で、いろんな文化の顔を持っています。
事務長がまとめます。
「理事長、サバは料理で性格が変わります。だからサバの日は、“一品で勝負”じゃなく、“変身を楽しむ日”が向いています」
理事長は腕を組んで、うんうん頷きます。
「つまり、サバは役者だな。主演も脇役もできる」
その通りです。サバは役者。しかも演技の幅が広い。だからこそ、次の章ではこの役者を、特養の食卓でどう活躍させるか。理事長の暴走を止めつつ、ちゃんと盛り上がる“おすすめの4つ”を、現場目線で組み立てていきます。サバ、いよいよ本番です。
第4章…特養でサバはこう輝く~理事長の暴走を止める4つの献立~
理事長は、サバの日という言葉を聞いた瞬間から、目がキラッとします。
「よし!特養の昼食をサバ一色にする!前菜から主菜からおやつまで全部サバだ!」
事務長は、いつものように落ち着いて言います。
「理事長、サバは好きですが、施設の食事は“勢い”より“安心”です。サバは主役になれます。ただし主役には段取りが必要です」
この“段取り”という言葉の中身は、難しい話じゃありません。サバは美味しい。だけど骨がある。脂がある。味が濃くなりやすい料理もある。そして、食べる方には噛む力や飲み込みの力に差がある。つまり、サバをそのまま突っ込むと「旨い」より先に「怖い」が出ることがある。なら、怖さを先に消して、旨さだけ残せば良い。サバは、その工夫にちゃんと応えてくれる魚です。
事務長が理事長の手元のメモをひょいと見ます。
「理事長、ここに“豪快にかぶりつく棒寿司”って書いてありますが…」
「だってサバの日だぞ!」
「“かぶりつく”を“ひと口で笑う”に変えるだけで、同じお祭りになります。行きましょう、理事長。サバは優しくしても主役です」
こうして会議は、暴走から名案へと方向転換します。特養でサバを活かすなら、この4つがとても扱いやすく、しかも盛り上がりやすいです。
まず、1つめは「ほぐし鯖の混ぜご飯」です。焼いたサバでも、煮たサバでも良いのですが、ポイントは“骨と皮の確認がしやすい形”にすること。ほぐして混ぜると、見た目が優しくなって、食べる側の緊張が減ります。香りもほどよく立つので、「今日は魚だねぇ」と会話が生まれやすい。理事長が言います。
「混ぜご飯か。地味じゃないか?」
事務長は笑って返します。
「理事長、混ぜご飯は地味じゃありません。安心が主役です。それに、上に刻み海苔や白ごまを少しだけ散らすと、“ちゃんと特別感”が出ます」
サバの強さは、派手さじゃなく存在感です。混ぜご飯にしても、ちゃんと“サバの日”になります。
2つめは「鯖味噌のトロミ餡」です。味噌煮そのものは美味しいのですが、汁気と身のまとまりが人によって食べ難いことがあります。そこを、トロミでまとめる。するとスプーンでも扱いやすくなって、食べやすさが上がります。味噌は濃くし過ぎず、香りとコクは残して、しょっぱさは控えめに。理事長が味見して言います。
「もっと濃くても良いぞ!」
事務長が即答します。
「理事長、濃いのは会議だけで十分です。味は“食べ続けられる濃さ”が勝ちます」
このメニューは、魚が苦手な方でも「味噌の安心感」で入りやすいのが強みです。サバの癖を、味噌が優しく丸めてくれます。
3つめは「サバ缶のトマト煮、やわらか仕立て」です。ここで理事長が目を丸くします。
「サバの日にトマト?和じゃないのか?」
事務長は、いつもより楽しそうに言います。
「理事長、サバは変身が得意です。トマトに行くと、“サバの脂っこさ”が気になり難くなって、口当たりが軽くなります。つまり、食べやすさの味変です」
サバ缶は便利ですが、便利過ぎて“いつもの味”になりがちです。そこをトマトで衣装替えする。さらに、玉ねぎをしっかり煮て甘みを出すと、酸っぱさが尖らず、優しい煮込みになります。パンに合わせても良いし、柔らかいご飯に少し添えても良い。サバの日に「洋風もいけるねぇ」と話題が出れば、それだけで一日が少し明るくなります。
そして4つめが「鯖のつみれ汁」です。これは理事長が一番好きなタイプの“あったか主役”です。
「汁物なら、みんな喜ぶぞ!」
「はい、理事長。つみれは形がまとまるので、食べる側が安心しやすいです。生姜をほんの少し効かせると香りが良くなって、魚っぽさが苦手な方も入りやすくなります」
つみれ汁は、見た目がやさしく、食堂全体に“ほっとする空気”が広がります。サバを主張し過ぎず、でもちゃんとサバの旨みがある。まさに、特養向きのサバです。
ここまで聞いた理事長が、腕を組んで真面目な顔になります。
「なるほど…。サバの日は“豪快さ”じゃなくて、“安心して楽しむ工夫”が主役なんだな」
事務長は、静かに頷きます。
「その通りです。サバは強い魚です。だから、こちらが少し優しく整えるだけで、誰かの“美味しい”が増えます」
サバの日は、無理に特別なことをしなくても良い。でも、ほんの少し工夫して「今日はサバを上手に楽しめた」と思えたら、それだけで記念日らしくなる。理事長の暴走を止めるのも、サバを輝かせるのも、結局は同じ結論に向かうんです。
「サバは主役になれる。ただし、主役には段取りが要る」
次は最後のまとめで、サバの日を“ふーん”で終わらせない、一番優しい着地点を作りましょう。
[広告]まとめ…サバは庶民の味方~ただし油断すると主役を奪う魚~
サバの日と聞いても、最初は「ふーん」で終わりがちです。だってサバは、スーパーにいつもいる。冷蔵ケースの常連で、特別な顔をしない。ところが一度火が入ると、香りで空気を変え、骨でこちらに集中力を求め、脂でご飯を呼び寄せる。静かな顔をしているのに、存在感が強過ぎる。結局サバって、身近なふりをして“主役の気配”を隠しきれていない魚なんですよね。
今回、理事長と事務長の鯖まみれ会議を通して見えてきたのは、サバの日の意味は「無理に特別な料理をする日」ではなく、「サバという魚の癖の強さを、笑いながら理解する日」だということでした。あるあるで笑って、当たりやすさや体質の話で「無理しなくて良い」と肩の力を抜いて、料理の変身っぷりで「やっぱりサバは旨い」と再確認する。そして最後に、特養の食卓でも“安心の工夫”でサバを主役に出来ると分かる。サバの凄さは、派手さじゃなく、工夫に応えてくれる懐の深さでした。
理事長は最後まで言います。
「サバはスターだ。だから毎日でも…」
事務長は、いつもの笑顔で止めます。
「理事長、スターは毎日出すと疲れます。今日だけ、ちゃんと照明を当ててあげましょう」
この“今日だけ”が大事です。サバはいつでも手に入るからこそ、いつでも扱いが雑になりやすい。でも、たった一日だけでも「骨を確認しやすい形にする」「食べやすい大きさにする」「味を濃くし過ぎない」「無理に食べない人を置き去りにしない」――そういう小さな配慮を積み重ねると、サバはちゃんと優しく輝いてくれます。
そして、サバの日が面白いのは、別にサバに詳しくならなくても良いところです。今日はサバを食べても良いし、食べなくても良い。ただ、サバの香りでご飯が進んだら「うん、主役だな」と笑って、弁当の蓋を開ける前に周りの目線を感じたら「今日の主役は出勤が早いな」と受け止めて、特養の食卓なら“安心の形”に整えて、みんなで「今日のサバ、良かったね」と言えたらそれで十分。
サバは庶民の味方です。でも油断すると、すぐ主役を奪う。だからこそ、たまにこちらが大人になって、段取りをして、照明を当ててあげる。3月8日は、その“たまに”に丁度良い日。サバに礼を言うフリをして、実は私たちの食卓の方が、少しだけ豊かになる日なのかもしれません。
今日も閲覧ありがとうございましたm(__)m
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