2月にもう一度お正月!?~春節マラソンで現場魂が燃える施設祭り~

[ 2月の記事 ]

はじめに…1月は寒稽古で2月は祭りでドカンと回復しよう

お正月といえば、やっぱり1月1日。日本の年明けは、飾りも料理も挨拶も、気合の入り方が別格です。年末から準備して、当日は「よし来た、新しい年!」と背筋が伸びる。ここで一度、心と暮らしのネジが締まります。

ところが、その後が問題です。1月は寒い。とにかく寒い。現場は感染症対策や転倒予防など、“守りの仕事”が増えて、気持ちがじわじわ削られがちです。まるで寒稽古。鍛えるのは大事だけど、鍛えっ放しだと息切れします。「正月に燃え尽きて、1月で乾き、2月で底冷えする」なんて、リアルにあるあるし過ぎて笑えません。

そこで提案したいのが、2月に“もう一度お正月っぽい山場”を作る作戦です。旧暦のお正月、いわゆる旧正月や春節は、アジアのいろいろな地域で大切にされてきた「新しい年のスタート」。日本の1月1日とは違う暦の区切りだからこそ、2月にドンと置ける。しかも2月って、地域のマラソン大会があったり、初午で屋台が出たり、世の中が「そろそろ動くぞ」と温まりはじめる時期でもあります。ならば施設だって、温まりに乗っかってみても良いじゃないですか。

この企画は、ただの季節イベントでは終わりません。訪日で働く仲間が増えた今、年明けが2回あることで、胸の奥で「自分の新年」を静かに抱えている職員さんもいます。日本のお正月を一緒に味わったなら、次はその人の文化にも、ちょっとだけ光を当てたい。春節を切っ掛けに、皆で笑って、食べて、動いて、「今年も一緒に乗り越えようぜ」と気持ちを揃える。冬の終盤に火をつけるには、これが一番効きます。

そして主役は、もちろん利用者さんです。走るのは職員でも、応援と予想と拍手で場を回すのは高齢者の皆さん。勝つか負けるかより、「あの人、帰ってきたら汗で湯気が出てるぞ!」と笑える一日を作る。行事食は“中華だけ”で終わらせず、アジアの新年を旅するように、食べやすさと華やかさを両立させる。最後に理事長と事務長が、景品を抱えてニヤリ……。もう、この時点でドラマの匂いしかしません。

さあ、2月。寒さの底にいるからこそ、お祭りは輝きます。冬を乗り越える現場魂に、もう一度、点火してみましょう。

【2026年の旧正月・春節は2月17日】

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第1章…お正月・旧正月・春節って何者?立春とは別腹という話

日本のお正月は、皆の脳内カレンダーに「1月1日」と太字で刻まれています。紅白、初詣、おせち、お雑煮、テレビの特番。もう、文化として完成し切っている。だから私たちは毎年、迷いなく、そこで気合を入れられるわけです。「年が変わったぞー!」って、分かりやすい。

ところがアジアに目を向けると、年の切り替わりが“もう一段階”ある世界が広がっています。ここで出てくるのが「旧正月」と「春節」です。名前が似ているから混乱しやすいんですが、整理は意外とシンプルです。

まず「旧正月」は、言葉の通り“昔の暦で数えたお正月”のことです。昔の暦は、月の満ち欠けと季節のズレをうまく調整しながら一年を回していました。だから旧正月は毎年日付がズレます。「いつも2月のどこかで来るっぽい」くらいの、気まぐれな新年です。でもそれが逆に良い。冬の真ん中に、もう一回だけ“年明けの熱”を起こせるからです。

そして「春節」は、その旧正月を中国で呼ぶ時の代表的な言い方です。ここで大事なのは、春節は「その日だけ」じゃなくて、帰省やご馳走、挨拶、飾り、休暇まで含めて、“新年シーズン”の総称になりやすいというところです。日本で言う「正月休み」「松の内」「新年会」みたいに、気分としての広がりを持った言葉、と思うと分かりやすいです。

じゃあ「旧正月=春節」なの?というと、ほぼ同じ話を指していることが多いんですが、使い方が違うだけです。「旧正月」は幅広い言い方で、どの国の旧暦の新年にも使える雰囲気がある。一方「春節」は中国圏っぽい香りが強い。だから今回の施設イベントみたいに、アジアの新年を“多国籍フェス”として扱いたいなら、言い方は少し工夫すると角が立ちません。「春節をヒントにしたアジア新年祭り」みたいに、敬意を持って借りる感じが良いんです。

ここで1つ、立春の話も挟ませてください。立春は「春の始まり」と言われますが、これは季節の区切りであって、新年の区切りとは別物です。立春は太陽の動きで決まる季節のサイン。旧正月や春節は“暦の年の切り替わり”。だから、立春の日に新年になるわけではありません。近い時期に来るので混ざりやすいんですが、「立春は季節」「旧正月・春節は暦の新年」と覚えればスッと整理できます。

こうして見ていくと、1月1日のお正月は「社会が揃ってスタートを切る日」、旧正月・春節は「冬の終盤で、もう一回ギアを入れ直せる日」みたいな立ち位置になります。しかも今の日本の職場には、旧暦の新年を大切にしてきた文化の国の人も増えています。だからこそ、2月に“もう1つの新年”を丁寧に扱うと、ただのイベントでは終わりません。現場の空気を柔らかくして、仲間同士の距離を縮めて、「今年も一緒に走ろうぜ」を自然に言えるようになる。ここが、この企画の一番オイシイところです。


第2章…何故2月に“第二のお正月”が似合うのか問題~冬の後半戦に火をつけろ~

1月1日。あの日の私たちは強いんです。家でも施設でも、「年が変わった」というだけで背筋が伸びる。飾りは整い、行事食は主役級、挨拶はいつもより丁寧。普段は“後でやります”と言っていたことも、何故かやれる。お正月って、カレンダーに付いたターボボタンみたいなものです。

ところが、ターボの反動は来ます。1月は寒い。現場は忙しい。感染症の季節で、手洗い・換気・見守り・記録が増え、転倒や脱水の心配もある。やることが増えるのに、体は冷える。気持ちは「守り」の方へ寄りがちで、気合だけでは押し切れない日がじわじわ増えます。これ、まさに寒稽古です。強くなるには必要だけど、稽古は稽古。ご褒美がないと続かない。

そこで2月です。2月って、世間では意外と“動き始める月”なんですよね。地域によってはマラソン大会が開かれて、冬の空気の中で走ってる人がいる。初午のあたりは屋台が出て、フワッと祭りの匂いが戻ってくる場所もある。つまり2月は、寒さが残っているのに、心が「春に向けて動こう」とし始める月なんです。冬の終盤って、実は一番しんどい。だからこそ、ここでドンと楽しい山場があると強い。息切れしかけたチームに、再点火が入るからです。

もう1つ、今の時代ならではの理由があります。日本の職場には、いろいろな国から来た仲間がいます。新年を1月1日で迎える人もいれば、旧暦の新年が「本当の年明け」だと感じている人もいる。日本のお正月を日本で一緒に味わってくれたなら、今度はその人の新年も、一緒に祝っていい。文化って相手の心の根っこですから。そこに触れて「おめでとう」を言える職場は、強くなります。何が強いって、離職し難いとか、連携が良くなるとか、そういう話以前に、現場の空気が優しくなります。人が優しくなると、現場は回りやすい。これは本当に。

しかも旧正月や春節は、1月の正月ほどガチガチに作り込まなくても成立します。むしろ“軽やか”が正解です。言葉を少し紹介して、縁起物の雰囲気を足して、食で旅して、最後に笑って終わる。日本のお正月は「格式のある本番」。2月の第二のお正月は「元気を取り戻す祭り」。役割が違うから、両方あって良いんです。むしろ両方あると、冬が分断されない。「1月で燃え尽きて2月で凍える」じゃなく、「1月で始めて2月で整える」になる。

ここで施設の行事として考えると、2月の祭りにはもう1つメリットがあります。利用者さんの“楽しみの谷”を埋められることです。年末年始は行事が多いけれど、落ち着いた後に日常が続くと、「今日は何の日だっけ?」が増えていく。そこに“第二のお正月”を置くと、会話が生まれます。「あなたの国では正月はいつ?」「昔は旧暦でやってたよね」「屋台っていいねえ」と話題が広がる。レクって、勝ち負けより会話が宝ですから。

そして私たち職員側にとっても、2月はちょうど良い。「寒稽古で鍛え始めた勢い」を、勝手に“良い方向へ爆発させられる月”なんです。鍛えるなら、鍛えた先に祭りを置く。走ったら、旨い物を食べる。頑張ったら、笑って褒められる。こういう単純な設計が、一番人を動かします。

だから2月に、旧正月や春節をヒントにしたイベントを置くのは、予算が尽きる前で…もったい…なんてなくない?むしろ日本の冬を乗り切るための、最高に実用的な知恵です。さあ次は、祭りの心臓部――行事食で胃袋を旅に出すことにしましょう。


第3章…中華だけで終わらせない!アジア新年の行事食フェスで胃袋が旅に出る

春節と聞くと、どうしても「中華料理でしょ?」の空気が漂います。もちろんそれも正解なんだけど、そこで終わると惜しいんです。何故なら旧正月は、中国だけのものじゃない。アジアのあちこちで「一年の始まり」を祝う文化があって、食卓にはそれぞれの“縁起の味”が並んでいます。

そこで今回の施設行事食は、あえて「アジア新年フェス」。中華一択を避けて、いろんな国の“本場の料理名”をきちんと紹介しつつ、食べやすさは施設仕様に整えます。主役は料理の再現度じゃなくて、「今日は旅した気分になれたね」という体験。ここが高齢者さんに刺さります。

韓国~トックク(떡국)で新年を迎える~

最初のご紹介は韓国の旧正月(ソルラル)で有名なのが、餅のスープ「トックク」です。澄んだスープに薄切りの餅が入っていて、「これを食べたら年を重ねる」なんて言われる、まさに新年の儀式メシ。

ただ施設で“餅そのまま”は、様子を見ながら慎重にいきたいところ。だからここは潔く「トックク風」にしてしまいます。例えば米粉を使ったやわらか団子を小さくしたり、卵とじのトロミスープに寄せたりして、雰囲気は守りつつ安心に寄せる。湯気が立っているだけで、冬のイベントは勝ちです。皆さんの顔が「はぁ〜」ってなります。

ベトナム~バインチュン(Bánh chưng)で“お祝いの米”を味わう~

次にご紹介するのは、ベトナムの旧正月(テト)で欠かせないのが「バインチュン(Bánh chưng)」、地域によっては「バインテット(Bánh tét)」も有名です。もち米、緑豆、豚肉を包んで蒸し上げる、新年のど真ん中にいる料理です。四角い形にも意味があると言われたりして、とにかく“祝い感”が強い。

でも本場のもち米そのままを大量に出すのは、施設ではハードルが高い。ここも「バインチュン風」で勝ちにいきます。軟飯に寄せたご飯に、緑豆のペースト感、豚のやわらか煮を重ねて、四角っぽく盛る。名前は本場、形はやさしく、味は満足。これなら「今日はベトナムの新年だね」とちゃんと言えます。

モンゴル~ボーズ(Buuz)で“蒸し包み”の幸福感を~

まだまだ世界は熱い!続いてモンゴルの旧正月(ツァガーン・サル)で有名なのが、蒸し餃子の「ボーズ(Buuz)」。新年に向けてたくさん作る文化が語られることも多く、見た目からして「祝ってるなぁ」という圧があります。

施設では大きい蒸し餃子をドンと出すより、一口サイズにして、皮は薄め、具は細かめ。言ってしまえば“優しい肉まんの親戚”です。温かい蒸し物は、それだけでイベントになります。フロアの空気が「あ、今日は特別だ」と変わるんですよね。

中国はもちろん外せない~餃子(Jiaozi)と年糕(Nian gao)の“名だけでも本場”~

ご紹介する仲間から外せない、中国。むしろ春節の顔として、その賑やかさは毎年の日本のニュースでも話題に上る。そこで中国の定番として「餃子(Jiaozi)」、そして縁起物として「年糕(Nian gao)」を登場させることにします。

ただし施設では、揚げ物や硬さが出やすいものは避けたい。餃子は“焼き”より“蒸し”や“スープ餃子風”が優しい。年糕も「もちっ」とした食感をそのまま再現するより、蒸しパンやプリン寄せの「年糕風スイーツ」にして、言葉と雰囲気を残す。ここで「名前を言える」ことが大事なんです。「今日は年糕風だよ」と言えるだけで、行事食の物語が生まれます。

シンガポール/マレーシア~魚生(Yusheng)で“混ぜて福を呼ぶ”~

ここで一気に祭りっぽくする切り札が「魚生(Yusheng)」です。大皿に具材を盛って、皆で混ぜながら縁起を担ぐ、あの「いくぞー!」感。施設イベントに向いているのは、実はこの“儀式性”です。食べる前に一体感が作れる。

ただ生ものは避けたいので、蒸し鶏や豆腐で置き換える。彩りの野菜を軟らかくして、嚥下が心配な方には細かく刻んで、トロミドレッシングでまとめる。全員が同じイベントに参加できる形にすれば、「混ぜる時間」がもうレクになります。理事長が一番大きい声で「福よドンと来い!」と言ってひと匙大きく混ぜた瞬間、職員が全員ふっと真顔になるのもまた良い味です。あれ、理事長、意外と本気だぞ、と。

日本にも旧正月がある~沖縄の旧正月と中身汁(中身汁)で“国内アジア”を添える~

最後に、実は日本にも旧正月文化が残っている地域がある、という一言を添えると行事食が盛り上がります。沖縄の旧正月の話題は、その代表格として使いやすい。料理名としては「中身汁」が知られていて、ここは“国内にある旧正月”という視点が面白い。

もちろん本格を完コピしなくていい。施設なら「沖縄風の汁もの」として、軟らかい具材で寄せるだけでも十分です。「え、日本にも旧正月あるの?」という驚きが生まれたら勝ち。新年って、日付だけじゃなくて、心の持ち方なんだなと、皆が自然に理解します。

こうして並べてみると、同じ旧正月でも食卓は本当に多彩です。トックク、バインチュン、ボーズ、餃子(Jiaozi)、年糕(Nian gao)、魚生(Yusheng)、中身汁。名前を話題に出るだけで旅が始まり、香りが立てば行事食の場が盛り上がって記憶に残る。高齢者さんにとっては「変わった一食」じゃなく「今日はアジアを歩いた日」になる。

そして次の章で、その旅の熱をそのまま外へ持ち出します。春節マラソン大会。理事長と事務長が先頭を走り、応援の声が館内を揺らし、景品の箱が光る――。胃袋が旅したなら、次は脚が旅する番です。


第4章…春節マラソン大会開幕!理事長&事務長先頭で景品に目がギラつく日

行事食で胃袋がアジアを旅したら、次は脚が旅に出る番です。ここで登場するのが、施設の春節マラソン大会。名前だけ聞くと「春節なのに走るの!?」とツッコミが入りますが、そこが良い。人手不足のお正月に箱根マラソンとかあるじゃないですか。2月は人手不足も無ければ1月の寒中稽古の季節を乗り越え、充実した体力で勝負できる季節。ならば、冬を越え切る現場魂に火をつけるのは“走る祭り”が最強です。

しかもこの大会、ただ走るだけじゃありません。新旧のお正月が並ぶ季節に起きがちな、ちょっとした心のズレ――それを笑って溶かすための大会です。日本のお正月を一緒に味わった仲間が、今度は旧暦の新年を迎える。お国に帰って家族と祝う人もいるし、帰れずに胸の中で静かに新年を迎える人もいる。そんな時期に「よし、日本で過ごす皆は日本版の春節を祝おう」と言える職場は、強いです。強いっていうのは、腕力じゃなくて、現場の空気が優しいって意味です。優しい現場は、冬に折れません。

大会の仕組みはこうです。全員一斉にドン!ではなく、2部制で走る。走る直前には看護師による靴底点検とバイタルサインチェック。午前はA班が走り、B班が現場を守る。午後は交代。これなら現場が止まりません。参加は全員が基本だけど無理はしない。途中で「今日はここまで」と思ったら、棄権ではなく“役割チェンジ”にする。つまり、走る人がヒーローではなく、走れない日でも仕事が出来る人がヒーロー。これが介護の現場です。チェックポイント係、給水ポイント係、撮影ポイント係、実況係。マラソンという名の、施設全体でのチーム戦です。

ルートは町内の約5キロ。安全が最優先なので、走っていい場所、見守りしやすい場所、途中で休める場所を選びます。外勤サービス部隊が事前に下見をして、通過しやすいルートを決め、危険ポイントを潰しておく。現場の人がやると、ここがやたら現実的で笑えます。「ここ、段差あるから絶対ダメ」「この角、土佐犬が吠える」「ここは誘惑の実演たい焼き屋があるから注意」。たい焼き屋だけは危険です。給水より危険かもしれません。気持ちが吸い込まれます。

そして、いよいよスタートの朝。先頭に立つのは、福彩心定番キャラになりつつあるコンビの理事長と事務長です。理事長は黙って前を見る。事務長はスタート前からしゃべる。「本日の春節マラソン、諸君の努力が試される!ただし無理は禁物!棄権権利、堂々と行使せよ!」と、なぜか軍師みたいな顔をします。ここで職員が笑えたら、もう勝ちです。笑うと肩の力が抜けて、冬は乗り切れます。

施設の高齢者の皆さんは、もちろん主役側…応援席観客席です。走るのは職員で、観戦会場の心臓はフロアにあります。担当は「1位〜3位予想」と「声援」。推しの職員に声を掛けるのが上手い方は強い。「あんた、今日も足が軽いねえ!」と言われた職員は、何故か本当に速くなる。逆に「無理しちゃだめよ」と言われると、本当にペースを守れる。応援って、介護の現場では立派なケアです。勝ち負け以上に、「誰かが見てくれている」が力になります。

さて、夕方の最終ゴールが近づくと、空気が変わります。理由は簡単。景品です。ここで職員の目が変わる瞬間が来ます。1位はスーパー足浴器。2位はアロマ加湿器。3位は温冷アイマッサージャー。参加賞は職員全員にカイロ1箱。これだけでも十分に温まるのに、さらに理事長賞と事務長賞が控えています。理事長賞は大型スーパー空気清浄機。事務長賞は体調を見える化できる最先端スマートウォッチ。全員の脳内に同じ字幕が出ます。「今年の冬、勝てるかもしれない」。

ここが面白いところで、勝負が熱くなるほど、運営班の存在が光ります。走らない人が、ただの“待機”にならないように、彼らは実況と撮影で大会を盛り上げる。ゴールの瞬間を逃さず、廊下に速報を貼り、館内放送で「ただいま理事長が、汗を宝石みたいに光らせながら和菓子屋〇〇を通過しました」と言う。宝石は盛り過ぎかもしれない。でも盛るのが事務長です。盛って良いんです。祭りなんだから。

さらに、応援してくれた高齢者のいる各フロアへ「応援賞」としてアロマ加湿器を1台ずつ。ここが優しい。職員だけの祭りにしない。フロアにも福が届く。走った汗が、フロアの空気をちょっと良くする。こういう仕掛けがあると、行事は文化になります。「来年もやろう」が生まれます。

そして最後。表彰の場面で、理事長がポツリと一言だけ言うんです。「春節、おめでとう。日本のお正月も、あなたの新年も、どっちも大事だ」。この一言があると、春節マラソンは単なる企画ではなく、日本の介護職場の誇りに変わります。事務長は横で泣きそうな顔をしながら、すぐに締めの言葉を言います。「さて諸君、次は行事食の第二波だ。回復せよ。明日も現場は続く!」と。

走って、笑って、応援して、食べる。寒稽古で鍛え始めた冬を、祭りで乗り越える。春節マラソン大会は、そういう“現場の底力”を引き出す装置になります。次はいよいよまとめです。福は、走ってくる。湯気と笑いで、春を呼びましょう。

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まとめ…福は走ってくる~湯気と笑いで春を呼ぶ施設の底力~

日本のお正月は、やっぱり1月1日に全力でやる。それでいい。むしろ、全力でやってこそ日本の年明けは美しい。けれど、冬は長い。寒稽古みたいな1月を越えた後、2月の底冷えで「うっ…」となりやすいのも現実です。だからこそ、2月に“もう一度お正月っぽい山場”を作る。これが今回の結論です。

旧正月や春節は、立春とは別のルールで動く“もう1つの新年”。日付が揺れるからこそ、冬の真ん中に差し込める。そこで施設が出来ることは、派手な再現ではなく、温かく、優しく、楽しい体験に整えることです。アジアの新年をヒントにすれば、中華だけで終わらない行事食フェスが作れる。トックク、バインチュン、ボーズ、餃子(Jiaozi)、年糕(Nian gao)、魚生(Yusheng)、中身汁。料理名を口にした瞬間から、食卓は旅になります。高齢者の皆さんにとっては「変わった一食」ではなく、「今日は遠くへ行った日」になる。記憶に残る行事食は、ここが違います。

そして春節マラソン大会。これがまた、ただのスポーツイベントではありません。2部制で現場を止めず、無理をしない仕組みを作り、途中で役割チェンジできるようにする。走る人も、見守る人も、撮る人も、実況する人も、全員が主役のチーム戦にする。理事長と事務長が先頭を走れば、職員は笑いながら本気になる。高齢者の皆さんが予想と声援で参加すれば、フロアの空気が1つになる。応援賞として各フロアにアロマ加湿器が届けば、「祭りの福」が職員だけに偏らない。ここまで揃うと、行事は“年に一度の思い出”じゃなく、“この施設の文化”になります。

最後に、一番大事なことを言います。新年が1回だろうが2回だろうが、本当はどっちでも良いんです。大事なのは「今年も皆で一緒にやっていこう」と言える時間が、現場にあること。いろいろな国の仲間がいる今、旧暦の新年を尊重して祝える職場は、静かに強い。冬の終盤で折れにくいし、優しいし、連携が良くなる。そんな空気は、利用者さんにも伝わります。

2月に、湯気の立つ行事食と、笑える祭りを置きましょう。福は、走ってくる。応援の声と一緒に、ちゃんと戻ってくる。春はまだ先でも、施設の中に“春の気配”は呼べます。ここから先の冬は、きっと少しだけ軽くなります。

今日も閲覧ありがとうございましたm(__)m


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