高齢者だって全員合格!~赤ペン先生つき「人生のお受験」レクで笑って整う2月~

[ 2月の記事 ]

はじめに…ニュースの受験風景を“施設の笑い”に変える作戦会議

2月になると、テレビの向こうから「受験の季節」がス~ッと入ってきます。会場に向かう受験生の背中、門の前で小さく手を振る家族、そして合否発表の掲示板に駆け寄るあの感じ。見ているこちらまで、何故か背筋が伸びます。

でも、介護施設の現場で本物の入試問題を出して「さあ解いてください」は、正直、ちょっと違う。今さら点数で勝負しても、人生の先輩たちはもう十分に合格しているんです。だったら、借りてくるのは“空気”だけ。机に座って、鉛筆を持って、問題用紙をめくる。試験監督(職員)が「はじめ!」と言う。終わったら、数日後に赤ペンびっしりで返ってくる。しかも全員合格で、合格証書まで渡される。ここまでやると、受験は受験でも、笑いと誇らしさの方が勝ちます。

しかも中身は、こっそり実用的です。問題は「好きな味」「落ち着く時間」「嬉しい声掛け」みたいな、答えが人それぞれの“人生アンケート”。〇を付けるだけでも立派な回答で、書ける人は( )に好きな料理や思い出を書けばいい。職員はその回答に、全員でユーモアと敬意を混ぜた赤ペンコメントを入れまくる。すると、本人はニヤニヤ、周りはクスクス、職員は「この方、こういうの好きだったのか!」といった新たな発見まで増えて、ケアの会話まで増えていく。受験なのに誰も落ち込まない。不思議なくらい、場が温かくなるレクです。

さあ、今年の2月は「人生のお受験」。試験監督の腕の見せどころです。次の章から、受験っぽさを安全に盛り上げる準備と、全員の答えが違って全員が合格する仕組みを、しっかり作戦立てしていきましょう。

[広告]

第1章…試験監督は職員!~「受験っぽい空気」だけ本気で用意する~

受験で一番大事なのは、たぶん問題の難しさじゃありません。あの「今日だけはちゃんとするぞ」という空気です。だから施設でやる“人生のお受験”も、まずは空気作りが勝負。学力ではなく、雰囲気の演出で笑いを取る。ここを押さえると、参加する人がグッと増えます。

職員が最初にやることは、試験監督になる覚悟を決めることです。スーツや白衣は不要です。でも顔はちょっと真面目にして、「これより人生お受験を開始します」と言ってみる。たったそれだけで、普段ふざけている職員ほどギャップ萌えで面白くなります。いつもと違うテンションのズレが、笑いの火種になるからです。「私語は…ほどほどに」「鉛筆は…転がしても拾うのは自分で」みたいに、厳しいようで優しい一言を混ぜると、場がフワッと温まります。

席は、全員が同じ向きに並べられたら最高ですが、無理なら“受験生席”を数席作るだけでも十分です。机に向かう姿勢を作れる人は、それだけで達成感が出ますし、書くのが難しい人は、試験監督が「口頭試験に切り替えます」と言って堂々と聞き取りに回ればいい。ここで「出来る人だけ参加」みたいな空気を出さないのがポイントです。受験は全員が主役。参加の形が違うだけで、全員同じ舞台に乗せる。これだけで“落ちる人ゼロ”の安心が生まれます。

そして小道具は、やり過ぎないほど効きます。例えば、受験票の代わりに名札を「受験生」にする。問題用紙を配る時は、わざと少し丁寧に、両手で渡す。開始の合図は、普段は使わない言い方にしてみる。「それでは…始め!」でも良いし、「鉛筆を持ってください」でも良い。合図の前に、わざと深呼吸を促すのも面白いです。「深呼吸をすると合格率が上がるらしいです。知らんけど」と一言添えると、笑いながら息が整います。

受験のニュース映像を見た直後なら、さらにノリが良くなります。テレビで会場入りの様子が流れたら、「皆さんも今から会場入りです。ここが会場です」と言ってしまう。合否掲示板の映像が出たら、「貼り出し方式でいきます」と予告する。映像そのものを長く見せる必要はなくて、季節の空気を借りるだけで十分です。2月の世の中と施設の中が、一本の糸で繋がった感じが出て、参加している人も「今の季節に乗れている」気分になります。

ただし、受験には思い出がくっついてくるので、刺激が強い人もいます。ここは試験監督の腕の見せどころで、「点数は出ません」「これは勝負じゃなくて、人生のお受験です」と最初に明るく宣言しておくと安心です。笑いが好きな人には堂々とふざけて、緊張しやすい人には“落ちない保証”を手渡す。そうして空気が整ったところで、いよいよ次の章です。問題は同じ、答えは全員違う。ここからが、この企画の一番美味しいところになります。


第2章…問題は全員共通で答えは全員ちがう!~人生アンケート入試の作り方~

受験の形を借りる以上、「問題用紙」はやっぱり欲しいんです。あれがあるだけで、人は不思議と受験生になります。けれど中身は、難問を解かせる必要はありません。むしろ逆で、答えやすいほど良い。何故なら、この企画の目的は“点数”ではなく、“その人らしさ”を拾って、笑いと会話に繋げることだからです。

そこで活躍するのが、「問題に見せかけたアンケート」です。これ、現場目線でもとても強い。普段のアセスメントや嗜好調査は必要なのに、書類っぽくなると本人も職員も身構えます。ところが「入試」と名乗った瞬間、紙の意味が変わります。調査ではなく、イベントになる。本人は“答えさせられる”のではなく、“挑戦している”感覚になります。そして職員は、“聞き出す”のではなく、“試験監督として楽しむ”立場に変わる。ここが、レク変換の魔法です。

作り方のコツは、問題を10問くらいにし、答えは丸で完結できるようにすること。字を大きく、行間を広く、選択肢を詰め込み過ぎない。ここは受験より大事です。紙の上で迷子にならなければ、安心して参加できます。書ける人は( )に具体例を書けるようにし、書けない人は「丸だけで満点」と宣言してしまう。宣言は強いです。「書けたら100点、丸だけでも100点」この一言で、場の空気が優しくなります。

問題のテーマは、正解がないものにします。味の好み、落ち着く時間、好きな飲み物、聴きたい音楽、やってみたい体操、嬉しい声掛け。ここには、年齢や能力の優劣が入り難い。だから参加者同士が比べにくく、素直に笑えます。さらに、職員が赤ペンコメントを書きやすい題材でもあります。「それ分かる!」「私も好き」「その話もっと聞きたい」と、採点の時の赤ペンが自然に伸びるんです。

そして「問題は全員共通なのに、答えが全員違う」状況が生まれると、返却後の話題が尽きません。同じ問題用紙なのに、隣の人の答案は別世界。甘い味に丸を付ける人もいれば、酸っぱいに丸を付ける人もいる。好きな時間帯が朝の人もいれば夜の人もいる。人生が答案に出る。これがもう、面白いんです。受験なのに、人と違うほど魅力になる。普通のテストと真逆の世界が出来上がります。

ここで、1つだけ仕掛けを入れると“受験っぽさ”が跳ね上がります。それは、最後の問題を「自由欄」にすることです。自由欄といっても、長文は不要です。「職員に一言」「今日の気分」「今、食べたい物」みたいに短くて良い。書けない人は口で言えば良い。職員が代筆すれば、それも答案です。最後に自由欄があると、赤ペン先生が遊べる余白が増えます。返却された紙が、ただのアンケートではなく“作品”になります。

もちろん、内容には気配りも必要です。過去のつらい受験体験を思い出す人もいますし、失敗や点数に敏感な人もいます。だから問題文は、勝負の匂いを消しておきます。「あなたの好きが正解」「あなたの答えが満点」「あなたらしさが合格条件」こういう雰囲気を、文章に混ぜるだけで十分です。受験という言葉を使いながら、実際は安心のイベントにする。ここが施設レクとしての安全運転です。

こうして答案が集まったら、いよいよ次の章。数日後に返ってくる“赤ペンだらけの答案”が、本番のエンタメになります。採点じゃない。ツッコミと愛情で、満点を作る作業です。ここからが職員の腕の見せどころですよ。


第3章…数日後に赤ペン返却!ツッコミと愛で満点にする採点術

答案が集まった瞬間から、この企画は“受験”ではなく“連載”になります。そう、当日はまだ序章。本番は数日後の返却です。受験の記憶というよりも学生のテストの記憶って、問題を解いた時間より「返ってきた赤ペン」の方が強い人が多いんですよね。あの赤い字の圧。あの“見られてる感”。あれを、今回は笑いと誇りに変換します。

赤ペンのコツは、正解探しをしないことです。相手の答案に「その人らしさ」が出ている時点で、もう合格。だから職員の仕事は、減点ではなく“発見のハンコ”を押していく作業になります。丸が付いているだけでも、「良いですね!」「分かります!」と拾う。書いてある具体例には「そこ来ましたか!」と嬉しそうに反応する。大事なのは、赤ペンが“上から目線”にならないこと。先生というより、熱狂的なファンのコメント欄に近いテンションが一番ウケます。

そこで使えるのが、赤ペンの型です。型があると、どの職員でも書きやすくなり、返却された答案の雰囲気も揃って“作品集”になります。例えば、まずは判定を入れます。「合格」「特待生」「名誉教授」みたいに、ちょっと盛るバリエーション。次に共感を書きます。「それ分かります」「同じです」「そのセンス好きです」。最後に軽い次回予告を添える。「次回はこの味を深掘りしましょう」「今度その歌、施設内で流します」「来週のおやつ候補に勝手に入れます」。この流れだと、読み手は安心して笑えます。赤ペンが“攻撃”にならず、“応援”になります。

コメント内容は、本人がニヤッとする方向に寄せます。例えば「甘い」に丸が付いていたら、「甘党学科、合格!ショートケーキ派、分かります。監督も同じ派です(こっそり)」と書く。辛いに丸なら「刺激学科、合格!辛さは人生のスパイス。今日の監督は甘口ですが、尊敬しています」。苦いに丸なら「渋み学科、合格!苦みが分かる人は、だいたい強い」。酸っぱいに丸なら「爽やか学科、合格!酸っぱいは元気の合図。口の中が目覚めます」。こんな風に、答えそのものを肯定して、そこに少しだけ“職員の素”を混ぜると、一気に親しみが出ます。

それと、赤ペンの面白さは“本人だけの手紙”になれることです。アセスメントの内容をそのまま書類っぽく引用するのではなく、「前に話してくれたアレ、覚えてます」「あの日の話、実は職員の中で伝説です」みたいに、思い出の温度を上げる。本人の過去や家族の話題に触れるなら、明るい話・本人が笑って話してくれる話に限定して、重い情報や繊細な事情は答案に残さない。ここは安全運転でいきましょう。赤ペンは残るものなので、読む人の気持ちが落ちない内容だけで満点になります。

もう1つ、返却を盛り上げるために“赤ペンの量”は正義です。もちろん紙が真っ赤になるほど書く必要はありませんが、余白が寂しいと、受験生は損した気分になります。丸だけの答案でも、赤ペンで膨らませてあげる。「丸が丁寧すぎて美しいです」「ここ、迷いのない丸!」「この丸、気持ちが良い!」と、丸を褒める。書けない方の答案ほど、職員の腕が光ります。ここで笑いが取れると、次回の参加率が上がります。

返却までの数日間も、実は仕込みの時間です。本人が「いつ返ってくるの?」と聞きたくなるくらいが理想なので、職員側はちょいちょい匂わせます。「採点が追いつきません」「赤ペンが泣いてます」「監督、徹夜を検討しています」など、軽く言っておく。受験のドキドキを、痛くない形で再現できます。誰も落ちないのに、何故かワクワクする。これが“人生お受験”の強さです。

そして次の章では、その答案と合格証書をどうやって渡すと、皆が主役になれるか。貼り出し方式の合格発表をどう安全に楽しくやるか。そこを一緒に仕上げていきます。赤ペンが整ったら、いよいよ晴れ舞台です。全員が合格するのに、ちゃんとドラマがある。ここから先が、一番美味しいところですよ。


第4章…合格発表は貼り出しで盛り上げる!~全員合格証書と“ご褒美”の演出~

赤ペン答案が完成したら、次は晴れ舞台です。受験という名のイベントは、ここで「物語が完結した感」を出すほど、本人の満足度が上がります。一番簡単で強いのが、あの“貼り出し式”の合格発表。テレビで見たことがある人は多いので、説明しなくても伝わります。「あれを、施設サイズに縮めるだけ」です。

ただし、施設でやる以上、優しい配慮が必要です。ここで大事なのは、“誰もヒヤッとしない貼り出し”にすること。つまり、合否で振り分けない。順位も付けない。名前の扱いも、本人が気になりそうなら工夫する。貼り出す内容を「合格者一覧」にしないで、「本日の合格発表 全員合格(拍手)」という一枚にしてしまうのが安全で、しかも笑いになります。紙の上に大きく「全員合格」と書いて、職員が真顔で貼り出す。受験らしいのに平和過ぎて、だいたい誰かが吹き出します。

さらに盛り上げたいなら、“学科名”で遊べます。甘いに丸が多かった人は「甘党学科」、散歩に丸を付けた人は「散歩学科」、歌が好きな人は「歌声学科」。これは決してラベル貼りではなく、本人の魅力を一言で表す称号です。貼り出しに名前を出さず、席番号風にして「受験番号〇〇番 甘党学科 合格」みたいに書くと、本人は「それ私だ!」と分かり、周りも「誰だろう?」と会話が生まれます。名前の扱いに不安がある時ほど、こういう“受験番号システム”は強い味方になります。

発表が終わったら、いよいよ授与式です。授与式といっても大袈裟な壇上は要りません。机の前で、職員が両手で合格証書を渡し、「おめでとうございます」と言うだけで十分です。ポイントは、職員がちょっとだけ丁寧にすること。普段の“手渡し”を、ほんの少し“儀式”に寄せる。これだけで本人の背筋が伸びます。写真を撮れるなら撮っておくと、後から本人も家族もニコニコできます。ここは、記録というより“思い出化”です。

合格証書の文面は、立派過ぎない方が良いです。難しい言葉より、「あなたの答えが素敵だった」「あなたらしさが満点だった」「一緒に毎日を作っていこう」みたいに、読んだ瞬間に意味が分かる言葉が嬉しい。受験の証だからこそ、本人の人生に敬意がある文章にします。そこに試験監督の署名が入ると、「自分だけの一枚」になります。

そして、受験には“ご褒美”が似合います。ただし、豪華である必要はありません。大事なのは「合格したから、ちょっと良いことがある」という流れ。例えばおやつを、答案から選ぶ。甘いに丸が付いた人が多ければ、甘党寄りの日にする。さっぱり派が多ければ、柑橘っぽいものにする。ここで、さりげなく「答案が反映されました」と伝えると、本人は「ちゃんと読んでくれたんだ」と嬉しくなります。受験がただのイベントで終わらず、生活の中に着地します。

さらに、職員側の“次に繋がる仕込み”もできます。答案の中には、会話のヒントが詰まっています。落ち着く時間帯、好きな音楽、褒められて嬉しい言葉。これらはそのまま、声掛けやレクの組み立てに活かせます。本人にとっては「笑いの受験」、職員にとっては「自然に集まる情報」。しかも紙に書いてあるから、担当が変わっても共有しやすい。堅い書類よりも、温かい記録になります。

最後に、貼り出しと授与式を“明るい締め”で終える一言があると完璧です。「次回は春の入学式です」「新学期はおやつから始まります」「赤ペン先生、次は青ペンで行きます」みたいに、冗談で次を匂わせる。受験が終わったのに、何故か続きが気になる。そうなると、施設の2月はイベントで終わらず、季節の流れそのものが楽しくなります。

さあ、これで舞台は整いました。残るはまとめです。学び直しではなく、笑い直し。受験という言葉を借りて、人生のベテランたちが「まだまだ面白い」と思える2月の仕上げにいきましょう。

[広告]


まとめ…学び直しじゃなくて笑い直しだ!~来月に繋がる「お受験」後日談~

受験という言葉は、普通は若い人のものです。けれど2月のニュースを見ていると、あの空気だけは年齢に関係なく胸に入ってくる。だから施設のレクに変えるなら、点数や合否の重たさは置いておいて、「机に向かう」「紙をめくる」「赤ペンで返ってくる」「貼り出しで発表する」という、受験の“儀式”だけを明るく拝借するのがちょうど良いんです。

今回の「人生お受験」が面白いのは、全員合格なのに、ちゃんとドラマがあることでした。問題は全員共通なのに、答えは全員が違う。丸を付けるだけでも立派な答案で、書ける人は好きな料理や思い出を添える。職員は採点ではなく、ツッコミと愛で赤ペンを入れて、数日後に返却する。本人はニヤニヤし、周りはクスクスし、職員は「この方、こういうのが好きだったのか」と新しい発見が増える。笑いながら、ちゃんと関係が深まる。これが施設レクとして、とても強い形です。

そして、この企画がじわじわ効くのは“後日談”にあります。合格証書をもらった人は、ふとしたときにそれを見返します。赤ペンコメントは、ただの冗談ではなく「あなたを見ています」という優しい証拠になる。家族に見せれば、会話が生まれます。「こんな答え書いたの?」「この職員さん面白いね」そんな一言が、次の面会や電話の空気を柔らかくしてくれます。施設の中の出来事が、生活の外側まで滲む。これが“イベントの本当の価値”です。

さらに職員側にとっては、答案は小さな宝箱です。好きな味、落ち着く時間、嬉しい声掛け、好きな音楽。これらは、日々の声掛けや次のレクのヒントになります。堅い書類よりも、本人が笑いながら答えた言葉の方が、ずっと使いやすい。だから「受験っぽい遊び」をしただけなのに、結果的にケアが少しやさしく、少し楽しくなっていきます。もちろん、アセスメントシートや基本情報といったパソコンデータに入れておくと活用の幅、検索幅はグッと広がります。

2月は受験の季節。ならば施設では、人生の先輩たちに“もう一度、主役のスポットライト”を当ててみましょう。学び直しではなく、笑い直し。赤ペン先生が返ってくる日を、みんなの楽しみにしてしまえば、寒い季節の空気も少しあたたかくなります。次は春。入学式でも、卒業式でもいい。季節のニュースを、施設の笑いに変えるシリーズは、まだまだ続けられます。

今日も閲覧ありがとうございましたm(__)m


[ 応援リンク ]


人気ブログランキングでフォロー

福彩心 - にほんブログ村

[ ゲーム ]

作者のitch.io(作品一覧)


[ 広告 ]
  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。