上司よ怒る前に深呼吸!~原因探しで信頼はちゃんと戻せる~
目次
はじめに…怒られ慣れ平社員、今日は上司をそっと観察します
会社で働く以上、上司と部下の関係からは逃げられません。誰しも一度は「うわ、今日の声量ヤバい…」という場面に遭遇しますし、なんなら私はわりと高確率で遭遇しています。はい、怒られ担当の平社員です。胸に名札、背中に反省文、みたいな日もあります。
ただですね、怒られる側としては、反省しながらも心のどこかで思うわけです。「叱るの、そこじゃないよね?」と。もちろん私のミスがゼロだなんて言いません。言いませんけど、ミスってだいたい突然空から降ってこないんです。小さなズレ、小さな無理、小さな確認不足が、毎日の仕事の中で少しずつ育って、ある日「はい完成!大ミスです!」って顔を出す。まるで、誰も水をやってないのに育つ雑草みたいに。
仕事って、1つの作業だけして終わるものじゃありません。電話が鳴り、声が掛かり、予定がズレ、利用者さん(お客様)が動き、現場が揺れ、記録が増え、確認が飛び、気づけば終業時間が「お疲れ様でした」と先に帰っている。そんな中で、上司が「そこ間違ってる!」と叫ぶのは簡単です。けれど、その前に「どうしてそうなった?」を一緒に見に行く上司がいる職場は、驚くほどミスが減ります。何故なら、ミスの芽を踏めるからです。芽のうちなら、踏めます。大木になったら、踏めません。踏むどころか、こっちが踏まれます。
この記事では、部下目線で「怒る前にやって欲しいこと」を、少し笑いを混ぜながらまとめます。上司を悪者にしたいわけではありません。むしろ逆で、「上司が楽になる方法」を言いたいのです。怒る回数が減れば、上司の喉も平和になりますし、部下の胃も平和になります。職場全体の空気も軽くなります。良いこと尽くしです。裏方では喉スプレー代の節約も見込めます。
さあ、怒鳴り声で職場を動かす時代は、そろそろ卒業です。次章からは、「叱る前に上司が点検したいこと」「原因の見つけ方」「信頼の貯め方」を、現場あるあると一緒に見ていきましょう。上司も部下も、同じチーム。勝つのは、叫び声じゃなくて段取りです。
[広告]第1章…叱る前に上司も点検!「見てない」「聞いてない」がミスを育てる
私は今、会社では新参者の平社員です。ところが業界だけはそこそこ長く、いわゆる「転職で入ってきたベテラン寄りの新人」という、一番扱いが難しい立ち位置になっています。現場の流れは分かるのに、社内の流儀はまだ馴染み切らない。そんな状態で上司から雷が落ちると、反省しつつも心の中でこっそり思うのです。「それ、落とすなら避雷針も一緒に立てて欲しいな」と。
仕事って、細かく分けるとびっくりするほどの工程があります。朝の準備、連絡事項の確認、優先順位の組み立て、他部署との調整、書類、記録、予定外の対応。特に介護や福祉の現場に近い業界だと、予定通りに進む方が珍しい日もあります。利用者さん(お客様)が動けばこちらも動くし、体調や気分の変化があれば、安全と安心が最優先になります。そこで発生する「小さなズレ」は、悪意じゃなくて現場の自然な呼吸みたいなものです。
問題は、そのズレを「途中で拾える人が拾えているか」です。ここが上司の腕の見せどころになります。叱るというのは結果に対する反応でしかないのですが、結果が出るまでの道程には、たいてい「気づけるポイント」が本来は何度もあります。なのに、そこが素通りされて、最後の最後で「なんでこうなった!」となる。部下側から見ると、これはちょっと不思議です。だって、上司は上司である以上、仕事を任せた時点で「途中経過を見る責任」も持っているはずだからです。
ここで、私は敢えて意地悪な質問をします。叱るその瞬間、上司はその仕事の途中をどれだけ見ていたでしょうか。指示した内容は具体的でしたか。期限は現実的でしたか。途中の相談窓口は作っていましたか。部下が困っていそうな顔をしていた時、声を掛けましたか。もしその答えが「うーん、そこまで見てないかも」なら、ミスは部下の机の上だけで育ったわけではありません。職場の空気の中で、皆で育てた可能性があります。まるで共同栽培です。収穫はしたくないのに、何故か立派に育つやつです。
叱る前に上司が点検したいのは、部下の粗探しではなくて、指示と仕組みの粗です。例えば「早くやって」のひと言は便利ですが、部下はその瞬間から、速度を上げるために何かを削ります。確認、共有、途中報告、手順の丁寧さ。削ってはいけないところほどその一言で削られてしまうのが、人間の悲しいところです。上司が「迅速に」と言うほど、部下は「最短距離で行こう」として、結果として荒い道を走ります。そして荒い道を走った車は、どこかでガタンと揺れます。揺れた後に叱るより、揺れる前に舗装した方が良い。これは精神論じゃなく、仕事の設計の話です。
だから上司は、叱る前にこういう問いを持つだけで職場が変わります。何故そうなったのか、どこでズレたのか、別のやり方はあったのか、期限や時期は無理がなかったのか。これらは「部下を守る問い」に見えますが、実は「上司自身を守る問い」でもあります。怒鳴る回数が減れば疲れも減りますし、部下の目が冷えなくなれば職場の空気も確実に良くなります。上司が守られると、チーム全体が守られます。結局、上司も部下も同じ船です。
もちろん、部下が何でも許されるわけではありません。やるべき確認はあるし、報告すべきタイミングもあります。ただ、部下が正しく動けるかどうかは、上司が「見ているか」「聞いているか」「整えているか」に大きく左右されます。叱るのは最後の手段で、最初の手段は観察と調整です。
この章の結論はシンプルです。上司が叱る前にやるべきことは、部下の心をへし折ることではなく、ミスの芽を折ること。芽なら折れます。大木になったら、折れません。折るのは骨です。次章では、その「芽」をどう見つけるか、そして原因探しをどう進めるかを、現場目線で一緒に辿っていきます。
第2章…原因探しは探偵ごっこ!指示・時間・手順を洗い出して先回りする
上司の大事なお仕事は「指示を出すこと」…だけではありません。本当は、指示を出した瞬間から勝負が始まっています。だって指示って、言った側はスッキリしますが、受け取った側はその時点で脳内に「見えない宿題」が山ほど積まれるからです。しかも、宿題の枚数はだいたい指示の短さに比例します。「これ、お願いね」が短いほど、解釈の余地が広がって難易度が上がります。はい、国語の問題みたいなやつです。
だからこそ、ミスが起きた時にいきなり叱るのではなく、まずは原因探しの探偵ごっこを始めた方が早い。犯人はだいたい「人」じゃなくて「状況」です。人は最後に置いときます。最初から犯人扱いされると、部下は防御モードに入って口が重くなります。口が重いと情報が出ません。情報が出ないと原因が見つかりません。原因が見つからないと、同じミスが形を変えて戻ってきます。これ、ホラー映画の基本構造と同じです。
さて、探偵ごっこで見るべきポイントは大きく分けて「指示」「時間」「手順」です。この3つのどれかが歪んでいると、現場は必ず歪みます。しかも歪んだ現場は、真面目な人ほど無理して帳尻を合わせようとして、余計に大きなズレを生みます。頑張り屋さんほど損をする、嫌な仕組みです。
まず「指示」です。上司が出した指示は、いつ、どこで、誰に、どの言葉で伝えたのか。口頭だけだったのか、メモや共有ツールに残したのか。期限は具体的だったのか、「出来たら今日中」みたいな曖昧な宿題だったのか。優先順位は伝えたのか、それとも「全部大事」で丸投げだったのか。ここが曖昧だと、部下は自分なりに最適化します。最適化という名の「推測」です。推測が増えるほど、ズレが増えます。
次に「時間」です。ここ、地味に大事です。例えば、就業前や就業後にやらなきゃ終わらない前提の指示を、いつのまにか常態化させていないか。現場が動き出す前に外回りの準備を完璧に、車の点検を完璧に、環境整備も完璧に…という理想があるのは分かります。でもそれを勤務外でやって当然、みたいな空気になると、部下は「時間を捻出するために何かを削る」しかなくなります。削られるのはだいたい、確認と記録と報告です。削った結果、後で事故やトラブルに繋がったら、誰が一番困るか。そう、上司です。上司の未来の自分が泣きます。
しかも福祉や介護に関わる業界は、記録が命です。記録って「気持ち」じゃなくて「根拠」ですから、最後にまとめてやろうとすると、記憶が薄まって精度が落ちます。終業間際に大量の記録を開始させる指示があると、現場はだいたい疲れているので、誤字脱字より先に「抜け」が増えます。抜けが増えると、後日確認で時間を取られて、結局また残業気味になって…という、負の回転寿司が始まります。回ってくるのはサーモンではなく、反省の空皿の山です。
そして「手順」です。手順が整っていないと、仕事は運と根性だけで回ります。運と根性はたまには成功しますが、再現性が低い。上司が一流になりたいなら、再現性を作ることです。つまり、誰がやっても同じ水準に近づける形にする。口頭で「やっといて」ではなく、確認できる仕組みに乗せる。完了が見える形にする。途中で詰まった時に、誰にどう相談するかを決めておく。これがあるだけで、ミスは本当に減ります。
ここで上司に伝えたいのは、「観察は監視カメラや盗聴でこっそりじゃない」ということです。上司が部下をよく見るというのは、細かいミスを見つけて叱るためではなく、ミスが起きる前に助けるためです。部下が困っているサインは意外と分かりやすい。返信が遅い、報告が減る、目が泳ぐ、休憩で無言、急に丁寧過ぎる。これ、だいたい全部が赤信号です。赤信号の段階で声を掛ければ、大事故になるか事故が防げるかの幅が狭まります。事故が起きてから怒鳴っても、道路は元に戻りません。
原因探しのゴールは「犯人探し」ではありません。ゴールは「次は起こらない形を作る」ことです。だから会話も、責める言葉より、情報を引き出す言葉の方が役に立ちます。「何でやったの?」より「どこで詰まった?」、「なんで確認しなかった?」より「確認する時間は取れた?」。この聞き方1つで、部下の口は開きます。口が開けば、現場の真実が出てきます。真実が出れば、仕組みが直せます。
そして最後に、ここはちょっと笑い話に見えて、けっこう本質です。上司が「怒るのが仕事」になってしまうと、部下は「怒られないことが仕事」になります。そうなると、仕事の本当の目的が大きく確実にズレます。目的は利用者さんやお客様の安全と満足だったり、会社の品質や信用だったりするはずです。怒られ回避ゲームをしている場合ではないのです。人生、そんなに暇じゃありません。
次章では、原因を見つけた後にどうやって信頼を育て直すか、そして「怒らない上司」になるための現場的なコツを、部下目線でたっぷり語っていきます。怒鳴り声を減らして、チームの動きを増やす。これが出来る上司は、間違いなく強くなれます。
第3章…信頼は貯金、怒鳴り声は手数料!日々のフォローが職場を救う
上司が部下に対して、唯一どうしても勝ってしまうものがあります。仕事の経験?知識?人脈?…それもあるかもしれませんが、もっと分かりやすいのは「役職」という名の権限とか権力です。しかもこれは、持っているだけで効く。いわばチート装備品です。上司側が意識していなくても、部下側はその装備の輝きを常に見ています。だからこそ、その装備を使って「怒鳴る」という必殺技を連発すると、職場は一気に冷えます。冷えた職場は、空調をどんどん上げてみても温まりません。必要なのは、声量ではなく信頼という暖房です。
信頼って、ものすごく地味です。ドラマみたいに一発逆転で「今日から仲良し!」とはなりません。貯金みたいなもので、少しずつ積み上げるしかない。しかも面白いことに、貯めるのは大変なのに、減るのは一瞬です。例えば人前で叱られた、人格まで否定された、話を聞いてもらえなかった。こういう体験は、信頼残高をガツンと減らします。しかも、その後に「じゃあ今日はメシ奢るからさ」で取り戻せるかというと、そんなに世の中は甘くありません。美味しいご飯は美味しい。でも心のモヤモヤは別腹です。
ここで大切なのは、「信頼関係があるから厳しい指導が成り立つ」という順番です。信頼関係がそもそも全く無いのに厳しさだけが先に来ると、部下にはただの攻撃に見えます。攻撃されている人は、守りに入ります。守りに入ると、報告が減ります。報告が減ると、上司は状況が見えなくなります。見えないから不安になります。不安だから怒ります。怒るからますます報告が減ります。はい、負のループの完成です。こうなると、職場はいつも「嵐が来そうな海」みたいな顔つきになります。誰も遠出したくなくなります。
では、信頼はどうやって貯めるのか。答えはシンプルで、「怒る前に気づく」「気づいたら支える」「終わったら認める」です。これ、全部派手じゃないんです。でも効きます。たとえば部下が難しい仕事を抱えている時、上司が「大丈夫?」と声をかけるだけで安心感が違います。さらに「ここまでできてるね」「この判断は良かったね」と、できている部分を言葉にして渡す。すると部下は、「ちゃんと見てくれてる」と感じます。見られていると、人は丁寧になります。丁寧になるとミスが減ります。ミスが減ると上司も怒らなくて済む。上司が怒らないと職場が穏やかになる。穏やかだと相談が増える。相談が増えると事故が減る。ね、良い循環です。こういう時だけは、回転寿司が嬉しい方に回ります。
逆に、信頼を減らす上司の行動も分かりやすいです。部下が困っている時に放置する、結果だけ見て怒る、気分で態度が変わる、言った言わないで戦う、忙しさを理由に説明を省く。これらは、信頼の貯金箱に巨大な大穴を開けます。穴が開くと、どれだけ頑張っても貯まりません。「最近みんなやる気がなくてさ」と言う前に、貯金箱の底を見て欲しいのです。もしかすると、穴が空いているかもしれません。穴を塞ぐのが上司の仕事です。テープでも良い。まず塞ぐ。
そしてここからが、上司にも朗報です。信頼が積み上がると、部下は勝手に強くなります。勝手に強くなるって最高です。上司が毎回つきっきりで教えなくても、部下が自分で考えて動けるようになります。何故なら、失敗しても人格否定されない、必要な時は助けてもらえる、正しく頑張ったら認めてもらえる。この安全な空気があると、人は挑戦できます。挑戦できるチームは伸びます。伸びるチームは、上司の評価も上がります。はい、上司にもちゃんと得があります。ここ重要です。善意だけで職場は回りません。得も必要です。
ただし、信頼がある上司は「優しいだけの人」ではありません。むしろ逆で、言うべきことを機会を選んで正しく言えます。何故なら、部下が聞く耳を持ってくれるからです。叱るというより、修正する。責めるというより、方向を整える。こういう関わりが出来ると、指導は短く済みます。長い説教はだいたい、信頼不足を声量で補おうとしているだけです。説教が長いと、部下の頭の中は途中から「今日の晩ご飯は何だっけ」に移行します。これは人間の仕様です。仕様には逆らえません。
そして最後にもう1つ、信頼を貯める上司の隠し技があります。それは「自分のミスを認める」です。上司が「あれ、指示が曖昧だったね。次からこうしよう」と言える職場は強いです。上司が完璧じゃないと認めると、部下も完璧を装わなくていい。装わなくて良いと、相談が出る。相談が出ると、事故が防げる。結局、全員が得をします。
次章では、いよいよ「叱る場面が必要になった時、どう叱れば信頼を壊さずに済むか」を扱います。叱らないのが理想でも、現場は人間です。ミスもあります。その時に「関係を壊す叱り方」と「関係を保つ叱り方」の差はどこにあるのか。そこを、具体的に見ていきましょう。
第4章…叱り方にも作法あり!人前で叩かず「次の一手」を一緒に決める
理想を言えば、職場は「叱る場面がほとんど起きない設計」になっているのが一番です。途中で支えられて、早めに相談できて、ミスの芽が小さいうちに摘まれていく。そうなると、上司の声帯も部下の胃袋も平和になります。ですが現実は、人間が集まって働いている以上、どうしても失敗は起きます。起きる。起きるんです。完璧な人だけが集まる会社なんて、たぶん採用の時点で宇宙人しか残りません。
だからこそ大切なのは、「叱る必要が出た時に、関係を壊さない叱り方」ができるかどうかです。叱り方が雑だと、問題は二重に増えます。仕事の問題に加えて、人間関係の問題が乗っかるからです。仕事のミスは直せても、信頼のヒビの修復は相当の年月、時間がかかります。しかもヒビが入ったまま働くと、現場はずっとギシギシ鳴ります。ギシギシ鳴る職場は、いずれ誰かが「もうこの音、無理…」となってしまいます。
まず、一番避けたいのは「人前で叱る」ことです。これは本当に効きます。良くない意味で効きます。人前で叱られた部下は、その瞬間から「仕事を良くする」より「恥をかかない」が最優先になります。すると、報告が遅くなります。ミスを隠そうとします。相談しなくなります。結果として、上司が見えないところで問題が育ちます。上司からすると「最近あいつ、報告しないな」と感じるかもしれませんが、部下からすると「報告したら周囲に晒されるかもしれない」という恐怖が残っているだけです。恐怖で動く組織は、強そうに見えて脆い。ガラス細工みたいなものです。1つの告発で崩壊します。
叱るなら、場所とタイミングが命です。現場が忙しい時間帯、周囲が聞こえる距離、本人が焦っている最中。ここで強い言葉を投げると、頭が真っ白になって状況の理解が止まります。理解が止まると、同じミスが起きます。だからこそ、まず落ち着ける環境を作る。人目が少ない場所で、時間を区切って、短く話す。これは「優しさ」ではなく「効果の話」です。相手の脳が働く状態で話した方が、直るからです。叱るって、オペレベルの治療みたいなもので、暴れる人に薬を投げても飲めません。飲めても効かない…そんな世界です。
そして次に大事なのは、「何を叱るか」を間違えないことです。叱る対象は人格ではなく行動です。人格を叱ると、部下は「自分はダメな人間だ」と受け取ります。行動を叱ると、部下は「このやり方は変えれば良い」と受け取れます。前者は心が折れます。後者はやり直しが出来ます。上司が欲しいのは、心が折れた部下でしょうか。違いますよね。欲しいのは、改善して動ける部下です。
だから言葉も、「なんでこんなことも出来ないんだ」1つずつ任せられないと連呼して業務を外していくのではなく、「この手順が抜けたのが問題だったね」に寄せる。これだけで、部下は防御モードから少し戻れます。さらに、「次はどうする?」を必ずセットにする。叱りっぱなしは、ただの放電です。上司がスッキリして、部下が焦げるだけ。職場の電気代がもったいない。叱るのは、次の一手を決めるための会話にしてこそ意味が出ます。
ここで、上司が一流になれる小さなコツがあります。それは「叱る前に事実を揃える」ことです。状況を確認しないまま感情で詰めると、だいたい認識ズレが出ます。ズレたまま叱ると、部下は「分かってもらえない」と感じます。分かってもらえない相手に、人は本音を言いません。本音が出ないと、原因が見えません。原因が見えないと、また起きます。つまり、叱る前の確認は、上司の時間を守るためでもあるのです。あ、逆にダメな例は「私の時間を潰している自覚あるか?」です。もはや上司の資格放棄です。
例えば「どの時点で迷った?」「誰に相談しようと思った?」「期限はどのくらいに見えた?」と聞く。部下が答えた内容が、上司の想定と違う場合があります。その時に「そうだったのか」と一度受け止められる上司は強いです。受け止めるのは負けではありません。情報を拾うのは勝ちです。勝ちというのは、同じ問題が繰り返されない形を作れるという意味での勝ちです。
そして、叱る場面で意外と効くのが「最後に小さく認める」ことです。褒めるというより、事実として認める。「忙しい中でここまで対応したのは分かってる」「報告しようとしたのは良かった」「途中で止められなかったのが今回の課題だね」。これがあると、部下は「自分の努力は見えている」と感じられます。努力が見える上司には、部下はまた相談します。相談が戻れば、職場は立て直せます。
もちろん、同じミスを繰り返す場合は、厳しさが必要になることもあります。ただ、その時でも「人格」ではなく「仕組みと行動」に焦点を当てること。さらに、本人だけに背負わせず、上司側も「監督として何を変えるか」を言葉にすること。上司が自分の課題も同時に出せる職場は、驚くほど強くなります。
この章の結論はこうです。叱るなら、相手を倒すためではなく、次の勝ち筋を作るために。人前で叩かず、事実を揃え、行動を直し、次の一手を一緒に決める。上司の仕事は、怒鳴り声で空気を震わせることではなく、チームの動きを整えることです。
次はいよいよまとめです。怒る上司が増えると会社がどう弱くなるか、逆に「原因探しと段取り」で回る職場がどう強くなるか。最後にギュッと一つに束ねて締めましょう。
[広告]まとめ…強い職場は「お説教」より「段取り」と「助け合い」で回っていく
怒ったり叱ったりが日常になっている職場は、長い目で見るとだんだん弱っていきます。上司が強く見える瞬間はあるかもしれませんが、実際に強いのは声ではなく仕組みです。声で動く現場は、その場でだけは動きます。でも動いた分だけ、皆の心が確実に疲れます。心が疲れると、報告が減ります。相談が減ります。すると上司は状況が見えなくなり、また怒ります。気づけば職場が「ミスを減らす」より「怒られないようにする」方向へ傾いてしまいます。これが一番もったいない。仕事の目的が、いつのまにか違う場所へ引っ越してしまうからです。
今回の記事で言いたかったのは、とても単純なことです。上司は叱る前に、まず見て、聞いて、整える。ミスが起きたら、人を犯人にする前に状況を調べる。信頼は一気に作れないけれど、日々のフォローで確実に貯まる。そして叱らなければならない場面が来たとしても、人前で叩かず、人格ではなく行動に焦点を当て、次の一手を一緒に決める。これが出来ると、部下は守りに入らず、前を向いて改善できます。改善が増えると、上司も本当に楽になります。怒鳴る労力が減るからです。喉も心も、ちゃんと休めます。
特に福祉や介護の現場に近い業界は、仕事量が多く、予定外の出来事も起きやすい世界です。だからこそ、個人の根性だけに頼ると、どこかで破綻します。必要なのは「時間内で回る設計」と「途中で拾える仕組み」です。上司がその仕組みを作り、部下が安心して相談できる空気が育つと、職場は目に見えて安定します。人が辞め難くなり、仕事の質も上がり、チームの雰囲気も明るくなります。結局、強い会社というのは、誰かが怒って引っぱる会社ではなく、皆がちゃんと動けるように道が整っている会社です。
もしあなたが上司なら、今日から出来ることは難しくありません。怒る前に一呼吸して、「何が起きていた?」を見に行くこと。もしあなたが部下なら、抱え込まずに「どこで詰まった」を言葉にすること。上も下も、敵ではなく同じチームです。勝ちたい相手は、同僚ではありません。勝つべきは、繰り返すミスと、無理な段取りと、相談できない空気です。
怒鳴り声で職場を震わせるより、段取りで職場を回す。信頼を貯めて、困ったら助け合う。そういう職場は、忙しくても折れません。むしろ忙しいほど、底力が出ます。あなたの職場が、今日より少しでも穏やかで強い場所になりますように。
今日も閲覧ありがとうございましたm(__)m
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