大雪の頃に楽しむ高齢者レクリエーション~静かな冬を温かくする室内プログラム集~

[ 12月の記事 ]

はじめに…12月前半は雪を待つ時間~大雪ならではのゆっくり型レクリエーションを組む理由~

二十四節気でいう「大雪(たいせつ)」は、名前の通り雪が降りやすくなる時期ですが、日本中が一度に真っ白になるわけではありません。高齢者施設では、外がまだ薄っすらと冬の手前でも、室内にはしっかりと冬の雰囲気を入れておきたいところです。12月後半になるとどうしても行事色が強くなり、クリスマス会や年末の準備でプログラムが詰まりやすくなります。だからこそ12月上旬~中旬の「大雪」の頃は、落ち着いた季節感と、体を温めるようなやさしいレクリエーションを意識して入れておくと、利用者さんも職員さんも無理なく冬を迎えられます。

この時期のポイントは、「外は閉じていくけれど、部屋の中は賑やかにし過ぎない」という匙加減です。立冬や小雪の頃にやる紅葉の工作・ゆず湯の話・木の実クラフトと違って、大雪は空気がキリッとして、光が斜めに入ってくる季節です。そこで取り入れたいのが、窓辺に置く冬の飾り作り、温かい飲み物を切っ掛けにしたお話レク、雪国の思い出を語ってもらう時間など、じっくり腰をおろして楽しめる内容です。大きな動きや派手なゲームが苦手な方でも参加しやすく、写真にも残しやすいので、ご家族への便りにも使えます。

さらに、「大雪」という言葉自体がやわらかく季節を伝えてくれるので、レク名にそのまま入れてしまうと、12月のプログラム表がグッと上品になります。「大雪の室内あったか会」「大雪の日のお話し会」「大雪の頃の飾り作り」といった名前にしておけば、利用者さんにも職員さんにも狙いが伝わりますし、年によって雪の量が違っても行事が開きやすくなります。

この記事では、まず「大雪」という節目をレクに落とし込む考え方を整理し、その後に作品作り系・会話系・体を温める系と段階的に紹介していきます。どれも1コマで完結しますが、組み合わせれば半日イベントにもできますので、12月前半のプラン作りにそのまま使ってくださいね。

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第1章…二十四節気の大雪をレクに落とし込む~雪はなくても季節を感じてもらうコツ~

「大雪(たいせつ)」という言葉はとても冬らしいのに、実際の現場では「でもうちの地域、まだ雪がないんだよなあ」「外に出られないから雪遊びはできない」という壁にぶつかりやすい時期です。ここで発想を変えておきましょう。大雪は「雪がある日」そのものを指すよりも、「これから寒さが本気になるから、暮らしを冬用にしていく日」として扱う方が、施設レクに乗せやすくなります。つまり、雪そのものを主役にしなくても、冬に寄せていく道具や設え、言葉を取り上げるだけで十分に季節が伝わります。

「暦の言葉」を先に見せる

最初にやっておきたいのは、利用者さんに今がどんな節目なのかを伝えることです。ホワイトボードに「今日は二十四節気の『大雪』です」「12月の上旬に巡ってくる、冬が深まる日です」と大きく書き、読み上げてからレクを始めます。ここで「雪が多くなるという意味ですが、場所によっては積もらない年もあります」と一言入れておくと、雪の話がしにくい地域でも安心して参加してもらえます。暦を先に出すことで、「これは特別な日なんだな」と気持ちを揃えられますし、午後の機能訓練や面会にも話題が繋がります。

「外は閉じる、室内はあたたかく」の図をつくる

大雪の説明でよく言われるのが「天地の気が塞がる」という表現です。これをそのままレクにすると難しく見えるので、「外は寒くて閉じていくけれど、部屋の中は明るくしましょうね」という形に言い換えます。例えば、窓辺に白い布を一枚かけて“外の冷たさ”を演出し、その前に灯りや赤い実を置いて“中の温かさ”を見せる。これを職員と一緒に1~2分で作ってみせると、利用者さんも「今日はこういう季節の話をする日なんだ」と理解しやすくなります。目で見える季節の対比を先に作っておくと、この後の工作レクやお話レクに入りやすいです。

「雪がある地域」「ない地域」を同列に扱う

施設には、若い頃に豪雪地帯で暮らしていた方と、殆ど雪を見ずにきた方が混ざっています。大雪のレクでは、どちらかに寄せ過ぎると参加できない人が出てしまうので、話題を必ず2方向用意しておきます。1つは「雪下ろし・かまくら・ストーブに手をかざす」といった雪国側の話。もう1つは「霜が降りる朝・ガラスの曇り・洗濯物が乾きにくくなる」といった温暖な地域の話。職員が最初に「雪の多いところではこうでした」「私の実家は殆ど降りませんでした」と両方言っておくと、利用者さんも自分の記憶を出しやすくなり、場が固くなりません。

レク名に必ず「大雪」を入れる

12月は似たような内容のレクが続きやすいので、レク名に季節のキーワードを残しておくと整理しやすくなります。
「大雪の窓辺飾り作り」
「大雪の日のあったかお茶会」
「大雪だから話したい冬の思い出」
このようにタイトルに入れておくと、利用者さんのご家族が掲示を見た時にも季節の教育的な意義が伝わりますし、翌年同じ時期に「昨年の大雪レク」をそのまま引っぱってこれます。職員交代があっても継承しやすいので、介護現場としても負担を増やさない方法です。

動きの大きいレクは避けて「長く座っても負担の少ない内容」に

大雪の頃は気温差で体力が落ちやすく、血圧の変動も出やすい時期です。ですから、レクは基本的に座位で出来るものをメインにして、立ち上がる必要のあるものは1回だけにしておくと安全です。窓辺の飾り作り、冬の音あて、温かいおしぼりでの語らい、カード作り――こうした「ゆっくり型レク」は大雪と相性が良く、しかも写真に残すととても冬らしく見えます。後半の章でご紹介する室内の情景レクや会話レクも、全てこの考え方に沿って組んであります。

この第1章では「大雪の説明をどうやって高齢者レクの入口にするか」をまとめました。ここをしっかり押さえておくと、次の章で扱う工作や展示をどれだけ増やしても「これは大雪の一環です」として提示できます。次は、実際に窓辺・テーブル・壁面を使って、寒さを中に取り込むような作品作りのアイデアを見ていきましょう。


第2章…室内で作る冬の情景レク~窓辺・テーブル・壁面を使った温かい作品作り~

大雪の頃に行う工作レクは、ただ雪の絵を貼るだけだとどうしても単調になります。ここで意識したいのは、「外は寒くなってきたけれど、この部屋の中にはこんな冬がある」という物語を作ることです。窓辺・テーブル・壁面の3か所をうまく使うと、広いスペースがなくても、利用者さん1人ひとりの作品を見せることが出来ますし、後から面会に来たご家族にも季節が伝わります。今回は、窓を背景にした作品、テーブルで仕上げる立体小物、壁全体で見せる展示、の順番で組み立ててみましょう。

窓辺で楽しむ「雪待ちの飾り」

大雪は「そろそろ白いものが降りてきますよ」という合図なので、窓をステージにするのが一番分かりやすいです。透明感のあるトレーシングペーパーや、薄い和紙を小さく千切って雪片に見立て、窓の下に置いた台の上に並べていきます。綿をほんの少しだけ使うとふんわり見えますが、使い過ぎると掃除が大変になるので、あくまでアクセント程度にしておきます。ポイントは、窓の外にある本物の景色と繋がって見えるように、高さを揃えて配置することです。低い位置に手を伸ばすのが難しい方には、職員が高さだけ決めておいて、利用者さんは好きな形を貼るだけ、という分担にしてもよいでしょう。窓辺に「大雪の頃」と書いた小さな札を添えておけば、他の月の飾りと混ざらずに済みます。

テーブルで仕上げる「小さな雪国」「あったか卓上飾り」

手指をゆっくり動かしたい利用者さんには、テーブルで完結する立体のレクが向いています。発泡トレーや空き箱を下地にして、白いフェルト・麻紐・小枝・松ぼっくりなど、冬らしい素材を自由に組み合わせてもらいます。家の形をした厚紙を1軒だけ置くと「雪の家」に見えますが、あえて2軒・3軒と並べると「この村には誰が住んでいるんだろうね」「ここは昔の集落みたいですね」と会話が生まれます。高齢者の方は、背景に物語があると手が動きやすくなりますので、職員側も「これは雪の朝」「これは川の傍の家」など、少し情景を添えて声をかけると良いです。出来上がった作品はテーブルごと写真に撮っておくと、後で壁に貼り出すときに「このテーブルは山の家」「こちらのテーブルは町の家」とテーマ分けができて展示がしやすくなります。

テーブル飾りは、食事時間の邪魔にならない大きさにしておくことも大切です。直径15センチ以内、またはA5サイズ以内に収めておくと、翌日も食堂に置いたままにできます。12月は人の出入りが増えるので、壊れにくい素材――厚紙・プラスチックカップ・軽い木片など――を混ぜておくと、他の利用者さんが触っても形が保てます。

壁面を「12月前半のギャラリー」にする

大雪の工作を壁面にまとめる時は、いきなり雪だるまやクリスマスのモチーフにしない方が、この時期らしい静けさが出ます。青みのある背景紙を横長に貼って、上の方は白い丸、下のほうは淡い茶やグレーで「寒い地面」を表現しておきます。そこに利用者さんが作った窓飾り・小さな雪国・12月の挨拶カードなどを、ゆったりした間隔で配置します。作品の名前は「雪が来る前の町」「冬が膨らむ頃」など、少し詩のような題でまとめると、介護施設らしさよりも“季節の展示”らしさが出て、見る人の目を引きます。

壁面を作る時のコツは、作品の高さを利用者さんの目線に合わせることです。座位で生活している方が多いフロアでは、床から120センチ前後に主役を持ってくると、車椅子の方でも十分見られます。上のスペースが空いたら、そこに二十四節気の説明カードを付けておきます。「12月〇日ごろは大雪です」「冬の言葉を楽しみましょう」と短く書けばいいので、文字数は気にしなくて大丈夫です。読み書きが得意な方がいる場合は、その説明カードを一緒に書いてもらうと、参加感がさらに増します。

作品を「来所家族に見せる仕立て」にする

大雪の頃は、ご家族が年末の挨拶を兼ねて来られることも多くなります。その時にすぐ見せられるよう、作品の傍に小さな説明文を付けておきましょう。内容は「今日は二十四節気の大雪にちなんで、雪を待つ部屋を作りました」「雪国での冬の記憶を伺いながら仕上げました」など、ごくやさしい文章で構いません。家族が説明を読んでから作品を見ると、「こんなことをしたんですか」と話が広がり、利用者さんも誇らしい気持ちになります。職員の目線で記事にする時も、この説明文があると写真が使いやすくなります。

この第2章では、工作を大掛かりにしなくても「大雪らしさ」が部屋に満ちる構成をお伝えしました。続く第3章では、こうして作った冬の空気の中で行う、おしゃべりや温かい飲み物を中心にしたレクリエーションをご紹介していきます。体を動かすよりも、言葉や音で季節を感じたい利用者さんに向けた時間です。


第3章…体を温めつつ会話を深めるレク~音・飲み物・手遊びで冬支度を楽しむ~

第2章で部屋の中に「大雪らしい景色」を作ったら、今度はそこでゆっくり過ごす時間を用意してあげたいところです。12月前半のご高齢の方は、外気の冷たさだけでグッと体力を持っていかれることがあります。ですからこの章では、無理に立ち上がらなくても参加できて、手足を温めながら自然とお話が広がるタイプのレクリエーションをまとめておきます。どれも1コマ30分前後で完結し、しかも写真にも残しやすいので、施設便りや掲示とも相性が良い内容です。

冬の音を聴きながら語る「大雪おしゃべり会」

冬は音が澄む季節です。そこで、予め用意した冬らしい音を静かに流しながら、思い出を語ってもらう会にします。例えば、しんしんと降る雪の音、薪がはぜる音、風が窓を鳴らす音、早朝にバケツの水が凍る時の音などを、ゆったりした間隔で流します。職員は「この音の時、若い頃は何をしていましたか」「子どもの頃はどんな暖房でしたか」と声をかけて、順番にお話を広げていきます。雪国育ちの方は除雪やかまくらの話が出ますし、温暖な地域の方は「霜柱を踏んだね」「朝はガラスが雲ってたね」と別の記憶が出ます。どちらも同じ季節の話として並べることで、「うちの地域では雪がないから話せない」という気持ちを無くせます。

温かい飲み物を主役にする「大雪ティータイム」

体を温めるなら、飲み物を使ったレクが一番安全で分かりやすいです。ほうじ茶に生姜をほんの少し入れたもの、ゆず皮を浮かべた白湯、甘さ控えめの甘酒など、喉に優しいものを小さめのカップで。配る前に「今日は二十四節気の大雪なので、家の中をあたためる時間です」と一言添えてからお出しします。飲んでいる間に、昔の冬のごちそう、こたつの思い出、炭や豆炭あんかの話を聞くと、とても静かな空気になります。香りが強い飲み物は人によって好みが分かれるので、ベースはやさしいものにしておき、香りを足したい方だけ別に準備しておくと安心です。写真を撮るなら、テーブルに第2章で作った冬の卓上飾りを一緒に写すと、12月前半らしい一枚になります。

おしぼりと手遊びで「籠る動物」に寄せる

七十二候の中に「熊が穴にこもる」というくだりがありました。これを人の暮らしに当てはめると、「今日は無理に動かず、手だけを温めましょう」というレクにできます。温かいおしぼりを丸めて全員に配り、両手でゆっくり握ってもらいます。指先がほぐれてきたら、わらべ歌や昔ながらの手遊びを職員がゆっくりリードします。歌詞を覚えていない方でも、握る・開く・擦る・胸元に当てるといった動きなら参加しやすく、終わった後に「今日は熊になったつもりでお休みです」とまとめると、季節と結び付けやすくなります。関節が冷えやすい方には、手袋やアームウォーマーを見本として置いておき、色や形の話に広げてもよいでしょう。

「冬の一行」をみんなで書く・読む

大雪の頃は、長い文章よりも短い言葉がよく似合います。そこで、白い短冊やカードを配って「冬になると食べたくなる物」「雪の日に聴きたい音」「12月の好きな色」をそれぞれ1行ずつ書いてもらう時間を作ります。書くのが難しい方には職員が代筆し、最後に読み上げていきます。
「ふろふきだいこん」
「しんしんとふるゆきの音」
「うすいきんいろのライト」
こんな風に並べるだけで、その場にいる人たちだけの“冬の詩集”になります。壁面の展示と一緒に貼れば、面会の家族が読んで季節を感じられますし、翌年の大雪レクで「昨年はこんなことを書きました」と再利用することもできます。書く・読む・聞くがすべて座ったままででき、なおかつ気持ちをあたためる効果があるので、寒さの強い日に向いています。

この第3章で紹介した内容は、どれも「今日は寒いからお部屋でゆっくりしましょう」と言ってすぐ始められるものばかりです。次の第4章では、こうして作った冬の空気を、年末の面会や施設だより、展示にどうやって繋げていくかを整理していきます。12月前半を綺麗に締めておけば、後半の行事ラッシュにも余裕を持って入れます。


第4章…年末行事に飲み込まれない12月前半プラン~面会・家族連絡・展示に活かす見せ方~

12月の後半はどうしてもクリスマス会や年末年始の準備に時間と人手が取られてしまい、「気づいたら前半のレクが何をしたのか分からない」「写真を撮ったのに飾る前に年が明けた」ということが起こりやすくなります。そこで大雪の頃に行ったレクは、やりっ放しにせずに、すぐ“見せる形”へと連動させておくと安心です。12月前半で一度まとめておけば、後半の大きな行事を紹介する時にも「実は今月の始めはこんな静かなこともしていました」と流れで伝えられます。

「大雪コーナー」を先に決めておく

まず、館内のどこか1か所を「今月の節気」専用にしてしまいます。場所は玄関ホールでも、食堂の一角でもかまいません。そこに第2章で作った窓飾りや小さな雪国、そして第3章で書いた一行カードをまとめて置き、「二十四節気 大雪」「12月〇日頃」と見出しを付けておきます。こうしておくと、後から来た家族は「これは雪が降りそうな頃にやったんだな」とすぐ分かりますし、年末の華やかな飾りと混ざって埋もれてしまうのを防げます。職員の交代が多い事業所でも、このコーナーがあるだけで「今月の季節レクはここに出す」が共通理解になります。

面会日に“見せられる”状態にしておく

大雪の頃は、ご家族が「年末は忙しくなるから早めに会っておこう」と来られるタイミングと重なります。せっかくなので、その日に見せられるよう、作品や写真は前日までに紙に貼っておきましょう。作品の傍に、利用者さんのお名前と一緒に「雪を待つ部屋を作りました」「冬の音を聴きながらお話ししました」と短文で説明を入れておくと、ご家族が読みながら会話を膨らませてくれます。ここで重要なのは、長い説明にしないことです。1~2行で読み切れる量にしておくと、立ったままでも目を通してもらえます。

12月後半の行事とトーンを変えておく

大雪レクは“静かな冬”の世界なので、そのままにしておくと、後半の煌びやかな行事と並んだ時に弱く見えてしまいます。そこで、あえてトーンの違いをはっきりさせます。大雪コーナーには白・淡い青・グレー・生成りなどの静かな色を使い、後半の行事コーナーには赤や緑、金銀といった強い色を使います。こうして色味で役割分担をすると、見る人は「この施設は12月でもいきなり行事に走るわけではなく、季節を踏んでいるんだな」と感じてくれます。職員側も、「大雪をやった後にクリスマス」「大掃除とお正月準備」という順番が意識しやすくなり、1か月の流れが見えるようになります。

記録用の写真と発信用の写真を分けて撮る

12月前半のレクは、準備時間のわりに落ち着いた写真が撮れるのが特長です。ここを活かすには、記録用と発信用で写真を分けておくと便利です。記録用は参加者全員が分かるように広く撮り、発信用は小物や手もと、湯気や窓辺の光を寄りで撮っておきます。寄りの写真は、後から文章をつける時にとても扱いやすく、「大雪の頃の室内レク」というテーマと相性がいい表情になります。もし手書きの一行カードがあるなら、1枚だけを背景ぼかしで撮ると、冬の便りらしさが増します。

来年も使えるように台本化しておく

大雪レクは、毎年ほぼ同じ時期に行えるのが強みです。ですから、職員が「今日は大雪です」「冬の音を聴きながらお話ししましょう」と話した導入の言葉を台本として残しておきましょう。「窓に白い紙を貼る」「温かいおしぼりを配る」といった手順も一緒に書いておくと、翌年も迷いません。台本の冒頭に「今年は雪が少ないですね」「今年は早く冷えましたね」と一言足せる余白を残しておくと、その年の冬の感じに合わせてアレンジできます。こうした小さな蓄積が、12月前半のレクを“毎年のお楽しみ”に育てていきます。

この第4章では、「いい雰囲気で終わった」で止めずに、家族や後半の行事へ繋げるところまでを意識してみました。次のまとめでは、今回ご紹介した大雪レクの位置付けをもう一度整理し、どんな施設規模でも取り入れやすい形にしておきます。

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まとめ…「大雪の頃にやったね」と思い出してもらえる一日を残すために

ここまで見てきたように、二十四節気の「大雪」は、外の景色が一気に華やぐわけではないのに、冬への切り替えをしっかり意識させてくれる貴重な節目です。だからこそ高齢者施設のレクリエーションでは、この静かな時期を“埋め草”にせず、「雪を待つ部屋を作る」「寒い日の音を聴きながら話す」「温かい飲み物で手を休める」といった、やさしい時間で満たしておくと季節の層が一段増えます。12月は後半に大きな行事が控えていますが、前半でこうした穏やかなプログラムをしておくと、忙しい週に入っても利用者さんの表情が固くなりにくく、職員側も「ちゃんと冬を味わってから年末に来られた」という手応えを持てます。

また、大雪レクは雪の有無や地域差に左右されにくいのも利点です。雪国の記憶を語る方と、温暖な地域で冬を過ごした方が同じテーブルで参加でき、工作も座位中心で安全に出来ます。さらに、窓辺や壁面にまとめて展示しておけば、面会に来たご家族にも「この施設は12月でも暦を大事にしているんだな」と伝えられます。これは行事色の強いクリスマスやお正月とは違う、落ち着いた冬の伝え方です。

最後に大事なのは、今年やった内容をきちんと残しておくことです。導入で話した言葉、使った素材、利用者さんが書いた一行――これらを1枚の紙にまとめておけば、来年の同じ時期にすぐ再現できますし、その時の冬の様子に合わせて少し変えることもできます。節気を手掛かりにしたレクリエーションは、一端、形にしておくと毎年の“定番”へと育っていきます。12月の静かな入口に、どうぞこの「大雪レク」をそっと置いておいてください。次の節気へ進む時にも、きっと役に立ちます。

⭐ 今日も閲覧ありがとうございましたm(__)m 💖


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