寒い冬こそおうち屋台フェス~日本と世界の屋台を家で味わう1日~

[ 冬が旬の記事 ]

はじめに…屋台が減ってきた今こそ家の中に小さなお祭りをひらく日

お正月に寺社へお参りに行くと、参道の両側にズラリと並ぶ屋台の景色を思い出す方は多いと思います。焼きそばの香り、たこ焼きの湯気、甘いタレの匂いに引き寄せられて、寒さを忘れて歩いたあの感じ。ところがここ数年、地域の小さな祭りや行事では、屋台の数が少しずつ減ってきています。田舎に行けば行くほど、「昔はもっと出ていたのになぁ」と感じる場面も増えてきました。

屋台が減ると、お祭りそのものが少し寂しく見えてしまいます。とはいえ、屋台を出す側にも人手や許可、衛生管理など、様々な事情があるのも事実です。だからこそ、「もう屋台は楽しめない」で終わらせるのではなく、「それなら家の中で、小さな屋台通りを作ってしまおう」という発想に切り替えてみるのはいかがでしょうか。

寒い冬は、外出そのものが負担になることもあります。仕事や体調の問題で、年末年始の人混みを避けたい家族もいるでしょう。それでも、クリスマス、忘年会、新年会、お正月と、楽しい口実はいくらでも転がっています。そんな日に「おうち屋台フェス」を開けば、移動も寒さも気にせず、好きなだけだらだらと屋台気分に浸ることが出来ます。

家の中で楽しむ屋台ごっこなら、メニューを自由にアレンジできます。定番の焼きそばやたこ焼きだけでなく、地域ではあまり見なくなった懐かしい屋台、日本では珍しい世界の屋台グルメまで、頭の中ではいくらでも並べ放題です。紹介だけは思い切り盛り上げて、その中から「実際に家でやるのは、このくらいなら無理なく楽しめそう」という現実的なラインを選んでいく。読みながらワクワクして、実践は無理のない範囲に留めるのが、長く続けるコツかもしれません。

この文章では、まず日本の定番屋台から、今では少し珍しくなってきた屋台、そして世界の人気屋台まで、旅をするように眺めていきます。そのうえで、冬のクリスマスや忘年会、新年会、お正月の集まりなどに使いやすい「おうち屋台フェス」の実践アイデアを、家族構成や体力に合わせて緩く提案していきます。

屋台は、「特別な場所に行かないと味わえないもの」から、「工夫次第で家のリビングにも呼べるもの」へ。屋外の賑わいが少し静かになってきた今だからこそ、家の中に小さな屋台通りを開いて、世代を問わず笑顔になれる一日を作ってみませんか。

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第1章…日本の定番屋台メニューを“おうち仕様”で楽しむ幸せ時間

屋台と聞いて、まず何を思い浮かべるでしょうか。焼きそばのソースの匂い、たこ焼きのクルクル回る姿、お好み焼きの上で踊る鰹節。少し離れたところからは、からあげを揚げる油の音や、フランクフルトを焼くジュウジュウという音が聞こえてきます。甘いものが好きな人にとっては、綿菓子やりんご飴、たい焼き、クレープのカラフルな並びが、まるでキラキラとした宝石のように見えたかもしれません。

こうした定番の屋台メニューは、じつは家の中でも工夫次第でかなり雰囲気を近づけることが出来ます。本格的な屋台の道具がなくても、家にあるホットプレートやフライパン、たこ焼き器、電子レンジだけで、かなりそれらしい一日になります。大事なのは、「お店みたいに完璧に作ること」ではなく、「家族や仲間でわいわい言いながら作って出来立てを食べること」です。

例えば、焼きそばは屋台の顔とも言える存在です。鉄板から立ちのぼる湯気とソースの香りは、家のホットプレートでも十分に楽しめます。普段の夕食用より少しだけ味を濃いめにして、キャベツや豚肉をたっぷり入れて、紙皿に盛りつけてみるだけで、グッと屋台らしくなります。焼き手を交代しながら「いらっしゃいませー」と言い合うと、子どもも大人も自然と笑顔になります。

たこ焼きは、家での屋台ごっこにはとても向いています。中身はたこに限らず、ウインナーやチーズ、コーンなど、食べやすい具材に変えてもかまいません。高齢の家族が一緒に楽しむ場合は、蛸を小さく切ったり、柔らかい具材を増やしたりすると安心です。丸く焼き上げる作業は、少し難しいからこそ盛り上がります。うまく丸くならなくても、「今回のはサービス品です」と笑い話にしてしまえば、それもまた良い思い出です。

甘い系の屋台メニューも、家の中で工夫しやすいものが多いです。りんご飴をそのまま再現するのは少し大変ですが、小さめのりんごを砂糖控えめのシロップで軽く煮て、ツヤツヤに仕上げるだけでも、それらしい一品になります。チョコレートを溶かして、バナナやマシュマロ、ビスケットに絡めると、屋台のチョコバナナ風おやつがアッという間に出来上がります。見た目を綺麗にしようと頑張り過ぎるより、「好きな物を適当にさして、好きなだけチョコをつける」の方が、子どもにはむしろ楽しい時間になるかもしれません。

唐揚げやフランクフルトのような、しっかりお腹にたまるメニューは、手作りと買ってくる品を上手に混ぜると負担が減ります。唐揚げは、家で揚げても良いですし、スーパーの総菜を温め直して紙コップに入れるだけでも十分「屋台の顔」になります。フランクフルトは、焼き色をつけてケチャップとマスタードを斜めにかければ、一気にそれらしい見た目になります。大事なのは、テーブルの上で皿をビッシリ並べるのではなく、「屋台のカウンター風」に、少し高めの位置に置いてみたり、テーブルクロスで雰囲気を変えたりする環境のひと工夫です。

忘れてはいけないのが、屋台の雰囲気を作る小物たちです。紙皿、わりばし、紙コップ、少し派手めの紙ナプキンなどを用意しておくと、同じ料理でも「普段の夕食」から「特別な屋台の日」に切り替わります。家族に向かって「次の方どうぞ」「本日のおすすめはこちらです」と声をかけるだけでも、いつものリビングが祭りの通りに見えてくるから不思議です。

日本の定番屋台メニューは、どれも特別な料理のようでいて、実は身近な材料と道具で賄えるものばかりです。完璧を目指すと疲れてしまいますが、「今日は屋台ごっこだから、多少こぼれても笑って済ませる日」と決めてしまえば、台所のハードルはグッと下がります。子どもが粉だらけになり、高齢の家族がゆっくり食べ、用意した人も一緒に座って食べられる。そんな時間こそが、「おうち屋台フェス」の一番大事なご馳走なのかもしれません。


第2章…通なマイナー屋台と懐かしの出店を思い出しながら味わう夕暮れ

夕暮れ時、空が少しずつ群青色に変わっていく時間帯になると、屋台の灯りが一段と映えてきます。そんな中でふと目を引くのが、定番メニューの陰にひっそりと並ぶ「通好みの屋台」や、今ではあまり見かけなくなった懐かしい出店たちです。主役ではないけれど、そこにあると妙に嬉しくなる存在で、「あ、まだ残っていてくれたんだ」と胸の中で小さくガッツポーズしたくなるような屋台たちと言えるかもしれません。

例えば、行列が出来るほどではないけれど、根強いファンが多いのがベビーカステラの屋台です。焼き上がるたびに、鉄板からころころ転がされていく小さなカステラは、つまむ手が止まらなくなる危険なおやつです。紙袋を手に歩きながら、まだ熱い1つを口に放り込んで、はふはふ言いながら食べるあの感じ。家でもホットケーキミックスなどで近い物を作ることは出来ますが、「屋台で買って、その場で食べる」という体験が、味に特別な思い出を上乗せしてくれているのだと気づかされます。

じゃがバターの屋台も、少し通好みの存在かもしれません。炭火やコンロでゆっくり火を通したじゃがいもに、十字の切り込みを入れて、そこにバターをジュワッと溶かし込む。塩だけで食べても美味しいし、醤油を数滴たらして香ばしさを足してもたまりません。家でも再現は比較的しやすい方ですが、敢えて皮つきのままホイルに包んでオーブンで焼いたり、ホットプレートの隅にじゃがいもコーナーを作ったりすると、ぐっと「屋台の端っこにある一品」という雰囲気に近づきます。

甘い屋台の中では、たまごせんべいや大判焼きのような、地域色の強いおやつも忘れられません。たまごせんべいにソースやマヨネーズを塗って、揚げ玉やキャベツ、目玉焼きを重ねる屋台は、見た目だけでも十分テンションが上がりますし、大判焼きや今川焼きと呼ばれる厚みのあるおやきも、寒い夜には手の平を温めてくれる存在でした。こうした屋台は、地方によって具材や呼び名が少しずつ違い、その土地ならではの味や文化を運んでくれていたのでしょう。家で作る時は、冷凍や市販の物を温めて、お皿ではなく紙袋やワックスペーパーに包むだけでも、記憶の中の光景がフッと甦ってきます。

食べ物以外の屋台も、祭りの思い出を語る上では外せません。射的の木製ライフル、当たるかどうか分からないというかほとんどハズレのくじ引き、色とりどりのスーパーボールが浮かぶ水槽、金魚すくいの水面に映る提灯の光。子どもの頃、親に「今日は1回だけね」と念を押されて挑んだくじが、アッという間に終わってしまって涙目になった経験がある人もいるでしょう。大人になってから振り返れば、景品そのものよりも、「どうしても当てたい」と願った気持ちや、親子で並んだ時間の方が、ずっと鮮やかに残っているものです。

こうした屋台は、今では安全面やコストの問題から、特に地方の小さな祭りでは数を減らしつつあります。それでも、家の中でほんの少しだけ雰囲気を真似することは出来ます。紙コップを並べてお菓子を隠して当てる簡易くじ引き、ペットボトルを並べて輪投げモドキを楽しむミニゲーム、透明なボウルにカラフルなビー玉を浮かべるだけでも、どこかスーパーボールすくいの面影が甦ります。金魚や本物の水を使わなくても、紙やシールを使って「今日は金魚すくい屋さんごっこ」と決めてしまえば、後片付けも安全性もグッと楽になります。

通な屋台や懐かしい出店の数々は、「これを全部家で完全再現しよう」と思うと、途端に負担が大きくなってしまいます。けれど、「思い出話のついでに、1つだけ真似してみる」「飾りや器だけ、あの屋台の雰囲気を借りる」といった、ささやかな取り入れ方なら、現実的な範囲で十分楽しめます。屋台の灯りの下で感じた胸の高鳴りを、少しだけリビングに連れてくる。そんな、緩くて優しい「おうち屋台フェス」の一角を、通好みのマイナー屋台たちに担当してもらうのも、悪くない役割分担なのかもしれません。


第3章…世界の人気屋台グルメをゆるく取り入れるおうち旅気分

日本の屋台をひと回り眺めたら、今度は少しだけ視線を世界に向けてみましょう。テレビや動画で見かける海外の屋台は、どこも個性的で、見ているだけでお腹が鳴りそうになります。けれど、「本格的に再現しよう」と気合いを入れ過ぎると、材料探しや調理の手間でくたびれてしまいます。ここでは、あくまで「緩く眺めて、緩く真似する」を合言葉に、世界の屋台グルメをおうち屋台フェスに少しだけ招待してみましょう。

韓国の屋台といえば、真っ赤なソースにからんだトッポギを思い浮かべる人も多いかもしれません。モチモチした細長い餅と、甘辛いタレの組み合わせは、日本人の舌にも良く合います。ただ、本場のようにしっかり辛くすると、子どもや高齢の家族には厳しい場合もあります。そんな時は、市販のタレやスープの素を薄めに使ったり、砂糖やはちみつで甘みを足したりして、「見た目は赤いけれど、味は優しいトッポギ」にしてしまえば大丈夫です。屋台風の紙カップに入れて、楊枝やフォークでつつきながら食べれば、もうそれだけでソウルの街角気分です。

台湾の夜市も、屋台好きの憧れの1つです。湯気の立つ魯肉飯や、香ばしく焼かれた胡椒餅、少しクセのある香りまで含めて、夜市全体が1つの巨大な食堂に見えてきます。家のキッチンでこれらを全て再現するのは大変ですが、白いご飯に甘じょっぱいそぼろをたっぷりのせて、小さめのお椀で「なんちゃって魯肉飯」を作るだけでも、雰囲気は十分に味わえます。胡椒餅の代わりに、スーパーの肉まんをカリッと焼いて、胡麻を振り掛けるだけでも、それらしい一品に変身します。「本物通りじゃないからダメ」ではなく、「今日は台湾の夜市ごっこ」という言い方にしてしまえば、気持ちもグッと軽くなります。

東南アジアに目を向けると、タイのガパオライスやパッタイも、屋台グルメとして人気です。フライパン1つで仕上がるものが多く、日本の家庭でも取り入れやすい料理と言えます。ナンプラーやバジルなど、普段あまり使わない調味料が必要なイメージがありますが、最近はこれらがセットになった調理ソースも増えてきました。そういったものを利用すれば、材料はひき肉と野菜、卵とご飯くらいで十分です。ほんのりエスニックな香りが台所に漂った瞬間、リビングの屋台フェスが、急に南国の屋台通りに見えてくるかもしれません。

少し西のほうに視線を移すと、メキシコのタコスやトルコのドネルケバブも、世界の屋台を語る上では外せません。タコスは、全てを手作りしようとすると大変ですが、トルティーヤ生地や似たような薄いパンが手に入れば、具材はかなり自由です。ひき肉とレタス、チーズ、トマトを用意し、各自が好きなように包んで食べるスタイルにすれば、ちょっとしたパーティー気分になります。ドネルケバブの巨大な肉の塊は家庭では再現できませんが、薄切り肉を炒めて甘辛く味付けし、千切りキャベツと一緒にパンに挟めば、それだけで「おうちケバブ」として立派に成立します。

こうした世界の屋台グルメをおうちに招く時、大切なのは「背伸びし過ぎない」ことです。本場の味をきっちり再現するのではなく、「何となくそれっぽい香り」や「味のイメージ」を楽しむだけでも、十分に旅気分は味わえます。材料が手に入りにくければ、似た食材で代用しても構いませんし、辛さやスパイスは、家族の好みに合わせてどんどん調整して良いのです。お祭りの日だからこそ、体調や持病に合わせて、無理のない範囲で楽しめる工夫も忘れずにいたいところです。

日本の屋台メニューに、こうした世界の屋台グルメを一品だけ混ぜると、「いつもの祭り」が少しだけよそ行きの顔になります。焼きそばやたこ焼きの横に、トッポギのカップやタコスの皿が並ぶと、それだけで写真に撮りたくなるような光景です。「次の年は別の国の屋台にしようか」「今年はアジア、来年はヨーロッパにしようか」と、家族で相談する時間もまた、旅支度のような楽しさを運んでくれます。世界中の屋台をすべて味わうことは難しくても、おうち屋台フェスのテーブルの上なら、ほんの少しずつ、気軽に世界を覗き見ることが出来ます。


第4章…クリスマス・忘年会・新年会にも使えるおうち屋台フェス実践プラン

ここまで、日本の定番屋台、通好みのマイナー屋台、そして世界の屋台グルメを旅するように眺めてきました。最後の章では、それらの中から「実際に家でやるなら、このくらいがちょうどいい」というところまで、少し具体的に形を整えていきます。とはいえ、特別なイベントだからといって、全てを一度に詰め込む必要はありません。大事なのは、季節ごとの場面に合わせて、ほんの少しだけ屋台の空気を連れてくることです。

まずイメージしやすいのが、クリスマスと組み合わせた「冬のあったか屋台ナイト」です。ちらちらと雪が降りそうな夜、ツリーの灯りをつけて、テーブルの上にはホットプレートと紙皿を並べるだけで、空気がぐっと特別になります。メインは焼きそばやたこ焼きなど、日本の定番屋台メニューで十分です。その横に、韓国風の甘辛トッポギや、タイ風の炒め物を小さなカップで添えると、一気に「世界の屋台を集めたクリスマスマーケット」らしい雰囲気になります。ケーキは別腹として後でゆっくり登場してもらい、前半はあくまで屋台フェスが主役、という流れにしても面白いかもしれません。

忘年会シーズンは、「一年間お疲れ様」の気持ちを、屋台メニューでそっと労う機会に出来ます。大人同士の会では、唐揚げやフランクフルト、じゃがバターなど、しっかりしたおつまみ系の屋台料理が活躍します。全部を手作りするのが大変なら、スーパーやコンビニの品を上手に取り入れて、温め直しと盛り付けに力を入れるのも立派な工夫です。紙コップに飲み物を注ぎ、「今年、一番頑張ったこと」や「来年はこっそり楽をしたいこと」を一言ずつ話す時間を加えれば、居酒屋ではなくリビングで開く、小さなほろ酔い屋台忘年会の出来上がりです。

家族に高齢の方がいる場合は、忘年会も少しだけ配慮が必要になります。揚げ物ばかりにならないように、軟らかく煮たおでんや、具だくさんの焼きうどん、お茶漬け風の締めの一品を用意しておくと安心です。屋台風に見せたい時は、深い器ではなく浅めの器に少なめに盛り、種類を多く見せると「選べる楽しさ」が生まれます。一人一人のペースに合わせて、無理のない量を何度かに分けて出すと、「もうお腹いっぱいで苦しい」という事態を防ぎつつ、最後まで和やかな雰囲気を保つことが出来ます。

新年会やお正月のおうち時間は、本来なら神社仏閣の参道で楽しむはずだった屋台を、家の中にそっくり引っ越しさせるようなイメージで考えてみましょう。廊下やリビングの一角を「参道」に見立てて、テーブルを細長く並べたり、棚の上に料理を少しずつ置いたりすると、家の中にも簡易的な屋台通りが生まれます。おせち料理の一部を小さな器に分けて並べ、「おせち屋台」コーナーを作るのも1つの方法です。そこに、たこ焼きや甘味の屋台を混ぜてみると、昔ながらのお正月と現代のお祭りが、仲良く同居した不思議で楽しいテーブルになります。

子どもがいる家庭なら、ゲーム系の屋台も取り入れてみると、新年の思い出がグッと色濃くなります。本格的な射的や金魚すくいを用意する必要はありません。紙にくじ番号を書いて箱に入れるだけのシンプルなくじ引きでも、景品にお菓子や文房具を用意しておけば、十分に盛り上がります。輪投げの輪の代わりに紐を束ねたものを使ったり、ペットボトルに点数を書いた紙を貼ったりして、床の上をミニゲーム会場に変えてしまうのも楽しみ方の1つです。「今日は家中が屋台の日だから、多少散らかっても大丈夫」という心構えで臨めば、細かいことはあまり気にならなくなっていきます。

準備の負担を軽くするには、「ひと晩で完璧に仕上げない」ことも大切です。クリスマス用のおうち屋台フェス、新年会用のおうち屋台フェスと考えると、つい気合いが入り過ぎますが、実際には、数日に分けて材料を揃えたり、前日に作り置き出来る料理を仕込んでおいたりするだけでも、当日の気持ちにかなり余裕が生まれます。例えば、ベビーカステラ風の一口おやつや、味の沁みた煮物系は前日準備向きですし、当日は焼きそばやたこ焼きのように「皆で手を動かしながら作れるもの」を中心にすれば、調理そのものがレクリエーションになります。

おうち屋台フェスを季節の行事に組み込む時、もう1つのポイントは「毎年同じでもいい」と最初から決めておくことです。メニューを少しずつ入れ替えたり、世界の屋台から1品だけ違う国を選んだりすれば、「去年と同じで詰まらない」という気持ちにはなり難くなります。むしろ、定番メニューが決まっているからこそ、「あの味が今年も食べられて嬉しい」という安心感が生まれます。変化をつけたい時は、飾りつけやBGM、紙皿やテーブルクロスの色を変えるだけでも、印象はガラリと変わります。

クリスマス、忘年会、新年会、お正月。どの場面でも、「本当は外で賑やかに過ごしたかったけれど、事情があって出かけにくい」という人は少なくありません。そんな時、「せめて家の中だけでも、屋台の香りと笑い声で満たそう」と発想を変えられたら、その人にとっての年末年始は、少しだけ優しい景色に塗り替えられるはずです。おうち屋台フェスは、派手なイベントではなくても、そこに集まる人の数だけ、小さくて温かな物語を生み出してくれるはずです。

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まとめ…屋台は場所ではなく一緒に食べて笑う時間そのものだった

屋台というと、昔は「お祭りの日だけ会える特別な存在」というイメージが強かったかもしれません。神社やお寺の参道、夏祭りの夜店、人混みの中で肩を寄せ合いながら頬張った焼きそばやたこ焼き。あの時の空気を思い出すと、味だけではなく、賑わいの音や提灯の明かりまでセットで記憶が甦ってきます。

けれど、時代とともに屋台の数は少しずつ減り、特に地方では「気づけば屋台そのものを見かける機会が減ってきた」という声も聞かれるようになりました。だからといって、屋台が運んでくれていた楽しさまで、同時に消えてしまう必要はありません。むしろ今は、「場所に縛られない屋台の楽しみ方」に、静かに注目が集まっている時期なのかもしれません。

この文章では、日本の定番屋台、通なマイナー屋台、そして世界の屋台グルメまで、頭の中で一度ズラリと並べてから、「おうち屋台フェス」という形で家の中に招き入れる方法を考えてきました。全部を完璧に再現する必要はなく、気になるものを少しずつ、家族の体調や好みに合わせて取り入れていく。その緩さこそが、長く続けられる秘訣でもあります。

クリスマス、忘年会、お正月、新年会。本来なら外でにぎやかに過ごしたかった日が、事情があって自宅中心になることもあるでしょう。子どもがまだ小さかったり、高齢の家族の体調を気づかったり、自分自身が人混みを避けたい気分の年もあります。そんな時、「今年は何もできなかった」とため息をつく代わりに、「じゃあ家の中に屋台通りを作ってしまおう」と発想を切り替えられたら、年末年始の景色はグッと柔らかく変わります。

おうち屋台フェスは、特別な道具や立派な料理がなくても始められます。ホットプレートと紙皿、少しだけにぎやかな紙ナプキン、そして「今日は屋台の日」という合言葉さえあれば十分です。焼きそばが多少こぼれても笑って済ませる日、たこ焼きがうまく丸くならなくても「それも含めて思い出」と受け止める日。そんな一日を、家族で、友人同士で、あるいは少人数の集まりでゆっくり味わうことができれば、外の屋台街に負けない、温かな時間が生まれます。

大事なのは、屋台を「料理」だけで捉えないことかもしれません。そこには必ず、誰かと並んで歩いた思い出や、親にねだったお菓子、ゲームの結果に一喜一憂した時間がくっついています。おうち屋台フェスは、その記憶を分け合いながら、今目の前にいる人たちと新しい記念日を作り直していく場でもあります。「昔の屋台はね」と語る人と、「今の屋台はこうだよ」と話す世代が、同じテーブルを囲んで笑える瞬間こそが、何よりのご馳走です。

屋台は、もう「どこか遠くの賑わい」に閉じ込めておく必要はありません。家のリビング、ダイニング、場合によっては施設の一角だって、工夫次第で立派な屋台通りになります。日本の懐かしい味も、世界の屋台グルメも、「全部を完璧に」ではなく、「今日はこのひと皿だけ」と選びながら、ゆっくり育てていけば良いのです。

屋台とは、場所の名前ではなく「一緒に食べて笑う時間」のこと。そう考えてみると、出かけることが難しい年も、家の中に小さくてあたたかな祭りを何度でも開くことができます。次の冬、次の年末年始には、ほんの少しだけメニューを入れ替えて、自分たちなりの「恒例のおうち屋台フェス」を重ねていけたら、暮らしの中にもう1つ、小さな楽しみが増えていくはずです。

今日も閲覧ありがとうございましたm(__)m


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