パステルカラーの奔流~祖母とママと園児の春色おうち大作戦~

[ 春が旬の記事 ]

はじめに…淡い色が家に来た日~そして事件が起きた~

「ねぇママ、これ、可愛いでしょー!」
保育園児が両手いっぱいに持ってきたのは、薄いピンク、優しい水色、ミントみたいな緑。見ているだけで、なんだか部屋の空気が“春の匂い”に変わる気がしました。

ママは一瞬、「あぁ、可愛いねぇ」と笑った後で、すぐ真顔になります。
「……で、それ、どこに置くの?」
そう。可愛いものほど、家の中で行き場を失いがち。春は好き。パステルも好き。でも現実は、洗濯物と連絡帳と夕飯の献立に追われる“生活の奔流”。そこへ、淡い色の波がどーんと押し寄せてきたわけです。

その横で祖母は、お茶を啜りながらニコニコ。
「いいじゃない。淡い色は目にも心にも優しいのよ。春の光と相性がいいんだわ」
と言いながら、何故か座布団をクルッと裏返しました。
「ただし、淡過ぎると見え難いこともあるからね。転ばないためには、はっきりした色も少し必要よ」
さすが祖母。可愛いだけで終わらせない、生活と安全の目線がスッと入ってきます。

そこへ園児が追い打ち。
イースターだよ! たまご、うさぎ、ひよこ! お家、可愛くしよ!」
……うん、言ってることは正しい。正しいんだけど、春の飾りは増え方が元気過ぎる。気づけば机の上が小さな春祭り。さらに気づけば、玄関にも、棚にも、何故かリモコンの上にも“春”が置かれている。淡い色って、薄い顔して、やることが派手なんです。

この記事では、そんな「パステルカラーって結局は何?」から始めて、「家庭でどう飾る?」「そもそも何を飾る?」まで、祖母・ママ・保育園児の談話を混ぜながら、楽しく整理していきます。大掛かりな模様替えはしません。頑張り過ぎると続かないから。小物から、フワッと、でもちゃんと使いやすく。片付けでママが泣かない範囲で、春を招き入れる作戦です。

さぁ、淡い色の波に飲まれる前に、こちらも笑いながら乗っていきましょう。春は短い。だからこそ、可愛くて、優しくて、ちょっとだけ賢い「春色おうち大作戦」の始まりです。
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第1章…パステルカラーって何者?~「薄いのに強い」の正体~

「ママ、パステルカラーってさ、どんな色?」
園児が聞くと、ママは一瞬、遠い目をしました。答えは簡単なはずなのに、生活の中で“色の説明”をする機会って、案外ないんですよね。

「うーん、白を混ぜたみたいに薄くて、柔らかい色だよ。ピンクでも、濃いピンクじゃなくて、いちごミルクみたいな薄いピンク」
「いちごミルク! 飲みたい!」
「飲んだら、歯磨きしてね」
話がずれていくのが家庭の会話。祖母はそれを止めずに笑って、頷きました。

「そうそう。パステルっていうのは、色の“圧”が弱いの。目に刺さらない感じ。だから見ていて疲れ難いのよ。春の光と仲が良い」
園児は「圧ってなに?」と首を傾げ、ママは「お母さん、言い方が急に格闘技」と笑います。

祖母が言いたいのは、多分こういうことです。濃い色は、部屋の中で「ここ見て!」と声を張ります。赤なら赤が主役になって、青なら青が勝ちにいく。ところがパステルは、主役というより“空気”に近いんです。主張は柔らかい。でも、その分、部屋の雰囲気を丸ごと変える力がある。だから「薄いのに強い」。

「薄いのに強いって、どういうこと?」
園児が食い下がると、ママは台所の布巾を持ってきました。
「これね、濃い色の布きんだと、そこだけ目立つでしょ。でも薄い色の布きんを置くと、部屋全体が“優しい感じ”になる。目立たないのに、空気が変わる」
「ふーん。じゃあ、パステルは魔法?」
「魔法っていうか……増えると片付けが大変なやつ」
ママの言い方が現実的過ぎて、祖母が吹きました。

ここで大事なのは、パステルカラーは「子どもっぽい色」ではないってことです。淡い色=幼い、という印象がある人もいるけれど、ほんとは逆に、大人が使うと“余裕”が出ます。強い色で勝負するより、淡い色で空気を整える方が、気持ちが静かになるんですね。

ただし、祖母はすぐに釘を刺します。
「でもね、薄い色は、薄過ぎると見え難いことがあるの。文字とか段差とか、注意が必要な場所は、はっきりした色も残すのが安心なこともあるのよ」
ママも大きく頷きます。
「そう! そこ! 可愛さだけで全部薄くすると、探しもの地獄になる。ハサミどこ? リモコンどこ? って、私の心が先に見失う」
園児はケラケラ笑って、「リモコン、ここだよ!」と、何故か冷蔵庫の上を指さしました。ママは膝から崩れ落ちます。パステルの問題じゃない、これは園児の自由行動だ。

祖母がまとめるように言いました。
「つまり、パステルカラーは“優しい色”。目に優しくて、春の光に合って、部屋の空気をふんわり変える。でも、優し過ぎると見え難くなるから、使い方にコツがいるのよ」
園児は胸を張って言います。
「わかった! パステルは、フワフワだけど、ちゃんと考えて飾る!」
ママは思わず拍手しつつ、心の中で小さく祈りました。
(お願いだから、その“考えて”を、リモコンの置き場所にも使ってくれますように。)

こうして、パステルカラーの正体は見えてきました。
次は、「なんで春に合うの?」の話。光と気分と、祖母の名言がまた1つ出てきます。


第2章…春に似合う理由:光と気分と、祖母のひと言

朝。カーテンの隙間から入ってくる光が、冬より少し柔らかい気がしました。
ママは洗濯物を干しながら、ふと窓辺に置かれたパステルの小物たちを見ます。昨日までは「可愛いけど増えると困る」だったのに、今日の光を浴びたら、なんだか“ちゃんと春”に見えるから不思議です。

「ねぇ、なんで春って、パステルが似合うんだろうね」
ママがポツリと言うと、祖母は当然のように答えました。まるで昔から春の説明係だったかのように。

「春はね、世界がまだ起きたばかりだからよ」
園児がピンと背筋を伸ばします。
「世界、寝坊助なの?」
「そうそう。冬は寝てたの。春は目をこすって、眩しいけど優しく始める。だから色も、いきなり濃くしないのよ」
祖母の言い回しが妙に詩的で、ママは思わず「お母さん、急に童話作家」と笑いました。

でも、これ、割りと芯を食ってるんです。春の光って、夏ほどギラギラしていない。冬ほど冷たくもない。つまり「強い色で勝負しなくても、光がちゃんと助けてくれる季節」なんですよね。濃い色は濃い色で格好良いけれど、春はパステルの方が光と仲良く出来て、部屋全体がふんわり見える。だから「似合う」。

園児は窓の近くで、ミント色の紙をヒラヒラさせながら言います。
「これ、光りでキラキラするね」
「そうそう。パステルはね、色そのものより、光の方が主役になれるの」
祖母が頷き、ママは「なるほど、光が主役」とメモを取るフリをしました。こういう時、ママは妙に真面目なんです。生活は戦いだから、使える知恵は何でも拾う。

そして春にパステルが似合うのは、光だけじゃありません。気分の方も“春仕様”になるからです。卒園、入園、進級、新生活。名前シール、書類、制服、バッグ。ママの心は忙しくて、気づくと肩が上がっている。そこへパステルが入ると、部屋が「大丈夫だよ、ふんわりいこう」って言ってくれるみたいな顔をする。濃い色の「さぁ戦え!」じゃなくて、「深呼吸して、いってらっしゃい」に近い。

「春ってさ、頑張ること多いよね」
ママがそう言うと、祖母はフッと笑って、少しだけ真面目な声になります。
「だから春は、優しい色が必要なのよ。目が疲れると心も疲れるでしょ。小さな色で、気分を守るの」
園児はよく分からないまま、「じゃあ、ママの気分を守るために、うさぎも置く!」と宣言しました。守る方法が、だいぶ賑やか寄りです。

「待って待って、守るって言っても、増やし過ぎると逆に私が折れる!」
ママが慌てて止めに入ると、祖母がクスクス笑いながら言いました。
「大丈夫。春は短いから。短いからこそ、楽しむのよ。でもね、楽しむにも“ちょうど良い”がある」
この「ちょうど良い」が、家庭の最強ワードです。春は勢いがある分、飾りも気分も盛り過ぎて、だんだん生活が詰む。だから、春色は“ふんわり”で止めるのが勝ち。

園児が「ちょうど良いって、どれくらい?」と聞くと、祖母はとても分かりやすい答えを出しました。
「目が笑って、ママが泣かないくらい」
ママは「それだ!」と拍手し、園児は「泣かないの、大事!」と真剣に頷きます。家庭の平和は、だいたいそこにあります。

春にパステルが似合う理由は、つまりこうです。
光が優しくて、色が光に馴染む。気分が新生活で揺れるから、刺激の少ない色が心を整えやすい。そして春は短いから、短い期間だけ“フワッと遊べる”のがちょうど良い。

さて、次はいよいよ実践編です。
飾り方のコツ。全部フワフワにすると危険で、園児は増殖させがち。ママが泣かずに済む“春の守り方”を、ここから具体的に進めていきます。


第3章…飾り方のコツ:全部ふわふわは危険です(園児が増殖させる)

「ねぇママ、今日はパステルのお部屋にする!」
園児が朝から勢いよく宣言しました。春の太陽より元気です。ママはコーヒーを一口飲んでから、静かに言いました。

「うん、する。……するけど、全部はしない」
「えー! なんでー!」
「全部やると、フワフワし過ぎて生活が行方不明になるから」
言い回しが強い。けれど、ママの脳内には昨日のリモコン事件がまだ生々しいのです。パステルは優しい。優しいけど、優しさって、時々、部屋の境界線を溶かします。気づくと、どこまでが飾りでどこからが生活用品か分からなくなる。つまり、片付けの敵が“ニコニコした顔で侵入してくる”んです。

祖母が頷いて言いました。
「色はね、増やすより“置き場所を決める”のが先よ」
「そうそう、それ! 置き場所!」
ママは祖母の言葉に飛びつきます。園児は首を傾げました。
「置き場所って、おうちのどこ?」
「まずは、小さい場所。玄関の上とか、棚の一角とか。そこだけ春にする」
ママが説明すると、園児は目を輝かせて言いました。
「じゃあ、そこだけ“うさぎの国”にする!」
「うさぎは国を作りがちだねぇ……」
祖母が笑い、ママは思わず「国土拡張はやめてね」と釘を刺しました。

ここで大事なコツが1つあります。パステルカラーは、部屋全体を一気に変えるより、まずは“点”で効かせる方が失敗し難いんです。理由は簡単で、パステルは空気を変える力がある分、面積が増えると雰囲気がフワッと広がり過ぎる。すると「あれ、落ち着くはずが、なんかぼんやりする」「可愛いはずが、生活感が消えて逆に疲れる」みたいなことが起こります。パステルは濃くないのに、面積で押してくるタイプなんですね。

「じゃあさ、どこが良いの?」
園児の質問に、ママは家庭の現実を添えて答えました。
「まず玄関。次にリビングの棚。最後にテーブルの上は、危険地帯」
「テーブル、だめ?」
「テーブルは、ご飯と宿題と工作が戦う場所だから。そこに飾りが来ると、戦場が増える」
祖母は「戦場って言わないの」と笑いながらも、「でも分かる」と頷きます。

祖母はもう1つ、家庭向けの名言を出しました。
「飾りは“片付ける場所”も一緒に決めるのよ」
園児はポカン。ママは大拍手。
飾りって、出す時は楽しいのに、しまう場所が無いと一気にただの荷物になります。特に春の飾りは期間が短いから、出しっ放しになりがち。だから最初から「春箱」を作るのが強い。箱に“春”と書くだけでも、ママの心が軽くなる。園児の作品も、その箱に入れば一応“季節の思い出”として格が上がります。

「春箱、作る!」
園児が張り切ると、ママはすかさず条件を付けました。
「うん、作る。……でも箱は1こ」
「えー! 2こ!」
「1こ!」
祖母が笑いながら仲裁します。
「箱が増えると、春じゃなくて倉庫になるわね」
この一言でママが勝ちました。祖母の説得力は、春の光より強い。

そしてもう1つ、パステル飾りでよくある“落とし穴”があります。薄い色は、優しい分、輪郭がぼやけやすい。だから、全部を薄くすると見え難くなって、疲れることもあるんです。
「ふんわり」って、ほどほどなら癒し。でも行き過ぎると「ずっと霧の中」みたいになります。そこで祖母がまた的確に言いました。

「パステルを飾るなら、濃い色を少しだけ“締め役”にするのよ。線とか、文字とか、縁取りとかね」
園児は「締め役?」と首をかしげ、ママは「うちの締め役は祖母」と心の中で呟きます。締め役というのは、淡い世界をぼやけさせないための“少しだけはっきりしたもの”。例えば、額のフレームを木目にする、文字は濃いグレーにする、うさぎの目だけ黒にする。そういう“少しだけ強い部分”があると、パステルがむしろ綺麗に見えます。

「じゃあ、うさぎの目は、黒!」
園児は即決しました。
「うん、それは良い。目は黒でお願い」
ママが真剣に返すと、祖母がクスッと笑います。家庭で最初に決まるデザインルールが「うさぎの目は黒」って、春っぽいのか何なのか。でも、これが意外と大事なんです。小さなルールがあると、飾りが増えても散らかり難い。園児の自由さを守りながら、家の秩序も守れる。

こうして、飾り方のコツは見えてきました。パステルは“点”から始める。置き場所を決める。しまう場所(春箱)も決める。全部ふわふわにせず、締め役を少し入れる。そして何より、園児の増殖本能には「国土拡張禁止」の優しい条約を結ぶ。

次は、「そもそも何を飾る?」です。大きな家具を変えなくても、春は作れます。ママが泣かず、祖母が頷き、園児が踊れるくらいの“ちょうど良い小物”を、ここから探していきましょう。


第4章…そもそも何を飾る?~小物で始める春色アイテム大集合~

「じゃあさ、パステルのお部屋にするには、何を飾ればいいの?」
園児が腕を組んで聞きました。顔が真剣すぎて、もう設計士です。ママは台所から戻ってきて、まず深呼吸を1つ。祖母はお茶を淹れ直しながら、敢えて落ち着いた声で言います。

「一番大事なのはね、“すぐ戻せるもの”よ」
園児は「戻す?」と首を傾げ、ママは「うんうんうん!」と高速で頷きました。春は楽しい。でも春は短い。だから飾りは、気軽に出せて、気軽にしまえて、元の部屋にサッと戻せるものが一番強い。大掛かりな模様替えは、春の勢いで始めると、梅雨に入った頃にママが虚無になります。これは経験者の目つきです。

「じゃあ、まず何から?」
園児が身を乗り出すと、ママは“家庭向けパステルの三種の神器”を口にしました。
「布、紙、花」
祖母が「良いわね」と言い、園児は「布? 紙? 花?」と復唱します。覚えるのが早い。こわい。

布というのは、クッションカバーとか、テーブルの小さなクロスとか、カーテンのタッセルみたいな「部屋の雰囲気を変えるのに、片付けが簡単なもの」です。布は面積があるから、少し入れるだけで空気が変わる。でも、全部を布で変えると“ふわふわの霧”が発生するので、祖母の言う「点から」がちょうど良い。
「クッションのカバーだけ春にする。ソファ全体はいつも通り」
このくらいが、ママの心に優しい。

紙は、園児が強いです。折り紙、ガーランド、壁の飾り、フレームに入れるイラスト、イースターエッグの台紙。紙は軽いし、作る過程がイベントになる。さらに「作ったら終わりじゃなく、飾って完成」という達成感がある。
園児が急に叫びました。
「たまご、つくる!」
「うん、作る。……でもテーブルの上に永住しないようにね」
「永住ってなに?」
「ずっと住むってこと」
「じゃあ、たまごは引っ越しする!」
引っ越しする卵。春は自由です。

花は、強い。花があるだけで、部屋は春になります。ただし生花にこだわらなくても良い。祖母が言いました。
「生花が難しいなら、花の絵でも良いのよ。写真でも、布でも。春は“花の気配”があれば来るわ」
ママは「花の気配」という言葉を気に入りました。園児は「気配!」と言って、何故か忍者みたいな姿勢になりました。気配の使い方が違う。

ここまで聞いて、ママはさらに現実的な話を足します。
「あとね、飾るなら“毎日使う物”をちょっと春にするのがラク。飾りだけ増やすと片付けが増えるけど、使う物なら“置く理由”がある」
祖母がまた頷きます。生活の中に溶け込ませる作戦です。

例えば、マグカップ。淡い色のカップにするだけで朝の気分が少し変わる。キッチンタオルや布巾も同じ。玄関マットも、面積はあるけど交換するだけ。園児は「マグカップ、うさぎにする!」と言い、ママは「うさぎは万能選手だね」と笑いました。うさぎは飾りにも食器にもなる。春の英雄です。

ただし、祖母がここで“安全係”として一言入れます。
「淡い色はね、見えにくい時もあるから、足元や段差の近くは気をつけるのよ。フワッとし過ぎると、躓きやすい人もいるの」
ママはすぐ理解します。家庭でも、高齢者でも、小さな子どもでも、足元は大事。パステルは優しいけれど、優しさが“ぼんやり”に変わる場所がある。だから、床や階段付近に置くものは、淡さだけで選ばない。
園児は真面目な顔で言いました。
「じゃあ、躓かないところに、うさぎ!」
「うん、それ最高」
家庭の安全対策がうさぎ基準になっていくのが、もう可笑しいけれど、分かりやすいのは正義です。

そして、飾る物を選ぶ時の、一番のコツはこれです。
「増やす前に、1つ決める」
祖母の声がやけに重い。ママは背筋が伸びました。園児は「1つ?」と聞き返します。

「そう。春の主役を1つだけ決めるの。卵でも、花でも、うさぎでも良い。主役が決まると、飾りが増えても散らかり難いのよ」
ママは即答します。
「じゃあ今年の主役は、イースターエッグで」
園児は飛び跳ねました。
「たまごー!」
祖母はニコニコしながら言います。
「いいわね。じゃあ脇役は花。うさぎは……増え過ぎると国になるから、数を決めましょう」
ママは「うさぎ条約、発動」と小さく呟き、園児は「うさぎは3匹!」と宣言しました。
祖母がさらっと確認します。
「3匹ね。えらいえらい。数字が決まると、ママが泣かない」
園児は誇らしげに胸を張りました。家庭の平和は、だいたい“数の上限”で守られます。

こうして、何を飾るかは見えてきました。布で空気を変えて、紙で遊びを作って、花で春の気配を足す。さらに、毎日使う物を少し春にする。主役を1つ決めて、増殖を防ぐ。躓きやすい場所には置かない。パステルカラーは、ただの淡い色じゃなくて、「生活と仲良くできる春の道具」なんだと、ママはだんだん思えてきます。

さて、最後はまとめです。結局パステルは家族をどう変えたのか。祖母の一言で締まり、ママが救われ、園児の春は……たぶん、まだ増えます。けれど、増えても大丈夫な仕組みが、もう出来ています。

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まとめ…結論、パステルは家族を丸くする(ただし片づけはママが泣く)

夕方。リビングの棚の一角に、パステルの卵たちが並びました。横には小さな花の写真。クッションカバーは淡い水色に変わって、部屋の空気が少しだけ軽く見えます。
「ねぇママ、春になったね」
園児が満足そうに言うと、ママは笑いながらも、肩の力が少し抜けました。大掛かりな模様替えをしたわけじゃないのに、“春の気配”って、こんなに効くんだなぁ、と。

祖母はお茶を啜りながら、今日一番穏やかな声で言いました。
「ほらね。優しい色は、暮らしの角を丸くするのよ」
ママは「角、丸くなったかな」と自分の眉間を触ります。たしかに、春ってだけで予定が増えるし、書類も増えるし、眠気も増えるし、何故か洗濯物も増える。生活はいつも奔流。でも、窓の光にパステルがフワッと乗ると、「今日はまあ、これでいいか」と思える瞬間が増える。あれは色の力というより、“気分の手すり”みたいなものかもしれません。

もちろん、良いことばかりではありません。淡い色は、淡いからこそ増えやすい。小物は小さいからこそ増えやすい。園児は元気だからこそ増やしやすい。つまり、パステルは油断すると、優しい顔で家庭を占領します。だから今日の結論は、祖母が言った通りでした。

「増やす前に、置き場所を決める。出す前に、しまう場所も決める」
この順番があるだけで、春は楽しくなります。玄関や棚など“点”から始める。主役を1つ決めて、飾りを増殖させ過ぎない。全部をフワフワにせず、目が迷子にならないように締め役を少し入れる。足元の安全は、可愛さより優先する。
ママは心の中で、こう付け足しました。
(そして、うさぎは国を作りがちなので、数を決める)

園児は「うさぎ3匹、たまごいっぱい!」と言い、ママは「いっぱいって言ったね?」と返し、祖母は「いっぱいの定義を決めましょう」と笑いました。家庭の会話って、こうやって進みます。春って、こうやって始まります。

パステルカラーは、薄くてやわらかい色です。でも薄いから弱いわけじゃない。むしろ、光と仲良くなって、気分を整えて、家族の会話を増やしてくれる“静かに強い色”でした。忙しい日々の中で、ほんの少しだけ部屋の空気を変えたい時、パステルはちゃんと働いてくれます。

最後に、ママは春箱のフタを閉めながら言いました。
「これなら来年も出来るね。私、泣かないで済みそう」
園児がすかさず聞きます。
「来年は、うさぎ4匹?」
ママが固まり、祖母がニコッと笑いました。
「来年の話は、来年の春の光の下でね」

そうして今日も、淡い色の奔流は、家族をちょっとだけ丸くしながら、ゆっくり流れていくのでした。

今日も閲覧ありがとうございましたm(__)m


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