啓蟄から始める!~子どもの外遊びで夏に強い体を育てる冒険アイデア帖~

[ 3月の記事 ]

はじめに…冬眠明けの親子へ~外に出る「口実」はここにある~

啓蟄(けいちつ)と聞くと、「ああ、虫が出てくる頃ね」と思う方が多いかもしれません。だいたい3月5日頃から始まるこの時期は、雪が落ち着いて、日中の空気がほんのり柔らかくなる季節です。冬の間に縮こまっていた人間も、虫と同じで「そろそろ動くか…」と、体の奥がこっそり目を覚まし始めます。

ここで主役になってくれるのが、誕生から小学校に上がる前くらいまでのお子さんたち。子どもって、気温の変化をカレンダーより先に体で感じるんですよね。大人が「まだ寒いし…」と部屋でぬくぬくしていると、子どもはソファに登って跳ね、クッションを山にし、ついには親の背中まで遊具にし始めます。はい、それはもう立派な“室内アスレチック”なのですが、家の中には家の中の限界があるのも事実です。床はだいたい平らで、安全のための角も丸い。つまり、子どもの足腰とバランス感覚にとっては、ちょっと優し過ぎる世界でもあります。

啓蟄の外は、その逆です。地面はデコボコ、風は気まぐれ、太陽は眩しく、草の匂いがして、虫がカサコソ動く。子どもにとっては「世界がイベント会場」みたいなもの。しかも、この時期に外遊びを増やしておくと、ただの体力作りだけじゃなく、春から夏へ向けての“調子の整え方”にも繋がってきます。暑くなる前に汗をかく練習をしておく、動くことに体を慣らしておく、気分の切り替えを上手にする。そういう下拵えが、実はこの時期から始められるんです。

もちろん、親としては心配もあります。「虫怖い」「服が汚れる」「転ぶ」「帰ってから風邪ひかない?」などなど、頭の中で注意報が一斉に点灯しますよね。大丈夫です。この先の章では、虫との距離感の作り方、夢中になって走り出した子への声掛けのコツ、そして“デコボコ道が最強の先生になる”遊び方のアイデアまで、親子で笑いながら実践できる形でまとめていきます。

さあ、啓蟄です。虫が出てくるなら、親子も出ていきましょう。外に出る理由が欲しい? ちょうどいいです。啓蟄は、堂々と外へ出られる「季節公認の口実」なのです。

【2026年の啓蟄は3月5日~3月19日】

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第1章…春の外遊びは“夏のリハーサル”~汗と気力のスイッチを入れよう~

啓蟄は「虫が起きる日」みたいに言われますが、親子にとっては「体が起きる日」でもあります。冬の間、私たちはだいたい厚着で、だいたい丸くなって、だいたい動きが鈍くなります。言い方を変えると、人間もだいぶ冬眠寄りです。布団の魔力に勝てる人は、相当な修行僧か、あるいは寝坊を許されない立場の人だけでしょう。親は後者が多いので、毎朝むしろ修行僧に近いのですが、それでも体は強張りがちです。

ここで1つ、ちょっと不思議な話をします。夏は汗がドバーッと出ますよね。じゃあ冬はどうかと言うと、同じくらい走っても汗が「出てない気がする」。でも実際は、汗を作る力そのものが突然なくなるわけではありません。冬は空気が乾いているので、汗が出ても気づく前にサラッと消えてしまいやすいんです。つまり「汗が出ない」より「汗が目立たない」。これ、大人にも子どもにも割りと起きています。

問題は、冬の生活の中で“汗をかく前の準備運動”みたいなものが減ってしまうことです。厚着は動きを制限しますし、寒いと肩は竦み、首は引っ込み、背中は丸まる。子どもだって例外ではありません。外に出る回数が減れば、走る・跳ぶ・登る・踏ん張る、といった全身運動のチャンスが減り、体のスイッチが入り難くなります。すると春になって暖かくなり、動きやすくなったはずなのに、「なんだかボーっとする」「やる気が出ない」「朝が弱い」みたいな状態に寄ってしまうことがあります。大人で言う“5月っぽい感じ”ですね。子どもの場合は、気分が不安定だったり、集中が続き難かったり、疲れやすかったり、形を変えて出てくることがあります。

ここで外遊びが効いてきます。しかも「夏が来てから慌てる」のではなく、啓蟄辺りから“少しずつ”増やすのがポイントです。いきなり全力ダッシュ大会を始めると、親が膝を抱えて崩れ落ちますし、子どもも疲れて翌日ぐったりしてしまいます。だから啓蟄はちょうど良い。気温が上がり切る前で、日差しもまだ優しい日が多く、体を慣らすには最適の季節です。外の空気の中でゆっくり歩く、少し走る、土や草を触る、段差を跨ぐ。こういう“地味に見えて全身を使う動き”が、夏に向けた体作りの土台になります。

そして、もう1つ大事なのが「気力のスイッチ」です。子どもって、室内だと遊びがだんだん同じパターンになりやすいんです。おもちゃ箱のメンバーが固定化してきて、気づけば毎日、同じキャラが同じ場所で同じ冒険をしている。そこに外が入ると、風、光、匂い、音、地面の感触、たまたま飛んだ鳥、たまたま転がる小石、たまたま見つけた虫の足跡(足跡はだいぶ小さいですが気分です)。毎回ちがう刺激が入ってきて、脳が「今日の世界、情報量多いな!」と元気になります。これが、遊びの飽き難さにも繋がります。

春から夏へ向けた「外遊びのペース」の考え方

啓蟄の頃は、まだ朝夕がひんやりする日もあります。だからこそ、外遊びは“短くても濃い”が正解です。例えば、近所を一周するだけでも、子どもはしゃがんで石を拾い、溝を覗き、花弁を握り、何故か電柱に話しかけたりします。親は「散歩ってこんなに進まないの?」と驚きますが、それが成長の現場です。短時間でも、外で体と五感を使う経験が積み上がると、暑くなってきた頃に汗をかくことにも慣れやすくなりますし、急に気温が上がる日が来てもバテにくくなります。

室内は安全で外は成長する~だから「外でしか得られない動き」を拾う~

室内遊びが悪いわけではなく、むしろ最高に大事です。ただ、室内はどうしても平坦で、危険が少ない分“バランスを取る練習”が不足しがちです。外のちょっとした段差や傾斜、砂利道、芝生、土の柔らかさは、足の裏から情報が入って「今、こう踏ん張ると倒れない」という調整を体に覚えさせてくれます。これって、将来の転び難さにも繋がる大切な力です。

介護の現場でも「転倒しない環境作り」はとても重要で、床はフラットに整えられ、段差は減らされ、手すりが増えます。安全のために必要な工夫ですが、その一方で“日常でバランスを磨く機会”は減りがちになります。だからこそ、子どものうちから安全な範囲でデコボコを経験して、筋力と注意力とバランス感覚を少しずつ育てていくのは、長い目で見ても価値があります。未来の自分へのプレゼントみたいなものですね。

啓蟄は、親子で季節のスタートラインに立つタイミングです。冬眠明けの体に、外の空気で「起きろー!」と合図を出していきましょう。次の章では、啓蟄の主役である虫たちが、実は子どもの成長にとって頼もしい“先生”になる話と、夢中な子どもを安全に導く「親の声掛け術」を、笑いと一緒にお届けします。


第2章…虫は小さな先生~追い掛けるだけで体も脳も育つ(親の声掛け術付き)~

啓蟄の季節に、虫が出てくる。これは自然界のニュース速報としてはトップ級なのですが、親子にとっては「うわぁ…来たか…」と、心の中で緊急会議が開かれがちです。子どもは目を輝かせて「いた!」「こっち!」「捕まえる!」と盛り上がり、親は同じ景色を見ながら「うん、見えた。見えたけど、近づきたくはない」と二重の感情を抱えます。啓蟄とは、子どものテンションと親の理性が綱引きを始める季節でもあるのです。

でも、ここで虫を“敵”にしてしまうのは、もったいない。虫は怖がらせに来ているのではなく、子どもの成長を手伝いに来ている……と考えると、少し見え方が変わります。もちろん虫たちはそんな善意で集まってきたわけではなく、「冬眠から起きたら巨人がいた」くらいの感覚で必死なだけです。つまり、こちらが落ち着けば、向こうもだいたい落ち着きます。虫と親子は、割りと“鏡”です。

「見つける➡追う➡工夫する」で遊びが全部トレーニングになる

啓蟄の頃の虫たちは、まだ動きがゆっくりだったり、隠れ場所から出てきたばかりだったりして、「発見の難易度」がちょうど良いんです。子どもにとっては宝探し。親にとっては、しゃがみ続けて太腿がプルプルする修行。どちらにとっても学びがあります。

まず「見つける」ために、子どもは地面をよく見ます。落ち葉の下、石の影、草の根元。視線が低くなって、観察が始まります。次に「追う」。虫は逃げますから、子どもは走り出し、止まって、また走って、方向を変えます。これだけで足腰は鍛えられますし、体の向きを素早く変える練習にもなります。さらに「工夫する」。ただ追いかけるだけでは捕まえられないので、回り込んだり、手をそっと近づけたり、葉っぱで誘導したりします。これが“考えて動く”の練習になっていきます。

この一連の流れ、実はすごいです。筋力も、バランスも、集中力も、判断力も、全部一つの遊びの中に入っています。虫取り網がなくても、成果は出ます。というか、親としては網があった方が虫が近づいてくる確率が上がるので、網は「親の心の安全装置」になるかもしれません。

夢中な子どもは止まらない~だから声かけは“急ブレーキ”にしない~

ただし、ここで重要なポイントがあります。虫を追う子どもは、目がキラキラしている分、周りが見え難くなりがちです。段差、溝、自転車、他の子、石、ぬかるみ。危ないものは普通にあります。

ここで親がつい叫びがちなのが「危ない!」です。でも、急に大声で「危ない!」と言われると、子どもは反射的にピタッと止まろうとします。すると体が前に進んでいる途中なので、バランスを崩しやすい。頭って体の中でも重めなので、慌てて止まると前につんのめりやすいんです。つまり、良かれと思った声が、転びやすさを上げてしまうことがあります。

じゃあどうするのか。コツは、“怖がらせる”より“注意をこちらに向ける”ことです。子どもが止まって振り返れる言葉を使うと、急ブレーキになり難い。

たとえば、「〇〇ちゃん、お母さん追いつけない~」と言うと、子どもはだいたい「えっ?」と一度止まって振り返ります。親への愛が強い子ほど効きます。親の体力が弱いほど効きます。つまり親がちょっと大袈裟にヨロヨロして見せるのも、立派な安全対策です。ここは胸を張って“演技派”でいきましょう。

もう1つは「新しい目的地」を出すことです。「あっちにダンゴムシがいる!」とか「この石の下、何かいるかも!」と声を掛けると、子どもの注意が前方だけの一点集中から、一旦、切り替わります。これも急停止になり難く、安全に方向転換させやすい方法です。

虫が苦手な親でも大丈夫~距離感の作り方は“勇者”じゃなくて良い~

「虫が無理なんですけど…」という親御さん、安心してください。啓蟄の外遊びは、親が虫マスターになるイベントではありません。むしろ親は“司令塔”で十分です。子どもが虫に近づくとしても、親は少し離れた場所から見守る。虫を触るのが怖いなら、触らなくて良い。捕まえるのが目的ではなく、発見して追って観察するだけでも十分に面白いし、十分に育ちます。

例えば、透明の小さなケースを持っていけば、子どもが自分で入れて観察するだけで、立派な探検になります。葉っぱや小枝を“お箸代わり”にして虫を移動させると、「素手じゃない」安心感が生まれます。親が嫌な顔をし過ぎると子どもが「これはダメなものなんだ」と受け取ってしまうこともあるので、「うん、虫さんいたね。お母さんはちょっと距離を取る派です」と、笑いながら宣言してしまうのが平和です。距離を取る派、最高です。大人には大人の流派があります。

啓蟄の虫たちは、小さくても先生です。追い駆けるだけで体が育ち、見つけるだけで観察が育ち、工夫するだけで考える力が育ちます。親はその教室の“安全管理担当”。完璧にやる必要はなくて、危ない場面を減らして、楽しいまま終われれば大成功です。

次の章では、虫だけじゃなく「地面そのもの」を遊び道具にしてしまうアイデアをお話しします。平坦な床では得られない、デコボコの学び。つまり、親子の“地面ガチャ”を始めましょう。


第3章…デコボコ道がジムになる~五感が目覚める「地面ガチャ」遊びのすすめ~

啓蟄の外遊びというと、どうしても虫に目が行きがちですが、実は本当の主役はもう1人います。そう、地面です。地面って、毎日踏んでいる割りに、ちゃんと向き合ったことがない存在ですよね。親としては「転ばないで」「汚れないで」「靴を泥だらけにしないで」の気持ちが先に立つので、地面はだいたい“敵”になりがち。でも、子どもの体を育てる観点から見ると、地面はめちゃくちゃ優秀なトレーナーです。しかも無料で、年中無休で、文句も言わない。こんなありがたいジム、なかなかありません。

室内の床は基本的に平らです。安全のために整っていて、段差も少ない。これは生活するには最高ですが、体を育てるには優し過ぎることがあります。外に出た瞬間、子どもの足は「え、世界ってこんなに情報量あるの?」と驚きます。砂利のザクザク、土のフワフワ、芝生のモコモコ、アスファルトの硬さ、マンホールのツルツル。足の裏から、脳に信号がドバドバ入ってきます。これが、バランス感覚と注意力の土台になります。

「地面ガチャ」の基本は違う道を選ぶだけで成立する

ここで登場するのが、親子で楽しむ「地面ガチャ」遊びです。ルールは簡単で、いつもの散歩コースでも“地面の種類が変わる方”を選ぶだけ。例えば、同じ距離でも、片方はアスファルトで、片方は公園の土の道。片方はフラットで、片方はちょっと坂。こういう違いを意識して選ぶと、ただの移動が冒険になります。

子どもはすぐに変化に気づきます。「こっちザラザラ!」「こっちはフカフカ!」と言い出したら大当たりです。親の中で「今日は外遊び成功」の花火が上がって良い瞬間です。もし子どもが反応しなかったら、親が先に実況してしまえば大丈夫です。「この道、ザクザク選手権優勝じゃない?」「お、フカフカゾーン突入!」みたいに、ちょっと大袈裟に言うと、子どもはだいたい乗ってきます。外遊びは、親の実況で2割増しで面白くなります。

バランスは“難しい運動”より“ちょっとした段差”で育つ

バランス感覚というと、何か特別な運動をしなきゃいけない気がしますが、実際はもっと日常的なところで育ちます。少し傾いた場所を歩く、低い段差をまたぐ、石の上に乗ってみる、芝生の上を走る。こういう「微妙に不安定」な状況で、体は自然に調整を覚えます。

特に啓蟄の頃は、冬の間に固まりがちだった体がほぐれてきて、「動きたい」が出てくる季節です。だからこそ、フラットな場所だけで終わらせず、ちょっとだけ変化を足してあげると、子どもの体はグンと育ちます。大事なのは“ちょっとだけ”。親がビビるような崖は不要です。親が心臓バクバクするレベルは、だいたい子どもも危ないので、そこは勇気ではなく撤退が正解です。

砂利・坂・芝生・土~それぞれが“違う力”を育ててくれる~

砂利道は、踏ん張る力と足首の安定に役立ちます。坂道は、心肺と脚力が自然に使われます。芝生は、柔らかい分、バランスを取りながら走る練習になります。土の道は、滑りやすかったり沈んだりするので、慎重さと調整が育ちます。つまり、どれも同じ「歩く」なのに、体が使うところが少しずつ違うんです。

親としては「全部やるの大変そう…」となりますが、安心してください。全部やる必要はありません。散歩の中で1つだけ混ぜれば十分です。今日が芝生なら、明日は坂。そんな感じで季節の中に混ぜていくと、子どもは知らないうちに“動ける体”の土台が出来ていきます。

畑をちょこっと借りる“土掘り探検”は許可が取れれば最強

そして、啓蟄の頃ならではのスペシャルイベントが「土掘り探検」です。耕す前の畑や、端っこの空きスペースなどに虫が多いのは、自然のあるあるです。もし近所に畑があって、持ち主さんに声を掛けられる関係があるなら、「端の方を少しだけ、子どもの遊びで土を触らせてもらえますか」とお願いしてみるのも1つの手です。

ここで大事なのは、ちゃんと許可を取ることと、遊ぶ範囲を小さくすることです。畑は農家さんの大切な仕事場なので、勝手に入るのは絶対にダメです。ただ、許可が取れた場合は、スコップで土を掘り返すだけで、子どもは大興奮します。虫が出る、土の匂いがする、根っこが出てくる、小石が出る。全部が発見です。親は「洗濯が増える」という発見をしますが、それも啓蟄の風物詩として受け止めましょう。洗濯機は、春から夏に向けて忙しくなるものです。

未来の“転びにくさ”は今日のデコボコにある

最後に、ちょっとだけ大人の話をします。介護の現場では転倒は大きな課題で、安全のために床は平らに、段差は少なく、手すりは多くなります。もちろん必要な工夫です。でも、平らな環境だけで過ごすほど、バランスを磨く機会が減る面もあります。だからこそ、子どもの頃から安全な範囲でデコボコを経験して、体を調整する力を育てておくのは、長い人生にとっての“体力貯金”になります。

啓蟄の外遊びは、虫だけじゃありません。地面が先生です。デコボコ道は、ジムです。親子で道を選んで、足の裏で季節を感じて、笑いながら体を育てていきましょう。

次の章では、外遊びを「続けられる」ようにするための親の段取り、服装、水分、帰宅後ケアまで、疲れを引きずらずに楽しむ工夫をまとめていきます。ここが整うと、外遊びはイベントから“日常の味方”になりますよ。


第4章…親の段取りで楽しさが倍増~服装・水分・帰宅後ケアで“外遊び疲れ”を残さない~

啓蟄の外遊びは、子どもにとっては大冒険、親にとっては大イベントになりがちです。楽しく遊んだはずなのに、帰宅後に親が床に座ったまま立ち上がれなくなり、「よし…次の啓蟄まで外遊びは封印だ…」みたいな顔をしてしまうことがあります。ここで大事なのは、外遊びそのものより“続けられる仕組み”です。気合と根性だけで春を走り切ると、夏の前に親が夏バテします。親が先に溶けてしまっては本末転倒なので、4章では「親の段取り」で外遊びをラクに、そして楽しくする工夫をまとめます。

服装は「寒さ対策」より「調節しやすさ」が勝つ

啓蟄の頃は、日なたは暖かいのに日陰はひんやり、風が吹くと急に寒い。つまり、気温の気分がコロコロ変わります。ここで厚着一択にすると、遊び始めてすぐ暑くなり、汗をかき、汗が冷えて、帰り道で体が冷える。親の頭の中で「はい風邪コース!」と警報が鳴ります。

そこでおすすめなのが、最初から完璧に暖めるより“脱いだり着たりしやすい”に寄せることです。子どもは動いているうちに体が温まるので、上着は調整できるものが強い味方になります。親も同じです。親が薄着だと「寒い…帰ろう…」になりやすいので、親は調整できる上着を持っておくと、外遊びの粘りが違ってきます。外遊びの成功は、だいたい親の体温に左右されます。親が快適だと、子どもも勝ちます。

そして靴。ここは本当に重要です。砂利道、土、坂、芝生、全部を味方にするには、脱げ難くて足に合う靴が一番。サイズが大き過ぎると踏ん張りが効き難く、小さ過ぎると足が痛くなってテンションが下がります。外遊びにおいて靴は、ほぼ「相棒」です。靴が不機嫌だと、冒険は早期終了します。

水分は「喉が渇いたら」では少し遅い~親が先に飲むと子も飲む~

啓蟄の頃は真夏ほど暑くないので、水分のことを忘れがちです。でも、動けば汗はかきます。しかも冬の間に外遊びが減っていた子ほど、体が汗の扱いに慣れていなくて、疲れが出やすいことがあります。

ここで便利なのは、子どもに「飲んで」と言うより、親が先に飲むことです。親が「ふぅ~」と飲むと、子どもはだいたい真似します。これは不思議なくらい効きます。親が飲む姿は、言葉より強い合図です。水分補給は命令ではなく“儀式”にしてしまうとスムーズです。「はい、探検隊の給水タイム!」と楽しく言えば、外遊びの一部になります。子どもは遊びの延長だと動きます。家の片づけも、いつか遊びの延長に出来たら良いのですが、それはまた別の研究テーマです。

帰宅後の「汗の処理」が勝負~ここで雑にすると翌日つらい~

外遊びの後に疲れが残る原因のひとつが、汗が冷えることと、体が冷えたまま過ごしてしまうことです。特に啓蟄は夕方になると冷えやすいので、帰宅後に汗を放置すると、体が怠く感じやすくなります。

とはいえ、完璧なケアは不要です。大事なのは、汗で湿った部分をサッと整えること。首まわり、背中、脇、足。ここが冷えると一気に体が疲れやすくなります。着替えまでできれば最高ですが、難しい日はタオルで拭くだけでも変わります。親は「タオル出すの面倒…」となりがちですが、ここで1枚出すかどうかが、夜の自分を救います。未来の自分が拍手します。

遊びの終わり方は「撤退の美学」~次につなげるコツは“余力”~

外遊びを続ける最大のコツは、限界までやらないことです。子どもって楽しくなると「もう1回!」が止まりません。親も「せっかく来たし」と頑張りがちです。でも、ここで限界までやると、翌日に疲れが残って「明日は外遊びは無理だな…」となりやすい。

だからこそ、終わり方は“撤退の美学”です。子どもが「まだ遊べるけど、ちょっと名残惜しい」くらいで終えると、次の日も外に出やすくなります。外遊びは一発勝負のイベントではなく、季節を通して積み重ねるもの。余力を残して帰ることが、春から夏へ向けた体作りには一番効きます。

ここで使えるのが、終わりの合図を遊びにすることです。「最後に宝物を1個だけ拾って帰ろう」「帰り道で一番綺麗な石を探して優勝した人が今日の隊長」みたいに、終わりの行動に“目的”をつけると、子どもは納得しやすいです。親が「帰るよ!」で押し切るより、ずっと平和に撤退できます。

親がラクだと子どもはもっと伸びる

結局、啓蟄の外遊びを成功させる鍵は、親が倒れないことです。親が元気だと、子どもは安心して冒険できます。親がヘトヘトだと、子どもも不安になったり、帰宅後の雰囲気が重くなったりします。だから遠慮なくラクをしましょう。段取りはサボりではなく戦略です。戦略がある親は強い。外遊びは、親の“気合”ではなく“工夫”で勝つ時代です。

次はいよいよまとめです。啓蟄の外遊びが、ただの季節イベントではなく、子どもの体力と心の育ち、そして将来の転び難さにまで繋がる「長い目の宝物」になる話を、最後にきゅっと気持ちよく締めます。

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まとめ…啓蟄の一歩が未来の体力貯金~親子の小さな冒険は一生モノ~

啓蟄は「虫が起きる頃」と言われますが、親子にとっては「体と気分が起きる頃」でもありました。冬の間に縮こまりがちだった体は、気づかないうちに強張り、動きのスイッチが入り難くなります。そこへ外の空気、土の匂い、風の冷たさと日なたの暖かさ、そしてちょっとした坂や砂利道。たったそれだけで、体は「あ、春だ。動けるぞ」と思い出していきます。啓蟄に外遊びを増やすという提案は、派手なイベントではなく、季節の流れに上手に乗るための小さな工夫でした。

1章では、春の外遊びが“夏のリハーサル”になる話をしました。汗をかく準備、動く準備、気分を切り替える準備。暑くなってから慌てるより、まだ優しい季節に少しずつ体を慣らす方が、親子ともにラクで、結果として元気が続きやすくなります。冬の「室内アスレチック」も立派ですが、外の世界には外にしかない刺激があり、体のスイッチを押してくれるのはやっぱり外の空気でした。

2章では、虫が小さな先生になる話をしました。虫を見つける、追う、工夫する。これだけで観察力も、集中力も、足腰も、判断力も育っていきます。そして、夢中の子どもを安全に導くには、親の声かけが“急ブレーキ”にならない工夫が大事でした。「危ない!」より、注意をこちらに向けて振り返らせる言葉。親が虫を触れなくても大丈夫で、親は司令塔として距離感を作れば十分。啓蟄は、親が勇者になる季節ではなく、親子で“ほどよく賢くなる季節”だったのです。

3章では、地面こそ最強の先生だという話をしました。デコボコ道、芝生、砂利、土、坂。歩くだけなのに体は調整を学び、足の裏から脳に情報が入り、バランス感覚や注意力が育っていきます。これを親子で楽しむ合言葉が「地面ガチャ」。いつもの道でも、ちょっと違う地面を選ぶだけで冒険になり、子どもの体は自然に強くなります。畑の土掘り探検のような遊びは、許可が取れれば最高の学び場になりますが、無理に特別な場所を用意しなくても、近所の小さな変化で十分でした。

4章では、外遊びを続けるための親の段取りを整えました。啓蟄の気温は気まぐれなので、服装は“調整しやすさ”が勝ちます。水分は「喉が渇いたら」より一歩早く、親が先に飲むと子も飲む。帰宅後は汗を冷やさないようにさっと整え、遊びは限界までやらず余力を残して撤退する。つまり外遊びは、気合で勝つのではなく、工夫で続けるもの。親が倒れないことが、結局一番の安全対策であり、一番の成功でした。

そして最後に、ちょっと長い目の話をします。大人になってから「転び難さ」や「踏ん張り」は、ある日突然手に入るものではありません。日々の生活の中で、バランスを取る練習を積み重ねた体が、未来の自分を助けます。介護の現場では安全のために床は平らになり、段差は減り、転倒を防ぐ環境作りが進みます。必要な工夫ですが、だからこそ、子どもの頃に安全な範囲でデコボコを経験し、体の調整力を育てておくことは大切な“体力貯金”になります。啓蟄の外遊びは、今日の遊びで終わらず、未来の自分への投資にもなるわけです。なんだか急に話が立派になりましたが、要するに「今日の砂利道は、将来の自分の味方」ということです。

啓蟄は、季節が「さあ起きなさい」と合図してくれるタイミングです。親子で外に出て、虫に笑って、地面で学んで、帰ってからはサッと整えて、明日もまた出られる余力を残す。そんな小さな冒険を繰り返すうちに、春から夏へ向けて体も心も整っていきます。

さあ、次の晴れ間が来たら、地面ガチャを引きに行きましょう。親子で外に出て、帰ってきたあなたの靴が少し汚れていたら……それは啓蟄の勲章です。洗濯機さんには申し訳ないけれど、今日もよく働いてもらいましょう。

今日も閲覧ありがとうございましたm(__)m


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  • コメント ( 2 )

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  1. メグ

    初めまして、こんにちは。
    啓蟄の頃、暖かくなり虫がはい出て来る頃ですね。
    子供も元気に外遊びをさせたいですね。(^^♪
    応援ポチ。

    • niiro makoto

      お便りありがとうございます。
      子供の元気な姿って眺めていると、こちらも元気をもらえちゃいますよね。

      将来あるお子様の成長!

      やはり体が資本!健康第一ですものね。

      これからも、応援よろしくお願いします(*^▽^*)