現在・過去・未来を緩く行き来しながら今を一番大切にする生き方

[ 家族の四季と作法 ]

はじめに…3つの時間軸と仲良くなるために

「昔はよかったなぁ」としみじみ振り返る時もあれば、「いつか〇〇したいな」と未来を思い描く時もありますよね。そして、そのどちらもを考えているのは、まさに「今、この瞬間」の自分です。

私たちは、気づかないうちに、現在・過去・未来という3つの時間を行ったり来たりしながら毎日を生きています。子どもの頃の思い出に背中を押されたり、失敗の記憶から「次はこうしよう」と学んだり、将来の自分を思い浮かべて、今日の小さな一歩を決めたりしています。

けれど、忙しさや不安に追われていると、「あの時こうしていれば…」と過去ばかり悔やんでしまったり、「もし将来こうなったらどうしよう」とまだ来ていない出来事に怯えてしまったりすることもありますよね。そうなると、足元の「今」をゆっくり味わうゆとりがなくなってしまいます。

このページでは、現在・過去・未来という3つの時間軸を、難しい理論ではなく、身近な日常の目線で見直してみます。「時間に追い立てられる生き方」から少しだけ離れて、「3つの時間と上手につき合いながら、一番大切な『今』を丁寧に積み重ねていくにはどうしたらいいか」を言葉にしていきます。

読み終わる頃には、「あ、これなら今日から少しだけ真似できそうかも」と思える、自分なりの時間の使い方が見つかれば嬉しいです。

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第1章…現在・過去・未来ってどんな風に私たちの毎日と繋がっているの?

私たちは普通、「時間軸」なんて言葉をあまり使いませんが、毎日の生活の中では、当たり前のように現在・過去・未来の間を行ったり来たりしています。朝、目覚ましが鳴った瞬間の「起きたくないなぁ」という今の気持ち。昨日、頑張って夜更かししたという少し前の出来事。寝坊して遅刻したら困るという少し先の予感。たった1つの「起床」という場面の中にも、この3つの時間がギュッと詰まっています。

まず、「過去」は思い出の倉庫のようなものです。子どもの頃の楽しい記憶も、失敗して泣きたくなった経験も、嬉しい出会いも、辛い別れも、全部、過去の引き出しの中に並んでいます。その引き出しがあるからこそ、「前はこうして上手くいった」「あの時はこうして失敗した」という感覚で、今の自分の選び方が少しずつ変わっていきます。

一方、「未来」は、まだ出来上がっていない物語のようなものです。「来年はこうなっていたいな」「年を重ねたらこんな暮らし方がいいな」と、頭の中で何本ものドラマが動き出します。遠い先のことだけでなく、「今日の夕飯はどうしよう」「週末はどこへ行こう」といった、すぐそこにある予定も、ちゃんと未来の一部です。

そして、その真ん中にある「現在」は、過去と未来が出会う一点です。過去の経験や気持ちを思い出しながら、「これからどうしたいか」を考えて、実際に手や足を動かせるのは、いつも今この瞬間だけです。過去に学んだことを胸に、未来の自分に渡したいプレゼントを思い描きながら、目の前の一歩を選ぶ場所。それが「現在」の役割だと考えると、少しだけ愛おしく感じられませんか?

例えば、仕事や家事、介護、子育てなどで「もう大変…」と思う場面を想像してみてください。そこには必ず、過去から積み重ねてきた経験や、人との繋がりがあります。そして、「この人に笑っていてほしい」「自分も元気でいたい」という未来の願いがあるからこそ、疲れていてももうひと踏ん張りしている自分がいます。気づかないだけで、今目の前でしている小さな行動は、いつも過去と未来の両方と繋がっているのです。

ただ、過去ばかりを悔やんだり、未来ばかりを心配したりすると、「今」を楽しむ余裕がなくなってしまいます。逆に、「今さえ良ければいい」と勢いだけで動いてしまうと、後から「あの時、もう少し考えておけば良かった」と感じることもありますよね。3つの時間軸はどれも大事で、それぞれ役割が違います。

この記事では、「現在・過去・未来って、聞いたことはあるけれど、具体的にどう自分の毎日と関係しているの?」という素朴な疑問を入り口にして、3つの時間軸のイメージを整理してみました。次の章では、この3つを同時に思い浮かべながら物ごとを考えると、どんな良いことが生まれるのかを、もう少し踏み込んで見ていきます。


第2章…過去と未来を同時に思い浮かべると「今」の意味が少し変わる

私たちはふだん、「過去は過去」「未来は未来」「今は今」と、3つの時間をそれぞれ別々の箱に入れて考えがちです。あの頃はこうだったなぁと過去だけを眺めて切なくなったり、まだ来てもいない未来を心配して眠れなくなったりすることもあるでしょう。でも、過去と未来を同時に思い浮かべながら「今」をながめてみると、同じ出来事でも受け取り方が少し変わってきます。

例えば、仕事や家事で失敗して落ち込んだとします。その瞬間だけを切り取れば「何でこんなことも出来ないんだろう」と自分を責めてしまいそうになりますよね。でも、少しだけ目線を広げて、「前にも同じことで躓いたけれど、あの時よりは落ち着いて対応できたな」という過去の自分と、「この経験を生かしたら、次はもっとスムーズに出来そうだ」という未来の自分を同時に思い浮かべてみると、その失敗は自分を責める材料ではなく、成長の途中にある通過点に変わっていきます。

過去と未来を同時に思い描くというのは、「時間の流れを一本の線として感じる」ということでもあります。昔の出来事が、今の自分の考え方や行動の癖を作り、それがこれから先の選択にも繋がっていく。その繋がりを意識した瞬間、目の前の出来事は「ただ起きてしまった事件」ではなく、「自分の物語を形づくる一場面」に変わります。辛い経験や恥ずかしい失敗でさえも、「あの時があったから今の自分がいる」「この出来事があったから、将来の私はもう少し優しくなれるかもしれない」と受け止めやすくなります。

また、過去と未来を同時に見る視点は、やる気のエンジンにもなります。例えば、資格の勉強や貯金、健康作りなど、コツコツと積み重ねが必要なことは、目先だけを見ると「面倒くさい」「今はいいや」と感じてしまいがちです。でも、「昔の自分は、何もしないで時間だけ過ぎていくことの虚しさを知っている」「将来の自分は、今日の少しの頑張りを必ず喜んでくれる」と、過去と未来の両方から今の自分を応援してもらうイメージを持つと、不思議と背中が押されるものです。

もちろん、人は機械ではありませんから、いつも前向きに考えられるとは限りません。過去を思い出すと苦しくなることもありますし、未来を想像すると不安の方が大きくなる夜もあります。そんな時は、無理に明るい未来を思い描こうとしなくて大丈夫です。「今はしんどいけれど、いつか振り返った時に『あの頃の私はよく頑張っていたな』と思えるように、今日をどう過ごそうか」と、少しだけ視点を先へ向けてみるだけでも十分です。

過去の自分、今の自分、未来の自分が、同じ一本の道の上を歩いている仲間だと考えてみてください。昔の自分の失敗や迷いは、今の自分へのメッセージ。今の自分の選択や行動は、未来の自分への贈り物。その3人が手を繋ぐように時間を眺めてみると、「今この瞬間」は、ただ消えていく点ではなく、確かに繋がりを持った大切な一歩に変わっていきます。

次の章では、この3つの時間軸の中でも、何故「今この瞬間」を大切にすることが、結局は一番の近道になるのかを、もう少し具体的に掘り下げていきます。


第3章…3つの時間軸の中でやっぱり今この瞬間が一番大事な理由

ここまで、現在・過去・未来という3つの時間軸を別々に、そして同時に眺める視点についてお話してきました。では、その3つの中で、どうして『今この瞬間』がそんなに大事だと言われるのでしょうか。その理由を、もう少し丁寧に言葉にしていきます。

まず、大前提として、過去はどれだけ願っても書き換えることはできません。もちろん、思い出し方や受け止め方は変えられますが、起きた出来事そのものは動かせないですよね。一方、未来はまだ姿が見えない世界です。「きっとこうなるはず」と想像することは出来ても、その通りに進むとは限りません。この2つの時間に対して、たった1つ、自分で手を伸ばして直接触れるのが『今』です。考え方を変えたり、行動を選び直したり、誰かに声をかけたり、深呼吸して休んだり出来るのは、いつもこの瞬間だけなのです。

例えば、資格の勉強をしている場面を思い浮かべてみてください。これまでの自分が積み重ねてきた勉強時間や、合格と不合格の経験は全て過去です。そして、「いつかこの資格を生かして、もっと安心して働きたい」という願いは未来に属しています。そのどちらも大切ですが、実際に参考書を開くかどうかを決めるのは、今この瞬間の自分です。貯金も同じで、過去に無駄遣いしてしまったことを悔やんでも、お金は戻ってきません。でも、今日の帰り道にコンビニで何を買うかを選ぶことは出来ます。その小さな選択が、半年後や数年後の通帳の数字をジワジワと変えていきます。

人間関係もまた、『今』の積み重ねが一番よく表れる場所です。長く付き合ってきた友人との絆も、最初の出会いから数え切れないほどの「今」の会話や行動が折り重なって出来上がっています。忙しさに追われて連絡を後回しにしていると、いつの間にか距離が空いてしまうこともありますが、「今日は短いメッセージだけでも送っておこう」と思い立って動くのは、やはり今の自分です。過去にどんなに仲が良かったとしても、未来に「また会おうね」と約束していても、その間を繋ぐのは、目の前の小さなひと手間なのだと思います。

ここで大事なのは、「今が大切だから、今さえ楽しければそれでいい」という意味ではない、ということです。勢いだけで欲しい物を買い続けたり、感情のままに人にぶつかったりすれば、将来の自分が困ってしまいますよね。『今を大切にする』というのは、「未来の自分にちゃんとバトンを渡せるような選び方をする」ということに近いかもしれません。勉強や貯金、健康作りだけでなく、「今日はちゃんと休む」「頑張り過ぎずに手を抜くところは抜く」という選択もまた、未来の自分の心と体を守るための立派な一歩です。

そして、感情という面から見ても、『今この瞬間』はとても重要です。嬉しさや悲しさ、安心感や不安は、全て今の心が感じているものです。過去を思い出してホッとしたり、これからの予定を想像してワクワクしたりする時でさえ、その感情を味わっているのは現在の自分です。だからこそ、「どうせ先のことは分からないから」と投げ出してしまうより、「今の自分の気持ちを少しでも軽くするにはどうしたらいいかな」と自分に問い掛けてあげることが大切になります。

もちろん、いつも前向きでいる必要もありません。何もかもが面倒くさくなる日、落ち込んで動けない日もあって当然です。そんな時に、無理に笑顔になろうとしたり、完璧な自分を演じようとしたりすると、却って心が疲れてしまいます。「今日はここまでが限界だな」「今は休む時間にしよう」と決めることも、『今』を大切にする選択の1つです。未来の自分が振り返った時に、「あの頃の私は、あれでもよくやっていた」とやさしく認めてあげられるような過ごし方を、少しずつ増やしていければ十分ではないでしょうか。

過去は、たくさんの経験や記憶という形で、今の自分を支えてくれる土台です。未来は、これからの人生に彩りを添えてくれる、まだ見ぬ景色です。そして、その両方を繋ぎ合わせている糸が、『今この瞬間』の選択と行動です。3つの時間軸の中で今が一番大切だと言われるのは、まさにここに理由があります。

次の第4章では、この『今』をどう選び、どう重ねていくと、未来の自分が笑顔になりやすいのか。日々の暮らしの中で試しやすいヒントを、もう少し具体的にお話していきます。


第4章…今日から出来る未来を笑顔にするための小さな今の選び方

ここまで見てきたように、現在・過去・未来は別々の箱ではなく、1本の線で繋がっています。その中でも『今この瞬間』が一番大事だと分かっていても、いざ日常に戻ると、つい目の前の忙しさや疲れに押されてしまいますよね。「よし、これからは今を大切に生きよう」と思ったものの、気がつけばいつも通りの毎日に逆戻り……そんな経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

大切なのは、「大きく生き方を変えよう」と力んでしまわないことです。人生をガラリと変えるような決意は、ドラマの中では素敵に見えますが、現実の暮らしでは息切れしやすいものです。むしろ、今日からできる小さな選択を、ほんの少しだけ意識して積み重ねていく方が、未来の自分を確実に助けてくれます。

例えば、1日のうちで「たった5分」を、未来の自分のために使ってみるイメージです。机の上を少しだけ片付ける、本棚の1段だけ整理する、気になっていた書類を1枚だけ目を通す。どれも大仕事ではありませんが、「いつかやらなきゃ」と胸の中で引っかかっていたことを、少しずつほどいていく切っ掛けになります。この小さな5分の積み重ねが、数か月後には大きな安心感に変わっていきます。

心と体のケアも同じです。未来の自分を守るための「今の選び方」は、「頑張る」だけではなく「休む」ことも含んでいます。眠いのに夜更かしを続けるのか、それとも今日は思い切って早く布団に入るのか。疲れているのに無理に予定を詰め込むのか、それとも1つだけ予定を減らして余白を作るのか。こうした選択は、その場では目立ちませんが、1年後、10年後の体調や心の元気さに、静かに影響していきます。

人間関係についても、少しだけ意識してみると「今」の過ごし方が変わってきます。いつも気遣ってくれる人に、感謝のひと言を添える。なかなか会えない友人に、「元気にしてる?」と短いメッセージを送ってみる。普段は言えない「ごめんね」を、勇気を出して伝えてみる。どれも数分で出来ることですが、それが積み重なると、「この人たちがいてくれて良かった」と未来の自分が思える人間関係の土台になってくれます。

お金や資格、スキルのような「目に見える財産」も、毎日の選び方で少しずつ増えていきます。大きな節約術や劇的な転職だけが未来を変えるのではなく、「今日はコンビニでの衝動買いを1つだけ我慢してみよう」「10分だけ調べものをして、新しい知識を1つ覚えよう」といった、ささやかな選択の積み重ねが、後々、大きな安心に繋がります。過去の自分がコツコツと積んでくれた努力に、未来の自分が「ありがとう」と言えるように、今の自分が少しだけバトンを受け取ってあげるイメージです。

そしてなによりも大切なのは、「完璧を目指さない」と決めておくことかもしれません。毎日きちんと計画通りに過ごすことは、誰にとっても難しいものです。やろうと思っていたことが出来ない日もあれば、気持ちが乗らない日だってあります。そんな時に、「どうせ続かない」「自分はダメだ」と自分を責めてしまうと、せっかくの小さな一歩まで消えてしまいます。「今日は上手くいかなかったけれど、明日はまた、出来るところから始めてみよう」と、自分に対して少し甘さを残しておく方が、長い目で見ると続きやすいものです。

現在・過去・未来のどの時間軸から見ても、私たちが直接さわれるのは、いつも「今ここ」だけです。その「今」の中で、「未来の自分が少し笑顔になれる選択ってなんだろう」と、時どき立ち止まって問いかけてみる。大げさな目標ではなく、今日の自分に出来るささやかな一歩を選び直してみる。その小さな積み重ねこそが、やがて振り返った時に、「あの頃の自分が頑張ってくれていたから、今の私がいるんだな」と思える日に繋がっていきます。

次のまとめでは、3つの時間軸と上手に付き合いながら、これからの毎日を丁寧に重ねていくための視点を、もう一度、振り返っていきます。

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まとめ…これからの毎日を丁寧に積み重ねていくために

現在・過去・未来という3つの時間軸を見つめ直してみると、「時間の流れ」という大きなものが、じつはとても身近な存在なのだと気づきます。昔の記憶も、これからの願いも、その真ん中にある「今この瞬間」からしか触れることができません。過去は変えられないけれど、受け止め方はやわらかく塗り替えていくことが出来ますし、未来はまだ形がないからこそ、今の選び方次第でいくらでも色合いを変えていける余白があります。

振り返ってみれば、これまでの人生の中で「上手くいかなかったな」と感じた出来事も、「あの経験があったから、今の自分がある」と言える場面も、きっと両方あったはずです。どちらも、現在を作る大事な土台であり、欠けてしまって良いものは1つもありません。過去を丸ごと肯定することは難しくても、「あの頃の自分なりに、一生懸命だったよね」と、少しだけやさしい目線を向けてあげるところから始めてみても良いのではないでしょうか。

そして、数年先、十年先の自分を思い浮かべた時に、「その頃の自分が笑っていられるように、今の私は何を選ぼうかな」と問いかけてみる。資格の勉強を続けることかもしれませんし、貯金や健康作りに目を向けることかもしれません。人間関係を丁寧に育てることや、時には思いきって休むことも、未来の自分への大切な贈り物になります。どれも特別なことではなく、今日の中にそっと紛れ込ませることが出来る小さな一歩ばかりです。

もちろん、毎日同じようには頑張れませんし、気持ちが落ち込んで前を向けない日もあります。「今を大切に」と言われても、どうしても動けない時だってありますよね。そんな日は、「何もしなかった自分」を責めるより、「しんどい中で、ここまでよく耐えたな」と自分を労ってあげることも、立派な現在の過ごし方です。そのやさしさもまた、いつか未来の自分を支えてくれる糸の1つになります。

現在・過去・未来を同時に思い浮かべてみると、時間はただ過ぎ去っていくものではなく、「自分という物語」を一緒に作ってくれるパートナーのような存在に見えてきます。過去は物語の序章、未来はこれから書き込まれていく白いページ。そして、その間を繋ぐのが、今日という1ページです。その1ページを、完璧でなくて構わないので、「まあ悪くないかな」と思える色で塗っていくことが出来れば、それだけで十分価値があります。

この記事を読み終えた今この瞬間から、ほんの少しだけ時間の見え方が変わり、「よし、未来の自分が助かるように、今日の小さな一歩を選んでみようかな」と思っていただけたら嬉しいです。現在を丁寧に重ねることは、過去への労わりであり、未来へのエールでもあります。どうか、ご自身のペースで、3つの時間軸と仲良くしながら、これからの毎日をゆっくり積み重ねていってくださいね。

今日も閲覧ありがとうございましたm(__)m


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