5月27日は小松菜の日~年中会える青菜の旬と底力~

[ 旬の食と暮らし ]

はじめに…いつもの青菜に今日はちょっと注目してみよう

スーパーの野菜売り場で、小松菜を見かけて「今日は小松菜だ!」と胸を高鳴らせる人は、どれくらいいるでしょう。トマトの鮮やかさや、新じゃがの季節感に比べると、どこか控えめ。冷蔵庫に入っていても「あ、小松菜あったな」くらいの存在かもしれません。

ところが5月27日は「小松菜の日」。「こ=5、まつ=2、な=7」という語呂合わせから生まれた日です。数字をここまで野菜に寄せて読んで良いのか……と思わなくもありませんが、ちゃんと小松菜になります。折角、名前を呼ばれた日なのですから、いつもの青菜にも少しスポットライトを当ててみたくなります。

小松菜の面白いところは、一年を通して店頭で見かける身近な野菜なのに、旬は冬とされていることです。いつでも会えるのに、得意な季節はちゃんとある。春夏秋冬、四季折々の食卓に顔を出しながら、寒い季節にはまた違った魅力を見せてくれます。

小松菜は「旬の日だけ楽しむ野菜」ではなく、季節に合わせて一年中つき合える身近な青菜です。今日はおひたし、明日は炒め物、その次は汁物へ。「また小松菜?」と言われそうになったら、「まだ小松菜の実力を全部見ていない」と返しておきましょう。少々、小松菜側に肩入れし過ぎでしょうか…。

5月27日をキッカケに、いつも何気なく買っている一束を少し違う目で眺めてみませんか。目立たなくても、台所ではなかなか頼もしい。そんな小松菜の旬や食べ方を知ると、今日の献立を考える時間までちょっと楽しくなってきます。

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第1章…5・2・7で小松菜の日~語呂から始まる身近な野菜の話~

5月27日を数字だけで見ると、ごく普通の初夏の1日です。ところが「5=こ」「2=まつ」「7=な」と読んでみると、「こ・まつ・な」。少々、頑張っている気もしますが、ちゃんと小松菜へ着地します。この語呂合わせから、5月27日は「小松菜の日」とされています。

こうした食べ物の記念日の楽しいところは、普段なら素通りしてしまう食材に、ほんの少し立ち止まる理由をくれることです。夕方のスーパーで「夕飯、何にしようかな?」とカゴを持って歩いている時、小松菜はかなり静かな存在です。派手な香りで呼び止めるわけでもなく、大きな姿で場所を取るわけでもない。それでも青々とした葉を広げて、「私、だいたい何にでも入れますけど?」という顔で待っています。……いや、野菜はしゃべりません。こちらが献立に困り過ぎているだけです。

おひたし、炒め物、煮物、汁物と、家庭の食卓にスッと入りやすい小松菜は、正に日常茶飯時の中で活躍する青菜です。珍しい食材を特別な日に味わう楽しさもありますが、いつもの店で買えて、いつもの料理に使える食材にも立派な魅力があります。記念日は、特別なものを祝うだけでなく、身近過ぎて見落としていたものに気づく日にもなります。

しかも小松菜は、一年を通して見かける身近さを持ちながら、季節によって味わい方を変えて楽しめます。 老若男女の食卓に入り込みやすく、冷蔵庫に一束あれば「あと一品」を助けてくれる。華々しく主役を奪うタイプではないのに、いなくなると妙に困る。こういう人、職場にも1人くらい居そうです。

5・2・7という小さな語呂合わせから始まった小松菜の日。買い物カゴに一束入れるだけでも、5月27日の食卓には十分な季節感が生まれます。そして次に気になってくるのが、「一年中あるのに、どうして旬は冬なの?」という少し不思議な話です。


第2章…年中並ぶのに旬は冬?~寒さが引き出す小松菜の美味しさ~

小松菜は春にも夏にも秋にも見かけるのに、「旬は冬」と聞くと少し不思議です。年中お店にいるなら、もう一年中が旬でも良いのでは?そんな気もしますが、畑の小松菜にはちゃんと得意な季節があります。寒さが深まる頃、小松菜は冬ならではの美味しさを蓄えていきます。

冷たい空気の中で育つ小松菜は、寒さに耐えるために体内へ糖分を蓄えます。その結果、冬の小松菜は甘みを感じやすくなり、葉や茎にも寒い季節ならではの味わいが生まれます。人間なら寒い朝には布団へ戻りたくなるところですが、小松菜は畑で踏ん張りながら、美味しくなっているわけです。見習いたいような、寒いので遠慮したいようなところです。

旬という言葉は、「その時期にしか食べられない」という意味だけではありません。一年中手に入りやすい食材でも、味や食感がより魅力的になる時期があります。小松菜にとって冬は、そんな晴れ舞台。一年中、傍にいる小松菜にも、寒さが甘みを引き出してくれる「美味しい季節」があります。

とはいえ、冬以外の小松菜が脇役になるわけではありません。季節によって育ち方や食感が変われば、料理との付き合い方も変わります。春夏秋冬、それぞれの小松菜を同じ物差しで比べるより、その時の一束に合う食べ方を探す方が楽しそうです。正に適材適所。暑い日に軽やかに食べたい時と、寒い日に温かな料理で味わいたい時では、同じ青菜でも出番が変わります。

冷蔵庫を開けて小松菜を見つけた時、「旬じゃないから今日はやめておこう」と構える必要はありません。一年中、使いやすい便利さを楽しみつつ、冬になったら「今は小松菜の得意シーズンだな」と少し意識してみる。そのくらいの気軽さが、季節の食卓にはちょうど良さそうです。

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第3章…見た目は控えめでも中身は充実~小松菜が食卓で頼られる理由~

小松菜をまな板に置いて眺めても、「私は栄養があります!」と自己主張してくるわけではありません。濃い緑の葉と白っぽい茎、見た目はいたって素朴です。ところが中身を見ていくと、カルシウムやビタミンC、鉄などを含み、普段の食事に取り入れやすい青菜であることが分かります。正に質実剛健。派手な登場はしなくても、食卓ではなかなか頼れる存在です。

特に目を引くのがカルシウムです。小松菜は、カルシウムを含む野菜として親しまれており、毎日の食事で骨の健康を意識したい時にも使いやすい食材です。さらにビタミンCや鉄も含んでいるため、1つの栄養素だけを狙うというより、いつもの献立の中でいろいろな栄養を少しずつ受け取れるところに良さがあります。

もう1つ嬉しいのが、料理する時の気軽さです。小松菜はほうれん草と比べてシュウ酸(野菜などに含まれる成分)が少なく、料理によってはアク抜きの手間を抑えやすい青菜です。炒め物なら洗って切ってフライパンへ、汁物なら仕上げに加えるという使い方も出来ます。夕飯を作り始めてから「あと1品、緑が欲しい!」と気づいた時にも動いてくれる。冷蔵庫の中の助っ人としては、かなり融通無碍な選手です。

栄養のために無理して食べるのではなく、普段の料理に自然と入れられることこそ、小松菜の頼もしさです。体に良いと分かっていても、調理が面倒なら長続きしません。その点、おひたしにも炒め物にも汁物にもなれる小松菜は、「今日はどう料理しよう?」と献立側に合わせてくれます。

健康のための食事というと、つい特別な一品を用意しなければならない気がしますが、毎日の食卓はもっと気楽で構いません。青菜を一束買い、家にある卵や豆腐、肉、魚などと組み合わせる。そんな日々の積み重ねの中に、小松菜の良さはしっかり収まります。縁の下の力持ちとは、もしかするとこういう野菜のことなのかもしれません。


第4章…炒めても煮ても汁物でも~季節に合わせて楽しむ小松菜料理

小松菜のありがたさは、冷蔵庫から取り出した後に発揮されます。「さて、この一束をどうしよう?」と考えても、答えが1つではありません。サッと炒めてもヨシ、出汁を含ませてもヨシ、汁物へ入れてもヨシ。和洋折衷、相手を選び過ぎないので、その日の冷蔵庫事情に合わせて献立へ参加してくれます。

春の食卓なら、やわらかな葉を生かして軽い和え物やサラダへ。ツナやトマトなどと合わせれば、緑だけで終わらない春らしい1皿になります。暑くなってきたら、にんにくを効かせた炒め物も似合います。ベーコンやしらすなど、旨味のある食材と一緒に手早く火を通せば、小松菜のシャキッとした食感も楽しめます。

秋風を感じる頃には、煮びたしや卵とじのような温かな料理が恋しくなります。出汁を吸った小松菜に生姜を少し添えれば、ご飯の横に置きたくなる落ち着いた味になります。寒い冬には鍋やスープへ。豚肉や豆腐と一緒に煮れば、1つの鍋から主菜と野菜をまとめて楽しめます。クリーム系のスープに加えれば、鮮やかな緑が食卓の彩りにもなります。

毎日料理をしていると、「冷蔵庫にある物だけで何とかしたい日」がやって来ます。むしろ、かなりの頻度でやって来ます。そんな日に小松菜が一束あると、「卵があるから卵とじ」「豚肉が少し残っているから炒めよう」と臨機応変に動けます。買い足し前提の豪華な献立ではなく、手元の食材と仲良くしてくれるところが家庭料理向きなのです。

小松菜料理に正解を1つ決めるより、その日の季節と冷蔵庫に合わせて使い方を変える方が、毎日の食卓はグッと楽になります。春には軽く、夏には手早く、秋には出汁を含ませ、冬には湯気の中へ。春夏秋冬を一束で渡り歩けると思えば、「また小松菜を買ってしまった」ではなく、「さて今日は何に変身してもらおう」に気分も変わります。

料理は一汁一菜の日があっても、冷蔵庫総動員の日があっても構いません。小松菜のように使い道の広い野菜を1つ知っているだけで、献立を考える肩の力は少し抜けます。一年中、出会えることは、旬の価値を薄くするのではなく、一年中で楽しみ方を選べるということなのかもしれません。

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まとめ…特別じゃないから頼もしい~小松菜をいつもの食卓へ~

5月27日の「小松菜の日」は、5・2・7を「こ・まつ・な」と読む、ちょっと愉快な語呂合わせから生まれています。けれど、その1日を入口にして眺めてみると、小松菜はなかなか奥行きのある野菜です。一年中で手に入りやすく、寒い季節には甘みを楽しめて、炒め物にも煮物にも汁物にもすんなり入る。特別扱いを求めないのに、気づけば食卓のあちこちで働いています。

カルシウムやビタミンC、鉄などを含んでいることも嬉しいところですが、毎日の料理で本当に助かるのは「使いやすさ」かもしれません。健康のために気合いを入れて珍しい食材を探さなくても、いつもの買い物で一束を手に取り、卵や豆腐、肉、魚など身近な食材と合わせられる。その気軽さこそ、小松菜が長く食卓に残ってきた理由の1つなのでしょう。

毎日のご飯を少し良くするのは、豪華な1皿より「いつもの食材を楽しく使うこと」なのかもしれません。これぞ一石二鳥……と言いたいところですが、小松菜の場合は食べやすい、使いやすい、栄養も嬉しいと、鳥が一羽多い気もします。まあ、台所では得した分だけありがたく受け取っておきましょう。

「継続は力なり」といいます。毎日きっちり小松菜を食べよう、と宿題のように考える必要はありません。今日は味噌汁、数日後には炒め物、寒くなったら鍋の中へ。そのくらい気楽に付き合える野菜が冷蔵庫にあるだけでも、日々の食卓は少し豊かになります。

5月27日に一束の小松菜を手に取ったら、記念日が終わった翌日からも関係は続きます。春も夏も秋も冬も、「今日はどう食べようかな?」と考えられる。そんな何気ない楽しみがある食卓なら、明日のご飯もちょっと待ち遠しくなりそうです。

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