5月の怠さは旬でほどく~朝の一杯からおやつまで初夏の元気ご飯~

[ 旬の食と暮らし ]

はじめに…春を走り抜けた体へ~5月は「食べて休む」がちょうど良い~

5月の朝は気持ちが良い。窓を開ければ風は爽やか、緑はグングン濃くなり、気分は心機一転……となれば理想なのですが、現実の体は「え、もう動くんですか?」と布団の中で会議中。昼は汗ばむほどなのに朝晩は少し冷えたり、連休を境に生活のリズムが揺れたりして、春から走ってきた疲れが顔を出しやすい頃です。体が重い、食欲が今1つ、寝てもスッキリしない。そんな一進一退の日があっても不思議ではありません。

こんな時、食卓まで「元気を出さねば!」と気合い大会にする必要はありません。5月には、初鰹やそら豆、甘夏、よもぎなど、季節そのものを味わえる食材があります。朝の飲み物を少し変える、夕飯に旬を一品加える、午後のおやつでホッとする。そのくらいなら、疲れた日にも手が届きます。5月の元気は、無理に絞り出すより、美味しいものを食べながら少しずつ取り戻すくらいがちょうど良いのです。

「健康のために完璧な献立を!」と張り切って、買い物カゴだけ立派になり、帰宅した途端に料理する気力が行方不明……これもなかなかの5月あるある。毎日、全部揃えなくても、朝の一杯、旬の主菜、楽しみなおやつと、食べやすいところから季節を取り入れれば十分です。5月の食欲や暮らしのリズムが気になる時は、食べ過ぎた後の整え方も知っておくと、食卓との付き合い方が少し気楽になります。

[広告]

第1章…朝の一杯でエンジン始動~桑の葉茶・梅・甘酒で緩く整える~

5月の朝、目は覚めたのに体だけがまだ布団に残っているような日があります。昼間は汗ばむのに朝晩はひんやりすることもあり、寒暖差に付き合う体は意外に忙しいものです。そんな時期は、起きてすぐから全力疾走を狙うより、まず一杯の飲み物でゆっくり朝を始める方が気楽です。自律神経(呼吸や体温などを無意識に調整する神経の仕組み)も季節の変化に影響を受けやすく、体が本調子になるまで少し時間が必要な朝もあります。

そこで候補になるのが、スッキリした味わいの桑の葉茶です。食事にも合わせやすいため、「健康のために特別なものを飲んでいます」という気負いより、普段のお茶を少し変えてみる感覚で取り入れやすいのが良いところ。朝食を作りながら一杯、パンや果物と一緒に一杯と、日常茶飯の中へ自然に置けます。朝から健康メニューを完璧に並べようとして台所で力尽きるより、湯を沸かして一杯飲めたらまず合格。そのくらいの悠々自適さが、5月には似合います。

少し酸味が欲しくなる頃には、青梅も季節の顔を見せ始めます。青梅と氷砂糖で仕込む梅シロップは、水や炭酸水で割れば爽やかな一杯になります。クエン酸を含む梅のキュッとした酸味は、暑さを感じ始める日の口にも心地良いものです。冷蔵庫を開けて梅ジュースを見つけた瞬間、「よし、今日はこれでいこう」と決められる。献立会議を開かなくても飲み物だけは即決です。小さなことですが、疲れている日に「選ぶことが1つ減る」のも、なかなか嬉しいものです。

もう1つ覚えておきたいのが米麹の甘酒です。甘酒には冬の湯気が似合う印象もありますが、冷たくしても楽しめます。米麹から作るタイプならアルコールを含まないものもあり、ビタミンB群などを含む飲み物として朝にも取り入れやすくなります。冷える夜なら少し温めて生姜を添えるなど、その日の気温に合わせられるのも便利です。昨日は冷たい甘酒、今日は温かい甘酒。同じ5月なのに服も飲み物も毎日変わる――季節の方が気分屋なのですから、こちらも臨機応変でいきましょう。

朝の一杯は、体を無理やり元気にする号令ではなく、「今日もゆっくり始めよう」という小さな合図で十分です。桑の葉茶、梅の酸味、甘酒のやさしい甘さ。その日の体調や気分に合うものを1つ選ぶだけなら、忙しい朝にも無理がありません。5月は夏へ向かって景色が動く季節です。人の体も一気呵成に切り替わるわけではありませんから、お茶を飲む数分くらいは、季節に追いつく時間として残しておきたいところです。


第2章…初鰹と豆が食卓の主役~初夏の旬を「元気の材料」に変える~

昼が近づく頃、朝より体は動くようになったのに、「さて、何を食べよう?」で急に思考停止。冷蔵庫を開けて眺め、一旦、閉めて、何故かもう一度開ける。中身は数秒では増えませんが、5月の昼時にはよく起こる小さな儀式です。そんな日に頼りたいのが、季節そのものが献立を決めてくれる旬の食材。あれこれ豪華に揃えなくても、主役を1つ決めれば食卓は動き始めます。

5月らしい主役として目を向けたいのが初鰹です。「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」と詠まれてきたように、昔から初夏を感じさせる味の1つ。脂が控えめでサッパリした初鰹には、鉄分やDHA・EPAなどの栄養素が含まれています。刺身やたたきなら調理の手間も少なく、新玉ねぎや薬味を添えるだけで食卓に季節感が出るのも魅力です。

少し気分を変えたい日は、表面を軽く炙って塩やオリーブオイルを合わせても楽しめます。和食の顔をしていた鰹が急に洋風の皿にも馴染むので、「君、そっちの部署にも行けたのか…」と少し驚くかもしれません。旬の食材は、決まった食べ方に縛られないところも面白いものです。疲れている日は品数を増やすより、旬の主役を1つ美味しく食べる方が食卓はずっと気持ちよくまとまります。

その脇を固めてくれるのが、そら豆やヤングコーンです。そら豆にはたんぱく質や鉄分、ビタミンB群などが含まれ、塩茹でするだけでも十分に季節の一皿になります。チーズと焼けばコクのある副菜になりますし、初鰹と並べれば海と畑が同じ食卓に集合。豪華な料理を何品も作らなくても、一汁一菜くらいの気軽さで「今日は5月の旬を食べているな」と感じられます。

ヤングコーンも、この季節ならではの楽しみがあります。普段は缶詰や冷凍で見かけることが多くても、生のものに出会えたら、茹でたり焼いたりするだけでシャキッとした食感を楽しめます。食物繊維を含み、バターしょうゆで香ばしく仕上げても、サラダへ加えても使いやすい食材です。食卓全部を健康仕様に変えようとすると三日坊主になりがちですが、「今日は旬を1つ足す」なら続けやすい。まさに一石二鳥、栄養と季節感を一緒にいただく発想です。

そして、香りにパンチが欲しい日には行者にんにくという選択肢もあります。独特の香りを持つ山菜で、醤油漬けや肉との炒め物など、少量でも存在感が出ます。毎日食べる必要はありませんし、旬だから全部制覇しなければならないわけでもありません。初鰹の日、そら豆の日、ヤングコーンの日と、5月の食卓を少しずつ巡れば十分です。旬の食材は「体のために食べなさい」と迫ってくる宿題ではなく、「今ならこんな美味しいものがありますよ」と季節が差し出してくれる招待状のようなものなのです。

[広告]

第3章…甘夏とよもぎで午後の小休止~おやつは罪悪感より選び方~

午後3時頃になると、昼食から少し時間がたち、「何か甘いものが欲しいな」と冷蔵庫の前をウロウロすることがあります。朝から仕事や家事をしていれば、気持ちにも小さな休憩が欲しくなる頃です。そこで「甘いものは禁止」と腕組みして耐えるのも1つの方法ですが、頭の中がお菓子でいっぱいになってしまっては本末転倒。おやつは敵ではなく、量と選び方を整えれば、5月の午後を楽しく切り替える休憩時間になります。

初夏らしさを味わうなら、甘夏はよく似合います。サッパリした酸味があり、ビタミンCを含む柑橘なので、そのまま食べるだけでも爽やかです。少し手を加えるならゼリーにすると口当たりが軽く、汗ばむ日の午後にも食べやすくなります。皮を利用したピールとビターチョコレートを合わせれば、甘さだけでは終わらない大人向けのおやつにもなります。甘夏のほろ苦さまで味わえるのは、春から初夏へ移る季節ならではの楽しみでしょう。

もう少し和の気分なら、よもぎを使った草餅も候補になります。よもぎにはポリフェノール(植物に含まれる成分の総称)が含まれ、独特の香りとほろ苦さが餡の甘みを引き立てます。モチモチした生地に餡、そこへ温かいお茶。豪華絢爛なティーセットではなくても、湯気が立った瞬間に休憩らしい空気が生まれます。「花より団子」とはよく言ったもので、景色を楽しみつつ団子もいただくくらいが、暮らしとしてはちょうど良いのかもしれません。

香ばしいものが好きなら、アーモンドなどのナッツを使ったおやつもあります。アーモンドにはビタミンEやオレイン酸が含まれ、そのまま少量、摘んでも、アーモンドミルクを使ったプリンにしても楽しめます。ここで張り切って「健康的なおやつだから!」とプリンを2個、ナッツをひと袋……となると話が少し変わってきます。健康という看板を掲げた途端に無制限になるのは、おやつ界のあるあるです。美味しく味わえる量で終えるからこそ、次の日もまた楽しみになります。

おやつの役目は、お腹をいっぱいにすることより、午後の気持ちに小さな区切りを作ることです。甘夏の酸味、よもぎの香り、ナッツの香ばしさと、5月には「甘いだけではない」味が揃っています。疲れたから我慢するのでも、疲れたから際限なく食べるのでもなく、「今日はこれを少し楽しもう」と決めて一服する。そんな悠々自適な午後が、夕方までの気力をそっと繋いでくれます。


第4章…全部食べなくて良い~5月の食材を1日のリズムに散らすコツ~

桑の葉茶も飲みたい、初鰹も食べたい、そら豆も甘夏も気になる。体に良さそうなものを知るほど、「全部、揃えた方が元気になれるのでは?」と思いたくなります。けれど、朝から何品も用意して、昼もしっかり、午後には手作りおやつ、夜も栄養満点……そこまで行くと、食べる前に作る人が疲れてしまいます。5月の食卓に必要なのは豪華絢爛な健康定食ではなく、その日の暮らしに無理なく入る一品です。

朝に食欲がなければ、飲み物から始めても構いません。昼にお腹が空いたら初鰹やそら豆を食べ、午後に少し疲れたら甘夏やよもぎのおやつで休む。夕飯には昼とは違う旬の野菜を1つ加える。こうして1日の中へ散らしてみると、旬の食材は「食べなければならないもの」から「今日はどれにしようかな?」と選べる楽しみに変わります。5月の食事は、全部を一度に頑張るより、朝・昼・おやつ・夜へ小さく分けて楽しむ方が続きやすいのです。

大切なのは、食べ物だけで1日の調子を何とかしようとしないことです。よく食べても寝不足が続けばしんどいですし、休日だからと昼まで眠り、夜になって目が冴えてしまえば、翌朝の自分から苦情が届きそうです。食事に加えて、少し歩く、湯船で体を緩める、眠る時刻を大きくズラさないといった小さな習慣を組み合わせると、生活のリズムを作りやすくなります。食事・運動・眠りを一緒に考える5月の暮らし方も、日々を軽やかに整える選択肢になります。

そして、調子には波があって当然です。昨日は魚を焼けたのに、今日は包丁を持つ気になれない。そんな日は買ってきた刺身でも、果物を剥くだけでも良いでしょう。冷蔵庫の前で「今日はこれで十分」と決められたら、それも立派な臨機応変です。健康的な暮らしというと毎日同じように頑張る姿を思い浮かべがちですが、暑い日と涼しい日が入り混じる5月には、体調に合わせて力加減を変える柔軟さの方が似合います。

旬の食材は、食べた瞬間に別人のような元気をくれるものではありません。それでも、朝に一杯飲めた、昼に魚が美味しかった、午後に甘夏でひと息つけたという小さな満足は、1日の景色を少し明るくしてくれます。「ちゃんと健康に暮らさなければ」と肩に力を入れるより、「今日は美味しいものを1つ足そう」くらいから始める。そんな自然体の食卓なら、春から初夏へ向かう体とも長く付き合っていけそうです。

[広告]


まとめ…旬をひと口ずつ~初夏へ向かう体に小さなご褒美を

5月は、新緑も風も気持ちよく、外から眺めれば爽快そのもの。それなのに自分だけ「何だか重いなあ」と感じる日があります。朝晩の気温差や生活リズムの変化が重なる季節ですから、いつも通りに動けない日があっても、食卓まで修行の場にする必要はありません。桑の葉茶や甘酒で朝を始め、初鰹やそら豆を味わい、午後には甘夏やよもぎのおやつでひと休みする。季節の美味しさは、そんな1日の小さな場面に置くくらいが似合います。

旬の食材には栄養だけでなく、「季節が変わったな」と感じさせてくれる楽しさがあります。初鰹のサッパリした味、豆のホクホク感、柑橘の酸味。口に入るものが変わると、食卓の景色も少し変わります。健康のために何種類も揃えて意気揚々と始め、3日後には冷蔵庫の野菜室から無言の圧を受けるより、今日は魚、明日は果物くらいで十分。食べることは毎日の営みですから、持続可能な方が暮らしにはよく馴染みます。

そして、5月の怠さを食事だけに背負わせないことも大切です。よく食べた日は少し歩き、疲れた日は早めに休み、朝になったらまた一杯の飲み物から始める。心身一如という言葉のように、体と気持ちは別々に動いているわけではありません。食べる、眠る、動く、休む。その全部がほどよく繋がった時、初夏へ向かう暮らしにも自然なリズムが戻ってきます。5月の心と体を少しずつ立て直す暮らし方へ目を向けるのも、その延長線上にあります。

元気な日は旬を楽しみ、疲れた日はひと口だけ楽しむ。それでも季節はちゃんと食卓を通り過ぎてくれます。完璧な健康生活を完成させなくても、今日の自分に合う美味しさを1つ選べれば上出来です。窓の外では春の緑が初夏の色へ変わっていきます。こちらも急がず、お茶を飲み、何か美味しいものを食べながら、ぼちぼち次の季節へ向かいましょう。

[ 広告 ]

今日も閲覧ありがとうございましたm(__)m


[ 応援リンク ]

ブログランキング2つに参加しています。応援クリックをお待ちしております。

[ ゲーム ] 作者のitch.io(作品一覧)


  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。