孫嫁は風を制す!お盆の15人宴会で胃袋と空気をつかむ夏の陣

目次
はじめに…ご先祖さまも親戚もなぜか胃袋まで帰ってくる…それがお盆という戦場
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お盆──それはご先祖さまが帰ってくる期間であると同時に、親戚という名の大群が、まるで夏の陣のごとく一斉に押し寄せてくるイベントでもある。
だがしかし、迎え撃つ我が家には──赤ちゃんがひとり、保育園児がひとり、そしてその母であるわたくし、25歳の孫嫁が、いる。
正直言って、戦力的にはかなり危うい。
なぜなら旦那は頼りにならない。
28歳、育児は“手伝う気持ちはある”系男子。
そして姑の「私はもう引退よ〜」という言葉に続く、義父の「焼肉やれば大丈夫っしょ?」の軽さよ。
おい、お盆だぞ。
法事であり集会であり…そして、胃袋が試される場なんだぞ?
しかもだ、来るんですよ、来訪者が。
ひぃじぃじ82歳、ひぃばぁば78歳を筆頭に、じぃじばぁば、いとこ、甥姪、そのパートナーまで揃って、総勢15人の宴席が自宅で展開されるという現実。
うち、旅館じゃないんだけど?というツッコミは飲み込んだ。
なぜなら私は、孫嫁──効率派で生きる女。
覚悟はできていた。
風の流れを制し、空気の香りを読み、味の順番を調え、涼を感じさせながら、15人全員を「うまっ」と「快適〜」のハーモニーに導く。
そう、私はただの孫嫁ではない。
戦略型おもてなし管理者、もしくは“風と胃袋を制する者”である🩷。
これは、そんな私の、ちょっぴり笑えて、しっかり参考になる(はずの)お盆攻略記。
さあ、夏の陣の幕が上がる──。
第1章…計画こそすべて!準備段階で勝負は決まっていたのだ
お盆の主役が誰かって?そりゃあご先祖さま……と言いたいところだけど、実際には「この部屋、暑っ!」「なんか匂う…」と一言つぶやかれたら、すべてが終わる。
だから私はまず“目に見えない敵”と戦うことにした。
そう、それが空気である。
15人が集まる部屋なんて、冷房をつけてもすぐにぬるくなる。
焼肉を始めたらすぐに煙まみれ、刺身も寿司も風味が台無しになる。
この家の空気、もう一度生まれ変わってくれ。
そんな願いを込めて、私は扇風機の角度を調整し、窓の位置と換気扇の力を活かした完璧な「風の道」を設計した。
まず、ホットプレートはあえて窓から遠い壁際へ。
なぜなら風上で煙を出すと、刺身が泣くからだ。
焼肉に立ち向かうなら、換気の流れを逆手に取らねばならない。
空気清浄機はまさにそこへ配置。
扇風機と連携させ、焼肉ゾーンの空気だけをピンポイントで流出させるという作戦。
まるでサーキュレーションの魔術師である。
さらに、冷房は26.5度に固定。
これはひぃじぃじの「冷えると膝が固まる」発言に基づく高精度設定。
だが油断はならない。
じぃじは焼き担当、火の前で熱い。ばぁばは団扇で風を生み出し続ける。
そこで私は、サブ扇風機を各自の熱源近くに配置し、なおかつ風の通り道を妨げないよう家具の移動も完了済み。
そして最後に、冷やしおしぼりを保冷バッグに忍ばせ、
玄関にはひまわりの生け花を挿した。これはただの飾りではない。
視覚的に「涼」を感じさせる心理的布石なのだ。
入ってすぐ「お、なんか涼しいね」と言わせたら勝ちである。
ちなみにBGMは和ピアノ。
主張しないが空間を柔らかく包みこむ。
料理はまだ始まっていないのに、私の中ではもう半分勝っている。
なぜなら、料理が美味しく感じるかどうかは、空気次第だからだ。
この空間、もう勝ちにいってる。
孫嫁、夏の陣──まずは空気を完全掌握した🩷。
第2章…焼肉に寿司に刺身…それぞれの立ち位置を守れ!
焼肉、寿司、刺身。
この3つがそろった時点で「もう勝ち確じゃん!」と思う人は、まだ甘い。
この3つは仲が良いように見えて、ものすごく相性が難しい。
香り、温度、食感、そしてタイミング。
すべてが揃わなければ、ただのバイキング会場になる。
私はこの3強を、“順番と配置”によって、最高の状態で提供することに決めた。
まずは寿司。
主役のようで実は“開幕の口慣らし担当”だ。
さっぱりした酢飯は夏場にぴったり。
しかもうちは酢だち醤油を用意した。
これが、ただの寿司を一気に「夏仕様のさわやか旨味爆弾」に変える魔法の一滴。
刺身と違って“タレいじり”が許されるから、個性を出しやすい。
そして酢飯は冷たい。つまり、暑い中に到着した親戚たちの胃袋をやさしく迎え入れてくれる。
序盤に必要なのは、勢いじゃない。
やさしさだ。
続いて、刺身。
これは繊細すぎる。
寿司の酢だちですら、ちょっと刺激が強すぎるときがある。
だから私は刺身だけはガラスの皿で冷やして出した。
器からしても涼しいのだ。
目にも舌にも。
盛り方も気を抜かない。
赤・白・緑の彩りを意識し、つまの大根までシャキッと冷やしておいた。
あぁ…この静けさ、この透明感、なんて美しいんだろう。
その隣で、タレが跳ねてる焼肉プレート?
まだ早い。
そして、焼肉。
ついに出番である。
でも、私はこれを“イベント”にした。
焼くだけじゃない。“焼かせる”のだ。
焼く人がいることで、場が動き出す。
ジュ〜ッという音が空気を変える。
だがここでも気は抜かない。プレートは2刀流。
左側には味付けなしの肉。これに、例の酢だち醤油をつけて食べれば、また違った風味の世界が広がる。
右側はしっかり味付き。
にんにく醤油、味噌だれ。パワー系の胃袋はこちら。
子ども用には焼いたウインナー、とうもろこし、お餅も忘れない。
ばぁばには椎茸とピーマン、じぃじは“脂多め”ゾーンを狙ってくる。
そして、焼きの管理者はパパ。
唯一、役に立つ瞬間である。
この焼肉ゾーンだけは、匂いを封じるどころか解き放ってOKな空間にした。
なぜなら、香ばしさはごちそうだ。
ただし、時間差が大事。
焼肉は刺身のあと。
寿司のあと。
そしてしっかり空気の流れを作ってあるので、焼いても刺身に匂いは届かない。
これが、“風を制した孫嫁”の自信である。
3つのメインが、それぞれの時間で、それぞれの個性を光らせる。
料理の主張を邪魔しないのが、本当のもてなしだと思う。
ただ出すだけじゃない。
どう出すか、どの順番か、誰が焼くか。
そこまで考える。
それが孫嫁の流儀──🩷。
第3章…突き出しはサプライズの鍵でドレッシングは女性の心を解く鍵
宴というのは、主役がすべてを支配してるようでいて、実は脇役が全体の空気を決める。
お通しがしょぼければ、その場のテンションは三割減。
だから私はあえて、始まりに“あっ”と驚く一皿を仕込んだ。
いや、一皿じゃない。小鉢で3つ。
名付けて──突き出しトリオ。
とうもろこしの冷製すり流し、すだちで和えた枝豆、そしてもずく酢に梅肉を添えた清涼系。
正直、どれも超簡単。
だけど、冷やし方と器に気を配った。
氷の下で冷やしたガラスの小鉢に、ほんの少し盛って並べると、まるで高級割烹のように見えるから不思議だ。
あれだ。料理って味も大事だけど、気持ちの演出が8割なのよ、ほんとに。
これで“おっ、ただの家庭料理じゃないぞ”と思わせてからの──
本命:サラダゾーン。
これも見せ方勝負。
サラダをひと皿に盛るのはもったいない。
だから私はサラダ素材を選べるスタイルにした。
レタス、水菜、トマト、蒸し鶏、海藻、コーン…そして主役は、ドレッシングの軍団。
和風、ごま、シーザー、ゆず、青じそ。
「どれにしよっかな〜」と立ち止まって考える時間が、すでにエンタメ。
ばぁばはごま、姑は青じそ、私のいとこはシーザーで山盛り、なんて違いを横目で見るだけでも会話が生まれる。
この時、心の中ではちょっとニヤリとする。
ほら、ただのサラダも、演出次第で**“もてなされてる感”**が爆上がりするんだよね。
男性陣はそれほど気にしないけど、女性陣の笑顔が一気に緩むのが分かる。
やっぱり女性は、“自分で選べる”ってだけで嬉しくなる生き物なんだと思う。
子どもたちは、サラダよりウインナーに夢中だけど、それでいい。
私は大人たちの心をじんわりつかみたい。
だってこの空間、もはや家庭じゃない。
夏限定・一日だけの手づくり旅館みたいなもんだから。
そしてこっそり、突き出し小鉢は私の“お盆の挨拶”の代わりなのだ。
「今日は来てくれてありがとう。ゆっくりしてってね」
そんな気持ちが、器の底に、ほんのりこもっていたりする🩷。
第4章…ホットプレートは自由の象徴!子どもも焼いて大人も遊べ
それは、ある意味、宴のピークである。
寿司と刺身でしっとりと始まり、突き出しとサラダで気分をほぐした空間に、突然、ジュウウウッという音が割り込む。
それが、ホットプレートの開幕の合図。
焼肉?
もちろん。
でもそれだけじゃもったいない。
私が仕込んだのは、**焼肉ゾーンとは別枠の、もうひとつの“遊べるプレート”**である。
とうもろこし、ちくわチーズ、焼きおにぎり、ウインナー、ベーコン巻き野菜…。
パパッと置くだけで、立派な「焼く楽しみ」が始まる。
子どもたちは、まるで夏祭りの屋台を発見したかのように目を輝かせる。
ひぃじぃじは静かに微笑みながら、昔話を添えて焼きおにぎりを見守る。
じぃじは、どさくさに紛れてビールを片手に“焼き係”をパパに譲渡。
ばぁばは孫と並んで、ちくわを裏返すタイミングに全集中。
そして、私は少し離れたキッチンからそれを見守りながら、「いいぞ、今が一番盛り上がってる」と確信する。
ここでは、誰もが参加者。
焼く、食べる、撮る、笑う。
大人も子どもも平等に火のそばに集まり、ただの料理が“イベント”になる。
しかもこの焼き場、香りも最高。
だけどちゃんと換気計算済み。
匂いが籠らない配置で、刺身の尊厳も守られている。
ここでも“風の読み”は忘れていない。
さすが、私。自画自賛。
「これなに?」「それ、とうもろこしチーズ。焦がすと美味しいよ!」
そんな会話が自然と生まれる。
焼く人の手元に集まる視線。
それに答えるように、お箸が伸びる。
不思議なもので、人は“誰かが頑張ってる”と感じると、自然と笑顔になるものだ。
そしてそこには、いつの間にか“ありがとう”の気持ちが生まれている。
宴って、食べることじゃない。
一緒に“楽しむ”ことがごちそうなんだなぁと、改めて思う🩷。
だから私は、メイン料理だけじゃなく、この「みんなで焼ける空間」こそが、本当のおもてなしだったと感じている。
もちろん、焼く合間に冷やしておいたデザートをそっと仕込んでおくのも忘れない。
遊びのようでいて、全体の流れはちゃんと読んでいる。
孫嫁、宴の指揮者。
しかも指揮棒の代わりに菜箸を持ってるあたりが、じわっとリアルで、なんかちょっと誇らしいのだ。
第5章…スイーツタイムは癒しと撮影タイムの二刀流である
宴のクライマックスは、派手な肉でもなく、おかわり連打の寿司でもなく──
実は、ひんやり冷えた甘味がすべてを優しく包み込む。
私は知っている。
大人たちは「もう食べられない」と言いつつも、スプーンを手にしたらなぜか食べちゃうってことを。
だから、私は用意した。
見た目でまず歓声が上がり、味で二度うなずかれるような、“冷たいごほうびたち”を。
テーブルに出されたのは、透明なグラスに彩りよく層になった寒天ゼリー。
ジュースで作った色とりどりのキューブの下には、クラッシュしたフルーツ寒天。
さらにその上に、炭酸の泡を閉じ込めたような金平糖をパラリと乗せた。
おいおい、これ、どこのカフェよ?ってくらい、きらっきらに仕上がった。
子どもたちは一目で「わあああっ」と叫び、大人たちはスマホを構える。
ここはもはや、デザートという名の撮影ステージ。
親戚の中の女子高生は「インスタにあげていい?」と聞いてきたが、私はにっこりして頷いた。
その反応、狙ってました。
ありがとう。
でも甘味はそれだけじゃない。
私は知っている。ばぁば世代はあまりカラフルすぎるものを食べないということを。
だから、和スイーツ部門もぬかりなく。
黒蜜かけのほうじ茶プリン、白玉ぜんざい、甘酒のグラニテ。
冷たくて、甘すぎず、どこか懐かしい味たち。
これがまた、しみるんだ。
ひぃじぃじが「これはいい」と言いながらおかわりした姿に、私はこっそりガッツポーズを決めた。
甘味の時間は、静かで穏やか。
でも、その中に、満足のため息と笑い声が詰まっている。
「甘いもので終われるって幸せよね〜」
ばぁばがそう言って、皿の底を見つめながらニコッと笑った。
あぁ、この時間のために、私はあの量の買い出しをし、冷蔵庫のスペースを捻出し、前日から地味に冷やし続けてきたのだ。
スイーツは、余力で作るものじゃない。
**“愛情のラストスパート”**として用意すべき、宴の締め括りなのである。
そして何より──
子どもがキラキラした目で「これ、とってもおいしい!🩷」って何度も言ってくれた時。
私は一瞬、あの頃の“おばちゃん”と目が合ったような気がした。
小さな私が感動して、何度もおかわりをねだった、あの宴。
あれは、ちゃんとバトンになって、今の私につながってたんだなって思った。
第6章…空間の魔法!生け花とアロマと音楽と…それとなく香る心地よい演出力
料理は確かに美味しくできた。
甘味も盛り上がった。
でも私は知っている。
最後に人の心に残るのは、“あの空間、なんかよかったね”という曖昧な印象なのだ。
料理の味は忘れても、心地よかったという記憶は、ふっと思い出せる。
だから私は、見えないところにこそ手をかけた。
玄関を開けた瞬間、目に入るのは一輪挿しのひまわり。
あえて豪華にはしない。
けれども、その場に“夏の訪れ”をそっと置いておく。
その一瞬の視覚的な涼しさが、「ここ、いい感じ」と思わせてくれる。
たぶん誰も言葉にはしない。
でも、ちゃんと感じてる。
リビングでは、空気清浄機がそよそよと風を流し、隅っこに小さなアロマディフューザーがひっそりと稼働している。
柚子とミントの香り。
強すぎず、でもふとした瞬間に感じるやさしい清涼感。
食べ物の匂いと喧嘩しないギリギリのライン。
…いやもう、これは芸術だと思ってほしい。
そして、音楽。
あまりに静かだと、会話の切れ目に緊張が走る。
でもうるさい音楽は邪魔。
だから私は、和ピアノのインストを小さく流した。
とくに曲名も覚えていないけど、「あ、なんか落ち着くね」って言ってもらえた。
それがすべて。
演出は、気づかれないくらいがちょうどいいのだ。
部屋の照明も微調整した。
明るすぎず、暗すぎず。
子どもが走り回っても危なくなくて、写真もキレイに撮れる程度の光。
ひぃじぃじの手元がちゃんと見えるように、椅子の角度も地味に整えた。
宴って、こういう**「気づかれない配慮の集合体」**なんだと思う。
私は、プロの旅館の女将でもなければ、カフェのオーナーでもない。
ただの、赤ちゃん抱えた孫嫁である。
でも、だからこそ思う。
「ちょっとでも心地よく過ごしてもらいたい」っていう気持ちは、立場も経験も関係なく、持てるものなんだって。
誰もが「快適だったね」と言ってくれたその裏に、私はこっそり、自分なりの“空間への愛情”を詰め込んでいた🩷。
それに気づかなくてもいい。でも、伝わっていたら嬉しい。
それが、私のもてなしのかたち──。
第7章…宴会は戦いではなくて心を溶かすおもてなしの連携プレー
宴が終わる頃。
それは、誰かが「そろそろ帰ろうか」と言い出す、あの微妙な空気の時間。
だけど、今年は違った。
誰も急いで帰らない。
「まだいてもいい?」なんて言葉が、そこここで聞こえる。
それが、最高のつぶやきだった。
子どもたちは、じぃじに遊んでもらってすっかりなついていた。
赤ちゃんはばぁばの腕の中で、すやすやと眠っていた。
いとこたちはホットプレートの残りをつまみながら、学生時代の話で大笑い。
ひぃじぃじはひとことも話していなかったように見えて、ちゃんと全部見ていたらしい。
「よく気が回るな。えらい嫁だ」と、ひとこと、ぽつり。
私、その瞬間、完全に心の中で泣いた。
誰にも見られないように台所に立ち、グラスを片付けながら、にやけが止まらなかった。
そして、旦那。
あの役に立たないと思われていた旦那が、最後に「これ、俺が洗っとくよ」と言った。
…まじで!?
と思ったけれど、ここはあえて何も言わず、静かにバトンタッチ。
やればできる子なのか、雰囲気に飲まれたのかは知らないけど、この数時間の中で、何かが育っていたのは確かだった。
そう。
宴は、ただのイベントじゃない。
誰かが主導して、誰かが支え、誰かが感動して、誰かが育つ、奇跡の空間だ。
私はひたすらに料理して、準備して、掃除して、走り回っていたようで、気がつけば、全員がちょっとずつ役割を担っていた。
パパは焼いた。
じぃじは子守。
ばぁばは取り分け。
子どもは盛り上げ係。
誰かひとりじゃなくて、**家族で作る“夏の宴”**がそこにはあった。
そして私は、孫嫁として──
料理長であり、旅館の女将であり、空間演出家であり、裏方であり、そしてひとりの母であった。
「たいへんだったね」と言われれば、「ううん、楽しかったよ」と、心から言える。
疲れがあるかって? もちろんある。
でもそれをぜんぶ上回る、とろけるような満足感が、胸の奥に静かに灯っていた。
帰っていく親戚たちの背中に、私は静かに手を振る。
玄関のひまわりは、まだ少し元気そうだ。
冷蔵庫には余った寒天ゼリーがひとつ。
明日、自分にご褒美で食べよう。
今日という日を、もう一度思い出しながら。
…そして来年、またこの戦いに挑むのだ🩷。
私はきっと、また計画を練って、風の通り道を設計して、甘味を冷やして、あの「これ、とってもおいしい!」をもらうために、張り切るのだ。
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まとめ…風と胃袋を制する者は宴会を制す
お盆は、ただの年中行事じゃない。
昔は子どもとして、ただただごちそうを喜びながら楽しんでいたこの時間も、気がつけば今は、自分が“用意する側”に回っている。
でも思う。
あの時のおばちゃんが、あんなに嬉しそうに微笑んでいた理由が、いまやっと、わかった気がする。
部屋の風の流れを読み、焼肉と刺身の香りのバランスを計算し、寿司に酢だち、サラダに5種のドレッシング、小鉢に涼しげな夏の味。
食べる人の年齢、好み、体調に合わせて、焼き場の参加者を笑顔に変えていく。
そして、締めのデザートには小さな感動を詰めこみ、ふわっと香るアロマと、生けた花と、優しい音楽とで、そこにいるすべての人の心を、少しでも軽くできるように願う。
誰かの「ありがとう」のひとことが、「また来たいね」の一言が、まるでご先祖さまの“おかえり”のように、そっと心に届く。
孫嫁は、ただの料理人でも、ただの家事要員でもない。
家族の記憶に残る空間をつくり、食卓を編み、次の世代に“楽しかったお盆”という印象を手渡す、舞台の演出家なのだ。
終わってみれば、疲れた身体よりも先に、「うまくいったなぁ」という静かな達成感が残る。
宴のあと、誰もいなくなった部屋で、ひとり飲む麦茶がなぜか格別に美味しい。
それはきっと、自分自身が最もとろけるように満たされているからなんだと思う。
また来年、あの“夏の陣”がやってくる。
その日まで、今年の幸せな記憶を胸に、私は次の戦略を、少しずつ練っていこう。
ひまわりが咲く頃、またみんなの笑顔と再会できるように──🩷。
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