11月17日は将棋の日!駒たちの遊びで分かる日本の歴史

目次
はじめに…置いて動かすだけなのになぜこんなにワクワクするの?
11月17日は将棋の日。昔から高齢者施設やデイサービスでも人気のある遊びですよね。真剣な対局者の顔が素晴らしい。今回の記念日は、むかしむかし、江戸のお殿さま・八代将軍の徳川吉宗が楽しんだお城での対局にちなむ日ですが、今日はその話をさらっと横目に、盤の上で繰り広げられる将棋の“遊びの正体”をそっと覗きます。
将棋は、四角い盤と小さな駒だけで楽しめるのに、知れば知るほど、なぜか胸がどきどきします。前に地道に進む歩兵、飛び越しが得意な桂馬、まっすぐ長く走る飛車。どれも性格が違う駒たちです。そして日本の将棋ならではのルールがひとつある。相手から取った駒を、自分の味方として使えること。これがあるから、あきらめそうな場面でも一気に形勢が変わります。子どもも大人も、気づけば前のめり。
この先では、将棋が世界の遊びから、どうやって日本流になっていったのか、取った駒が味方になる仕組みの面白さ、駒がパワーアップする“成る”のドキドキ、そして現代の舞台で活やくするプロやAIまで、ぐっと深めて考察していきます。難しい専門用語はできるだけ置いていきますので、肩の力をぬいて読み進めてください。
さあ、今日は記念日。お茶を一杯用意したら、まずは頭の中で一手。盤の上の小さな旅に出かけてみましょう🩷。
[広告]第1章…ルーツはインド発で世界を巡って日本で“持ち駒”に出会う
将棋のルーツを辿ると起源は遥かインドと言われている。砂の香りただよう古い都で、兵隊や戦車や象をモデルにした「遊び」が生まれました。名前はチャトランガ。駒それぞれに個性があり、前へ進む者、斜めに動く者、遠くまで走る者――今の将棋にも通じる“役割分担”の芽がすでに見えています。
チャトランガは世界に向けて旅に出ます。ペルシャで磨かれ、中国でシャンチーとなり、西のほうではチェスへと姿を整え、東の果て日本にもたどり着きました。日本に来たばかりの頃は、今より駒が少なかったり、取り上げた駒をそのまま使えなかったりと、ルールは素朴。けれども人々は工夫が大好きで、遊ぶたびに「もっと面白くなる方法」を考え続けて発展しました。
やがて日本で決定的な閃きが生まれます。とった駒を自分の味方として盤に打てる――いわゆる“持ち駒”です。負けそうでもチャンスが巡ってくる、形勢がぐにゃりと変わる、油断していた王将が急に震え上がるほど寒い局面に立たされる。小さな木の駒に“再就職”の舞台を用意したこのアイデアは、日本ならではの大逆転エンジンになりました。
大きな盤に駒がたくさん並ぶ大将棋の時代もあれば、遊びやすく整理していく時代もありました。試行錯誤の過程を経て、いま私たちが親しむ将棋の形が整っていきます。旅の出発点は同じでも、日本に着いてからの伸び方がとてもユニークだった――それが将棋の魅力の根っこです🩷。
次の章では、この“持ち駒”という大発見が、なぜ心をつかんで離さないのかを、もう少し近くで覗いてみます。
第2章…“持ち駒”という大発見で取ったら使える発想が熱い
相手から取った駒を自分の味方として盤に戻せる――この仕組みだけで、将棋はぐっとドラマチックになります。たとえば終盤で自陣がスカスカになっても、さっき拾った金や銀をスッと壁づくりに“打つ”。逆に攻める側なら、歩を1枚ポンと前線に置いて道をひらき、次の手で“と金”に育てる。9×9の盤は同じでも、手の内にある小さな木の駒が、まるで秘密兵器みたいに景色を塗り替えていきます。
しかも“打つ”場所を自由に選べるのがスリリングな決め手。王将の逃げ道を塞ぐのか、要の地点を守るのか、はたまた一気に寄せるのか。1手ごとに「守るか、攻めるか、両方いくか」の判断が迫られます。ここで効いてくるのが駒の個性。桂馬はぴょんと飛び越えて奇襲、飛や角は遠くからズドンと射程管理、金将や銀将は近距離でねばり強く組体操みたいに守る。手の内の組み合わせと配置だけで、盤上の空気がガラリと変わります。
もちろん約束ごともあります。たとえば同じ筋に歩兵が2枚になる“二歩”はだめ。歩兵をいきなり相手玉の頭に打ちつけて即座に行き止まりにする“打ち歩詰め”もだめ。やってみると強すぎて、ゲームが急に味気なくなるからです。フェアに楽しむためのブレーキがあるおかげで、持ち駒の妙味――「ここで歩兵か、いや銀将か、いやいや桂馬で一気に!」――がいっそう光ります。
取った駒が“再登場”することで、形勢は何度でもひっくり返ります。受けに回っていたはずが、1枚の銀将で急に反撃の扉が開くことも…。寄せ切れそうだったのに、相手の金将打ち1発で急停止。負けたらくやしい、けど面白い。>持ち駒は最後の1手まで希望を消さないエンジンです>。
そして面白いのは、強い人ほど“打つ”位置がシビアだということ。同じ金将でも、1マスずれると価値がまるで別物。詰むか、耐えるか、新たな道ができるか。小さな木片が、置く場所ひとつで王将の生死を一手で左右するかも――この緊張感こそ、日本の将棋が胸を熱くする理由のひとつなのです🩷。
第3章…成るってなに?駒の“転職”ガイド
将棋の“成る”は、駒の転職です。ある条件を満たすと仕事の幅がぐんと広がり、盤面での役割が一気にパワーアップします。舞台は相手の陣地――盤の向こう側の奥から数えて3段分。このエリアを行き来する一手で、成るか成らないかを選べるのが基本です(移動の出発点が敵陣でも、到着点が敵陣でも、その間を動くのでもOK)。
誰がどう変わるのかをやさしく整理すると、歩兵は“ト金”になって粘り強い働き者に、香車は“成香”で足もとが安定、桂馬は“成桂”で跳ね回る一発屋から落ち着き担当へ、銀将は“成銀”で攻めも受けもこなす万能派に。角行は“龍馬(りゅうめ・りゅうま)”となって斜めに遠射しつつ周囲1マスもケア、飛車は“龍王(りゅうおう)”となって縦横の大砲に近距離の器用さが加わります。金将と王将(玉将)は頼れる正社員なので、そもそも成りません。
成るかどうかは基本はプレイヤーの自由ですが、例外として“次の手にまったく動けなくなる進み方”は成ることが義務になります。歩兵や香車が最奥へ突っ込む手、桂馬が最奥やその手前へ跳ぶ手がそれに当たります。無理やり行って立ち往生――はさすがにNG、という優しいルールです。
もうひとつ覚えておきたいのは、手持ちから盤に“打った”ばかりの駒は、その瞬間には成れない。現場に出て1回は働いてから昇進、というイメージです。だからこそ、どこに打って次でどう動くか、2手3手先の設計がぐっと大事になります。
では、いつ成るのが気持ちいい一手なのか?歩兵は敵陣で“ト金”にして前線をじわじわ押し上げるのが快感ポイント。銀将はそのままだとスパッと切れ味のある突入が得意、成ると守りや寄せでの安定感が増します。角行と飛車は成ると近距離の小回りがつくので、終盤での寄せが強烈になる。状況に合わせて“今の即戦力か、もう1手待つか”を考える時間が、実はたまらなく楽しい。
小さな木の駒に、新しい肩書きが刻まれる瞬間。成るか成らないかの分かれ道で、盤の風向きがフッと変わります。次の一手で迷ったら、敵陣の3段をチラリと見てみてください。そこには、あなたの駒が輝くチャンスがたくさん眠っているのです🩷。
第4章…江戸の将軍も夢中――“お城将棋”から今日のイベントへ
さて舞台は江戸、静まり返った広間に将棋盤が据えられて、ぴんと張りつめた空気の中で駒音がコトリ。徳川吉宗の前で一局を披露する“御前対局”――いわゆる“お城将棋”は、年に1度の晴れ舞台でした。うっかり“二歩”でもしようものなら、扇子の音より先に心拍数が跳ね上がる緊張感。家元三家が威信をかけ、見守る家臣が固唾をのむ。勝ち負け以上に、指し手の切れ味や所作の美しさまでが問われる場所だったのです。
そんな由来を受けて、11月17日は「将棋の日」。日本将棋連盟が1975年に定めてから、毎年この時期になると全国あちこちで将棋盤が主役になります。プロ棋士・女流棋士が各地に出向いて、指導対局で一枚一枚の手厚さを伝え、公開対局では“ここで歩兵か、いや金将か”といった攻防に会場がどよめく。会場によっては“次の一手”に挑戦できたり、駒づくりの職人技に触れられたりと、見て、学んで、指して、胸が高鳴る企画が全国のあちこちでぎゅっと詰まります。
東京・将棋会館のある千駄ヶ谷、関西将棋会館のある大阪でもイベントが開かれることがあり、はじめての人でも参加しやすい雰囲気が魅力です。駒を前にすると年齢も肩書も関係なし。小学生の読みの深さに大人がうなり、ベテランの受けの粘りに子どもが目を丸くする。盤を挟めば、知らない者同士でも自然と会話が生まれる――これぞ将棋の社交力。
“観る”楽しみも欠かせません。会場の大型スクリーンやネット中継で、プロの一手が映し出されると、たった1マスの違いにため息が漏れます。終盤、歩を1枚打って道を作るか、銀で厚みを足すか。解説のひと言で盤上の霧が晴れた瞬間、会場の温度がふっと上がる。駒音、扇子の音、観客のさざめき――江戸の広間で育まれた“観る作法”が、現代の会場にも息づいているのを感じます。
そして11月17日を機に、地域の公民館や商工会議所、商店街の特設コーナー、図書館の一角でもミニイベントが開かれることがあります。手ぶらで参加できるところが多く、必要でも9×9の盤と駒だけ。おやつと飲み物を用意して、身近な人と一局。江戸の広間ほど畏まらなくても、駒音はちゃんと心地よく響きます。近年では本格的に持ち時間を決めて、チン~と会場のあちこちで鳴る楽しさもあります🩷。
次の章では、こうした舞台で輝くプロの世界をもう少し近くから。タイトル戦の見どころや“観るコツ”を、肩ひじ張らずに味わっていきましょう。
第5章…プロの舞台とタイトル戦など観る楽しみの作法とは?
プロの世界に足を踏み入れると、将棋盤の上にもうひとつの舞台が見えてきます。対局室は静かで、駒音がコトンと響くたびに空気が揺れる雰囲気。序盤は挨拶のように穏やか、ところが中盤に差しかかると、桂馬がぴょん、角行がすっと斜めに伸び、飛車が一直線に通る道を探しはじめます。観る側の心拍はジェットコースター並みに乱高下。たった1手で景色が変わる、観戦では、その瞬間を待つのがたまらない時間なのです。
タイトル戦は“シリーズ”で行われる大舞台。名人や竜王をはじめ、王位・王座・棋王・王将・棋聖・叡王など、名前だけで胸が高鳴るタイトル戦の顔ぶれが並びます。対局によっては和室の畳に座しての勝負、洋室での机と椅子のスタイル、足の痺れそうなほど厳かな由緒ある旅館での開催もあり、掛け軸や花、硯の黒が盤の木目をいっそう際立たせます。途中で一旦、手を封じて翌日に続く“封じ手”のドキドキ、対局後に両者が並んで振り返る“感想戦”の丁寧さ――どれもプロの所作そのものですよね。
初めて観るときのコツは、難しい手筋を全部わかろうとしないこと。まずは“方針”を眺めます。端を押し広げたいのか、中央を厚くしたいのか、飛や角の通り道を通すのか。駒台の上にある“持ち駒”が増えたり減ったりするたびに、盤の地図が塗り替わっていくので、そこだけ追いかけても十分おいしい見どころ。終盤は特に、金1枚の打ち場所が1マス違うだけで勝敗がひっくり返るので、画面に顔が近づいてしまうはずです。
観る楽しみには“音”も大切。駒が盤に吸い込まれる音、扇子で風を送る音、書き手の筆が走る音。静けさの中に小さなリズムが刻まれて、こちらの呼吸まで整っていきます。名人の勝負飯の話題が出れば、脳内で湯気が立ちのぼり食べたくなる、午後の一手がいっそう甘辛く感じられる。将棋は五感で味わう競技なんだな、としみじみ実感できる瞬間です。
そして、推しの棋士をひとり決めてみるのもおすすめ。序盤の好み、終盤の寄せの速さ、インタビューでにじむ人柄。結果だけでなく、その人の“道筋”を追うと、同じ戦型でも毎回ちがう表情が見えてきます。気づけばあなたの中に“応援の定跡”ができあがり、次の開幕が待ちきれなくなるでしょう。
さあ、プロの舞台はいつでも観る人を歓迎しています。湯のみを用意して深呼吸、画面でも会場でも、コトンという駒音に耳を澄ませば準備は完了です🩷。さて記事も次のページをめくるように、次の一手を見届けにいきましょう。
第6章…AIと人間の読み合いで定跡が広がった先にあるもの
将棋盤の上にもう1つ、冷静な助っ人が加わることがあります。名前はAI。眠らず、迷わず、何通りもの手順を一気に洗い出してくれる頼もしいツールです。おかげで序盤の形はぐっと広がり、昔は「ちょっと無理かな」と言われていたゲーム進行が、実は十分戦える――なんて発見が次々と生まれ成長してきました。9×9の世界は安定して変わらない豊かさですが、AIの交戦も見えている地図に一筆が加わった新鮮味がある感じです。
もちろん、人には変わらない魅力である“ひらめき”や“大局観”があります。AIが示す無数の道から「これが自分の手だ」と選び、筋を通して形にするのは人の仕事。終盤で一気に寄せるスピード感、相手の嫌がるポイントを的確に突く嗅覚、時間配分の妙――ここは人の強みがきらりと光ります。
観る側にとってもうれしい変化がありました。検討画面の“評価値”に助けられて、どこで形勢が揺れたのかがつかみやすくなったこと。とはいえ数字だけを追うと、肝心の“手の意味”がスルリと逃げてしまいます。おすすめは、まず方針を言葉にしてから評価値を見ること。「端を広げたいのか」「飛と角の通り道を通したいのか」「受けを厚くしてから反撃するのか」。自分の仮説とAIの提案を見比べると、学びがぐっと腹落ちします。
序盤は研究が深まり、中盤は形のバリエーションが増え、終盤は読みの精度が上がりました。結果として、プロの将棋はさらにスリリングに。少し前なら見なかった“新手”がぽんと現れ、会場がどよめく場面もしばしば。人とAIが競うのではなく、肩を並べて盤上の景色を広げている――そんな時代に私たちは立ち会っているわけです。
家での楽しみ方も進化しました。気になる局面を一時停止して、自分ならどこに“打つ”かを考える。答え合わせにAIを使い、違っていても「なぜそう読んだか」をメモしておく。次に似た形が出てきたとき、前より落ち着いて景色が見えるようになります。将棋は昨日の自分との勝負でもある――そう思うと、一局ごとに成長の手ごたえが残ります。
人の直感とAIの計算がまじわる場所には、いつも新しい風が吹いています。難しく感じたら、まずは一手。自分の目で方針を決め、あとから静かに検討をのぞく。そんなリズムで向き合えば、盤の上の世界はもっと優しく、そして深く広がっていきます。
と、少し固かったですかね…。美味しいお菓子とお茶を手元に…録画で振り返りながら楽しむと快適空間で楽しめるというのもオツです🩷。
[広告]まとめ…まずは一手を指してみよう!家でも街でも盛り上がれ
11月17日の「将棋の日」は、江戸の“お城将棋”にルーツをもつ晴れ舞台。ここまで歩いてきた過程は、インド発の遊びが海をわたり、日本で“持ち駒”と“成る”という飛び道具…いえ、胸熱な仕組みに出会って花開いた歴史でした。9×9の小さな世界で、歩兵も桂馬も角行も飛車も、それぞれの個性をピカッと光らせる――その積み重ねが、いまの将棋の面白さです。
家での楽しみ方はとてもシンプル。盤と駒を用意して、まずは歩を1枚前に。取った駒を味方に“打つ”だけで景色が一変し、敵陣の3段を意識すれば“成る”チャンスがどんどん見えてきます。最初は読み切れなくて当然。金を1マスずらすだけでも息を吹き返すこともあるから、あきらめる前にもう1手を打つ。
観る側のワクワクは、プロの舞台でさらに加速しています。対局室に響くコトンという駒音、封じ手のドキドキ、感想戦でほどける糸。画面越しでも会場でも、方針だけつかめば十分に味わえます。もし迷ったら、飛車と角行の通り道、持ち駒の出し入れ、王将の逃げ道――この3つをチラ見するだけで、終盤の汗ばむ攻防の明暗がクッキリしてきます。
そして現代の相棒、AIもうまく頼れば心強い先生です。自分なりの答えを出してから、あとで静かに検討をのぞく――この順番を守ると、昨日より今日の自分がちょっとだけ強くなります。NHKの放送や各地のイベント、東京・将棋会館や関西将棋会館の催しも、きっかけづくりにぴったりです。
小さな盤の上で、今日の一手が明日の一歩。11月17日を合図に、湯のみを片手に深呼吸。歩兵をそっと前へ、桂馬をぴょん、金将でふわっと受ける。あなたの指先から、いい音がしますように。そして高齢者施設やデイサービスでも、この奥深さを楽しめる機会が増えると良いですね🩷。
⭐ 今日も閲覧ありがとうございましたm(__)m 💖
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