おうちハロウィンは片付けまで遊び!~子どもと笑う家族の夜~
はじめに…大人だけが忙しいハロウィンを卒業しよう
10月の夕方、家の中にオレンジ色の飾りが増えてくると、子どもは朝からどこか落ち着きません。「今日、お菓子ある?」「仮装いつする?」と確認は早いのに、自分の靴はどこへ置いたか分からない。イベントの日の子どもとは、なかなか自由な生き物です。
一方の大人は、ご飯を作って、お菓子を用意して、飾りを整えて、写真も撮って、散らかった部屋まで片付けることになりがちです。準備万端にしたはずなのに、気づけば自分だけ台所とリビングを往復している。これではハロウィンというより、秋の家事強化週間になってしまいます。
そこで、食べることも、お菓子を探すことも、最後に片付けることも、全部ひと続きの遊びにしてしまいましょう。子どもには小さな役目を渡し、大人も途中でちゃんと座る。少しくらい予定がズレても、笑い声が増えたなら十分です。
家族のハロウィンは、完璧に飾る日ではなく、みんなで動いて笑える日にすると楽しくなります。
ご飯から始まって、お菓子の冒険へ進み、散らかった部屋まで遊びながら戻していく。そんな流れなら、和気藹々とした空気のまま夜を締め括れます。翌朝、床に謎の紙くずが1枚残っていたら……それくらいは、お化けの置き土産ということにしておきましょう。
[広告]第1章…ご飯は豪華さより一緒に座れること~食卓から始まる家族イベント~
ハロウィンの食卓というと、かぼちゃ料理にお化けの飾り、黒やオレンジのおかずまで並べたくなります。折角の夜ですから、見た瞬間に「わあ!」と声が出る料理は嬉しいものです。ただ、品数を増やすほど、大人は台所と食卓を往復することになります。子どもが「見て、マント!」と振り向いた頃には、お母さんやお父さんがスープのお玉を握って背中しか見せていない……では、少しもったいありません。
そこで役立つのが、最初から1人分をまとめたワンプレートです。ご飯、主菜、野菜を1つのお皿に載せれば、取り分ける回数が減り、家族みんなが同じ頃に席へ着きやすくなります。かぼちゃ色のコロッケ、星形のにんじん、海苔で作った小さなお化けなど、普段のおかずに少し遊びを足すだけでも雰囲気は十分。料理そのものを別世界の献立にする必要はありません。
味付けも、子どもが食べやすい優しい味を土台にして、大人は食卓で少し調整するくらいが気楽です。辛味や香りのある調味料を別にしておけば、同じ料理を囲みながら好みに合わせられます。苦手な野菜がある子には、似た色や形の別の食材へ臨機応変に交代してもらいましょう。「今日は特別な日だから全部食べなさい」と急に食育大会を開くより、楽しく食べられる方がハロウィンらしい夜になります。
そして、秋の夕方には温かいスープがよく似合います。かぼちゃのポタージュでも、野菜たっぷりのスープでも構いません。湯気の立つカップが食卓に届くと、遊び回っていた子どもも「いただきます」の場所へ戻ってきます。熱過ぎない温度と、両手で持ちやすい器にしておけば、食べる側にも配る側にも安心です。
ご馳走の本当の役目は、料理を立派に見せることではなく、家族を同じ食卓へ集めることです。
一家団欒の時間は、豪華な料理の数では決まりません。大人もちゃんと椅子に座り、子どもの仮装を見て笑い、「これ、お化けに見える?」なんて話しながら同じものを食べる。少しくらい海苔のお化けが傾いていても大丈夫です。むしろ、その妙に困った顔のお化けが家族の人気者になるかもしれません。
食卓から始まった楽しい空気が、この後のお菓子探しへ続いていきます。お腹を満たすだけで終わらないご飯にすると、ハロウィンの夜そのものが1つの物語になっていきます。
第2章…お菓子は配るより探して楽しい~家中を小さな冒険に変えよう
ご飯を食べ終えた子どもが、ソワソワし始めました。視線はテーブルではなく、何故か戸棚やカーテンの向こうへ。「お菓子は?」と聞かれる前に、その期待そのものを遊びに変えてしまいましょう。ハロウィンのおやつは、手渡すだけでも嬉しいものですが、少し探す時間を挟むと家の中が小さな冒険の舞台になります。
隠す場所は、子どもが安全に届くところだけで十分です。棚の端、クッションの傍、カーテンの手前などに目印を置き、「かぼちゃの近く」「丸い物の下」のようなヒントを用意します。行ってはいけない場所には別の印を付けておけば、自由奔放な探検隊にも境界線が伝わります。夢中になると、何故か普段は開けない引き出しまで急に調査対象になるんですよね。そこは名探偵にならなくて大丈夫です。
お菓子は個包装のものを中心にして、最初から用意した量が分かるようにしておくと安心です。たくさん見つけた子が全部もらう仕組みにすると、後半は宝探しより争奪戦になりかねません。見つけた印をカードへ付け、一定のところまで進んだら最後に同じくらいのおやつと交換する形なら、足の速い子も慎重な子も一緒に楽しめます。年齢の違う兄弟なら、上の子を案内役にしても面白いでしょう。年下の子を手伝う役目が加わると、意気揚々と先頭を走っていた子が、少し頼もしいお兄さんやお姉さんの顔になります。
食物アレルギーや丸呑みへの注意も忘れたくありません。初めて食べるものは原材料を確認し、小さな子には硬いものや丸いものを避けるなど、年齢に合わせて選びます。アレルギー(特定の食べ物などに免疫が過敏に反応すること)がある場合は、袋や箱を残しておくと確認しやすくなります。遊びに夢中になるほど喉も渇くので、水や麦茶をすぐ飲める場所に置いておくと、冒険の途中で一息つけます。
お菓子の数より、「どこだろう?」と家族で笑いながら探した時間の方が、長く思い出に残ります。
百発百中でヒントが伝わらなくても構いません。「丸いものの近く」と書いたら、鏡ではなく炊飯器へ一直線。なるほど、それも丸い。大人が想像した答えと子どもの答えがズレる瞬間まで含めて、宝探しは面白くなります。
そして最後のお菓子を見つけたら、冒険はまだ終わりではありません。空になった袋やカード、動かしたクッションが部屋に残っています。そこで「後片付けしてください」と現実へ引き戻すより、次の任務が始まったことにしてしまいましょう。楽しい勢いをそのまま使えば、散らかった部屋まで次の遊び場に変わっていきます。
[広告]第3章…散らかったらゲーム後半戦~片付けまで遊べば笑顔で終われる
お菓子探しが終わると、部屋には楽しかった証拠が残ります。テーブルには包み紙、床には小さな飾り、ソファのクッションはいつの間にか別の場所へ移動中。「さあ、片付けて」と言った瞬間、さっきまで元気だった探検隊が急に聞こえないフリを始める……これも家族イベントではよくある光景です。
そんな時は、遊びを終了させてから片付けるのではなく、片付けそのものをハロウィンの最終ステージにしてしまいます。「散らかった物を元の場所へ戻せたら任務完了」と決め、エプロンや三角巾を身に着ければ、気分は小さな片付け隊。お菓子探しで使ったカードがあるなら、そのまま任務カードとして使っても楽しいでしょう。遊びの勢いを切らずに次の行動へ繋げると、子どもにとって「やらされる家事」だったものが「続きをやりたい遊び」に近づきます。
時間も長く取り過ぎません。キッチンタイマーを10分ほどにして、テーブル周りや床、玄関など、動く範囲を少しずつ決めます。短い時間なら集中しやすく、「まだこんなに残っている」という疲れも感じにくくなります。入口から部屋をグルリと回るように進めば、同じ場所を何度も往復することも減ります。家族で一致団結して動けば、散らかった部屋が少しずつ戻っていく様子そのものが、小さな達成感になります。
子どもには、年齢に合った仕事を渡します。包装紙を集める、クッションを戻す、落ちている物を見つけて大人へ知らせる。それだけでも立派な参加です。濡れた場所を拭いたり、洗剤やスプレーを使ったりする作業は大人が担当すれば、安全を守りながら役割分担できます。「誰がたくさんやったか」を競うより、「みんなで部屋を戻せた」をゴールにした方が、兄弟姉妹がいても平和です。折角、ハロウィンなのに、最後の敵が兄弟喧嘩では困りますからね。
少し遊び心を足すなら、散らかった物に名前を付けても面白くなります。テーブルの紙くずは「紙おばけ」、倒れたクッションは「昼寝モンスター」、床に転がった飾りは「迷子かぼちゃ」。名前が付くだけで、拾う動作にも物語が生まれます。大人にはただの紙くずでも、子どもの想像力にかかれば立派な討伐対象です。創意工夫と片付けが同時に進むなら、なかなかの一石二鳥でしょう。
片付けは楽しい時間を終わらせる仕事ではなく、楽しい時間を気持ち良く完成させる最後の遊びです。
「立つ鳥跡を濁さず」と言いますが、家族のハロウィンなら、笑い声まで消してしまう必要はありません。床は綺麗に、思い出はそのまま残しておけば十分です。最後にみんなで部屋を眺めて「任務完了!」と言えたなら、大人だけが黙々と片付ける夜より、ずっと気持ちよく終われます。
しかも、綺麗になった部屋には次の楽しみが待っています。飾りが整い、余計な物が減った場所は、そのまま家族写真の舞台になります。片付け隊の仕事が終わったら、今度はその達成感ごと写真に残してみましょう。
第4章…決めポーズより途中を撮ろう~笑い声まで残るハロウィン写真~
部屋が綺麗になったら、ハロウィンもいよいよ終盤です。折角、仮装したのだから、最後に家族写真を1枚……となるのですが、「はい、笑って」と声をかけた途端、それまで無我夢中で遊んでいた子どもの顔が急にカチッと固まることがあります。さっきまであんなに笑っていたのに、カメラを向けた瞬間だけ証明写真のような表情。写真とは、なかなか思い通りにならないものです。
そこで狙いたいのが、全員を綺麗に並ばせた完成形より、何かをしている途中の瞬間です。マントを翻して走り出すところ、お菓子の袋を覗いて驚いたところ、落ちそうになった帽子を押さえて笑ったところ。そんな動きの途中には、その日の空気まで入り込みます。喜色満面の笑顔だけでなく、真剣にお菓子を選んでいる横顔や、家族同士で顔を見合わせた瞬間も、後から見ると妙に愛おしい1枚になります。
撮る場所も、家中を飾り付ける必要はありません。窓辺や白い壁の前など、背景がスッキリした一角を選び、かぼちゃ色の布や紙飾りを少し置くだけでも十分です。昼間ならカーテン越しの柔らかな光を使い、夕方なら照明を壁へ向けて反射させると、顔にきつい影が出にくくなります。瞳にキャッチライト(瞳に映り込む小さな光)が入ると、表情にも生き生きとした印象が加わります。
仮装も写真のために我慢大会へ変える必要はありません。普段着にマントや帽子を1つ足すくらいなら、食べたり遊んだり片付けたりする時にも動きやすくなります。丈の長い衣装や顔を覆う物は、転びやすさや息苦しさにも気を配りたいところです。子どもが途中で「もう脱ぐ」と言ったなら、それも立派なハロウィンの1場面。「せめて写真だけ!」と追いかけた結果、親だけ汗だくになっている写真が残るのも、それはそれで数年後には笑い話でしょう。
綺麗に並んだ1枚より、その家族らしさが動いている1枚の方が、その日の記憶を連れて帰ってきてくれます。
撮った写真は、その夜に家族で少し眺めてみるのも楽しみです。「これ変な顔!」「この時、お菓子落としたよね」と話し始めれば、イベントはもう少しだけ続きます。気に入った1枚を印刷して日付を書いたり、家族だけで見られるアルバムへ残したりすれば、翌年には前年の写真そのものが飾りになります。顔の分かる写真を外へ出す時は、写り込んだ人や場所にも気を配り、家族の中で公開範囲を決めておくと安心です。写真は撮った瞬間だけのものではなく、その後どう残すかまで含めて家族の思い出になります。
そして写真の中に、少し曲がった帽子や食べかけのお菓子、片付けを終えて得意そうな顔が写っていたなら、それで十分です。数年後に見返した時、「ちゃんと撮れたね」より「あの日、楽しかったね」と言える1枚こそ、ハロウィンの夜から持ち帰りたい宝物なのだと思います。
[広告]まとめ…楽しい夜は「終わり方」で完成する~また来年に繋がる家族時間~
ハロウィンを楽しくしようとすると、つい料理を豪華にしたり、飾りを増やしたり、仮装を完璧にしたりしたくなります。でも、家族の思い出として残りやすいのは、完成した飾りそのものより、その周りで誰が何をして笑っていたかなのでしょう。ご飯を一緒に食べ、お菓子を探し、散らかった物を一緒に戻し、その途中を写真に残す。そんな家族団欒の流れがあれば、小さなおうちハロウィンでも十分に賑やかな夜になります。
大人が全部を準備して、子どもは楽しむだけ。それも1つの形ですが、折角なら子どもにも少し出番を渡してみたいところです。スープを運ぶ、お菓子を探す、包装紙を拾う、写真の飾りを選ぶ。出来ることを少しずつ任せると、「やってもらった行事」から「自分も作った行事」へ変わります。
そして大人にも、ちゃんと楽しむ権利があります。料理を運び続けて、散らかった部屋を片付け続け、最後に写真係まで担当して終了……では、翌年の10月が近づいた頃に「今年は普通の夕飯で良くない?」となっても不思議ではありません。家族みんなで動けば、準備も後始末も軽くなり、大人も食卓で笑える時間が増えていきます。
楽しい行事は、誰か1人が頑張って作るものではなく、家族みんなが少しずつ参加して育てるものです。
予定通りに進まなくても大丈夫です。お菓子が予定より早く発見されても、海苔のお化けが妙な顔になっても、写真で1人だけ目を閉じていても、それは失敗ではありません。むしろ数年後、「この時、凄い顔してる!」と笑える材料が増えたと思えば、笑門来福。少々の予定外まで思い出の中へ入れてしまいましょう。
夜が終わる頃、部屋がそこそこ片付き、「楽しかったね」のひと言が聞こえたなら大成功です。完璧なハロウィンを毎年再現する必要はありません。今年は宝探し、来年は料理、その次は仮装と、家族の年齢に合わせて遊び方も変わっていきます。その変化まで含めて、季節の行事は暮らしのアルバムになっていくのだと思います。
最後に残したいのは、豪華だったという記録より、「また来年もやろう」という気持ちです。かぼちゃの飾りを箱へ戻したら、今年のハロウィンはおしまい。でも家族で笑った時間は、箱には入りません。来年の10月、飾りを取り出した瞬間に「あの時さぁ」と誰かが話し始めたなら、今年の夜はちゃんと未来まで続いています。
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