秋の校庭が一番眩しくなる日~家族で味わう運動会の支度と楽しみ方~

[ 秋が旬の記事 ]

はじめに…短時間開催でも行事らしさを残すコツ

秋の空気が少しひんやりしてきた頃、校庭から元気な掛け声が聞こえると「ああ、今年もこの季節が来たな」とホッとしますよね。ここ数年で多くの学校が、午前中だけで終わるコンパクトな運動会に形を変えました。時間は短く、観覧できる人数も限られることがある。それでも子どもたちは、その日のために体操服を準備して、家でダンスを見せてくれて、本番を待っています。つまり「子どもにとっては、今でもちゃんと大きな行事」のままなのです。

ただ、親の方は少し事情が違います。半日で帰ってくるからお昼はいらないかな、イスも最小限でいいかな、撮影もスマホだけでいいかな……と、どうしても段取りを減らしたくなりますよね。朝はバタバタしますし、終わったらすぐに家事もある。無理もありません。でもそこで全部を削ぎ落としてしまうと、「行ってきた」だけで終わってしまって、後で写真を見返した時にちょっと物足りなくなるんです。

そこで今回の記事では、「午前で終わるなら、その前に出来る工夫を少しだけ足す」という考え方でまとめていきます。例えば、帰宅してすぐ食べられるように朝のうちに小さめの1人分を仕込んでおくこと。気温差に負けない観戦スタイルを用意しておくこと。撮る位置や応援の仕方を決めておくこと。どれも大がかりなことではありませんが、やっておくとその日の満足度と、家族の「運動会っていいね」がグッと上がります。

せっかく学校が開いてくれた1日です。親も「見に行くだけ」から一歩進んで「この行事を家族の思い出に仕立てる側」に回ってみましょう。次の章から、今時の運動会の流れに合わせた準備と当日の過ごし方をお話ししていきます。

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第1章…午前で終わる運動会の今時事情を親目線で整理する

ここ最近の運動会は、昔のように朝から夕方まで種目ギッシリ、というよりも、午前中でサッと終わるコンパクト型が主流になってきました。学校側としては、子どもの集中力が持ちやすい時間帯に種目をまとめたいこと、先生方の準備や後片付けの負担を軽くしたいこと、地域行事や部活動と予定がぶつからないようにしたいことなど、いろいろな事情が重なっています。親としては「え、もう終わり?」というくらいアッサリして感じることもありますが、学校にとっては「必要なところはきちんと見せる」「安全第一で進行する」という、今の時代に合わせた形なのだと考えると受け止めやすくなります。

このスタイルの一番の特徴は、子どもがメインの種目だけに力を集中できるところです。かけっこやリレー、表現ダンスのような「見てもらいたいもの」だけを並べるので、どの学年の子にとっても主役感が出やすくなります。昔のように長時間待って、やっと自分の出番、ということが少ないので、子どもにとっても達成感を持って帰りやすいのです。つまり、時間は短くても「行事としての重み」はそんなに薄れていません。むしろ親が見に来る前提で構成されていることも多いので、家族としてはこれまで通りに準備しておいた方が当日慌てずに済みます。

一方で、短時間で一気に進めるということは、親にとっては「途中で買い足しに行く」「他の家族と食べ物を分け合う」「日陰に場所を移す」といった余裕があまり無いということでもあります。開始時刻に合わせて校庭に入ったら、そのまま最後まで観覧席から動けないこともありますし、プログラムが詰まっているとトイレに立つタイミングも限られます。だからこそ、朝のうちに必要なものをほぼ完成させておく、子どもがすぐ摘まめる軽食を用意しておく、帰宅してすぐ食事が出来るようにしておく、といったひと手間が効いてくるのです。時間が短い行事ほど、前もっての段取りが物を言います。

もう1つ覚えておきたいのは、午前中で終わる運動会は「親の体力も時間も残る」という点です。これを「もう終わったから何もしない」で流すか、「午後をゆっくり運動会モードで過ごす」にするかで、子どもが感じる満足度が変わります。せっかくおじいちゃんおばあちゃんまで見に来てくれたのに、解散してそれぞれの家に帰るだけだと、どうしても行事感が弱くなりますよね。なので後の章では、朝に作ったお弁当を持ち帰って皆で食べるとか、午後に写真を見ながらおしゃべりする時間をわざと作るとか、短時間開催でも「今日は特別だった」と思えるようにする工夫もお話ししていきます。

つまり今の運動会は、確かに時間は短くなりましたが、親が関わる余地はむしろ増えています。学校が用意してくれた午前中の時間を、家庭側がどう受け取って、どう1日に仕立てるか。ここが上手になると、「午前だけでもこんなに行事っぽくなるんだ」と感じられるようになります。次の章では、そのための服装や持ち物の整え方を、秋特有の気候に合わせて考えていきましょう。


第2章…校庭の暑さ・風・砂ぼこりに負けない観戦コーデ&持ち物

秋の運動会と聞くと「もう涼しいだろう」とつい思ってしまいますが、実際の校庭はちょっと事情が違います。日差しを遮る木が少ないところも多く、グラウンドの砂が太陽の光を反射して、体感温度がグッと上がることがあります。特に午前中は直射日光をまともに受けやすく、風が弱い日はジワジワと汗ばむくらいの暑さになります。逆に風が吹くと今度は砂埃が舞って、顔や服に細かな砂がつきます。つまり「家を出る時に感じる秋の涼しさ」だけで服装を決めてしまうと、校庭に着いてから予想外にしんどくなるのです。

そこで考えたいのが「重ねて調整できる前提で出かける」ということです。朝一番は長袖や薄手のカーディガンでちょうど良くても、校庭に立ちっ放しになるとすぐ暑くなります。そんな時にサッと脱げるように、肩掛けしやすいものを選んでおくととても楽です。反対に、雲が出て風が強くなれば一気に肌寒くなりますから、丸めてバッグに入る程度の羽織物はやはり持っておきたいところです。子どもの出番は待ってくれませんから、その場で素早く着脱出来ることが大人の観戦コーデでは一番大事になります。

日差しへの備えも軽く見ないほうが良いです。秋だからと油断して帽子を持たずに行くと、思ったより照り返しが強く、目を細めて観戦することになってしまいます。ツバの広い帽子や、顔まわりを守れるものを被っておくと、写真を撮るときにも表情が崩れにくくなります。日焼け止めも、出来れば家を出る30分ほど前に一度塗っておき、会場で手の甲や首周りだけでも塗り足せるようにしておくと安心です。秋の紫外線は夏よりも意識されにくい分、あとで「首だけ赤い」ということが起こりやすいからです。

もう1つ、忘れがちなのが「足元」です。午前だけとはいえ、観覧席から撮影ポイントまで何度か移動することがありますし、立ったりしゃがんだりも多くなります。砂が入り込んでも気にならず、かかとが脱げにくい靴を選んでおくと、子どもの位置に合わせて動くときにストレスがありません。パンプスやサンダルだと砂埃で汚れが目立ってしまうこともありますから、この日だけは少し動きやすさを優先してしまいましょう。

持ち物は、出来るだけ「自分の手元で完結する」ようにしておくと楽です。水分は、自分と子どもの人数分を家から持っていくか、途中で買ってすぐ飲めるようにしておくと良いでしょう。午前で終わるとはいえ、声を出して応援したり、グラウンドの熱気の中で待っていると、思ったより早く喉が乾きます。ここで家族皆が1つのペットボトルを回してしまうと、どうしても気を遣う場面が増えますから、最初から1人ずつ分けておく方が気が楽です。ウェットティッシュや小さなタオルも、砂埃が顔に付いた時や、外で軽食を摘まむ時に役立ちます。バッグの外ポケットなど、すぐ取り出せる場所に入れておくと当日アタフタしません。

こうして見ると、特別なグッズを揃えるというよりも「秋らしい気温差」と「校庭特有の眩しさ」と「砂埃」という三つを予想しておくことが一番の対策になります。家を出る前に、空を見て、風の強さを感じて、「今日は暑い寄りか、冷たい寄りか」を判断してから着るものを決める。このひと手間で、同じ午前中でも快適さがグッと変わります。次の章では、その上で何故、朝のうちに小さめのお弁当や軽食を用意しておくと便利なのか、具体的にお話ししていきます。


第3章…お昼までに帰る前提でも朝に用意する小さなお弁当のすすめ

「午前で終わるなら、お弁当は要らないよね」と考えるのはとても自然です。実際に学校からの案内でも「昼食は各家庭で」と書かれていることが増えましたし、昔のように校庭にシートを敷いて皆で食べる風景も少なくなりました。ところが、ここでお弁当をゼロにしてしまうと、家に戻ってからが思った以上に慌ただしくなります。子どもはすでにひと仕事終えていますからお腹も空きますし、親は親でカメラや荷物を片付けたい。そこに「これからご飯を作る」が重なると、せっかくの行事の日なのに家の中がバタバタしてしまうのです。

そこで役に立つのが、朝のうちに作っておいて持ち出せる「小さめの一人分」です。昔ながらの大きなお重やオードブルのようなものではなく、人数分をそれぞれに分けた、持ち帰っても型崩れしない量のものを想定します。中身は気張らなくて良くて、から揚げをいくつか、彩りのある野菜のおかずを1つ、あとはおにぎりというような、子どもが見た瞬間に「今日のご褒美だ」と分かるくらいで十分です。ポイントは、運動会が終わる時間に合わせてすぐ食べられる状態にしておくこと。家に着いた時「はい、手を洗ってね。もう食べていいよ」と言えるだけで、午後のスタートがフッと軽くなります。

もう少し細かく見ると、この朝仕込みのお弁当にはいくつかの利点があります。1つは、家に帰ってから調理の匂いを出さなくていいことです。運動会の日は洗濯物も増えますし、撮ってきた写真を確認したり、祖父母が来ているならお茶を出したりと、意外と台所に長く立っていられません。お弁当があれば、あとはお味噌汁を温めるくらいでお昼が完成します。もう1つは、体調管理の面でも分けておいた方が安心だということです。1つの大皿をつつく形だと、外で観覧したあとに手を洗うタイミングを気にしますが、最初から1人分で蓋付きなら、子どもと大人で食べるタイミングもずらせますし、ピクニックがてら外でちょっと摘まんでから帰ることもできます。

そして何より大事なのは「今日は運動会だから特別だね」という空気を家に持ち帰れることです。午前で終わると、どうしてもいつもの土曜の午前中に似た感じになってしまいますが、お弁当があるだけで「行事の続き」が家の中で再開されます。おじいちゃんおばあちゃんが一緒なら、「さっき走ってたねえ」と話しながら同じものを食べられますし、出番が少なくてちょっと不完全燃焼だった子にも「あなたの分はちゃんとあるよ」と示してあげられます。外で頑張ってきた子どもに、家でもう一度スポットライトを当ててあげるための小道具として、お弁当はとても使いやすいのです。

もちろん、季節によっては持ち歩きの時間が心配なこともありますから、詰めるときはなるべく水分の出にくいおかずにしたり、保冷剤と一緒にしておいたりと、基本的な配慮はしておきましょう。会場で食べずに持って帰る前提であれば、保冷バッグに入れて車や自宅に置いておくこともできます。大きな重箱が校庭にズラリと並ぶ時代とは違いますが、今の形に合わせたやり方で「用意してきたよ」という親の気持ちを示すことはできます。

短時間で終わる行事ほど、後ろに続く家の時間をどう整えるかで満足度が変わります。朝にほんの少し手を動かしておくだけで、その日の午後がゆったりしたものになるなら、やっておいて損はありません。次の章では、せっかく用意したこの特別な1日を、写真や動画、応援の言葉として綺麗に残す方法を考えていきます。


第4章…頑張った姿を綺麗に残すための撮影・応援の工夫

運動会の満足度は、当日その場で味わう時間と、後から見返す時間の2つで決まります。今は半日で終わる分、「あっという間だったね」で流れてしまいやすいので、親の方が少し意識して記録を残しておくと、家に帰ってからもう一度運動会が始まったように楽しめます。ここでは、特別な機材がなくても出来る撮り方と声かけの工夫をまとめておきますね。

まず撮影ですが、一番大事なのは「どこから撮るか」を前もって決めておくことです。午前だけのプログラムは時間が詰まっていて、子どもの出番がすぐに来ます。撮りやすそうな場所をウロウロ探しているうちに演技が始まってしまうと、どうしても画面が揺れてしまったり、別のおうちの人の肩が入ってしまったりします。入場門の傍で撮るのか、ゴール付近で走る姿を撮るのか、表現のダンスなら全体が入る少し後ろから撮るのか。出かける前にプログラムを見て凡その位置を決めておくと、当日が楽になります。学校によっては三脚NGなどのルールもありますから、スマホでサッと構えて撮る想定で動けると安心です。

スマホで撮る場合は、子どもが出てくる少し前に一度空を写して明るさを合わせておくと、顔が暗く写り難くなります。秋は日差しが強くて白飛びしやすいので、撮る前に画面を長押しして明るさをほんの少し下げておくと、体操服の白が綺麗に残ります。走っているところを追いかけるのが難しければ、走り始めの表情と、終わった後のホッとした顔だけでもしっかり撮っておきましょう。後から見返す時、実はこの「始まりと終わり」が一番、家族の会話を弾ませてくれます。

応援の仕方も、ほんのひと工夫で記録がもっと生きてきます。名前を呼ぶ時は、周りの方の応援に紛れないように少しゆっくりめに、いつも家で呼んでいる呼び名で声をかけてあげると、動画を見返した時に「これはうちの家族の声だ」とすぐ分かります。大きな声が出しづらい場面なら、終わった時にすぐ手を振ってあげるだけでも十分です。子どもは意外とよく見ていますし、「見てくれていた」という実感があると、その日の午後に写真や動画を見せた時の反応がまるで違ってきます。

そして、撮ったものはその日のうちに一端、家族で共有してしまいましょう。午前中で帰宅できる運動会は、午後に時間の余白ができます。この時間に、スマホをテレビに映したり、タブレットでスライドショーにして眺めたりすると、行事が1日イベントとして完成します。祖父母が遠方にいて来られなかった場合でも、同じ日のうちに「こんな感じだったよ」と送ってあげると、とても喜ばれます。子どもも、自分の頑張っている姿がすぐ誰かに伝わると分かると、来年へのやる気がグッと高まります。

短時間で終わる運動会は、どうしても「見たら終わり」になりがちですが、少しの記録と少しの声かけで、ちゃんと物語のある1日にできます。次のまとめでは、ここまでの段取りを家に帰ってからどう締めるか、綺麗な終わらせ方をおさらいしておきますね。

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まとめ…家に帰ってからの流れまで整えて来年も行こうで終わらせる

ここまでお話ししてきたように、今時の運動会は時間が短くなった分、親の側で少しだけ工夫を足す余地が生まれています。学校が用意してくれるのは、子どもたちが一番頑張る午前中のステージ。そのステージをどう受け取って、どう家に持ち帰るかは、家庭ごとに色が出るところです。だからこそ「午前で終わるから準備は最低限でいいや」と切り詰めてしまうよりも、「短いからこそ前倒しで整えておこう」と考えた方が、後で振り返った時の満足感が大きくなります。

当日の服装や持ち物を秋の校庭仕様にしておけば、観覧中に余計な疲れが溜まりません。朝のうちに小さめのお弁当を人数分用意しておけば、帰宅後にすぐ「お疲れ様」が言えます。撮影の位置や応援の声を予め意識しておけば、家に帰ってからその日の物語をもう一度楽しめます。どれも大掛かりなことではなく、ほんの少し手を先に動かすだけのことですが、その小さな差が「行っただけの日」と「ちゃんと行事になった日」の境目になります。

そして忘れたくないのは、子どもの方は今でも「見に来てくれる」「ちゃんと見てもらえた」という経験を欲しがっているということです。プログラムが短くても、出番が1つだけでも、その場に家族の視線があるかどうかは大きな違いになります。だから当日は、撮ることに夢中になり過ぎず、終わった後に必ず「見てたよ」「よく走ったね」と言葉にしてあげてください。そのひと言が、行事の価値を一段と高めてくれます。

午前で終わる、シンプルな形の運動会。だからこそ、親の段取りでいくらでも温度を上げられます。今年はほんの少しだけ早起きして、準備をして、帰宅後の流れまでひと続きにしてみてください。「こんな形の運動会もいいね」と家族で言い合えたら、その年の秋はきっと印象に残るものになります。

今日も閲覧ありがとうございましたm(__)m


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