春の自家製おやつは頑張り過ぎずに喜びを!~手間・お財布・栄養で選ぶ優しい15品~
目次
はじめに…おやつは春のご機嫌調整係~3食を邪魔し難くてちょっと足りないものをそっと補う台所の小さな工夫~
春のおやつは、頑張り過ぎないくらいがちょうど良い。これが今回の出発点です。華やかな季節になると、いちご、よもぎ、さくら色と、台所まで春光明媚になってきて、「あれも入れたい、これも混ぜたい」と心がフワっと動きます。けれど、おやつは主役の座を奪うためのものではなく、3食の隙間にそっと寄り添う名脇役。そのくらいの距離感が、毎日の暮らしには意外と似合うものです。
しかも春は、新しい生活が始まったり、気温が揺れたり、気持ちまで少し忙しなくなったりと、平穏無事に見えても割りと忙しい季節です。そんな時期のおやつは、見た目の可愛さだけでなく、手間が重過ぎないこと、お財布に無理をかけ過ぎないこと、食べた後に「昼ご飯入らないや…」とならないことも大切になります。おやつなのに気遣うことが多いんですよね、と自分で書いていて少し笑ってしまうのですが、ここを軽やかに整えると、暮らしの機嫌まで整いやすくなります。
もう1つ、この春のおやつには小さな役目があります。それは補食(食事で足りない分を優しく補う食べ方)としての力です。甘い物を楽しみながら、たんぱく質やカルシウム、食物繊維をほんの少し足していく。立派過ぎる健康宣言ではなく、ひと口で応援するおやつくらいの気持ちで十分です。気合い満点の手作りも素敵ですが、毎回それでは台所が会議室みたいになります。この先は、手間の軽重、材料費の軽重、3食を邪魔し難い栄養の視点、そして高齢者にも向きやすい食べやすさまで、春らしく柔らかく見ていきましょう。
[広告]第1章…手間控えめから手間たっぷりまで~暮らしの温度に合わせて選ぶ春のおやつ9つの景色~
春のおやつ作りは、手をかけた量で偉さが決まるわけではありません。今日は余力がある日、今日はもう台所で長居したくない日、そのどちらにも似合う一皿があって良い。ここでは、手間は控えめ、ほどほど、しっかり楽しむの3つに分けて、春のおやつを見ていきます。気負い無用でいきましょう。手間が軽いから味まで軽い、という話ではないのが台所の嬉しいところです。
手間を控えたい日~混ぜる・載せる・冷やすで十分~
まずは、忙しい日や「もう夕方ですけど私の体力は昼過ぎです」という日に向く3品です。こういう日は、包丁や火の前に立つ時間を短くして、春らしさだけはきちんと確保したいところです。
1つめは、いちごヨーグルトです。切ったいちごをプレーンヨーグルトに載せるだけ。これだけで、白と赤の組み合わせが春の制服みたいに綺麗に決まります。はちみつをほんの少し落としても良いですし、きなこを降ると香ばしさまで出てきます。手順は静かなのに、食卓の見え方は春光明媚。こういう小回りの効くおやつは、いつでも暮らしの味方です。
2つめは、さくらミルクです。牛乳を少し温めて、さくら風味のシロップやさくらパウダーを合わせるだけで、フワっと季節が立ちのぼります。飲み物寄りのおやつなので、重たくなり難いのも良いところ。おやつを作るというより、休憩を上手に春へ寄せる感じです。ここで張り切って桜色を出そうとし過ぎると、気づけば台所が図工の時間みたいになるので、色は優しめで十分です。
3つめは、はっさくと寒天のやわらか寄せです。市販の寒天でも作れますし、時間がなければ果肉をそのまま冷やして器に盛るだけでも成立します。はっさくのほろ苦さは、甘ったるさを引きずり難い大人の春味。口の中がさっぱりして、次の食事へ響き難いのもありがたいところです。
ほどほどの手間~蒸す・焼くで満足感が育つ~
少し余裕がある日は、ひと工程だけ増やしてみると、おやつの景色が変わります。ここでは、混ぜて終わりではないけれど、午後を丸ごと使うほどでもない、ちょうど良い3品の紹介です。台所での試行錯誤が、ちゃんと報われやすい辺りです。
1つめは、よもぎ蒸しパン。春になると、よもぎの香りはそれだけで季節の便りです。ホットケーキミックスに牛乳や卵を合わせ、よもぎを混ぜて蒸すと、フワっとした中に草の青さが残ります。蒸気の立つ鍋を見ているだけで、なんだか丁寧に暮らしている人に見えてきますが、実際は材料を混ぜて鍋に任せている時間も多いもの。台所あるあるの、見た目と実態の優しい差です。
2つめは、にんじんりんご蒸しパンです。にんじんの色で明るくなり、りんごの甘みで食べやすくなります。野菜のおやつというと少し構えてしまいますが、この組み合わせは肩肘を張らずにまとまります。食物繊維(お腹の調子を整えやすい成分)も意識しやすく、春の軽いおやつとしても優秀です。野菜を入れた瞬間に健康優等生の顔をしたくなりますが、そこは静かにいきたいところです。
3つめは、新じゃがの青のりチーズ焼き。これは甘いものが続いた日の気分転換にぴったりです。薄く切った新じゃがに少しの油と青のり、チーズを合わせて焼くと、春の軽食のようなおやつになります。じゃがいものホクっとした感じと、青のりの香りが相性良好。おやつなのに、おかずのような安心感もあるので、甘いものが重なりがちな季節にちょうど良く収まります。
手間たっぷりの日~食べる時間までご馳走~
ここからは、少しだけ本気を出したい日のおやつです。来客がある日、家族でゆっくり過ごせる休日、あるいは「今日は自分をちゃんともてなしたい」という日にも向きます。材料も工程も少し増えますが、その分だけ記憶に残る一皿になりやすいです。
1つめは、豆腐きなこプリンです。豆腐、牛乳、きなこをなめらかに合わせて冷やし固めると、優しい甘さのプリンになります。口当たりが柔らかく、重た過ぎず、満足感はきちんとある。見た目は控えめでも、食べるとしみじみと嬉しいタイプです。こういうおやつは、拍手喝采ではなく、静かに支持される名脇役かもしれません。
2つめは、菜の花と卵のミニケークサレです。ケークサレ(塩味のお惣菜焼き菓子)は、甘いおやつと違って食事との橋渡しがしやすいのが魅力です。菜の花のほろ苦さと卵のまろやかさが合わさると、春らしさがグッと深まります。焼いている間の香りまでご馳走なので、台所の空気が少しだけご機嫌になります。手間はかかりますが、その時間まで含めて楽しめるなら十分に価値があります。
3つめは、いちごミルク寒天の二層仕立てです。下にミルク寒天、上にいちごの層を重ねると、器の中に春がきちんと座ります。冷やし固める時間は必要ですが、完成した時の嬉しさは格別です。少し透ける赤と白の重なりを見ると、食べる前から気持ちが整ってきます。ここまで来ると、おやつというより小さな行事クラスになります。
手間の軽い日、ほどほどの日、しっかり楽しむ日。そのどれにも春のおやつはちゃんと似合います。大切なのは、気合いの量ではなく、その日の暮らしに合っているかどうかです。台所は毎日が全力疾走でなくて良いです。緩やかに選べるゆとりのある人は長くいろんな春を感じて楽しめるのかもしれません。
第2章…お財布に優しいものから少しだけご褒美気分まで~材料費の軽重で見えてくる春の台所~
おやつは、手間暇をかけるかどうかだけでなく、どこまでお金をかけるかでも表情が変わります。ただ、ここで大切なのは「安いから我慢」「高いからエライ」という話にしないことです。春のおやつは、質実剛健なくらい素朴でも十分嬉しいですし、少しだけご褒美寄りでも、毎日の暮らしから浮き過ぎなければちゃんと馴染みます。お財布とのつき合い方まで含めて、おやつの味わいなのかもしれません。
まずは家にあるもので動ける軽やかおやつ
材料費を軽く抑えたい日には、買い足しを増やさず、今あるものを春仕様に寄せるのがコツです。ここで役立つのは、気合いよりも編集力です。冷蔵庫の中身を見て、「今日はこの子たちでいこう」と決めるだけで、台所の空気が少し前向きになります。
その筆頭は、きなこヨーグルトです。ヨーグルトにきなこと少しの甘みを合わせるだけで、優しいおやつになります。見た目は控えめでも、たんぱく質(体を作る素になる栄養)を意識しやすく、食後が重たくなり難いのも助かるところです。華やかさが足りないと思ったら、いちごを半分だけ載せても良い。丸ごと山盛りにすると春祭りになりますが、そこまで行かなくても十分です。
次は、にんじん蒸しパン。にんじんは常備しやすく、色が明るいので、少ない材料でも「ちゃんと春」が出やすい食材です。ホットケーキミックスを使えば失敗もし難く、少量のすりおろしで雰囲気が変わります。にんじんが入っただけで急に真面目なおやつに見えるのも面白いところです。こちらはただ蒸されただけなのに、妙に優等生の顔をしてくるのですから、不思議なものです。
もう1つは、新じゃがの青のり焼きです。新じゃがは春の食卓にスッと入りやすく、じゃがいも自体が満足感を出してくれるので、少ない材料でも形になります。塩気のあるおやつは、甘いものが続いた日のリセットにも向いています。青のりの香りが加わると、台所にちょっとした景色が生まれます。
少し余裕がある日は家族に出しやすい“ちょうど中間”へ
材料費が中くらいのおやつは、続けやすさと見栄えのバランスが取りやすいところが魅力です。云わば、普段着なのに少しだけ姿勢が良いおやつ。ここは日常使いしやすいので、暮らしの中で出番が増えやすいです。
1つめは、いちごヨーグルトです。いちごは春らしさの代表格ですが、たっぷり使わなくても十分に季節感が出ます。数粒を切って載せるだけでも、白い器の中がパッと明るくなる。食材ロス(使い切れず残ってしまうこと)を出し難いのも、このおやつの嬉しい点です。贅沢に見えて、やっていることは割りと堅実。こういう一石二鳥は、台所では歓迎されます。
2つめは、豆腐きなこプリンです。豆腐、牛乳、きなこがあると作りやすく、材料の顔触れも派手過ぎません。それなのに、口に入れた時の満足感はしっかりあります。冷やして器に入れるだけで、少し丁寧な感じが出るのもありがたいところです。来客向けの顔も持ちながら、普段のおやつにも下りてこられる。この気さくさは、春の集まりにも向いています。
3つめは、はっさくヨーグルトゼリーです。果物をそのまま食べるよりも、ゼリーにすると少しだけ特別感が出ます。はっさくのさっぱり感は、春の午後に重くなり難く、口の中を綺麗に終わらせてくれます。甘さを控えめにまとめると、次の食事にも響き難いので、この章の主役らしい一皿です。
少しだけご褒美寄りでも春の行事感が出せれば十分です
材料費がやや上がるおやつは、毎日でなくて良いからこそ、綺麗に心へ残ります。ここでの新しい視点は、「高いおやつはエライ」のではなく、「思い出の密度が少し上がる」ということです。春は出会いと別れの季節でもあるので、家族のひと休みや小さな集まりに、少しだけ行事感があるおやつはよく似合います。
その代表は、いちごミルク寒天の二層仕立てです。牛乳といちごを別の層にすると、器の中に春の景色がきちんとできます。材料費は軽過ぎませんが、見た目の満足が高いので、数人で分ける場面にも向いています。食卓に出した瞬間の「おっ」という空気まで含めると、十分に元が取れている気もします。
続いて、菜の花と卵のミニケークサレ。菜の花、卵、粉、油、場合によってはチーズまで使うので、気軽さだけで選ぶおやつではありません。それでも、春らしいほろ苦さと香りが1つにまとまると、季節の記憶に残りやすい一皿になります。甘くないおやつなので、家族の好みが分かれ難いのも良いところです。おやつでありながら、少しした軽食の安心感まで連れてきてくれます。
最後は、さくらミルクプリンです。さくらの香りを入れるだけで、いつものミルク系おやつが春の余所行きになります。色も香りも優しくまとめれば、気取り過ぎず、それでいて手抜きには見えない。こういう絶妙な立ち位置は、春の食卓では意外と貴重です。やり過ぎると急に“桜会議”が始まりそうなので、風味は控えめがちょうど良いのですが、その加減もまた楽しいところです。
材料費でおやつを考えると、台所は節約の場所というより、配分のセンスが光る場所に見えてきます。お金をかける日があっても良いし、家にあるものでまとめる日があっても良い。春のおやつは、その日の暮らしに合わせて伸び縮み出来るのが魅力です。背伸びしない日も、少しだけ晴れやかな日も、どちらもちゃんと美味しく着地できます。
[広告]第3章…甘いだけで終わらせない~三食を支えるためのちょい足し発想おやつ~
おやつは、空腹を宥めて満足するだけの時間ではありません。ここでの新しい視点は、おやつを「3食の代わり」にしないこと。そして、「三食で少し足りなかったところを、小さく整える時間」にしてみることです。満腹になるまで食べると次の食事が遠のきますが、量を控えめにして中身を考えると、おやつは意外と働き者です。春のおやつは、華やかさの裏で実務派。そんな二刀流が出来るのが、なかなか頼もしいところです。
この章で大切なのは、補食(食事で足りない分を優しく補う食べ方)という考え方です。言葉にすると少し真面目ですが、やることはそこまで難しくありません。甘さを少し控える、水分を持たせる、食べきれる小ささにする。その上で、たんぱく質(体を作る材料)、カルシウム(骨や歯を支える栄養)、食物繊維(お腹の調子を整えやすい成分)をそっと入れていく。これだけで、おやつの立ち位置がグッと上品になります。台所で急に栄養会議を始める必要はなく、春風みたいに軽やかで十分です。
まずは豆腐きなこプリン~優しく入ってちゃんと残る~
この章でまず推したいのは、豆腐きなこプリンです。豆腐と牛乳、きなこを合わせて作るこのおやつは、口当たりがなめらかで、量を小さくまとめやすいのが魅力です。重たくなり過ぎず、それでいて食べ終わった後の心もとない感じが少ない。こういう「静かな満足感」は、おやつにとってかなり大事です。
中身を見ると、豆腐ときなこでたんぱく質が入りやすく、牛乳を加えればカルシウムも意識しやすくなります。甘みは控えめでも、きなこの香ばしさがあるので物足りなさが出難いところも優秀です。春は生活の流れが変わりやすく、食事の時間や量が揺れやすい季節でもあります。そんな時、こうした柔和なおやつがあると、気持ちまで少し整います。派手ではないけれど、縁の下の力持ちとはこのことかもしれません。
次は豆乳茶碗蒸しおやつ~甘くないのにおやつとして成立する~
おやつというと甘いものを思い浮かべがちですが、ここで1つ視点をずらすと世界が広がります。豆乳茶碗蒸しおやつは、その代表です。豆乳と卵を軟らかく蒸して、具は少なめにまとめる。ほんのり出汁を効かせると、軽食とおやつの間にちょうどよく着地します。甘味ばかりが続くと気持ちまで少し疲れることがありますが、こういう1皿が入ると食卓の流れが変わります。
このおやつの良さは、たんぱく質を取り入れやすく、水分を含んでいて食べやすいことです。しかも、量を小ブリにしやすいので、3食を押しのけ難い。ここが大きなポイントです。おやつでお腹を満たし過ぎると、夕食の前に気持ちだけ閉店してしまうことがありますが、豆乳茶碗蒸しならその心配が少なめです。見た目はおとなしいのに、役割はかなり堅実。こういう品は、きっと気づけば何度も作ることになります。
そしてにんじんりんご蒸しパン~軟らかくて春の午後にちょうど良い~
3つめは、にんじんりんご蒸しパンです。蒸しパンは焼き菓子よりもしっとりしやすく、少量でも満足しやすいのが魅力です。そこへにんじんとりんごを合わせると、春らしい明るさが出てきます。にんじんの色味で気持ちが軽くなり、りんごの甘みで食べやすさも出る。見た目も味も、肩に力が入り過ぎません。
このおやつで意識したいのは、食物繊維です。春は体も気持ちも揺らぎやすい季節なので、お腹の調子をそっと支える発想は、思った以上に暮らし向きです。蒸しパンなら口の中の水分を持っていかれ難く、食べる人を選ばないのも助かります。ここで砂糖やバターを盛り過ぎると、せっかくの“ちょい足し”が“しっかり主役”に変貌してしまうので、そこは一歩手前で止めるのがコツです。自分では控えめにしたつもりでも、味見が3回続くと話が変わってきますが、その辺りは台所の小さな秘密にしておきましょう。
おやつの役目は満腹よりも“橋渡し”にある
この章で挙げた3品に共通しているのは、量を小さくしやすく、軟らかさや水分を持たせやすく、栄養の焦点を絞りやすいことです。豆腐きなこプリンはたんぱく質とカルシウム、豆乳茶碗蒸しおやつはたんぱく質と食べやすさ、にんじんりんご蒸しパンは食物繊維としっとり感。このように役割が見えやすいおやつは、3食を邪魔し難いのに、食卓全体にはちゃんと貢献してくれます。
春のおやつは、満点を目指さなくて大丈夫です。少し足して、少し助ける。そのくらいの一挙両得が、毎日の暮らしにはちょうど良いのかもしれません。おやつを“ご褒美”だけで終わらせず、“橋渡し”として見てみると、台所はもう少し優しく、もう少し頼もしく見えてきます。
第4章…軟らかさと食べやすさと気持ちの明るさ~高齢者に向く春のおやつを考える~
高齢者に向くおやつを考える時、見るべきところは意外と素朴な点です。豪華さより、まずは食べやすいこと。口当たりが軟らかいこと。量が多過ぎず、3食の邪魔をし難いこと。そして、食べる人の気持ちが少し明るくなること。この4つが揃うと、おやつはただの間食ではなく、暮らしの安心材料になってきます。春風駘蕩という言葉がありますが、春のおやつもそれに近くて、食卓にフワっと穏やかさを運んでくれるくらいがちょうど良いのです。
高齢者のおやつで意識したいのは、嚥下(飲み込みのこと)と水分、そして小さな満足感です。固い、パサつく、口の中でバラけやすいものは、人によっては食べ難さに繋がります。逆に、なめらか、しっとり、軟らかいものは取り入れやすい。ここでの新しい視点は、「高齢者向け=味気ない」ではないことです。食べやすさを整えながら、春らしい色や香りを載せれば、おやつの楽しみはちゃんと残せます。
まず推したいのは豆腐きなこプリンです
この章でまず挙げたいのは、豆腐きなこプリンです。軟らかく、口当たりがなめらかで、量も小さくまとめやすい。高齢者向きのおやつを考える時、この“無理なく入っていく感じ”はかなり大切です。きなこの香ばしさがあるので、甘みを控えめにしても物足りなさが出難く、豆腐でたんぱく質(体をつくる材料)も意識しやすい。見た目は控えめでも、役目はきちんと果たしてくれます。
何より良いのは、食べる側も出す側も身構え過ぎなくて良いところです。プリンと聞くと、どこか親しみがありますし、豆腐が入っていても妙に説教くさくならない。健康のためです、と前のめりで来られると、こちらも少し姿勢を正してしまいますが、このおやつはそういう圧がありません。優しく近づいてきて、気づけば好印象。こういう品は、長く付き合いやすいものです。
春らしさまで考えるといちごミルク寒天もかなり優秀です
次に挙げたいのが、いちごミルク寒天です。寒天と聞くと少ししっかりした食感を思う方もいますが、軟らかめに仕上げれば高齢者にも取り入れやすくなります。そこにミルクのまろやかさと、いちごの明るい色が加わると、春のおやつとしての表情がグッと良くなります。食べやすさだけでなく、見た目の楽しさも大切。食卓に赤と白があるだけで、空気が少し軽くなります。
このおやつが高齢者に向く理由は、量を調整しやすいことにもあります。大きな一皿ではなく、小さな器に少しだけ。これなら次の食事を遠ざけ難く、食後の重たさも出難い。牛乳を使えばカルシウム(骨や歯を支える栄養)も意識しやすく、春らしさと実用の両方が入ります。見た目が可愛いおやつは、つい作る側が盛りたくなるのですが、ここは上品に小さめが正解です。山のように盛ると、おやつの顔をした昼食になってしまいますので注意です。
甘くない路線では豆乳茶碗蒸しおやつが頼もしい存在です
甘いものが続くと食が進み難い人もいますし、元々、甘味より塩気の方が落ち着く人もいます。そんな時に頼りになるのが、豆乳茶碗蒸しおやつです。これは、高齢者向きという視点で見るとかなり優秀です。やわらかく、水分を含み、口の中でまとまりやすい。卵や豆乳でたんぱく質も取り入れやすく、量を小さく整えれば、おやつとしても成立します。
しかも、甘くないおやつには独特の安心感があります。食事と喧嘩し難く、午後のひと休みにも馴染みやすい。おやつの時間に甘いものが続いていた日ほど、この一皿の落ち着きが光ります。見た目は静かですが、仕事は堅実。まるで町内会でいつも受付をきちんとやってくれる人のような信頼感があります。派手な拍手は起きなくても、いないと困る。そんな存在です。
蒸しパン系ならにんじんりんご蒸しパンが優しくまとまります
もう1つ加えるなら、にんじんりんご蒸しパンです。蒸しパンは焼き菓子よりしっとりしやすく、口の中の水分を持っていかれ難いのが嬉しいところです。にんじんの色で明るさが出て、りんごの甘みで食べやすさも出る。春らしい柔らかな雰囲気があり、高齢者にも出しやすいおやつです。十人十色で好みは分かれますが、蒸しパンの親しみやすさはかなり心強いものがあります。
このおやつの良さは、“頑張って食べる感じ”が出難いことです。見た目が優しく、香りもきつ過ぎず、手で持てる大きさにも調整しやすい。ひと口ずつ進めやすいおやつは、高齢者の食卓では頼もしいです。しかも、にんじんやりんごが入ることで、なんとなく気持ちまで和らぐ。台所のこちら側としても、「今日はちょっと良い着地をしたな」と思いやすい一品です。
高齢者に向く春のおやつを選ぶなら、派手さよりも、軟らかさ、しっとり感、小ささ、そして春らしい明るさ。この4つが揃うと、出す側にも食べる側にも優しい時間になります。15品の中でも、特に相性がよいのは、豆腐きなこプリン、いちごミルク寒天、豆乳茶碗蒸しおやつ、にんじんりんご蒸しパン辺りでしょう。食べやすさと春らしさが両立していて、3食とも喧嘩し難い。その“ちょうど良さ”こそ、高齢者のおやつでは大きな魅力です。
[広告]まとめ…春のおやつは立派じゃなくていい~今日の暮らしにちょうどよく寄り添う一皿が一番長続きする~
春の自家製おやつは、手間をかけた量で価値が決まるものではなく、その日の暮らしに合っているかどうかで輝き方が変わります。忙しい日は、混ぜるだけ、載せるだけでも十分。少し余裕のある日は、蒸したり焼いたりして季節をひと皿に乗せる。そんなふうに緩急自在で選べることこそ、春のおやつの良さでした。軽やかに始められて、ちゃんと気持ちがほどける。これなら台所も続けやすいです。
そして今回の大事な気付きは、おやつは甘い楽しみで終わっても良いけれど、そこにほんの少しだけ役目を持たせると、暮らし全体が整いやすくなるということでした。補食(食事で足りない分を優しく補う食べ方)として見れば、豆腐きなこプリンや豆乳茶碗蒸しおやつは、食べやすさと栄養の両方に心を配れる一皿です。いちごミルク寒天やにんじんりんご蒸しパンは、春らしい明るさまで連れてきてくれる。おやつが食卓の“隙間仕事”をしてくれると思うと、何だか頼もしく見えてきます。
高齢者に向くかどうかを考える場面でも、答えはとても素直でした。軟らかいこと、しっとりしていること、小さく出しやすいこと、そして気持ちが明るくなること。この4つが揃うと、おやつの時間は平穏無事に進みやすくなります。見た目が可愛らしいだけでも、栄養だけを真面目に詰め込むだけでも足りない。その真ん中辺りにある“ちょうど良さ”が、春のおやつにはよく似合います。
ここまで読んでくださった方には、ぜひ肩の力を抜いて作って欲しいと思います。立派なものを毎回目指さなくても大丈夫です。冷蔵庫の中にあるものでひと皿整える日があって良いし、少しだけ丁寧に仕上げて「今日は私、ちゃんとしてるかも」と静かに満足する日があっても良い。台所では、腹八分目に医者いらず、という昔の言葉がフッと似合う瞬間があります。おやつもまた、食べ過ぎず、足りなさ過ぎず、そのほど良さが嬉しいところです。
春は、景色だけでなく、食卓の気分も柔らかく変えてくれる季節です。大きなご馳走でなくても、小さなおやつが1つあるだけで、その日の午後は少し優しくなります。上手く出来た日も、少し形が崩れた日も、食べてホッと出来たならもう十分。おやつ作りは作品展ではありませんし、時々、蒸しパンが少し膨らみ過ぎても、それはそれで春らしいということにしておきましょう。
[ 広告 ]今日も閲覧ありがとうございましたm(__)m
[ 応援リンク ]
ブログランキング2つに参加しています。応援クリックをお待ちしております。
[ ゲーム ] 作者のitch.io(作品一覧)
コメント ( 0 )
トラックバックは利用できません。
この記事へのコメントはありません。