11月3日は文化の日~園児にやさしく伝える由来と楽しみ方~

目次
はじめに…「文化って何?」を合言葉にやさしく出発
11月3日は「文化の日」。園庭の銀杏がキラキラして、子ども達の声もいつもより弾みます。今日は難しい言葉をやさしく言いかえて、「文化ってなあに?」を一緒に考える日にしましょう。
「文化の日」は、ひと言で言えば「自由と平和を大切にして、新しいことに触れてみよう」という日です。だから、正解探しのテストの日ではありません。へぇ〜っと目を丸くしたり、ちょっと不思議に思ったり、作ってみてニコッと笑えたら、それだけで大成功。
この記事では、昔の出来事を園児でも分かるお話に直して、先生やお家の方がそのまま語れるセリフと、今日からできる体験のヒントをそっと添えます。難しい歴史の用語はやさしい言葉に、大人の事情は後に下げて、子どもの「やってみたい!」を前に出します。
用意するものは、大丈夫、特別な道具ではありません。1枚の紙と、数本のクレヨン、そして「面白そう!」と目が光る心。11月3日が、待ち遠しくなる物語の旅へ、さあ一緒に出発です。
[広告]第1章…11月3日の昔話~明治天皇のお誕生日と「天長節」~
昔々、日本には「明治」というお名前の天皇様がいらっしゃいました。天皇様のお誕生日は11月3日。皆で「おめでとう」を言うために、その日は『天長節(てんちょうせつ)』と呼ばれて、お祝いする日になりました。『天長節』というのは、「天皇様の幸せが、空がどこまでも続くように長く長く」と願う言葉から来ています。ちょっとロマンチックですよね。
やがて月日が流れて、明治の時代が終わった後も、11月3日は大切にされました。1927年(昭和2年)には、明治天皇を偲ぶ気持ちを込めて『明治節(めいじせつ)』という名前になり、皆で「ありがとう、明治の時代」と心の中でご挨拶をしたのです。子ども達に譬えるなら、昔の園長先生のお誕生日を、クラス皆で今も大切にしている——そんな感じです。
それからさらに時代が進み、日本が「新しい国の決まり」をみんなにお知らせした日がやってきます。1946年(昭和21年)11月3日、『日本国憲法(にほんこくけんぽう)』が「公布(こうふ)」されました。公布というのは、「決まりごとを正式に発表しますよ」というお知らせのこと。実際にその決まりが働き始めたのは、1947年(昭和22年)5月3日で、これを「施行(しこう)」といいます。お楽しみ会で言えば、「プログラムを配った日」と「本番の日」の違いにちょっと似ています。
そして1948年(昭和23年)、11月3日は『文化の日』というあたらしい名前になりました。明治天皇を大切に思う気持ちと、「自由と平和を愛し、文化をすすめる」という未来への願い。その2つがにっこり手をつないで、いまの11月3日が生まれたのです。だからこの日は、昔にありがとうを伝えながら、明日にワクワクする日。園庭の銀杏がキラリと光ったら、「今日は文化の日の昔話、どこから話そうかな」と、先生の声も少しだけ誇らしくなるのです。
第2章…明治節から文化の日へ~新しい国の約束が出された日(憲法公布)~
11月3日は、昔は『明治節』と呼ばれていました。そこには「明治の時代を大切に思う気持ち」が込められていましたが、時代は少しずつ遷り変り、国作りの考え方も新しく整えられていきます。
その大きな節目が、1946年(昭和21年)11月3日。『日本国憲法』という、皆で仲よく暮らすための大事な約束が「公布」されました。公布は、「この約束を、正式にお知らせします」という発表のこと。本当に動きはじめるのは、1947年(昭和22年)5月3日で、これを「施行」といいます。運動会で例えるなら、プログラムを皆に配った日と、本番の日の違いに似ています。
この新しい約束には、「自由と平和を愛し、文化をすすめる」という、温かな願いが書かれていました。だからこそ、1948年(昭和23年)には、11月3日の名前が『文化の日』へ。昔を大切にする心と、これからを開く心が、ギュッと手を繋いだのです。
園児に語るなら、「今日はね、『自分やお友達を大切にして、いろいろ学んでみよう』って約束を、皆にお知らせした日なんだよ」とやさしく伝えるのがピッタリです。難しい歴史のお話は、子ども達の目のキラキラが消えないように、ひと口サイズで。
先生の一言例としては、「11月3日は、新しい『仲良くの約束』を皆で読もうね、って伝えた日。そのお祝いとして、音や色や言葉で遊ぶ『文化の日』になったんだよ」。お部屋の空気がふんわり明るくなったら成功です。
こうして11月3日は、ただ昔を振り返るだけの日ではなく、「今」と「これから」を作っていく合図の日になりました。紙とクレヨン、歌と言葉、手の温かさ——その全部が、今日の小さな「文化」になります。
第3章…園児への伝え方~自由と平和を愛して文化をすすめるを遊びに変える~
難しい言葉は、そのまま説明しようとすると、子どもの耳からフワッと逃げていきます。だからまずは3つの合言葉を、目に見える体験に変えてあげましょう。『自由』は「好きな色で塗っていいよ」、『平和』は「順番こで仲良し」、『文化』は「皆の“好き”が集まった宝箱」。この3つを胸ポケットに入れて、今日の語りを始めます。
先生のセリフは、短くてやさしいほど届きます。例えば朝の会で、「今日は『文化の日』。皆の“好き”を宝箱に集めようね。好きな色、好きな音、好きな視線、ぜんぶOK」。そう言って、先生はちょっと大げさに頷いてみせます。子どもたちは、それだけで“本当に自由なんだ”と分かって、目がキラリとします。
活動は、ひと続きのお話になるように組み立てると素敵です。朝は大きな白い紙を1枚広げて、真ん中に丸を描き、「ここは皆の街。好きな色でお家を足してね」と声をかけます。次は音のコーナー。手を叩く、机をトントンする、口でポンポンとリズムを出す。誰かの音に誰かがそっと重ねたら、「それが平和。一緒にいるって、こんな音がするんだね」と褒めてあげます。お昼前には“言葉の市場”。園の図鑑や絵本から見つけた言葉を真似して、「こんにちは」「ありがとう」「いただきます」を、いろんな声色で言ってみる。笑い声が生まれたら、それも立派な文化です。
難しい用語は、やさしい言いかえで無理なく沁み込ませます。『自由』は「自分で選んでいいよ」、『平和』は「嫌な時は“やめてね”って言えるよ。聞いてくれてありがとう」、『文化』は「皆で“いいね”を並べたら、街がふくふく大きくなること」。意味を覚えさせるより、体の動きと笑顔に乗せて伝えるのが合図です。
小さなユーモアは、子どもの心を一気に開きます。先生がスプーンをマイクにして、「只今より『文化ニュース』をお伝えします。〇〇くんの“ぐるぐるブルー”、素晴しい発見でした!」と実況してみましょう。子どもたちが「僕のは?」「私のは?」と手を挙げ始めたら、しめたもの。発表は競争ではなく“見つけたことのシェア”だと自然に分かります。
1日の最後は、簡単な振り返りを物語に。先生が作品をまるく並べ、「今日産まれた“宝箱”を開けてみよう」と語りかけます。「色が歌ってるね」「音が踊ってるね」「言葉がにっこりしてるね」。子どもたちが自分の作品を指さして、もうひと言だけ自慢できたら、拍手でおしまい。11月3日が、昔と今をつなぐだけでなく、“私の文化”が芽を出す日になった証拠です。
第4章…地域の文化祭と園の1日プラン~見て聞いて作って体験する11月3日~
11月3日は、カレンダーの赤い数字を眺めて終わり……ではもったいない日です。園の1日そのものを「文化の卵」にしてしまいましょう。合言葉は「見て・聞いて・作って」。難しい準備はいりません。子どもたちの“好き”を主役にして、先生は舞台監督のように場面をつないでいきます。
午前~「見て・聞いて」でスイッチを入れる~
朝一番、先生は小さな旗を手にして「今日は“文化探検隊”。目当ては『発見を1つ持って帰る』」と宣言します。地域の文化祭や公民館の展示に足を運べるなら、入り口で深呼吸を1つ。「ここは皆の“素敵”が集まるお部屋だよ」と囁いて、子どもたちの目を開いてあげます。外出が難しい年は、ホールを会場にして園内文化祭へ。作品をひと所に並べるのではなく、通路ごとに「色の道」「音の道」「言葉の道」と名前をつけるだけで、子どもの心はたちまち冒険モードに変わります。
先生の一言は、見どころのスイッチです。「わぁ、あの赤は走っているね」「この形、くるりと笑ってる」。正解探しではなく、感じたことがそのまま答え。子どもがポツリと呟いた言葉を受け止めて、「ね、それが『見つけた』ってことだよ」と目で褒めます。
お昼~「味わう文化」で体に沁み込ませる~
お昼は、食卓そのものが小さな博物館。いつものメニューでも、ひと声かけで景色が変わります。「今日のご飯、どんな音かな?」と耳をすませば、ホカホカの湯気が言葉を連れてきます。「いただきます」を全国の言葉で楽しく唱えてみても素敵です。ゆっくり噛むたびに、「私たちの体の中に“文化”が入ってくるね」と伝えると、子どもたちは誇らしげに頷きます。
午後~「つくって・発表」で物語にする~
午後は、見たことや聞いたことを作品に変える時間。大きな紙に“午前の発見”を好きな順で描き出し、出来上がったらミニ発表会へ。先生はスプーンをマイクにして、「ただいまより『文化ニュース』をお伝えします。〇〇さんの“くるりと笑う形”、拍手〜」と実況。発表が苦手な子は、作品の横に立って先生のナレーションに頷くだけでOKです。最後に「発見メダル」を空のジェスチャーで首にかけ、「今日の主役さん、どうぞ前へ」。透明なメダルでも、心はキラリと光ります。
帰り道~お家につなぐ合言葉~
降園前、先生は1枚のお便りを読み上げます。「今日は『見て・聞いて・作って』を合言葉に、私たちの“好き”を集めました。お家でも“発見”を1つ見つけたら、明日教えてくださいね」。たったこの一文で、園の体験は家族の時間につながります。玄関では、子どもたちが「僕の色、歌ってたよ」「私の形、笑ってたよ」と報告を始め、11月3日の物語は、帰り道でもう一段膨らみます。
こうして1日が終わる頃、教室の空気にはほど良い余韻が残ります。昔に「ありがとう」を言い、今を「楽しいね」でつなぎ、明日へ「やってみたい!」を手渡す。そこに生まれた柔らかな誇りこそ、文化の日のご褒美です。
[広告]まとめ…ありがとう文化の日~学ぶって楽しいね~
11月3日は、昔への「ありがとう」と、これからへの「やってみよう」が手をつなぐ特別な1日でした。明治の時代を大切に思う気持ちと、「自由と平和を愛して、皆の“好き”を膨らませよう」という願いが、キラリと同じ空に光っています。
今日、園で生まれた色や音や言葉は、小さな作品に見えて、実は子どもたちの心の地図です。自分で選んで、誰かと分け合って、また明日続きを描ける。そのくり返しが、子どもたちの中にやわらかな自信を育ててくれます。先生の「いいね」は旗印になり、友達の「素敵!」は追い風になって、教室は小さな“文化の街”になります。
昔話は、難しい出来事を丸ごと覚えることが目的ではありません。合言葉は「わかった!」より「面白い!」。目を丸くした瞬間こそ、文化の日のご褒美です。もしお家で新しい発見があったら、明日の園でそっと教えてください。「見て・聞いて・作って」の旅は、11月3日だけの限定ではなく、毎日続けられるやさしい冒険だからです。
さあ、最後にもう一度。文化の日、ありがとう。今日、出会った“好き”たち、また明日。子ども達の心にともった小さな灯りが、季節を越えてずっとあたたかく輝きますように。
⭐ 今日も閲覧ありがとうございましたm(__)m 💖
応援リンク:
ゲーム:
作者のitch.io(作品一覧)
[ 広告 ]
コメント ( 0 )
トラックバックは利用できません。
この記事へのコメントはありません。