在宅介護でもあきらめないお家新年会~高齢者と家族で楽しむ冬のプチ時間~

[ 1月の記事 ]

はじめに…在宅で迎えるお正月を「お家新年会」にしてみる発想

お正月というと、大きな会場に皆が集まって、賑やかに笑い合う新年会を思い浮かべる方も多いかもしれません。けれど実際には、年を重ねるにつれて外出が負担になったり、寒さや体調の不安から、人混みを避けて家で静かに過ごしたいという高齢者さんも少なくありません。在宅介護の現場では、「本当はどこかへ連れて行ってあげたいけれど、移動が心配」「遠くに住む家族の元へは帰省できず、なんとなく味気ないお正月になってしまう」という声もよく聞かれます。

そんな時に、発想を少しだけ変えてみるのが「お家新年会」です。大勢が集まる場に出かけなくても、住み慣れた部屋の中を小さな会場に見立てて、高齢者さんと家族がゆったりと楽しむ時間を作ってみる。食卓にお気に入りの器を並べたり、昔からのお正月飾りを少しだけ飾ってみたり、テレビの前で初笑いになるような番組を一緒に見たり。特別なイベントを準備しなくても、いつもの生活の中に「新しい年を迎えた喜び」を滲ませることは十分に出来ます。

在宅での暮らしには、移動の負担が少ない、いつもの服装やペースのままでいられる、トイレや休憩のタイミングを気にしなくて良い、といった安心感があります。新年会を「お家」で開くということは、その安心感をそのまま活かしながら、ほんの少しだけ非日常の彩りを添える取り組みでもあります。一人暮らしの高齢者さんなら、自分だけの静かな年初めをじっくり味わう時間に。家族と同居している方なら、普段なかなかゆっくり話せない話題を交わす切っ掛けに。お家新年会は、それぞれの暮らし方に合わせて形を変えられる柔らかな行事です。

この記事では、在宅介護に関わる家族やケアマネをはじめ、「寒い季節でも安心して、お正月らしい時間を楽しんでもらいたい」と願う方に向けて、お家新年会の具体的なイメージをお届けしていきます。外出しなくても味わえる楽しみ方、一人暮らし・二人暮らしならではの静かな祝い方、家族と一緒に笑顔になれるレクリエーションの工夫、そして準備や片付けの負担を増やし過ぎないための小さなコツまで。

派手さはなくても、「また来年もここで一緒に年を越そうね」と言い合える場所があることは、何ものにも代えがたい安心に繋がります。住み慣れた家という一番身近なステージで、高齢者さんと家族が穏やかに新しい年を迎えられるように。そんな願いを込めて、お家新年会の物語をここから始めていきましょう。

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第1章…外出しなくても大丈夫~お家新年会ならではの楽しみ方~

「新年会」という言葉を聞くと、多くの人はお店の個室やホテルの宴会場を思い浮かべます。けれど、高齢者さんにとって一番落ち着く場所は、やはり住み慣れた自分の家です。玄関の段差、トイレの位置、座り慣れたいすや布団の感触。そうした一つ一つが身体に沁み込んでいるからこそ、寒い季節でも緊張せずに過ごすことが出来ます。お家新年会は、その安心感を壊さずに、お正月らしい空気だけをそっと足してあげる行事だと考えるとイメージしやすくなります。

例えば、いつものリビングを会場に見立てて、テーブルクロスを一枚だけ替えてみる方法があります。真っ白な布でも、赤や金色が少し入ったランチョンマットでも構いません。「今日は新年会だから、このテーブルは特別席です」と声を掛けて敷くだけで、いつもの食卓が少しだけよそ行きの顔になります。そこに、小さな花瓶や門松風の飾りを一つ置けば、それだけで写真に残したくなるような雰囲気が生まれます。飾りは豪華でなくてよく、手の届く範囲で一緒に並べる作業そのものが、既にレクリエーションになります。

食べ物も、全てを手作りする必要はありません。近くのスーパーで買ったかまぼこや黒豆、ミニサイズのお餅などを少しずつ小皿に盛り、「今日はお家新年会だから、ちょっとだけご馳走にしましょうね」と話しながら並べていきます。量は控えめでも、器や盛り付けをいつもより丁寧にするだけで、特別感は十分に伝わります。噛む力や飲み込みに不安がある場合は、軟らかいおせちも増えてきていますし、好みの洋風おかずやプリンなどを「お祝いの一品」として位置付けても良いでしょう。大切なのは、中身よりも「一緒に準備して、一緒に味わう時間」です。

また、お家プチ新年会には、音や光の演出も取り入れやすいという特徴があります。テレビで流れる初詣の中継や、昔懐かしい歌番組をBGM代わりにしながら、「この歌が流行っていた頃、どこで何をしていましたか」と話を振ってみると、自然と回想の時間が始まります。窓から差し込む冬の光を背に、湯気の立つお茶を手に持って座るだけでも、写真のような一場面になります。照明を少しだけ暗くして、テーブルの上に小さなLEDキャンドルを灯せば、外に出かけなくても十分に雰囲気を楽しめます。

外出しないお正月には、「運動不足になってしまうのでは」と心配されることもありますが、お家新年会の中にも体を動かす工夫を少しだけ混ぜることができます。座ったままで出来る手遊びや、ゆっくりと腕を伸ばす体操、カルタや福笑いをテーブルの上で楽しむ時間などは、立ったり歩いたりするのが難しい方でも取り入れやすい活動です。「始めますよ」と改まるのではなく、お茶を飲んだ後に自然な流れで「せっかくだから、今年一番最初の体操をしましょうか」と誘えば、抵抗感も少なくなります。

さらに、お家新年会ならではの楽しみとして、「時間の使い方を自由に決められる」という点があります。外の会場で行われる会合では、開始時間と終了時間が予め決まっていて、その中に全ての出し物を詰め込まなければなりません。しかし、お家新年会なら、当日の体調や気分に合わせて、少しずつ楽しみを分けて味わうことが出来ます。朝はお屠蘇代わりのお茶で乾杯、昼はごちそうを少しだけ味わい、夕方には好きな番組を見ながらデザートを食べる。全てを一度にこなさなくても、一日全体を「新年会の日」として過ごすことが出来るのは、在宅ならではの贅沢です。

このように、お家新年会は「外出できないから仕方なく家で過ごす」という消極的な選択ではなく、「家だからこそ、安心して自分らしく楽しめる時間を作る」という前向きな工夫の場になります。ちょっとした飾り付けと、お気に入りの器、ゆっくりとした会話。そこに、家族や訪問スタッフの笑顔が加われば、静かながらも心に残る新年会になります。外の華やかなイベントに負けない、自分のペースで楽しめるお正月の形として、お家新年会を一度イメージしてみてはいかがでしょうか。


第2章…一人暮らしや二人暮らしで味わってもらう静かな年初め

お家新年会というと、家族が大勢集まる賑やかな情景を思い浮かべがちですが、実際には、一人暮らしや、夫婦二人だけで暮らしている高齢者さんもたくさんおられます。そんな方にとってのお正月は、賑やかな声よりも、落ち着いた静けさの中で過ごす時間の方がしっくりくることも多いものです。外の世界が慌ただしく動いていても、部屋の中だけは穏やかな空気を保ち、「今年もゆっくり始めよう」と自分のペースで年を迎える。一人暮らし・二人暮らしの新年会には、そんな深い落ち着きがあります。

例えば、一人暮らしの方の場合、年末年始は「今日は誰とも話さなかった」という日が続いてしまうことがあります。テレビやラジオの音で寂しさを誤魔化しても、ふとした瞬間に胸の奥がヒュッと冷たくなることもあるでしょう。そこで、お家新年会では、「自分のために時間を使う」という贅沢な考え方を取り入れてみます。朝、いつもより少しだけ良い茶葉を急須に入れ、自分の好きな茶椀を選んでゆっくりお茶を淹れる。窓際の椅子に座り、「今年も無事に新しい年を迎えられた」と自分自身に挨拶をする。その一時は、誰かと一緒でなくても立派な新年会です。

一人暮らしでも、写真や思い出の品をそっとテーブルに並べれば、「心の中の同窓会」のような時間を作ることが出来ます。家族写真や若い頃の旅先の写真、昔勤めていた職場の記念品などを眺めながら、「あの頃はこんな服を着ていた」「この人とはこんな話をした」と声に出してみる。もし訪問介護や訪問看護のスタッフが来てくれる日であれば、その話を少しだけ聞いてもらうだけでも、心の温度が上がります。話し相手がいない時間には、「今年やってみたいこと」を紙に書き出してみるのもおすすめです。大きな目標でなく、「今年もこの家で元気にお茶を飲む」といった小さな願いで十分です。

夫婦二人の暮らしなら、お家新年会は「二人だけの家族会議」になるかもしれません。食卓を挟んで向かい合い、好きな料理を少しずつ味わいながら、「去年はこんなことがあったね」と一年を振り返る。健康のこと、お金のこと、これからの暮らし方のこと。普段はなかなか落ち着いて話せない話題を、この日だけはゆっくり言葉にしてみるのも良いものです。堅苦しい話が続いて疲れてしまわないよう、「今年もケンカしながら仲良くいきましょう」と笑いで締め括るくらいの緩さが、長く一緒に暮らしてきた二人にはちょうど良いかもしれません。

一人暮らし・二人暮らしの新年会で大切なのは、「誰かと比べない」という姿勢です。テレビの中では大勢が集まって楽しそうにしているかもしれませんし、親戚の家から届く年賀状には賑やかな写真が並んでいるかもしれません。それでも、「うちはうちの年はじめ」と心の中で言い聞かせて、自分たちに合ったペースと静けさを選び取ることが何より大切です。静かな部屋でゆっくりと湯気を眺める時間は、賑やかな宴会とは別の意味で、心を満たしてくれます。

そして、そんな静かな新年会に、ケアマネや訪問系のスタッフがそっと寄り添うこともできます。年明けの訪問で、「今年もどうぞよろしくお願いします」と挨拶を交わし、「今日はお家新年会の日なんですよ」と一言添える。短い時間であっても、その言葉が「一人ではない」という安心に繋がります。二人暮らしの家なら、職員と夫婦で三角形になるように椅子を並べ、「今年もお互い元気でいましょうね」と笑い合う場面があっても良いでしょう。

このように、一人暮らし・二人暮らしの静かな年初めは、決して寂しい時間ではありません。自分のためだけにゆっくりとお茶を淹れる贅沢、長年連れ添った相手と穏やかに言葉を交わす豊かさ、そこに時折訪れる専門職の笑顔。その全部を含めて、「お家だからこそ味わえる新年会」になります。派手な飾りや大きな笑い声がなくても、心の奥でじんわりと温かさが広がる時間を目指して、自分たちらしい年初めの形を探してみてください。


第3章…家族と一緒に楽しむお家新年会レクリエーションいろいろ

在宅介護のお正月には、家族が集まるかどうかで雰囲気が大きく変わります。子どもや孫が顔を出してくれるなら、その時間を「ただ来てご飯を食べて帰る日」で終わらせてしまうのは少しもったいないものです。せっかくなら、高齢者さんも、家族も、皆が同じ方向を向いて笑える一時を、お家新年会の中にそっと仕込んでみたいところです。難しい出し物を考える必要はありません。「今いるメンバー」と「家の中にある物」で出来る遊びや会話を、少しだけ工夫してみるだけで十分です。

例えば、食卓を囲んでいる時間は、世代をこえて楽しめるレクリエーションの宝庫です。おせちやお雑煮を前に、「これはどこの地域の味?」「昔の実家では何が定番だった?」と、料理を切っ掛けに話を広げていくと、それだけで小さな回想会になります。高齢者さんの若い頃の台所の風景や、戦後まもないころのお正月の話など、普段はなかなか聞けないエピソードがぽつりぽつりと出てくるかもしれません。家族はつい「今」の話題に流れがちですが、この日だけは意識して「昔」を尋ねる役目を担ってみると、お家新年会らしい時間が生まれます。

子どもや孫がいるなら、少しだけ「役割」をお願いするのも一案です。例えば、孫が高齢者さんの隣に座り、用意しておいた写真や年賀状を一枚ずつ手渡しながら、「これはいつ頃?」「この人は誰?」と質問係になる。高齢者さんは、写真を見ながらゆっくり話をし、孫はそれを聞いて頷く。その様子を家族が見守るだけでも、世代を越えたレクリエーションになっています。写真がなければ、昔の遊びや学校生活、仕事のことなど、テーマを一つ決めて「聞き役」と「語り役」に分かれるだけでも会話が弾みます。

体を大きく動かすのが難しい場合でも、テーブルの上だけで完結する遊びなら取り入れやすくなります。紙とペンがあれば、ことわざやお正月にまつわる言葉を使ったしりとり、縁起の良い漢字をいくつ思いつくか競う遊びなどが出来ます。おみくじ風に折った紙を用意しておき、「今年の目標」を家族それぞれが一言だけ書いておき、食後に一枚ずつ引きながら読み上げるのも楽しいものです。高齢者さんが引いた紙には、予め「今年も笑顔で」「転ばずに元気に」などの言葉を忍ばせておけば、さりげないエールにもなります。

声を出して笑う時間を作りたい時は、昔ながらの福笑いや簡単なジェスチャー遊びも役に立ちます。福笑いは、目や口のパーツを大きくして、テーブルの上で動かしやすいように工夫すると、高齢者さんも参加しやすくなります。目隠しをするのが難しい場合は、敢えて見えていても構いません。「あらあら、ずいぶん個性的なお顔になりましたね」と笑い合うだけで十分です。ジェスチャー遊びも、「今年やってみたいこと」を体で表現して当ててもらうなど、無理のない範囲で取り入れると、自然と表情や上半身が動きます。

遠くに住んでいて帰省できない家族がいる場合は、機械を使った参加の仕方も考えられます。スマートフォンやタブレットをテーブルの端に置き、画面の向こうの家族と一緒に「明けましておめでとうございます」と挨拶を交わす。高齢者さんの耳元に端末を近づけて、ゆっくりと会話をしてもらう。画面越しではありますが、「声を聞けた」「顔を見られた」という事実は、お家新年会の大きな支えになります。通信機器の操作は、家族やケアマネが事前に準備しておき、高齢者さんは話をすることだけに集中できるようにすると安心です。

こうしたレクリエーションを考える時、家族が意識しておきたいのは、「難易度よりも笑顔の量」を大切にすることです。ルールが複雑なゲームや、体力を多く使う遊びは、どうしても負担が大きくなりがちです。それよりも、単純で、すぐ終わって、何度やっても飽きない遊びを選んだ方が、高齢者さんも家族も気楽に楽しめます。「上手に出来たかどうか」ではなく、「一緒にやってみた」という事実そのものを喜べる内容が、お家新年会にはよく合います。

家族にとっては、高齢者さんが普段どんな表情で暮らしているのかを知る良い機会にもなります。普段はなかなか見られない笑顔がこぼれたり、意外な一言が飛び出したりするかもしれません。その瞬間を、心の中の写真に撮るつもりで、大切に味わってもらえたらと思います。レクリエーションの内容は翌年に少しずつ変えていけば良いものですが、「家族が揃って、同じテーブルで笑った」という記憶は、長く残っていきます。

お家新年会は、家族にとっても、高齢者さんにとっても、「また来年もここで一緒に楽しみたい」と思える時間であることが何より大切です。完璧な進行を目指す必要はありません。多少段取りが前後しても、予定していた遊びが半分しか出来なくても、「まあいいか」と笑って終われるくらいの緩さが、お家ならではの良さです。その中で、「今年はこんなことが出来た」「来年はこれもやってみよう」と、小さな楽しみを少しずつ増やしていければ、それだけで十分なレクリエーションになっていきます。


第4章…負担を増やさない準備と後片付け~冬の体調管理も一緒に~

お家新年会を続けていく上で、一番の鍵になるのは「頑張り過ぎないこと」です。特に在宅介護の現場では、日常生活そのものが既に精一杯の家も少なくありません。そこに加えて、立派な料理や凝った飾り付けまで用意しようとすると、アッという間に家族の負担が大きくなってしまいます。「とても毎年は無理だ」と感じてしまえば、せっかくの楽しい工夫も長続きしません。お家新年会は、手間と時間を出来るだけ増やさず、普段の暮らしに少しだけ色を足すくらいがちょうど良いのです。

準備の段階では、「片付けのことまで含めて考える」ことが大切になります。食器も飾りも、洗い物や片付けを担当する人の体力や持ち時間に合わせて選んでいきます。例えば、普段使いの器の中から少しだけお気に入りをピックアップし、それ以外は紙ナプキンやトレーで代用する。テーブルクロスも、汚れが気になるような高価な布ではなく、洗濯しやすいものや、使い切りのシートを選んでおけば、終わった後に慌てずに済みます。「特別な物を増やす」のではなく、「いつもの物の中から、特別扱いする物を決める」と考えると、準備のハードルはグッと下がります。

料理についても、全てを手作りしようと構えなくてかまいません。市販のお惣菜や、既製のおせちを少量だけ買ってきて、器に移し替えるひと手間を加えるだけでも、食卓の表情は変わります。高齢者さんの噛む力や飲み込みの様子に合わせて、やわらかいものを選んだり、ひと口サイズに切り分けたりする工夫が出来れば十分です。「お家新年会だから特別に豪華な物を」と欲張るより、「普段より少しだけ多めのお楽しみ」を意識した方が、胃腸にも家計にも優しくなります。

冬の体調管理を考える時、お家新年会の時間そのものが「健康チェックの場」にもなり得ます。座っている姿勢がいつもよりつらそうではないか、食べるペースが極端にゆっくりになっていないか、お茶や汁物を飲み込む時に咽込みが増えていないか。家族や訪問スタッフは、さりげなく様子を見ながら、「今年の冬の過ごし方」を一緒に考える切っ掛けにすることが出来ます。もし気になる変化があれば、ケアマネや主治医、訪問看護に相談する材料としてメモしておくと安心です。

室内環境も、冬ならではの注意点があります。新年会というと、つい暖房を強めにしてしまいがちですが、乾燥し過ぎると喉を痛めたり、風邪を引きやすくなったりします。加湿器や濡れタオルを活用したり、こまめな水分補給を意識したりして、「温かくて、ほどよく潤った空気」を保つと過ごしやすくなります。また、トイレや廊下との温度差が激しいと、血圧の変動が起こりやすくなるため、必要に応じて小さな暖房器具や防寒グッズを工夫しておくと安心です。行き来する動線に物を置かず、足元をすっきりさせておくことも、転倒予防に繋がります。

そして、後片付けこそ「お家新年会の終わりの儀式」として楽しんでしまうのも一つの方法です。家族が何人か集まっているなら、「お皿を下げる係」「ゴミをまとめる係」「テーブルを拭く係」と、ごく簡単な役割分担をして、短い時間で一気に片付けてしまいます。高齢者さんにも、無理のない範囲で「割り箸の袋を集める」「紙ナプキンをまとめる」など、小さな役割をお願いすると、最後まで参加している実感が持てます。「これで今年の新年会もお終いですね。また来年もやりましょう」と声を掛けながら後片付けをすることで、行事全体に綺麗な区切りがつきます。

在宅介護では、家族も本人も、毎日の生活だけで精一杯になりやすいものです。その中で、お家新年会を「頑張らなければならないイベント」にしてしまうと、却って心の負担になってしまいます。そうではなく、「普段の暮らしの延長線上にある、ちょっとしたお楽しみ」として位置付けておくことが大切です。準備も片付けも、体調管理も、完璧を求める必要はありません。

むしろ、「今年はここまで出来た」「来年はもう少し簡単にしよう」と、その都度調整しながら続けていけるくらいの緩さが、お家新年会にはよく似合います。負担を増やさない工夫を重ねていくことが、結果的には「また来年も同じ場所で迎えたい」と思える年初めに繋がっていきます。暖かい部屋の中で、無理のない準備と片付け、そしてささやかな体調への気遣いを重ねながら、在宅ならではの新年の時間を育てていきたいものです。

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まとめ…来年も同じ場所で「また一緒に迎えようね」と笑えるように

お家新年会は、派手な飾りや豪華な料理よりも、「誰と、どんな気持ちで年を迎えるか」を大切にする行事です。外の会場に出かけなくても、住み慣れた部屋にテーブルクロスを一枚敷き、お気に入りの器を並べて、「今日は特別な日」と声を掛けるだけで、いつものリビングが新しい一年のスタート地点に変わっていきます。そこに高齢者さんの笑顔があり、家族や訪問スタッフの「今年もよろしくお願いします」という言葉が重なれば、それだけで十分に心の温まる新年会です。

一人暮らしの静かな年初めにも、夫婦二人の穏やかな語らいにも、それぞれの良さがあります。一人で淹れた一杯のお茶に、「今年もよくここまで来たね」と自分自身を労う気持ちを込める時間。長く連れ添った相手と、昨年の出来事やこれからの暮らし方についてゆっくり話し合う時間。そこに、時々ケアマネや訪問系のスタッフが加わり、「また今年も一緒に歩んでいきましょう」と声を添えることで、ひと部屋の中にささやかながら確かな連帯感が生まれます。

家族が集まれる家では、お家新年会は世代を繋ぐ場にもなります。食卓を挟んで、昔のお正月の話を聞いたり、写真や言葉遊びを通じて、おじいちゃんおばあちゃんの若い頃の姿を想像したり。体を大きく動かさなくても、テーブルの上だけで楽しめるレクリエーションを工夫することで、無理なく笑顔を引き出すことが出来ます。完璧な進行や立派な出し物を目指す必要はなく、「皆で同じ時間を共有できた」という実感こそが、一番のご馳走です。

そして何より、お家新年会を続けるためには、「頑張り過ぎないこと」が大切です。準備も片付けも、体調管理も、出来る範囲で少しずつ。特別な道具を買い足すのではなく、普段使っている物の中から「とっておき」を選ぶ。料理も、「少しだけ贅沢」「ひと口だけお楽しみ」を合言葉に、家族と高齢者さん、誰の負担も大きくならない形を探していく。そうした小さな工夫の積み重ねが、「また来年も同じようにやってみよう」と自然に思える年初めに繋がります。

一年のうちで、家族や専門職が改めて顔を合わせ、「今年もよろしくお願いします」と言葉に出来る機会はそれほど多くありません。だからこそ、お家新年会という一時を大切にしたいものです。大笑いする日であっても、静かに湯気を眺める日であっても、「この家で、この人たちと、新しい年を迎えられた」という事実は、確かな支えになります。

来年も、その次の年も、同じ場所で「また一緒に迎えようね」と笑えるように。お家新年会は、その願いをそっと形にする小さな行事です。無理のない範囲で、自分たちらしいやり方を少しずつ試しながら、在宅介護ならではの温かな年はじめを育てていっていただけたらと思います。

今日も閲覧ありがとうございましたm(__)m


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