在宅介護のプチ新年会~ケアマネと訪問サービスで届ける年初め~

[ 1月の記事 ]

はじめに…在宅で迎えるお正月を少しだけ特別な日に変える発想

在宅で暮らす高齢者さんにとって、お正月は昔からの思い出がギュッと詰まった大切な節目です。紅白歌合戦や除夜の鐘、お雑煮やおせち、近所の神社への初詣。若い頃の記憶と重なって、「あぁ、また一年が始まったなぁ」と心の中で呟く方も多いのではないでしょうか。

ただ、年を重ねるにつれて、賑やかな新年会からは少しずつ遠ざかってしまうこともあります。人混みがつらくなったり、寒さや体調の不安から外出を控えたり、介護の必要度が高まって移動そのものが負担になったり。在宅介護の現場では、「お正月らしいことをしてあげたいけれど、なかなか難しい」という声が、家族からも専門職からも聞こえてきます。

そこに追い打ちを掛けたのが、ここ数年続いている感染症への配慮です。施設だけでなく、在宅の現場でも、不要不急の訪問は控える、長居は避ける、飲食を伴う集まりは小さくするなど、どうしても雰囲気が沈みがちになります。大人数で集まる昔ながらの新年会を、そのまま再現することは、まだしばらく難しいかもしれません。

だからこそ、考え方を少し変えてみることに意味があります。盛大な新年会を諦めるのではなく、「在宅だからこそ出来る、ささやかな年初め」を組み立ててみるのです。主役は、ケアマネをはじめとした在宅サービスのスタッフと、日々の生活を支える家族。いつもの訪問の時間に、ほんのひと工夫を足して、「今年もよろしくお願いします」という気持ちを一緒に届ける取り組みです。

在宅介護では、訪問介護、訪問看護、福祉用具、通所サービス、配食など、たくさんの支えが少しずつ関わっています。しかし、その1つ1つは、利用者さんの目から見ると「別々の会社」「別々の人たち」に見えがちです。もし年初めのタイミングで、ケアマネが中心になって、「皆で同じ方向を向いて支えていますよ」というメッセージを形に出来たら、それだけで心強さはグッと変わります。

この記事では、在宅介護の現場で働くケアマネや訪問系サービスの職員が、普段の仕事の流れを大きく変えずに、プラスαとして取り入れられる「プチ新年会」のアイデアを、ゆっくりとご紹介していきます。新年の訪問を、ただの用件確認で終わらせるのではなく、「また一年一緒に歩んでいきましょう」という約束の場に変えていくための、優しい工夫のヒントになれば嬉しいです。

そして、在宅で暮らすご本人やご家族にも、「うちでもこんな風に新年を楽しめるんだ」と感じていただけるような、現実的で続けやすい視点も、ところどころに織り込んでいきます。立派な飾りつけや豪華なご馳走がなくても、「今年も良い一年になりますように」と笑い合える時間は、必ず作ることが出来ます。その第一歩として、在宅ならではのプチ新年会を、一緒にイメージしていきましょう。

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第1章…在宅介護の新年会をあえてプチにするという選択

新年会と聞くと、どうしても大きな会場にたくさんの人が集まり、華やかな飾りつけや出し物が続く、賑やかな風景を思い浮かべがちです。仕事納めと仕事始めの間に、職員も利用者さんも一度に集まって、笑って飲んで歌って、「さあ今年も頑張ろう」と気合いを入れ直す。かつての高齢者施設や地域の集会所では、そんな光景が当たり前のようにありました。

けれど、在宅で暮らす高齢者さんに同じ形をそのまま当てはめようとすると、どうしても無理が出てきます。体調の波が大きかったり、認知症の症状が進んでいたり、足腰の不安や嚥下の心配があったり。家そのものが広くないこともあれば、同居家族の生活リズムや仕事の事情も絡んできます。年を重ねて外出が少なくなった方にとっては、「大勢の人の中に連れ出される」ことが、却って負担になる場合も少なくありません。

さらにここ数年は、感染症への配慮が当たり前の前提になりました。マスクや手指消毒は日常の一部となり、発熱や咳があれば、たとえ軽症でも訪問の調整が必要になることもあります。大人数を集めての飲食を避ける空気は、在宅でも例外ではありません。そうした状況の中で、昔ながらの「皆で集まってどんちゃん騒ぎをする新年会」を目指そうとすると、「結局今年もできなかった」という残念な結果に終わってしまうことも出てきます。

だからこそ、在宅での新年会は、敢えて背伸びをせず、「プチ」を合言葉に考え直してみる価値があります。大掛かりな準備や派手な演出ではなく、普段の暮らしに小さな彩りを添えることを目標にするのです。家の中のいつもの椅子に座ったまま、いつもの湯のみでお茶を飲みながら、少しだけ特別な言葉を交わす。好きだった歌を1曲だけ口ずさむ。小皿に盛ったお菓子を「お正月なので」と言って並べてみる。それくらいのささやかさであっても、「年が明けた」という実感は十分に生まれます。

在宅介護の新年会を「プチ」にすることには、続けやすさという意味でも大きな利点があります。特別な日だからといってスタッフだけが頑張り過ぎてしまうと、翌年以降に同じことが負担になり、「今年はやめておこうか」という話になってしまいかねません。いつもの訪問の延長線上で、半年先、1年先も同じ形で続けていける程度の工夫に留めておくことで、利用者さんにとっても職員にとっても、「毎年の楽しみ」として根付きやすくなります。

そして、「プチ」という言葉は決して手抜きではありません。派手さやボリュームを落としても、その分、一人一人の表情や声に目を向ける余裕が生まれます。大きなホールの新年会では見逃してしまいがちな、小さな呟きや、照れくさそうな笑顔、ふとこぼれる「去年はね……」という思い出話。そうした一つ一つに耳を傾けながら過ごす時間こそ、在宅の新年会ならではの豊かさと言えるかもしれません。

ケアマネや訪問介護、訪問看護、福祉用具の担当者は、仕事としての役割を抱えながら同時に、「また今年もお会いできましたね」と心の中で呟きながら玄関を潜っています。その気持ちを、ほんの少しだけ形にして届けるのが、在宅のプチ新年会です。主役はあくまで利用者さんと家族であり、スタッフはその場をほんの少し温かくする裏方。大きな会場も特別な道具もいりません。今ある訪問の時間の中で、「今年もよろしくお願いします」を丁寧に伝えることから、在宅ならではの新年会は静かに始まっていきます。


第2章…ケアマネがつなぐ~在宅サービス連携の年初めプラン~

在宅で暮らす高齢者さんの暮らしは、1つの事業所だけで支えられているわけではありません。身体介護や生活援助を担当する訪問介護、医療的な視点から関わる訪問看護、福祉用具を届けてくれる担当者、通所サービス、配食や見守りのスタッフ。日頃から何気なく玄関を出入りしている人たちが、実は1つの生活を支えるチームになっています。その全体像を一番俯瞰して見ているのが、ケアマネという存在です。

だからこそ、新年の始まりに合わせて「プチ新年会」を形にしようとする時、中心に立って全体の流れをイメージできるのはケアマネの役目です。とはいえ、改まった会議の議題にするほどの大事に構える必要はありません。年末の担当者会議や、定期的な連絡のついでに、「年初めの訪問で、こんなひと工夫を一緒に出来ないでしょうか」と、さりげなく提案してみる程度で十分です。大事なのは、利用者さんにとっての「顔触れ」が、同じ方向を向いていることを感じてもらうことです。

年初めのプランを考える時、まず押さえたいのは、普段の訪問スケジュールの中で無理なく組み込めるかどうかです。訪問介護の時間に、いつものお茶の時間を少しだけ「新年の乾杯」と名付け直してみる。訪問看護のバイタルチェックの後に、この一年の体調目標を一緒に言葉にしてみる。福祉用具の点検で伺う日に、「今年も安全に使っていきましょうね」と書かれた小さなメモをそっと手渡す。それぞれのサービスが、担当時間の中で無理なくできる一言、一場面をイメージしていくことが出発点になります。

ケアマネは、その小さな工夫を紙の上で整理しておくと動きやすくなります。例えば、一枚のメモに、利用者さんの名前と年初めの訪問予定、関わる事業所の名前を書き出し、「この事業所では挨拶を中心に」「ここでは目標の会話を」「こちらでは安全チェックを」と、自分なりの案を添えておきます。その上で、各事業所に連絡をとる時に、「この範囲ならお願い出来ますか」と相談すると、現場のスタッフもイメージしやすくなります。大掛かりな計画書ではなく、あくまで現場が動きやすいレベルのメモで十分です。

連携というと、すぐに「負担にならないだろうか」「忙しい職員に頼みづらい」という不安が顔を出します。そこで意識しておきたいのは、誰か一人に大きな役割を背負わせないことです。訪問介護だけが特別な飾り付けや出し物を任されるのではなく、訪問看護だけが長い時間を割いてイベントを行うのでもなく、それぞれのサービスが自分の仕事の中に、一言分の温かさを混ぜていく。その積み重ねの結果として、「今年も皆で支えていきますね」というメッセージが、利用者さんと家族に伝わっていきます。

また、ケアマネ自身も、「新年のモニタリング」という本来の役割と、このプチ新年会の発想を上手に馴染ませていくことが大切です。年明け最初の訪問では、体調や生活の様子を確認しながら、「今年はどんな一年にしたいですか」「去年の暮れはどう過ごされましたか」と、自然な形で会話を広げることが出来ます。その中で見えてきた小さな不安や希望を、後から他の事業所と共有していけば、在宅での支え方は少しずつ整っていきます。プチ新年会は、単なる行事ではなく、暮らし全体を見つめ直す入り口にもなっていくのです。

このように、ケアマネが少しだけ意識を向けることで、在宅サービス同士の連携は、堅苦しい会議ではなく、「年初めのご挨拶」という柔らかな形で進めることが出来ます。扉を開けて「明けましておめでとうございます」と頭を下げるその瞬間に、この一年の支え方の方向性もそっと重ねておく。それが、在宅ならではの新年会プランを、現実的なものとして根付かせる第一歩になっていきます。


第3章…訪問時間を邪魔しない~プチお祝いと声掛けの工夫~

在宅のプチ新年会を考える時に、一番の悩みどころになるのが「時間との折り合い」です。訪問介護にも訪問看護にも、それぞれ決められた時間の中で行うべき支援内容があります。そこに「新年会」という言葉が乗ると、つい特別なことを詰め込みたくなり、現場の職員ほど「そんな余裕はないのでは」と身構えてしまいがちです。そこで大事になるのは、新しい時間を上乗せしようとしないこと、そして、普段の流れの中にごく自然な形で「プチお祝い」を差し込んでいくことです。

例えば訪問介護なら、台所でお茶の準備をする時が1つのチャンスになります。いつもの湯のみと急須を並べながら、「〇〇さん、今年もこのお茶で一緒に温まりましょうね」と一言添えるだけで、同じお茶の時間が「新年の一杯」に変わります。お茶菓子も、特別なお菓子を用意しなければならないわけではありません。たまたま家にあった最中やせんべいを、「今日は年初めなので、少しだけおめかししてお皿に載せましょうか」と言いながら盛り付けるだけでも、普段との違いが生まれます。大袈裟な演出ではなく、「いつもの動作にひと言を添える」ことが、時間を増やさない工夫です。

訪問看護の場面でも、同じ発想を生かすことができます。血圧や脈拍を測るとき、看護師はいつも腕にそっと触れて、体調の変化を感じ取っています。その流れの中で、「今年の冬も、〇〇さんの心臓は調子が良さそうですね」と、未来に向けた一言を添えてみる。あるいは、バイタル測定の結果を伝える時に、「去年より少し落ち着いているように感じます。無理のない範囲で、この調子を一緒に守っていきましょう」と、新しい年を意識したコメントを加えてみる。特別な準備物は必要ありませんが、その一言が「今年も見守ってもらえる」という安心感に繋がっていきます。

福祉用具の担当者にとっても、年初めの点検や交換のタイミングは、プチ新年会の良い切っ掛けになります。手すりやベッド、車椅子の状態を確認しながら、「今年も転ばずに過ごせるよう、ここをしっかり守っていきましょうね」と声を掛ける。点検が終わった後、簡単なチェックシートに「今年も安全に使っていきましょう」と書き添えて手渡す。それだけで、単なる機械的な点検が、「新しい一年の安全祈願」に変わります。訪問の本来の目的は何1つ変えずに、そこに少しだけ願いを言葉として乗せていくイメージです。

プチお祝いを形にする時、小さなカードやメモは心強い味方になります。名刺サイズの厚紙に、職員の名前と短い言葉を書いておき、訪問の最後にそっと置いてくる。例えば、「今年も一緒に笑える一年にしましょうね」「また来年もここでごあいさつできますように」といった一文で十分です。字が得意でなくても、干支のイラストや、梅の花をひとつ描き添えるだけで、その人らしさが伝わります。ケアマネが予め数枚用意しておき、希望する事業所に配っておくと、現場でも取り入れやすくなります。

もちろん、言葉だけでなく、会話そのものを少し「新年仕様」にすることも出来ます。普段のモニタリングの質問に、「去年の暮れで、印象に残っていることは何ですか」「子どもの頃のお正月で、楽しかった思い出はありますか」といった問いを織り交ぜてみる。そこから広がる昔話は、自然な回想の時間にも繋がります。無理に長く話してもらう必要はなく、思い出したい範囲だけ話してもらえれば十分です。短いやりとりであっても、「話を聞いてもらえた」という感覚は、年初めの心の支えになっていきます。

忘れてはならないのは、プチ新年会の中心はあくまで利用者さんと家族であり、スタッフはその時間に少しだけ温かみを足す役目だということです。職員が一方的に盛り上げようとするのではなく、「今年はどんな一年にしたいですか」「何か楽しみにしていることはありますか」と問いかけ、相手の言葉を受け止めることを大切にする。そこで出てきた希望や不安は、そのままケアの方向性を考える材料になります。プチお祝いとモニタリングが自然に重なり合う瞬間こそ、在宅の新年会が本当に意味を持つ場面なのかもしれません。

このように、訪問時間を邪魔しないプチお祝いは、特別なイベントではなく、いつもの仕事にほんの少しだけ「祝いの言葉」と「心遣い」を足す取り組みです。派手な演出や大きな笑い声はなくても、「今年もよろしくお願いします」という気持ちが、玄関先やリビングの空気を柔らかく包んでいきます。その積み重ねが、「この家は一人じゃない」「いろいろな人が見てくれている」という安心に繋がり、在宅介護の一年を支える土台になっていくはずです。


第4章…感染対策と制度の決まりを守りながら続けるコツ

在宅のプチ新年会を考える時、多くの職員が一番気にするのは「楽しい試みが、感染やトラブルの切っ掛けにならないだろうか」という点ではないでしょうか。せっかくの年初めの取り組みが、体調悪化や苦情、業務外対応の温床になってしまっては本末転倒です。だからこそ、最初から「守るべき線」をはっきりさせ、その中で出来ることだけを積み重ねていく姿勢が大切になります。

感染面で意識したいのは、「賑やかさ」よりも「落ち着き」を大事にする発想です。冬場は、インフルエンザや各種ウイルスがどうしても広がりやすい季節です。大勢が一度に集まってマスクを外し、大きな声で歌ったり長時間飲食を伴ったりする場面は、在宅であっても避けた方が安心です。その代わりに、訪問スタッフは少人数、会話も穏やかな声量、飲み物は短時間で切り上げるなど、「静かな新年会」をイメージしておくと、雰囲気を保ちながら安全性も確保しやすくなります。

飲み物やお菓子を用意する場合も、衛生面のひと工夫でリスクを減らすことができます。個包装のお菓子を家族に準備してもらい、職員はそれをお皿に並べるだけにしておく。職員が食べ物を持ち込むのではなく、「もし何か一つだけ特別なお菓子を出せそうなら、こんな物はいかがですか」とアイデアだけ伝える。訪問前後の手指消毒を丁寧に行い、飲み物の用意や片付けに使うタオルは清潔な物を使う。こうした地味な工夫の積み重ねが、安心して続けられる雰囲気を守ります。

制度面では、「どこまでが仕事で、どこからが私的な好意なのか」という線引きも重要になります。介護保険のサービスには、それぞれ提供時間と内容が決められており、その枠を大きく超えるような対応は、善意であっても後から問題になることがあります。プチ新年会にかける時間は、あくまで担当時間内の数分程度に留め、本来のケア内容を圧迫しないように意識しておくことが大切です。

また、職員個人のポケットマネーで高価な贈り物を用意したり、特定の利用者さんだけ特別扱いしたりすることも、後々、誤解や不公平感を生む原因になります。「事業所として許容できる範囲」を予め話し合い、やるなら全員が同じルールで動ける形にしておくと安心です。例えば、名刺サイズのカードを事業所共通のひな形として用意し、各スタッフはその中に一言ずつメッセージを書く、といった統一の仕方なら、業務の一環として整理しやすくなります。

ケアマネに出来ることは、このようなルール作りと、家族へのさりげない説明です。「年初めの訪問で、スタッフからひと言ずつ挨拶を添えさせてもらうことがありますが、本来の支援内容や時間は守りながら行いますね」と事前に伝えておけば、家族も安心して受け止めやすくなります。利用者さんに何か物を贈る場合でも、「事業所として用意したものです」「全員共通です」と一言添えるだけで、誤解の芽を小さくすることが出来ます。

さらに、この取り組みを毎年続けるためには、「やり過ぎない」ことも1つのコツです。年によっては、流行している感染症の種類や地域の状況から、「今年は声掛け中心にして、飲食の演出は控えめにしておきましょう」といった判断が必要になることもあります。その時には、「中止」ではなく「形を変えて続ける」と考えると、スタッフの気持ちも前向きになります。例えば、お茶やお菓子を伴う場面は控えつつ、カードと会話だけで新年の気持ちを届ける年があっても良いのです。

こうして、感染対策と制度上のルールをきちんと押さえた上で、「今年はこの範囲なら出来そうだ」というラインを皆で共有しておくと、在宅のプチ新年会は特別な年だけの企画ではなく、毎年の暮らしにそっと溶け込んでいく習慣になります。守るべきところをしっかり守っているという自信があるからこそ、スタッフは安心して笑顔を向けることができ、利用者さんも遠慮なく「ありがとう」と受け取ることができます。その積み重ねが、在宅介護の現場にとっての「続けられる行事」を育てていく力になるのではないでしょうか。

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まとめ…また来年も同じ顔触れで今年もよろしくと言えるように

在宅介護の新年会を「プチ」にする、という発想は、派手な行事を諦める考え方ではありません。大勢で集まる場が難しくなった今の暮らしに合わせて、形を少し変えながら、年初めの温かさだけは残していこうとする工夫です。玄関での挨拶、湯のみのお茶、いつものベッド周りの点検。そのどれもが、少しだけ言葉を添えることで、「今年も見守っていますよ」というメッセージに変わっていきます。

その中心に立つのが、全体の地図を持っているケアマネです。訪問介護や訪問看護、福祉用具の担当者、通所サービスや配食など、在宅生活を支える顔触れを思い浮かべながら、「この人はこの一言を」「この事業所にはこんな役割を」と、無理のない範囲で年初めの役割分担を描いていく。後は、現場が動きやすいように、簡単なメモを添えて声を掛けていくだけで十分です。大掛かりな計画書ではなく、日常の延長線上でできる連携だからこそ、今年だけで終わらない取り組みになります。

訪問に入る職員にとっても、プチ新年会は特別な出し物ではなく、「いつもの支援にひと言の彩りを添える」程度の試みです。お茶を出す時の一声、バイタルを伝える時の一言、手すりを触りながらの安全宣言、小さなカードに込めた短いメッセージ。どれも数秒で済むことばかりですが、その積み重ねが、在宅で暮らす高齢者さんや家族にとっての安心に繋がっていきます。年の初めに交わされた言葉は、寒い季節を越えていく心の支えにもなるはずです。

一方で、感染対策や制度上の決まりを守ることも忘れられません。飲食を伴う場面は控えめにし、声量や滞在時間にも気を配りながら、「静かな新年会」を意識する。担当時間の枠を大きく超えたり、スタッフ個人の善意に頼り過ぎたりしないよう、事業所としての方針やルールを整えておく。守るべき線をきちんと押さえることで、安心して笑顔を向けられる土台が出来ます。

在宅のプチ新年会は、見た目には目立たないかもしれませんが、「また来年も同じ顔触れで挨拶が出来ますように」という静かな願いを、家の中にそっと灯す行事です。扉を開けて「本年もよろしくお願いいたします」と頭を下げるその瞬間に、ケアマネや在宅サービスのスタッフは、それぞれの胸の内で同じ思いを共有しているのではないでしょうか。

新しい年が始まるたびに、在宅で暮らす人の元へ、変わらない笑顔と声が届くこと。その積み重ねが、「住み慣れた家で暮らし続けたい」という願いを支える力になっていきます。次の年明けには、自分の担当しているお宅でどんなひと言を贈ろうか。そんなことを思い描きながら、この冬の訪問を少しだけ新年会の気持ちで彩ってみてはいかがでしょうか。

今日も閲覧ありがとうございましたm(__)m


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