つばめ一家の一年を追え!~空飛ぶ小さな命の冒険物語~

目次
はじめに…玄関の上に泥のかたまり!?~つばめとの奇妙な同居生活が始まった
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ある春の朝、いつものように玄関を出た瞬間、頭の上から「ピチュピチュ」と軽やかな鳴き声が聞こえてきた。
見上げると、軒のすみっこに…あれ?泥?
いや、あれはもしや鳥の巣?
えっ、これって…つばめ!?
いやいや待って、うちの玄関、予約制じゃないし!?ということで、つばめ一家の不法占拠…じゃなかった、ご訪問が始まりました。
その日からというもの、うちの家族は“つばめ観察隊”に早変わり。
いつ飛び立つのか、エサは何を食べてるのか、夜はどこで寝てるのか、果ては「蚊を食べるって本当?じゃあつばめがいると刺されない?」など、気になることが次々と湧いてきたのです。
しかも調べれば調べるほど、「えっ、そんな秘密が!?」と驚くことばかり。
つばめはただの渡り鳥じゃありません。
虫除けに貢献するナチュラルなハンターであり、人のそばをあえて選んで生きる、おもてなし上手な隣人であり、そして…スズメバチとバチバチにやり合うこともある!?
そんな彼らの一年を、ユーモアたっぷりに、でもちょっとだけ真面目に調べてみたこの自由研究🩷。
読み終わるころにはきっと、あなたの家の軒下が気になって仕方なくなっているはずです。
さあ、つばめ一家の冒険に出発しましょう!
巣作りあり、長旅あり、虫退治あり、スズメバチとの仁義なき闘いありの、まさかの“空飛ぶホームドラマ”が、今ここから始まります──。
第1章…春にやってきた風の使者~つばめっていったいどんなヤツ?
気づけば春、桜が咲いて、気温もじわじわ上がってくるころ、不意に空を見上げて「おっ、帰ってきたな」とつぶやいてしまう鳥がいる。
そう、それがつばめ。
あのⅤ字型のシュッと長い尾っぽと、黒っぽい羽、白いおなか、そして「スーッ」と空を切るように飛びながらも、ほとんど羽音を立てない静けさ。
虫は食べるのに音は立てない。
忍者かな?っていうくらいの飛行スキルを持っている。
このつばめさん、実はただの通りすがりではなく、毎年律儀に日本に帰ってくる“夏鳥”というカテゴリーの渡り鳥で、3月の終わりごろから日本にやって来ては、ちゃっかり巣作りを始める。
どこで越冬してたかって?
インドネシアとかフィリピンとか、つまり南のあったかい国で冬をぬくぬく過ごし、春になると何千キロも自力で飛んでくるという、いわば筋金入りの長距離ランナーならぬ、ロングフライヤーなのである。
そんなつばめの食事メニューはというと、意外にも地味。
ハエ、蚊、ユスリカなどの空中を飛び回る虫たちがメインディッシュ。
つまり害虫をパクパク食べてくれる、ありがた〜い存在。
だけど、「ハチも食べてくれたら完璧なのに…」と思ったあなた、それは少し無理な注文。
ハチには毒があるし、つばめにとってはリスク高め。
そんな無茶ぶりをしたら、つばめだって「いやいや、それブラック労働じゃん」と言って逃げていくかもしれない。
それにしても、なぜわざわざ人の家の玄関や軒下に巣を作るのか?
これは「敵が来にくいから」。
人間という巨大生物がうろうろしてる場所なら、蛇やカラスなどの天敵も近寄りにくい。
つまり「この人間、意外と使えるぞ」という、つばめなりの戦略。
人間もまた「つばめが巣を作る家には福が来る」と昔から信じてるし、まさにWin-Winの関係ってやつだ。
春風と一緒にふわっとやって来て、ササっと巣を作り、空を静かに舞いながら虫を片っ端から平らげるつばめくん🩷。
いったい何者!?と思うけど、その正体は、渡り鳥界のスーパー家族系アスリート。
そう、つばめって、ただのかわいい鳥じゃなくて、人知れず活躍する“空の職人”なのである。
さて、このあと彼らはどんな家を作り、どんなドラマを展開するのか──第2章、巣づくり大作戦へと続く。
第2章…巣づくりは命がけ!?新婚つばめ夫婦の家づくり奮闘記
さて、春の風に乗ってやってきたつばめ夫婦。
無事に目的地に着いたら、まず始まるのが住宅建築である。
間違っても旅行気分ではない。
もうね、到着したその日から「土地探し」スタート。
ちなみに、つばめにとっての理想の土地とは、人の出入りがあって敵が来にくく、屋根がついてて雨風しのげて、できれば軒下で、人間が「かわいい〜」とか言って見守ってくれる場所。
つまり完全な好立地だ。
でも、空き物件はそう簡単には見つからない。
去年まで使っていた巣が残っていれば、ちょっとリフォームして再利用もありだけど、カラスに壊されてたり、スズメに取られてたり、果ては人間に撤去されてたりと、なかなか一筋縄ではいかない。
そんなときは、もう一から新築工事スタートである。
しかも、泥とワラという環境に優しい素材をくちばしでちまちまと運び、ペタペタ塗って乾かし、またペタペタ…って、あれ?これってほぼ左官職人?
しかも、雨が降れば泥がダメになるし、強風が吹けば材料が飛ばされるし、集中工事中に人が驚いてベランダをバンッと開けようものなら「キャッ」と飛び立ち、また最初からやり直し。
こうして完成まで約1週間、早くて5日、遅ければ10日以上。
途中で飽きるかと思いきや、夫婦2羽は黙々と、時に小さくさえずりながら、黙々と巣を作り続ける。
ああ、令和の人間たちに見せてあげたいこの夫婦力…。
ちなみに作った巣の中は、泥の壁でしっかり固めた外壁に、ワラや羽毛でふかふかに整えた内装つき。
これもう、ローコスト&超断熱&抗菌天然素材のナチュラルデザイン住宅である。
エコの極み。注文住宅の見積もり出したら泣けてくるレベル。
でもね、せっかく完成しても、気が抜けない。
というのも、自然界では「できた巣=完成」ではなく、「できた巣=いつ壊れてもおかしくない運命の塊」なのだ。
カラスの襲来、スズメとの縄張り争い、さらには人間の「あっ、ベランダがフンだらけ!」という切ない悲鳴からの撤去命令。
つばめ夫婦の家づくりは、はっきり言って命がけ。
命をつなぐために、今日も彼らは泥を運ぶ。
でもそのがんばりを見守る側にとっても、観察の楽しさは格別だ。
日ごとに形になっていく小さな巣、小枝が加わり、ワラが加わり、やがて卵が並ぶその日まで──🩷。
静かに、でも確実に築かれていく命のステージ。
それが、つばめの家づくりという営みなのだ。
第3章…南へひとっ飛び!ヒッチハイクなしの数千キロ大冒険
「じゃ、そろそろ帰るわ〜」なんて言って、つばめ一家がふわっと姿を消すのが9月頃。
なんかこう、ひと夏を一緒に過ごした親戚が「また来年な!」って感じで去っていくあの寂しさ。
で、気になってくるわけです。
「つばめって、どこ行くの?」と。
行き先はズバリ、南の国。
赤道を越え、インドネシア、フィリピン、マレーシア、時にはオーストラリアの北部まで。
しかもこれ、全部自力。飛行機なんてもちろんなし、ヒッチハイクもなし、羽根一本で海を越える。
もうこれ、鳥界の鉄人レース。
気になる飛行距離は、なんと3000〜1万キロ超え。
いやいや、地球の裏側かよ!?とツッコミたくなるが、彼らにとってはこれが“年中行事”。
もちろん、のんきに飛んでるわけじゃない。空の上は敵だらけ。
台風、渡りの途中での餌不足、時に迷子、さらにはビルにぶつかる、車に巻き込まれるなんてこともある。
それでも毎年この旅に挑み続けるその姿、もはや小鳥というより戦士である。
飛びながら虫を食べて、時には船にちょっと休憩でとまって、体力をうまく温存しながら、最終的には東南アジアで「南国バカンス」状態。
そこで過ごす冬の生活は、特に巣も作らず、のんびり木陰で虫をついばむリゾート生活だ。
いわば“夏に働いて、冬はのんびり”という理想的ワークライフバランス。
けれど一方で、命をかけた大移動には毎年「無事帰ってこられるか」という大きな不安もつきまとう。
つばめの平均寿命は1~2年と言われ、最長でも5年程度。
つまり、去年のあの子が今年戻ってきた奇跡、その尊さは計り知れない。
だから、もし春にまた同じ場所に巣を作ろうとしているつばめを見かけたら、ぜひそっと見守ってあげてほしい🩷。
「あっ、おかえり」と声をかけたくなるその瞬間こそ、地球をひとっ飛びして戻ってきた“空の勇者”を迎える最高のご挨拶なのだ。
というわけで、次章ではそんな勇者たちの夜の過ごし方、そして“あの謎のナビ能力”について迫っていく。
え?つばめって地図アプリ使ってないのに迷わないって、本当なの?
…答えは、空の下にある。
第4章…寝場所はどこ?渡りの地図は?つばめの夜と旅のヒミツ
つばめって昼間はめちゃくちゃアクティブ。
高速飛行で虫をパクパク、巣にエサを運んでヒナに給餌、巣のまわりを見張って敵が来ないかチェック。
その姿はまさに「育児中のフル稼働パパ&ママ」。
けれども、ふと気になるのが夜。
あんなに動いてるのに、夜はどこで寝てるの?
え?つばめって寝るの?
いや、寝ないわけない。
さすがに不眠不休では生きていけない。
ということで、つばめの夜のすごし方、ちょっと覗いてみましょう。
基本的につばめの睡眠スタイルは「止まり寝」。
つまり、電線とか梁とか、ちょっとした高いところにとまってスヤァと目を閉じて寝ます。
あの小さな体で強風や猫やフクロウから身を守るため、とにかく「高くて人間が近くにいる場所」が寝床のセオリー。
特に巣を持っている時期は、もちろん巣の上やすぐ近くで寝ることが多く、親としての責任感がビシビシ伝わってきます。
一方、旅の途中や越冬地ではどうかというと、これまた賢い。
つばめたちは夜になると「ねぐら」と呼ばれる集団宿泊地を作るのです。
仲間がわらわら集まって、一緒に木の枝や草の上で眠る。
ちょっとした修学旅行の雑魚寝スタイル。
なにそれかわいい。
これなら外敵が来てもすぐに誰かが気づいて大騒ぎ=みんな逃げられるというチームワーク方式。
なるほど、さすが毎年数千キロを飛ぶだけあって、睡眠術も旅仕様。
で、もっと不思議なのが、あの“渡りの方向感覚”。
スマホの地図アプリもなければ、看板もない。
なのに、初めての旅でも迷わずに南の国へ。
しかも翌年にはちゃんと生まれた場所の近くに戻ってくるという神業。
これはもう…鳥なのか、GPS付きのドローンなのか。
科学的には、太陽の位置を見て方向を判断する「太陽コンパス」、地球の磁場を感じ取る「磁気センサー」、地形や川の流れ、さらには空気のにおいまでを総合的に読み取っていると考えられているけど、もはやそれ全部合わせたら“超高性能ナビ搭載”ってことで良くない?
しかも、仲間が一緒にいなくても旅立つ子もいて、親の背中を見て学ぶ、というよりは「本能フル起動型」。
誰にも教わってないのにルートを覚えてる、って人間だったら完全に天才児である。
つまりつばめは、昼は虫取りのプロ、夜は安全第一のねぐらマスター、旅では迷わぬ風来坊🩷。
地球をまたぐ長距離移動を「習ったわけじゃないけどできちゃった♪」って顔でこなす、謎めいて愛おしい存在なのです。
では次は、そんなつばめの家づくり計画に思わぬ“侵入者”が現れるお話…。
そう、つばめを歓迎しようと設置したあの巣棚に、ある日やってきたのは…あの黒と黄色の縞々さん!
次回、第5章は緊張感あふれる仁義なき“巣争奪戦”へと続きます。
第5章…つばめとスズメバチの仁義なき巣争奪戦!勝つのはどっち!?
さてここまで読んで「よし、うちにもつばめ来てくれないかな♪」と心がときめいたそこのあなた。
安心してください、私もそうでした。
そしてやってみたんです。
ホームセンターで巣棚キットを買って、玄関の上に取り付けて…あとはつばめが来てくれるのを待つだけ。
ところが。春のある朝、わくわくしながら見上げると、そこにはなんと…黒と黄色のしましまボディ。
でっぷりした女王スズメバチが、堂々と巣作りを開始していたのです。
ちょ、そっちかい!
そう、つばめ大歓迎のつもりが、まさかのスズメバチ一家を先に呼び寄せてしまうパターン。
実はこれ、意外とよくある話で、スズメバチもまた「雨風しのげて人があまり触らない場所」が大好き。
巣棚なんて、彼らにとっては理想の新築マンション。
しかも入居申込書なんて不要、勝手に即入居。
これは完全に先着順の物件争奪戦である。
もちろん、スズメバチが先に住みついたら、つばめ夫婦は「え…ムリムリ無理。あんなの絶対ムリ」と言わんばかりに引き返してしまう。
そんな勇敢につっこめる相手じゃない。
毒あるし。
空中戦でもタフだし。ハチvsつばめ、勝負は始まる前から決まっているのです。
つまり、つばめの“歓迎準備”が、逆に“危険物件”になってしまう悲しい現実。
でもご安心を。
事前にできる対策はあります。
たとえば、巣棚の上に透明なアクリル板をかぶせておくだけでも、スズメバチは「ここ、屋根がねぇじゃん」と思って諦めてくれる確率がグッと上がります。
また、よくある「ニセバチの巣」グッズを吊るすのも効果あり。
縄張り意識が強いスズメバチは「他の家族がもう住んでる」と思って退散してくれるのです。
さらに、柑橘系やミントの香りスプレーなんて、ナチュラル派つばめにも優しく、スズメバチにはNO THANK YOUの香り。
まさに香りの結界であります。
というわけで、つばめを迎えるには準備が肝心。
そしてその準備とは「つばめには快適、ハチには地味に不快」という微妙なラインを攻めること。
まるで“人を選ぶカフェの内装”のような繊細さが必要なのです。
もし春先に巣棚を設置するなら、定期的に見上げてチェックすることをお忘れなく。
なんか紙っぽい物体が張りつきはじめたら、それはスズメバチの建築開始サイン。
即撤去、もしくはプロに相談。
間違っても「まぁ様子見ようかな~」なんてのんびりしてたら、次に見ると女王の親戚一同で満室御礼、つばめどころか家族が近づけなくなるという悲劇に見舞われます。
つばめの巣を歓迎するということは、つまり「自然との共存計画🩷」。
愛らしいつばめのために、ちょっとした注意と対策でその春がぐんと優しくなるかもしれません。
そしてつばめがやってきて、そこに新しい命が宿り、空を舞う姿が見られたなら──それはもう、ちょっとした奇跡のお裾分けなのです。
さあ、最後はその奇跡の意味をもう一度かみしめながら、1年間のつばめ観察で見えてきたものをまとめてみましょう。
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まとめ…つばめはただの鳥じゃなかった~空と人をつなぐ春の魔法の使者~
ふわっと風に乗って現れて、ちょこんと巣を作り、スイスイと空を飛び回るその姿は、ただ可愛いだけじゃなかった。
つばめは毎年、命がけで海を越え、山を越え、数千キロの空を旅して私たちの住む町へやってくる。
そして、玄関の上やお店の軒下に、泥とワラでコツコツと巣をつくり、ヒナを育て、再び旅立っていく。
そのすべてが、人知れず緻密に、でもひたむきに積み重ねられた“奇跡のルーティン”なのだ。
夜はどこで寝てるのか。
どうして迷わずに渡りができるのか。
どうしてハチを食べないのか(願望だけど)。
観察すればするほど、小さな体に詰まった驚きと謎と感動に出会える。
それはまるで、自由研究という名の冒険旅行。
子どもだけでなく、大人だって夢中になる深さと面白さが、つばめにはある。
そして、忘れてはいけないのが“共に暮らす覚悟”。
「つばめ大歓迎!」と巣棚を取り付けたら、来たのはまさかのスズメバチ一家だった…なんて笑えないトラブルもある。
それでも、ちょっとした工夫と優しさで、つばめと人との共生はきっと叶う。
虫除けスプレーよりエコで、風情があって、しかも縁起までいいんだから、これはもう積極的にお迎えしたくなる春の風物詩。
つばめは空を飛ぶ、でも心も運んでくれる。
巣を見上げれば、「今年も来てくれてありがとう」と思える🩷。
帰っていく背中を見送れば、「また来年、元気でな」と願いたくなる。
そんなあたたかな気持ちが、空と地上をつないでくれる──つばめは、ただの鳥ではない。
私たちの季節の記憶にそっと寄り添ってくれる、春の魔法の使者なのだ。
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