芒種とはいつ?どんな行事や食べ物があるの?梅雨入り前の風景と暮らしの知恵を楽しもう

目次
はじめに…雨が降り始めるこの季節にあなたの心にそっと寄り添う芒種のお話
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梅雨入りの知らせが届き始めるころ、空模様が少しずつ気まぐれになり、洗濯物と相談しながら過ごす日が増えてきますよね。
でもそんな季節こそ、日本人の感性が冴えわたる時期なのかもしれません。
今回のテーマは「芒種(ぼうしゅ)」。
6月5日頃から始まる、二十四節気のひとつです。
「え?何それ?聞いたことあるような、ないような…」という声も聞こえてきそうですが、それもそのはず。
現代の生活ではあまり耳にすることのない言葉ですし、カレンダーに大きく書かれる祝日でもないですからね。
けれどこの「芒種」という言葉のなかには、季節の移ろいや自然との付き合い方、そしてちょっぴり贅沢な暮らしの知恵がたっぷり詰まっているんです。
たとえば、虫たちが目を覚まし、夜空に螢が舞い、庭では梅がぷっくりと色づいていく。
台所では梅干しやらっきょうが並び、冷蔵庫の野菜室には真っ赤なトマトが鎮座して――ああ、なんだか美味しそうな季節だなって思いませんか?
今回はそんな「芒種」の季節にまつわる行事や自然の風景、体にやさしい行事食まで、楽しく、ちょっと得する形でご紹介していきます。
読んだあと、つい誰かに話したくなるような、そんなひとときをどうぞ一緒に過ごしてみませんか?🩷
第1章…芒種(ぼうしゅ)とは?田んぼの神さまが歩き出すとき
芒種(ぼうしゅ)という言葉を、あなたはどれくらい身近に感じているでしょうか。
もし「読めないし、意味もよくわからない」と思われたとしても、それは自然なこと。
なにせ現代では、ニュースでも天気予報でも、芒種の話題が取り上げられる機会はほとんどありません。
けれど実は、この芒種こそが、日本の初夏を語るうえでとても重要な節目なのです。
芒種とは、二十四節気のうちのひとつで、暦のうえでは6月5日頃からおよそ2週間ほどを指します。
「芒(のぎ)」という漢字が含まれているのは、稲や麦の穂先にある“とげ”のような部分のこと。
つまり芒種とは、稲などの“芒”のある植物の「種をまく季節」――かつて農耕社会だった日本にとって、とても大切なタイミングだったのです。
でも現代の日本では、田植えのピークはすでに5月で終えてしまう地域が多く、麦はもう収穫の真っ最中。
じゃあ、芒種は何を意味するの?というと、今では“夏の入口を知らせるサイン”としての意味合いが強くなっています。
気温がぐんと上がり始めて、湿気がまとわりつくようになり、ついに梅雨の気配が空に漂いはじめる…そんな、季節の変わり目なのです。
この時期をさらに細かく見ていくと、二十四節気を3つに分けた「七十二候(しちじゅうにこう)」という表現にも出会えます。
たとえば「蟷螂生ず(とうろうしょうず)」では、かまきりの赤ちゃんが顔を出し、「腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)」では、草の下から蛍が飛び立つ。
そして「梅子黄なり(うめのみきばむ)」では、青かった梅の実がほんのり黄色く熟し始める…こんな風に、季節は静かに、でも確実に動いているのです。
こうした自然のリズムに耳を澄ませること、それこそが芒種の過ごし方かもしれませんね。
田んぼの水面が陽光を跳ね返し、虫たちが小さな羽音を響かせ、風の匂いにかすかに青梅の気配が混ざる。
そういう空気を一瞬でも感じられたら、それはもう芒種の贈り物。
忙しない日々の中で、ふと立ち止まり、自然との距離をほんの少しだけ近づける――そんなやさしい季節なのです🩷。
第2章…梅雨の入口で出会う命たち―螢とかまきりと田んぼのまわりの物語
芒種という季節を、どう過ごすか。
それは、目に見えないけれど確かに訪れる“命のうごめき”に耳をすませることから始まるのかもしれません。
たとえば、ある日の夕暮れ。ほんのり空が薄桃色に染まりはじめたころ、近くの用水路や田んぼ沿いを歩いてみると、草むらの奥でふわりと光がゆらめいている――そう、ホタルです。
日本各地で見られるこの小さな光の舞は、まさに芒種の風物詩。
20時前後の静けさの中、ふわりふわりと漂うあの光に、思わず見入ってしまう人も多いのではないでしょうか。
ホタルの出現は、清らかな水と静かな環境がそろった場所だからこそ。昔から農村の溜め池や水田の脇に見られるのは、自然と共存してきた日本の風土ゆえです。
いまでも、少し足をのばせば、ホタルの里やホタル祭りのような地域イベントが開かれていたりします。
密かに家族連れの夜のドライブ先としても人気があるこの光景、子どもたちの記憶にも残る貴重な体験になるでしょう。
そしてもうひとつ、虫の話題といえば…カマキリの赤ちゃん。
芒種の初めに該当する「蟷螂生ず(とうろうしょうず)」の頃には、まだ小さな透明の体をしたカマキリが、植木鉢の縁や草の隙間から、ちょこんと顔を出します。
まるでおもちゃのような愛らしいその姿に、虫が苦手な方でもちょっぴり和んでしまうかもしれません。
気がつけば、虫かごや虫取り網を持って、かつての自分が夢中になっていたあの夏を、思い出していたりして。
また、芒種の締めくくりに出てくるのが「梅子黄なり(うめのみきばむ)」という言葉。
読み下せば「梅の実が黄色く色づき始める頃」となります。
青かった実がほんのり色づき、甘酸っぱい香りを放ち始めるこの時期は、梅の収穫が始まるタイミング。
梅干しや梅シロップ、梅酒に仕立てるために、あちこちのご家庭や農家さんが忙しくなる光景もまた、この季節らしさのひとつです。
さらに、田植えにまつわる行事や神事も各地で行われています。
田の神様を迎え、五穀豊穣を願って行われる「田植え神事🩷」は、日本の農耕文化の原点のような光景。
白装束に身を包んだ人々が太鼓の音に合わせて、丁寧に苗を植えていく姿に、私たちがどれだけ自然に寄り添って生きてきたかを思い出させてくれます。
地域によっては一般参加ができることもあり、神社のホームページや自治体の広報などで告知されていることもありますので、興味のある方はぜひ調べてみてはいかがでしょう。
こうして見ると、芒種はただの“梅雨のはじまり”ではありません。
虫たちが目覚め、梅が実り、人の手が大地に触れる…。
小さな命がいっせいに動き出す、そんなきらめきに満ちた、にぎやかで優しい季節なのです。
第3章…梅とらっきょうと麦 ― 保存食に込めた昔の人の知恵と願い
台所にふわりと香る酸っぱい匂い。
それだけで「あ、梅の季節だな」って感じる方もいるのではないでしょうか。
そう、この時期の風物詩といえば、梅仕事。
とくに芒種の終わりごろになると、黄色く色づいた梅の実が店頭に並び、瓶詰めの準備に心がそわそわしてきます。
梅干しって、買うものだと思っていませんか?
もちろん市販のものも手軽でおいしいですが、実は案外シンプルな材料と工程で、自宅でも漬けることができるんです。
必要なのは、梅と塩と、ほんの少しのやる気。
あとは時間が風味を育ててくれます。
失敗したっていいじゃないですか。
酸っぱすぎたり、しょっぱすぎたり、それも“うちの味”。
じっくり漬かった梅干しが一年後の夏バテ対策やおにぎりの主役になるなんて、ちょっとした贅沢ですよね。
そしてもうひとつ、この季節に一緒に仕込みたいのが「らっきょう」。
独特のシャキシャキとした食感と、爽やかな香りが魅力の保存食で、こちらも昔ながらの定番。
カレーのおともにされがちですが、実は和え物やサラダ、刻んでドレッシングにも活用できる万能選手なんです。
手作りのらっきょう漬けを口にすると、思わず「こんなにおいしいの?」と驚くかもしれません。
漬け込み方や甘酢の配合によって味に個性が出るのも、自家製ならではの楽しみのひとつ。
梅干しやらっきょうって、いわば“保存食の王様”なんですよね。
昔の人たちは、冷蔵庫なんてない時代に、工夫と時間を味方につけて季節の恵みを蓄えました。
その技は、単なる知識ではなく、暮らしを支える知恵そのもの。
食卓に季節を取り入れ、家族の体を守るための、やさしい手間なんです。
最近では「発酵食品」や「腸活」といったワードに注目が集まっていて、検索でも健康系キーワードとしてよく見かけますが、実はそのどれもが昔ながらの食文化とつながっているんですよね。
味噌やぬか漬け、そして梅干し――どれも私たちの体を整え、心まで満たしてくれる宝もの。
もし小さなお子さんがいるご家庭なら、梅のヘタを取る作業を一緒にやってみるのもいいかもしれません。
「これはね、1年かけて味が変わっていくんだよ」なんて話しながら、台所で並んで手を動かす時間は、きっと子どもにとっても特別な思い出になるはずです。
自然の恵みを“手間ひま”という形で受け止める体験は、まさに食育そのものですからね。
芒種は“田植え”だけではありません。
じつは“保存する知恵🩷”が輝く、まるで台所の祭りのような季節。
冷たい雨が降る日も、梅やらっきょうを漬けるガラス瓶の中では、ゆっくりと季節が発酵していくのです。
第4章…栄養満点トマトと麦ごはんで迎える初夏の“養生”ごはん
台所に立つと、なぜか食欲が落ちがちな梅雨の時期。
でも、そんなときこそ食べておきたいのが“旬のごはん”。
芒種の頃にぴったりな行事食といえば、まず思い浮かぶのが麦ごはん。
白米にぷちぷちした大麦が混ざったあの素朴な一膳は、なんともやさしい味がしますよね。
じつはこの麦、食物繊維が豊富で腸内環境を整えてくれる頼もしい食材。
昔から“お腹の調子をととのえる”と言われてきたのも納得です。
さらにこの時期、麦ごはんと相性がぴったりなのが「とろろ」や「山かけ」。
さらっと喉をすべるこの食べ方は、湿度の高い季節に食べやすく、胃腸への負担も少ないのが魅力。
マグロや温泉卵をトッピングすれば、栄養バランスもばっちりで、ちょっとした“ごちそう感”も演出できます。
伝統的だけど現代のライフスタイルにもぴたりと合う、そんな素敵な組み合わせです。
もうひとつ、この季節に見逃せないのが“トマト”。
夏野菜の王様ともいわれるこの果実、実は芒種の頃から本格的に“走り”のシーズンが始まるんです。
走りとは、旬の先駆けとして出回り始める時期のことで、味わいも濃く、糖度が高くてジューシー。
まだ真夏のトマトほど酸味が強くないので、生でも加熱でもどちらでも楽しめます。
トマトの赤い色は、リコピンという成分のおかげ。
これが紫外線ダメージを防いでくれたり、美肌やアンチエイジングに効果的だったりと、美容に敏感な方にはぜひ注目してほしいところです。
冷製のカプレーゼや、オリーブオイルと塩だけで楽しむスライス、あるいは温かいトマトスープやトマト鍋にしても、栄養が体に染み渡っていく感覚が味わえます。
この時期にしっかり栄養をとっておくことは、夏バテ予防にもつながります。
梅雨のだるさは、実は食事の偏りや水分代謝の低下が関係していることも多いので、意識的に“体が喜ぶもの”を選んでいくことが大切なんです。
麦ごはんで整え、トマトで潤し、とろろで包み込む。
そうして迎える初夏の食卓は、静かに、でも力強く、私たちを次の季節へと運んでくれます。
なんとなく食欲がわかない…そんな日でも、旬の食材の色や香りに背中を押されることってありますよね。
食べることは、生きる力そのもの🩷。
季節に合わせた食事は、ただの“ごはん”じゃなくて、私たちの暮らしを支える大切な土台なのかもしれません。
第5章…虫の観察と梅の手仕事と今年は“自由研究”をひと足早く始めてみよう
梅雨というと、どんより曇った空に長靴と傘。
つい「家でじっとしていようかな…」と気持ちも湿りがちになりますよね。
でも、そんな季節だからこそ、外に出て自然を感じると、ちょっとした発見が心を明るくしてくれることもあるんです。
たとえば、雨が上がった午後、ぬかるんだ道をそっと歩いてみると、小さなカエルやかたつむり、かまきりの赤ちゃんなんかが顔を出していたり。
そんな風にして、ほんの少し足元の自然に目を向けてみると、“命が動き出す季節”であることを、じわじわと実感できるのです。
最近では、自然観察が“自由研究”としても注目されているのをご存じでしょうか。
ホタルの生息地を親子で訪れたり、虫の羽化を記録したり、庭先で家庭菜園にチャレンジしたり。
そうした体験の積み重ねが、子どもたちの感性や興味を育てていく――それって実は、夏休みが来る前にこそ、準備しておける学びの時間なんですよね。
たとえば、スーパーで買ってきた青梅を一緒に洗いながら、なぜ熟すと香りが変わるのかを話したり、らっきょうの根を切りながら土の匂いについて語ったり。
梅干しを漬ける瓶に、日付と名前を書いたシールを貼るだけでも、それはもう立派な記録。
そんな日々が積み重なったら、「今年はおうちで季節を学んだなぁ」なんて、親子で振り返る日が来るかもしれません。
また、梅雨の時期はどうしても“家の中で過ごす時間”が長くなります。
でも、そんな日はあえて“手を動かす日”にしてみませんか?
台所で季節の手仕事に取り組むもよし、絵日記をつけるもよし、雨音を聞きながら植物の成長を観察するのも、とても豊かで静かな楽しみ方です。
大人にとっても、こうした時間はどこか懐かしく、心を整える役割を果たしてくれるはずです。
スマホやテレビからちょっと離れて、五感で季節を感じてみる。
香り、音、手触り、そして舌の記憶。
これらすべてが「今年の芒種は、こんな風だったな」という記憶に、きっと深く刻まれていきます。
だからこそ、芒種という季節を、ただの“梅雨入り”で片付けず、自然や食、手仕事、学びといった広がりのある時間としてとらえてみませんか?
それはきっと、子どもにとっても、大人にとっても、一生ものの“季節の贈り物🩷”になるはずです。
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まとめ…心が湿りがちな梅雨こそ季節の行事で暮らしを立て直そう
芒種という言葉は、どこか古めかしくて、自分とはあまり縁のないもののように感じていたかもしれません。
けれど、少し視点を変えてみれば、それは今の暮らしの中にもそっと寄り添ってくれている季節の目印なのです。
梅雨の入り口、ホタルの舞う夜、梅の香りがふわりと立ちのぼる台所。
虫たちが目を覚まし、食卓には色づいたトマトや麦ごはんが並び、手仕事の中に家族の会話が生まれていく――そんな日々の中にこそ、芒種の本当の意味が息づいているような気がします。
外は雨でも、家の中にはできることがたくさんあります。
梅干しを漬けてみたり、らっきょうを仕込んだり、自然観察を始めてみたり。
どれもが季節の手触りを残す行為であり、大人にとっても子どもにとっても“心を育てる時間”になるのです。
そうして紡いだ小さな体験は、やがて「うちの味」や「うちの思い出」になって、誰かの心にずっと残っていくのかもしれませんね。
気候も気分も不安定になりがちなこの時期だからこそ、丁寧に暮らすことで見えてくる風景があります。
雨音をBGMにして、ゆっくり深呼吸をして、季節を丸ごと味わう。
芒種は、そんな静かで豊かな時間を私たちにくれる、やさしい季節の節目です。
毎年やってくるけれど、同じではない芒種の風景。
今年は、ほんの少しだけその変化に気づいて、暮らしを味わってみませんか?
それがきっと、明日をちょっとだけ明るくしてくれるヒントになるかもしれません🩷
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