カマキリの孵化の思い出と大脱走の記憶!?春のプレハブで大事件!

[ 春 の記事 ]

はじめに…カマキリくん、君はなぜそんなに勇ましくて、おっちょこちょいなのか。

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カマキリくん、君はなぜそんなに勇ましくて、おっちょこちょいなのか。

鋭い鎌に、細長い体、三角の顔にギロッとした目。

その姿はまさに“昆虫界の戦士”

人が近づけばすぐさまファイティングポーズ、戦う覚悟満々である。

そのくせ🍃葉っぱの裏に隠れていたりして、どこか小心者な気配もある。

そこがまた可愛げで、つい見守りたくなってしまうのだ。

そんなカマキリくん、実は春になると大事件を起こす。

いや、正しくは、カマキリの赤ちゃんたちが一斉にやらかす。

卵から一気に何百匹も孵化するこの季節。

私は幼いころ、その“大いなる誕生”にちょっぴり関わってしまい、

ちょっぴりどころか――大惨事に巻き込まれたひとりである。

春のたちは可愛い。

だけど、油断するとちょっと怖い。

忘れた頃にやってくる虫の思い出は、時にトラウマを超えて伝説となる。

さあ今回は、カマキリの卵が春に向けて巻き起こすドラマを、ほんのり笑えてちょっぴりゾワッとする思い出とともに、あなたにお届けしようと思う。

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第1章…秋に愛され、春に爆発。卵の中で待機する小さな戦士たち。


秋の虫取りシーズンといえば、カマキリくんもその主役級。

バッタやトンボに混じって、あの鋭い鎌とギョロリとした目で登場する姿は、子ども心にもちょっとした緊張感を与える存在だった。

そんな彼らが秋の終わりに残していくもの――それが、あの不思議な卵

木の枝や茎に泡みたいな塊がくっついている。

ふわふわしていそうで、実はカサカサ。

触るとポロッと落ちそうで、案外しっかりくっついているという、なんとも頼もしい天然カプセル。

この中に小さな命がぎゅうぎゅうに詰まっていると思うと、ちょっと感動する。

けれど、それが200匹近いカマキリの赤ちゃんだと知った瞬間、感動は驚愕に変わる。

そんなに入るの!?というくらい、あの小さな塊には春の“命の洪水🩷”が詰まっているのだ。

卵たちは、冬の寒さにもびくともせず、まるで「出番はまだか」と静かに待機している。

カマキリの大人たちは寒さに勝てず秋の終わりと共に姿を消すけれど、彼らの命はちゃんと次の季節に向けて仕込まれている。

そう考えると、なんだかとっても粋で、そしてちょっと怖い。

春が来る。

陽ざしがやわらかくなり、風が温かくなると、その卵がついに目を覚ます。

パチン…パチン…と音が聞こえたわけではないのに、何かが割れた気がして振り返ると、そこには…

いないはずの、ちっちゃな鎌持ち戦士たちが、わらわら、もぞもぞ、うようよと…。

そう、あの泡のような卵の塊が、静かな爆弾だったのだ。

第2章…生まれすぎ注意報!?200匹のカマキリベビーが押し寄せる日。


その瞬間は、ほんとうに突然やってくる。

昨日まではただの木の枝についていた泡の塊が、朝になったら動き始めている。

…正確には、そこからわらわらと大量のミニカマキリが出てくる

その姿ときたら、もう感動というより圧倒。

体長はわずか1センチにも満たない。

でも立派に鎌もあって、頭の形も成虫とそっくり。

ミニサイズのカマキリくんたちが、もぞもぞと行進を始めるその様子は――もう、ミニチュアの武者行列だ。

さて、その数。

1つの卵から、およそ200匹前後が誕生すると言われている。

200…いや、場合によってはもっとかもしれない。

まるで春の地面がざわつくような数で、静かな朝が一気に大行列のラッシュアワーと化す。

しかも、彼らはすでに独り立ち。

「よし、お母さんを探そう」なんて悠長なことは言わない。

いきなり狩りを始める。

いきなり脱出を試みる。

そして、いきなり消える。

君たち…まだ生まれたばかりでしょう…?

そうして彼らは、プリンカップの縁をスルスル登り、目に見えぬ隙間からスッと脱出し、飼育箱の壁をよじのぼり、通気口から空気の流れを読み取り、自由と冒険の世界へと、羽ばたいていくのだ。

…もちろん、羽🪶はまだ生えていない。

でも心はもう飛んでいる。

虫かごに入れたつもりのこちらの思惑など、彼らには通じない。

そこにはすでに「小さなサバイバル」が始まっていた。

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第3章…私が引き起こしたプレハブ事件簿。そして母の怒りは空を裂いた。


カマキリの卵を拾ったのは、たしか秋だった。

肩から虫かご、片手に虫網。

トノサマバッタにイナゴ、カナブンにカマドウマ、トンボに蝶…。

少年たちに混じって毎日虫とりに興じていたあの頃。

そんな私の宝物が詰まったのが、ひとつの飼育箱だった

土を敷き、クヌギの木片を置き、水もプリンカップで用意。

そして、カマキリの卵がくっついた枝を何本も差し込み、完璧な越冬仕様を自作。

小学校低学年の自分としては、それはもう「研究施設」だったのだ。

あとは春になったら観察ノートをつけて、図鑑の世界に飛び込むだけ――

そんな風にワクワクしていたのに、なぜかその後の記憶がない。

あったのは、母の顔だった。

ものすごい形相で私を呼びつけ、ホウキとチリトリを渡された。

「なんかした…?」と記憶を必死に探る私。

どうやら近所のプレハブ倉庫🏡の一角から苦情が出ているらしい。

その倉庫は、我が社宅に50戸あった各家庭の共用物置き。

我が家の飼育箱は、冬の間そこにしまわれていた。

その存在を私は、忘れていた。

現場に到着してみると、プレハブの扉を開けるその前から何かが違う。

空気が…生ぬるい。

いや、動いている?

恐る恐る中をのぞいたその時、私は見てしまった。

足元一面、カマキリの赤ちゃんカーペット

もぞもぞ、もぞもぞ、うようよ、ぞわぞわ。

数えきれないちびっこカマキリが、床一面に絨毯のように広がっている。

「うわぁあああああああ!!!」と叫びたいのをグッとこらえ、母の視線を感じながら、私はチリトリを手に黙々と作業を始めた。

たぶん、お隣の倉庫にも侵入していた。

扉の隙間、壁の穴、すべてが彼らにとっては脱出ルートだったに違いない。

天井付近に貼った網目の通気口も、見事に敗北。

完璧だったはずの“越冬飼育箱”は、見事に戦慄の脱出装置と化していたのだった。

数日かけて掃除を終えたあとも、足元がなんだかムズムズする気がしてならなかった。

そして、カマキリの赤ちゃんたちはというと、こっそり外に掃き出して、草むらの世界へ送り出した。

さよなら、私の孵化計画。

さようなら、科学の未来。

飼育箱に残っていたのは、羽の残骸がわずかに数枚。

誰が勝ち残ったのかはわからない。

もしかすると、カマキリくんはすでに自然界で二代目を育てていたかもしれない。

けれど、あの春の嵐と母の怒りだけは、私の中で今でも鮮明だ。


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第4章…春の庭先、カマキリくんと目が合う午後――高齢者施設にて。


春になると、施設の中庭も一気ににぎやかになる。

チューリップが並び、フジの花が香り、アカシアの木がやわらかい風を呼びこむ。

そんなある日、ベンチに座ってお茶を飲んでいたおばあちゃんが、ふと立ち上がった。

「ほら、あそこ。枝の先に何かいるよ。」

みんなが目を凝らして見つめたその先には、細い体と三角の顔をした、小さな来訪者。

まさかの――カマキリくん。

ちょこんと枝に乗り、こちらをじーっと見ている。

お互いに「見てるの?」「見てるよ?」状態で、にらめっこが始まった。

それは、春の静かな午後にやってきた、ちょっとした緊張感と癒しの時間だった。

「おぉ~!カマキリだねえ。久しぶりに見たよ」

「私なんか、昔庭で飼ってたよ。卵から生まれて…ほら、200匹くらい、わ~っとね」

…まさか、それ、私の話では?と思うような声も混ざっていたが、あえてツッコまない。

いつもはレクリエーションで輪投げや体操をしている時間なのに、

その日はベンチで、みんながカマキリくんと無言のにらめっこ。

一人が「こっち見てる」と言えば、全員が「やっぱりこっち見てるよね」と盛り上がり、最後には「目ぇ合ってる!絶対に合ってる!」と、拍手まで起きた。

妖精のような虫嫌いのおばあちゃんまでも、「小さくてかわいいね」と言い出し、職員さんが慌てて「うわっ、今日は触れるんですか!?」と目を丸くする。

いや、春ってすごい。

カマキリくんって、すごい。

虫を見るというより、虫と語る。

そんな空気がそこにはあって、にらめっこはやがて物語に変わる。

「この子、名前つけようか」「カマちゃんでどう?」

「いやいや、もっと気品ある名前にしましょ、“初代カマ太郎”とか🩷」

なぜか「太郎」で落ち着き、カマキリくんはその後しばらく施設の守り神扱いとなった。

日常の中に、ふと現れる非日常。

それは、騒がしくなくても、イベントでなくてもいい。

ただ、目の前の命と、静かに目を合わせるだけで、春が胸の中にすっと入ってくるのだから。

まとめ…あの日の教訓は、春風と一緒に倉庫から吹き出した。


春になると、ふとした瞬間に思い出すことがある。

あのプレハブ倉庫の扉を開けたときの衝撃。

もぞもぞと足元を埋め尽くしていた、小さな小さな戦士たち。

彼らが悪いわけではない。

ただ、私が忘れていただけの話。

でもその結果、母の怒りは空を裂き、社宅の倉庫全体が一時、カマキリパニックの舞台となった。

今となっては笑えるけれど、当時は本当に反省した

…はずなのに、春が来るたび、なんだかちょっとワクワクしている自分がいる。

もしかしてまたあの子たちと再会できるんじゃないかって、こっそり庭の枝を見上げてしまうのだ。

高齢者施設でも、あのにらめっこのひとときは忘れられない。

たった一匹のカマキリくんが、あんなにもみんなを笑顔にするなんて、ってすごい。

自然🍀ってすごい。

そして…人の記憶って、案外あたたかい。

子どものころの失敗も、年月がたてば物語になる。

ちょっとした事件も、思い出のスパイスになる。

春の虫たちは、そんなことを私たちに教えてくれているのかもしれない。

次にカマキリくんと目が合ったときは、そっと笑って会釈をしてみよう。

きっと彼はまた、あのときのように、ちょこんと枝にとまりながら、「今年もよろしく」と目で語ってくれるはずだ。

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