鏡開きは家族の心を開く日~孫と高齢者のほのぼの自宅大会で笑顔が増える話~
目次
はじめに…割らない、切らない、でも心はちゃんと“開く”日
お正月が終わって少しだけ日常が戻ってきた頃、ふと目に入る鏡餅。飾っていた時間が長いほど、「そろそろ下げようか」と思う気持ちと同時に、「なんだか名残惜しいな」という気持ちも湧いてきます。そんな“区切りの気分”を、優しく温め直してくれるのが鏡開きです。
鏡開きって、不思議な行事なんですよね。餅を「割る」でも「切る」でもなく、わざわざ「開く」と言う。言葉1つに、家族の願いがギュッと詰まっています。ケンカや別れを連想させる言い方を避けて、これからの一年がほどけていくように、運が開いていくように、敢えて明るい言葉を選ぶ。つまり鏡開きは、餅の行事であると同時に、言葉の行事でもあるんです。
そしてもう1つ大事なのが、「分けて食べる」というところ。歳神様にお供えしたものを、家族でいただく。外から何かを足すというより、内側から元気をもらう感じ。孫と一緒にやると、これがとても自然に“ほのぼの”へ変わります。孫は、言葉の意味をまだ全部理解していなくても、雰囲気で分かるんです。「今日は大切な日なんだな」「皆で同じものを食べる日なんだな」って。
今回の記事では、そんな鏡開きを「自宅の高齢者と孫が主役の、ほのぼの大会」として演出してみます。難しい準備はしません。危ないこともしません。けれど、ちゃんと心に残る。笑って、少しだけしんみりして、最後はお腹も気持ちも温かくなる。そんな“家族の時間の作り方”を、読みながら一緒に組み立てていきましょう。
[広告]第1章…鏡開きの由来は「言葉の縁起」と「いただく力」にあった
鏡開きの話をする時、まず面白いのは「餅の行事なのに、言葉の話から始まる」ところです。普通なら「割って食べる日」で終わりそうなのに、鏡開きはわざわざ“開く”と言います。ここに、昔の人の優しい気配りが詰まっています。
鏡餅は、ただの食べ物ではなくて、お正月に家へ迎える歳神様へのお供えものです。歳神様は「新しい年の力」そのものみたいな存在で、五穀豊穣や無病息災など、暮らしの根っこを支えてくれる存在として大切にされてきました。だから鏡餅は、“神様の力が宿る場所”として扱われます。神棚の近くに置いたり、床の間に飾ったりするのも、「どうぞここへお入りください」という気持ちの表れなんですね。
そしてお正月の期間が落ち着いた頃、家族でその鏡餅をいただきます。これが鏡開きの核です。「お供えしたものを食べる」というより、「分け合って体の中に入れることで、今年も元気でいよう」という発想。外から福を拾ってくるというより、家の中の空気を整えて、内側から温まる感じがします。孫と一緒にやると、この“内側から”がさらに分かりやすくなります。食べること自体が、家族の合図になるからです。「同じものを一緒に食べたね」という記憶は、年齢に関係なく心に残ります。
ここで言葉の話に戻ります。鏡開きは、包丁でスパッと切るのを避けるのが一般的です。理由は、昔の感覚だと「切る」は縁起が良くない連想を呼びやすいから。だから、行為としては“割る”に近いのに、呼び名は“開く”になりました。強い言葉を柔らかく言い換えて、家族の場の空気を丸くする。これって、今の生活にもそのまま使える知恵ですよね。例えば「注意する」を「声を掛ける」に変えるだけで、雰囲気が変わるように。鏡開きは、そんな“縁起の言い換え文化”の代表選手です。
もう1つ、鏡餅の「鏡」という言葉にも意味があります。鏡餅の形が丸くて重なっているのは、昔の銅鏡(どうきょう)を思わせるから、という説明がよくされます。鏡は神聖な道具として扱われやすく、「まっすぐに映す」「心を正す」みたいなイメージも持っています。だから鏡餅は、見た目も名前も、ただの“丸い餅”より一段、神様寄りの雰囲気になるんですね。
ちなみに鏡開きの日にちが、家庭や地域で少し違うことがあります。よく聞くのは1月11日ですが、地域によっては1月15日や1月20日辺りで行うところもあります。大事なのはカレンダーの正解より、「お正月を無事に過ごして、ここで区切りをつける」という気持ちの流れです。自宅での“ほのぼの大会”にするなら、家族が集まりやすい日にずらしても、雰囲気はちゃんと鏡開きになります。
そして高齢者と孫が一緒に楽しむ場合は、ここを最初に決めておくと安心です。「鏡開きは、気持ちは伝統そのまま。やり方は、うちの安全仕様で」。餅をそのまま食べるのが心配なら、無理に同じ形にしなくて大丈夫。大切なのは“開く”の心と、“一緒にいただく”の時間です。次の章では、その時間を気持ちよく始めるための「会場づくり」と「役割分担」を、家庭サイズで組み立てていきます。
第2章…自宅で開催!ほのぼの鏡開き大会の舞台作りと役割分担
鏡開きを「大会」にしてしまうと、急に難しそうに聞こえるかもしれません。でも安心してください。ここで言う大会は、景品が豪華で勝ち負けが激しいイベントではなくて、「家族の時間をちゃんと始めるための、可愛い合図」です。家の中で、ほんの少しだけ“儀式っぽい空気”を足す。それだけで高齢者も孫も、「今日は特別だね」と同じ方向を向けます。
舞台作りで一番大切なのは、鏡餅よりも先に“座り方”です。高齢者が落ち着いて座れる場所が主役席で、孫はその隣か正面。距離が近過ぎると手が出て危ないこともあるし、遠すぎると会話が届きにくい。だから、向かい合うよりは、同じ方向を向いて座るか、少し斜めに並ぶのがおすすめです。テレビがついているなら、今日は小さめの音にして、「声が真ん中に集まる部屋」を作ってあげると雰囲気が出ます。
次に、鏡開きの「雰囲気担当」を決めます。ここがこの章のコツです。高齢者と孫の交流は、内容よりも“役割”があるだけで急にスムーズになります。孫には、難しいことではなく「言える・出来る・嬉しい」を渡してあげる。高齢者には「任せられる・教えられる・見守れる」を渡してあげる。そうすると、お互いが自然に主役になれるんです。
例えば、孫は「開会宣言係」。短いひと言で十分です。「今日は鏡開き!」これだけで場がパッと明るくなります。もし照れたら、「せーの」で一緒に言うだけでも成立します。高齢者は「由来係」。難しい説明じゃなくていいんです。「昔からね、切らずに“開く”って言うんだよ」と一言添えるだけで、孫にとっては“物語”になります。もし言葉が出難い日でも、「今日はお正月の締め括りだね」と言えるだけで十分。大人はつい完璧な説明をしたくなりますが、家庭の鏡開きは、短い言葉ほど温かいです。
そして家族の誰かがいるなら、その人は「安全係」。ここが一番大事で、一番地味だけど、一番かっこいい役です。鏡餅が固い状態のままなら、無理にその場でどうにかしようとしない。高齢者が餅を食べることに不安があるなら、“餅っぽい”別メニューに切り替える。要するに、安全係は「伝統を守る人」ではなく「時間を守る人」です。鏡開きの目的は、家族が元気に一年を始めること。ならば、安心して笑える方を選ぶのが正解になります。
ここで、舞台の小道具を少しだけ足すと“大会”らしさが出ます。大袈裟な準備はいりません。例えば、紙に大きく「開く」と書いてテーブルに置く。たったこれだけで、孫は文字に興味を持ち、高齢者は「いいねえ」と笑います。さらに余裕があれば、折り紙で小さな扇を作って、開会のときにパタッと開く。鏡開きと「開く」を視覚で繋ぐと、子どもは一気に理解します。大人が説明するより、ずっと伝わります。
もう1つ、家庭の鏡開き大会を“ほのぼの”にする秘訣があります。それは、最初に「勝ち負けを決めない」と宣言してしまうことです。孫は勝負したくなるし、高齢者も意外と燃える時があります。でも今日は、勝つ日じゃなくて「開く日」。だから競争はしません。その代わり、褒め合います。孫が言えたら拍手。高齢者が笑ったら拍手。出来たことより、場が温かくなったことを拍手する。これが家庭の大会の良さです。
準備が整ったら、最後に一言だけ、全員の気持ちをそろえる合図を作ります。「今日は、餅だけじゃなくて、心も開く日」。この一言で、鏡開きが“食べるだけのイベント”から、“家族の時間の儀式”に変わります。次の章では、いよいよ孫が一番輝く時間です。鏡開きにピッタリな「言葉がひらく」遊びを、家庭サイズでいくつか種目にして、笑いながら進める形に整えていきます。
第3章…孫と一緒に遊べる“言葉が開く”鏡開きレク~5つの種目~
ここからが鏡開き大会の本番です。とはいえ、体を大きく動かす必要はありません。孫の元気は、走らなくても発揮できます。むしろ、座ったままの「言葉」と「真似っこ」と「小さな儀式」が、いちばん長く楽しく続きます。高齢者にとっても負担が少なく、孫にとっても“やってる感”が出るのが、この章の狙いです。
種目その1~開会の合言葉「せーの、ひらく!」~
大会っぽさは、最初の一声で決まります。孫が司会役になって、「せーの、ひらく!」と声を掛けます。家族はそれに合わせて、手をパッと開く。たったこれだけなのに、空気が一気に柔らかくなります。高齢者が声を出し難い時は、手を開くだけでも参加になりますし、孫は「じいじ(ばあば)も出来た!」と喜びます。
ここで一言だけ、孫に魔法のフレーズを渡してあげると最高です。「今日は、いい言葉をいっぱい開こうね」。この“今日は特別”の宣言があると、子どもは集中します。
種目その2~言い替え遊び「怖い言葉を、優しくする」~
鏡開きが「開く」と言うのは、縁起のためでもありますが、家庭の場面では“空気を優しくする技”として使えます。そこで、孫と一緒に言い替え遊びをします。例えば大人が「割るって言いたくなるけど、今日は何て言う?」と聞く。孫が「ひらく!」と答える。それだけでもう拍手です。
慣れてきたら、「怒る」を「注意する」にするのではなく、もっと家庭向けに「声を掛ける」「お願いする」「一緒に考える」みたいな言い方に変えてみます。高齢者が得意なところで、「昔はこう言ったよ」と教えてもらう流れにすると、孫は“先生が二人いる”状態になって、満足感がグッと上がります。
種目その3~鏡真似っこ「ミラースマイル」~
鏡餅の“鏡”を、そのまま遊びにします。高齢者がゆっくり表情を作る係、孫が鏡になって真似っこする係。にっこり、びっくり、ほっぺぷくー、目を細める、など。高齢者が表情を作るのが難しい日なら、孫が先にやって高齢者が真似っこでも大丈夫です。
この遊びがいいのは、言葉が少なくても成立するところです。笑いが起きると、自然に呼吸が深くなって、部屋の空気が温かくなります。鏡開きが「内側から元気に」という発想なら、ミラースマイルは「内側から笑顔に」です。
今回、介護施設ではなくて家庭を舞台にした理由はここにあります。じつは言葉の言い換え遊びにしてもミラースマイルにしても現場では実現はそれこそ真似で終わってしまう可能性があるからです。笑顔を貼り付けても目が笑えない人がじつはじつに多い。笑顔をちゃんと届けられる家庭こそ相応しい遊びかもしれません。
種目その4~鏡メッセージ「開いたら出てくる一言の宝物」~
ここは、今日一番“ほのぼの”が出やすい種目です。小さな紙を二つ折りにして、閉じた表には大きく一文字だけ書きます。「福」「笑」「元」「健」みたいに、孫でも書ける字が良いです。開くと中に短い文が出てくるようにしておきます。「今年も一緒に食べよう」「いつもありがとう」「たくさん笑おう」など。孫が書くのが難しければ、大人が書いて孫が絵を描くだけでも成立します。
そして、開く瞬間をちゃんと儀式にします。「せーの、ひらく!」で開く。中身を読む。高齢者が読めない時は、孫が読んであげる。読むのが恥ずかしい孫なら、代わりに高齢者が声に出して読んであげる。どちらでも、家族の“役割分担”が自然に回り始めます。
種目その5~締めの宣言「今年ひらく3つ」~
最後は、1年の合言葉を作る種目です。ルールは簡単で、「今年ひらく3つ」を言うだけ。高齢者は「散歩をひらく」「水分をひらく」「笑顔をひらく」みたいに、生活に結びつく言葉が出やすいです。孫は「お友だち」「ひらがな」「やさい」みたいな感じで十分。大人は、出てきた言葉を否定しないのがコツです。ここでの正解は“気持ちが前を向いた”ことなので、内容の立派さは関係ありません。
言い終わったら、また手をパッと開いて拍手。これで大会が「ただの遊び」ではなく、「一年の始まりの小さな儀式」になります。高齢者にとっても孫にとっても、思い出として残りやすい締め方です。
この章でやったことは、どれも鏡開きの芯に繋がっています。言葉を優しく言い替えて空気を整えること。鏡のように相手を映して笑顔を増やすこと。開く動作で気持ちを切り替えること。そして家族で同じ方向を向くこと。次の章では、いよいよ“食べる”の場面に進みます。ただし、家庭の鏡開きはここが一番大事です。無理をせず、安全を最優先にしながら、それでもちゃんと「鏡開きだったね」と感じられる食べ方と締めの演出を整えていきます。
第4章…食べ方は安全と幸せ優先~“餅っぽい”おやつと締めの儀式~
鏡開き大会の最後は、やっぱり「いただきます」で締めたいところです。けれど自宅で高齢者と孫が一緒に楽しむなら、ここだけは遠慮なく現代仕様にして良いと思います。鏡開きの本質は、固い餅そのものを食べ切ることではありません。年神様にお供えしたものを分け合い、「今年も元気でいようね」と確かめ合うこと。その気持ちが守られるなら、形は多少変わっても、ちゃんと鏡開きになります。
まず、鏡餅の状態を見てみます。飾っていた鏡餅は、想像以上に固くなっていることがあります。無理にその場でどうにかしようとすると、手を傷めたり、破片が飛んだりして、せっかくのほのぼのが一瞬で緊張に変わってしまいます。ここでの合言葉は「今日は時間を守る日」です。硬いものは前日に下拵えしておくか、思い切って“餅っぽい”別メニューに切り替える。その判断をして良い日が鏡開きです。
高齢者が餅を食べることに不安がある場合は、なおさらです。噛む力や飲み込みの状態は日によっても変わりますし、「昔は平気だったから今日も大丈夫」とは限りません。ここは家族の優しさが出せるポイントで、孫にも伝えやすいところです。「今日はね、じいじ(ばあば)が食べやすい形にして、皆で美味しくする日なんだよ」と言ってしまえば、孫はすっと受け入れます。子どもは“特別ルール”が大好きなので、むしろ盛り上がります。
鏡開きの雰囲気を残す「餅っぽい」選び方
餅そのものが難しい時は、雰囲気だけを借りる作戦が良いです。たとえば白玉ややわらかい団子は、見た目が丸くて鏡餅に近いので「鏡開きっぽさ」が残ります。甘い方向に行くなら、ぜんざい風やお汁粉風にして“トロミ”をつけると、口当たりが優しくなります。しょっぱい方向なら、よく煮た大根や豆腐を主役にして、「今日はお雑煮気分」と名付けてしまうのも手です。大事なのは「鏡開きだからこれ」と決め打ちしないこと。家庭の鏡開きは、家族の状態に合わせて“開いて”いけるのが強みです。
ここで、孫に任せられる大事な仕事があります。「丸くする係」です。丸い器に盛る、丸い白玉を数える、丸いお麩を浮かべる。丸は鏡餅の記号になりますし、作業としても簡単で、孫が主役になれます。高齢者は「見守り係」として、「上手だね」「丸がいいね」と声を掛けるだけで十分です。食べる前から、もう“分け合う時間”が始まっています。
締めの儀式は食べる前に「ひらく」を入れる
食べる直前に、ほんの少しだけ儀式を挟むと、鏡開きらしさがグッと増します。おすすめは「開く手」です。全員で手の平をパッと開いて、「今年も、心をひらく」と言う。それから「いただきます」。この順番にするだけで、食事が“いつものおやつ”から“今日は鏡開きだった”へ変わります。
もう1つ、孫が喜ぶ演出は「鏡メッセージの最終開封」です。第3章で作った二つ折りカードがあるなら、最後の1枚を食前に開きます。中身は短くていい。「今年も一緒に食べよう」「健康でいよう」。読んだら拍手して、いただきます。文章の上手さより、家族で声にしたことが、とても大切なポイントになります。
食べ終わった後に残す「小さな記録」
鏡開き大会の良さは、終わった後に静かに残るところです。ここでおすすめの“後味作り”があります。紙に「今日ひらいた言葉」を1つだけ書いて、冷蔵庫や壁に貼る。孫が書けるなら孫の字が最高です。高齢者が書けるなら、高齢者の字が宝物になります。どちらも難しければ、家族が書いて、孫が丸シールを貼るだけでも立派な共同作業です。
そして最後に「閉会の挨拶」をします。「今日は、楽しかったね。来年も、ひらこうね」。これで鏡開きが、ただ一日の出来事ではなく、来年へ繋がる行事になります。高齢者にとっては季節の区切りが心地良くなり、孫にとっては“家の恒例イベント”として記憶に残ります。
鏡開きは本当は少しだけ哲学的です。固いものを無理にどうにかする日ではなく、言葉を柔らかくして、家の空気を整える日。食べ方も、遊び方も、家族の状態に合わせて変えていい。「開く」という言葉の通り、やり方が開いている行事なんです。次はいよいよまとめで、今日の大会で“何が開いたのか”を、家族の物語として綺麗に結んでいきましょう。
[広告]まとめ…今日開いたのは餅じゃなくて家族の時間だった
鏡開きという行事は、見た目はとても素朴です。鏡餅を下げて、皆でいただく。それだけのようでいて、実は「言葉」と「関係」と「一年の始め方」が、全部揃っているのが面白いところでした。
まず、鏡開きは“言い方”からして優しい行事です。割る、切る、砕く、という強い言葉を避けて「開く」と言う。これは縁起のためでもありますが、家庭の中ではそれ以上に、空気を丸くする知恵として働きます。強い言葉を柔らかく言い換えるだけで、同じ出来事でも心の受け取り方が変わる。鏡開きは、その練習が自然にできる日でした。
そして、歳神様にお供えしたものを家族で分けるという考え方は、「今年も内側から元気になる」という祈りの形でした。大きな目標や立派な決意よりも、まずは家の中の温度を上げて、食べて笑って、安心して眠れるようにする。その地味な強さこそが、暮らしを支えるものなんだと感じます。
今回の“ほのぼの鏡開き大会”では、鏡開きの芯をそのまま残しつつ、家庭サイズの楽しみ方に整えました。孫が開会宣言をして、手をパッと開く。鏡真似っこで笑顔を映し合う。言葉を優しく言い換えて、場の温度を上げる。最後は安全第一で、家族が食べやすい形にして「いただきます」を揃える。これらは特別な道具がなくても出来るのに、終わった後にちゃんと“行事をした感じ”が残ります。
何より大事だったのは、鏡開きの正解を一つにしないことでした。餅をそのまま食べるのが難しいなら、餅っぽいもので雰囲気を作る。高齢者の体調や飲み込みの状態が心配なら、無理をしない。そうやって安全側へ寄せることは、伝統を壊すのではなく、むしろ伝統の目的を守ることになります。鏡開きの目的は、家族が元気に一年を始めること。その一点が守られるなら、やり方は“開いて”いいのです。
最後に、今日の大会で「開いたもの」を、そっと言葉にしておきたいです。餅を開いたのは確かだけれど、それ以上に開いたのは、家族の時間でした。孫が笑い、高齢者が頷き、大人が安心する。たった一日でも、こういう時間があると、一年の始まりは少しだけ強くなります。
もし来年もやるなら、難しいアレンジはいりません。今年と同じでも十分です。ただ、1つだけ新しくするなら「今年ひらく言葉」を1つ増やしてみてください。「笑顔をひらく」「散歩をひらく」「水分をひらく」「ありがとうをひらく」。家の中で、優しい言葉が1つ増えるだけで、暮らしはちゃんと前に進みます。鏡開きは、その第一歩を作ってくれる、静かで頼もしい行事です。
今日も閲覧ありがとうございましたm(__)m
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