お正月はお餅三昧!鏡餅とお雑煮以外で家族と楽しむ冬のご馳走アイデア集
目次
はじめに…お餅の「いつもの食べ方」をちょっとだけ冒険してみる話
お正月が近づくと、スーパーの棚にズラリと並ぶ切り餅や丸餅を見るだけで、なんだかソワソワしてきませんか。鏡餅を飾って、お雑煮を用意して…ここまでは、どのご家庭でも「毎年お決まりの風景」かもしれません。
でも、ふと立ち止まって考えてみると、「それ以外のお餅の食べ方」って、意外とワンパターンになりがちです。きなこ餅、あんこ餅、焼いてお醤油をつけて海苔で巻いて…大好きだからこそ、ついつい毎年同じ味になってしまうのですよね。
お餅そのものの美味しさは、つきたてでも市販でも変わらない大切な主役。そこにどんな汁物を合わせるのか、どんなトッピングを添えるのかで、冬の食卓の表情はグッと豊かになります。トロリと溶けたお餅の温かさは、寒い季節の体をゆっくり温めてくれる心強い味方でもあります。
この記事では、鏡餅とお雑煮という「二大スター」にはひとまずゆっくり座っていてもらって、それ以外の楽しみ方にスポットライトを当ててみました。汁物に入れてホッと一息つく食べ方、香ばしく焼いてトッピングを楽しむ食べ方、子どもも高齢者も無理なく食べやすい工夫まで、いろいろなアイデアを4つの章に分けてご紹介していきます。
「大きく冒険するのはちょっと怖いなぁ」という方も大丈夫。いつもの食べ方に、ほんのひと口分だけ新しい組み合わせを足してみるくらいの気持ちで読んでみてください。今年のお正月のお餅が、少しだけ特別に感じられる切っ掛けになれば嬉しいです。
[広告]第1章…鏡餅とお雑煮は特別席~主役を外して見えてくるお餅の自由さ~
お正月のお餅と言えば、まず思い浮かぶのは鏡餅とお雑煮ではないでしょうか。神棚や床の間にどんと飾られた鏡餅は、「歳神様をお迎えする場所」として昔から大切にされてきました。カチンと固くなった後も、包丁を使わずに手で割ったり、小さく砕いて揚げたりして、「お供えしたものを家族で分け合う」という意味が込められています。
お雑煮もまた、地域や家庭によって顔つきがまったく違う、特別な一杯です。関東の澄んだおすまし仕立て、関西の白みそ仕立て、丸餅か角餅か、焼くのか煮るのか。
具材も、里芋や大根、にんじん、ごぼう、かまぼこ、鶏肉など、その土地で手に入るものを少しずつ入れてきた歴史があります。つまりお雑煮は、その家の暮らしぶりや故郷の風土がそのまま器の中に現れる、「我が家の味」の象徴と言っても良さそうです。
だからこそ、鏡餅とお雑煮は、ちょっと別格の存在なのだと思います。どちらも「儀式」や「願い」と結びついていて、単なるレシピの話だけでは語り切れない背景があります。ここをあまり軽くアレンジし過ぎると、「うちのやり方」のこだわりや、代々受け継がれてきた感覚とぶつかってしまうこともあるかもしれません。
そこでこの記事では、あえてこの2つの主役は横に置いておいて、それ以外の場面でのお餅の楽しみ方に目を向けていきます。お正月三が日だけでなく、年末の慌ただしい時期から、鏡開きが終わる頃までの長い期間、台所にはお餅が何個も残っています。「またきなこ餅かな…」「焼いて醤油つけて終わりかな…」と、何となく食べているうちに、気づけば飽きてしまうこともありますよね。
でも視点を少し変えてみると、お餅はとても自由な食材です。温かい汁物の中でトロリと溶けて、体を芯から温めてくれる存在にもなれば、香ばしく焼いてソースや具材を載せる「小さなプレートごはん」のような楽しみ方も出来ます。お米が原料なので、主食寄りにもなれるし、甘いあんこやきなこと組み合わせれば、おやつの主役にもなれます。
鏡餅とお雑煮という「伝統の形」を一度そっと尊重した上で、それ以外の場面ではもっと気楽に、もっと我儘に、お餅を楽しんでみてもいいのではないでしょうか。次の章からは、そんな「自由なお餅時間」をつくるヒントとして、汁物アレンジやトッピングの工夫を、具体的に見ていきます。
第2章…お鍋・すき焼き・お汁粉~とろみで広がるあったか汁物アレンジ~
寒い季節に、フウフウと湯気を吹きながら食べるお餅は、やっぱり汁物との相性が抜群です。お鍋の締めにサッと入れたり、すき焼きの割り下を吸い込ませたり、お汁粉の中でトロリと柔らかくなったり。お椀の中にお餅がひと切れ入るだけで、その一杯は一気に「冬のご馳走」に格上げされます。
まずイメージしやすいのが、お鍋との組み合わせです。寄せ鍋やキムチ鍋、味噌仕立てのちゃんこ風でも、煮えた具材を一度取り分けてから、お餅を少しずつ加えていくと、煮崩れしにくく、ちょうど良いトロミがついてきます。煮立った出汁にお餅のやわらかな甘みが溶け出して、最後の一滴まで飲み干したくなる味わいに変わっていきます。ご飯や麺を用意する余裕がない日でも、お餅が入ると「しっかり食べた」という満足感が得られるのも嬉しいところです。
すき焼きにお餅を入れる食べ方も、最近よく耳にするようになりました。甘辛い割り下をたっぷり吸い込んだお餅は、もはや「肉の相棒」と言っても良い存在感です。焼いた角餅をあとから加えれば、表面は香ばしく、中はとろとろ。柔らかい食感が苦手な方は、少し長めに焼いてから鍋に入れると、歯応えとトロミのバランスが取りやすくなります。
甘い汁物が好きな方には、お汁粉やぜんざいにお餅を入れる定番の楽しみ方があります。ここに少しだけ工夫を加えるなら、お餅を焼いてから入れるか、そのまま煮るかで表情が変わります。焼き餅を入れると香ばしさが立ち、煮た餅をそのまま入れると、口に入れた瞬間からトロリと溶ける優しい口当たりになります。甘さを控えたい時は、お汁粉の量を少し減らして、代わりにほうじ茶を少し注ぐと、香りが引き締まって大人向けの味に変わります。
意外と侮れないのが、お茶漬けとの組み合わせです。焼いたお餅を小さめに切り、ご飯の上にのせて、だし茶漬けやお茶漬けの素をかけるだけで、忙しい日にもピッタリな簡単ご飯になります。お餅が熱いお茶や出汁で柔らかくなりながら、ご飯と一体になっていくので、冷え切った体を一気に温めてくれます。薬味に刻みねぎや海苔を添えると、香りの層が増えて飽きにくい一杯になります。
こうして見てみると、汁物にお餅を入れる楽しみは、ただ「お腹を満たす」だけではありません。お餅が溶けることで、汁全体にトロミが加わり、熱が冷めにくくなります。温かさが長く続くので、ゆっくりと会話を楽しみながら食べる団欒の時間にも向いていますし、冷えが気になる冬の朝や夜食にもピッタリです。
お鍋、すき焼き、お汁粉、お茶漬け。どれも特別な材料を揃えなくても、いつもの食卓にスッと溶け込んでくれる組み合わせばかりです。「今日はどの汁物にお餅を入れようかな」と考えるだけでも、冬の台所仕事が少し楽しくなってきます。次の章では、汁物からいったん離れて、香ばしく焼いたお餅にいろいろなトッピングを合わせる楽しみ方を見ていきましょう。
第3章…香ばしく焼いて揚げて~きなこ・あんこ・変わり種トッピングの楽しみ方~
お餅の楽しみ方と言えば、まず思い浮かぶのが「焼いてから何かを載せる」「絡める」という食べ方ではないでしょうか。こんがり焼けた表面の香ばしさと、中のもっちりした食感は、それだけで立派なご馳走です。そこに甘いものやしょっぱいものを組み合わせることで、同じお餅でもまったく違う表情を見せてくれます。
王道はやはり、きなこ餅とあんこ餅です。香ばしく焼いたお餅を熱いうちに水やお湯で軽く潜らせ、きなこと砂糖を合わせた粉をまとわせると、きなこの香りがフワッと立って、ついもう1個手が伸びてしまうやさしい甘さになります。あんこを添えるときも、焼き餅にそのままのせると香ばしさが強く出て、煮たお餅にのせると全体がトロリと軟らかくまとまり、同じ組み合わせでも印象が変わります。甘じょっぱい味わいが好きな方は、醤油を薄くからめてから、きなこやあんこを合わせると、後味がキリッと引き締まります。
少しだけ拘りたい時は、砂糖や醤油の種類を変えてみるのも楽しい工夫です。上品な甘さが好きなら、白砂糖ではなく和三盆を使うと、口に残る甘さがスッと消えるような繊細な味わいになります。醤油も、普段使いの物だけでなく、出汁入り醤油やお刺身用のトロリとしたものを試してみると、お餅の表面にしっかり絡んで、香りもグッと深まります。「いつものきなこ餅」でも、調味料をほんの少し変えるだけで、特別なおやつに早変わりします。
変わり種として人気が出てきているのが、バターやチーズとの組み合わせです。焼いたお餅にバターをのせて、そこに醤油をひと垂らしすると、香りはまさに洋風の磯辺焼き。バターがジワッと溶けてお餅に染み込んでいく様子は、見ているだけで幸せな気持ちになります。さらにもう一歩進めたい時は、とろけるチーズとベーコン、アスパラガスや青じそを一緒にのせて軽く焼くと、小さなピザ風のおかずお餅になります。朝食や軽い昼ご飯にもピッタリな、一皿で満足できる組み合わせです。
甘い物好きな方には、ココアや麦芽飲料の粉末、インスタントコーヒーなどを、砂糖と合わせてまぶすアレンジもおすすめです。少しだけお湯や牛乳で溶き伸ばしてソース状にし、焼き餅にトロリとかければ、洋風デザートのような一品になります。また、パンに塗るピーナッツバターやバニラ風味のスプレッド、いちごジャムやブルーベリージャムとも相性が良く、「お餅なのにパンのようなおやつ」という不思議な感覚も楽しめます。
一方で、大人の味わいを楽しみたい方には、しょっぱいトッピングもおすすめです。納豆をからめたお餅は、朝ごはん代わりになるほど食べ応えがあり、大根おろしとしょうゆを合わせれば、さっぱりしつつも満足感のある一皿になります。グラタンやコロッケの中に小さく切ったお餅を入れると、とろりと伸びる食感が加わり、「いつものおかず」がちょっとしたごちそうに変わります。
さらに、お餅を薄めに伸ばしてから焼き、トマトソースやチーズ、ベーコン、野菜をのせて焼けば、お餅ピザという楽しみ方もあります。また、ワッフルメーカーがあるご家庭なら、お餅を挟んで焼く「モッフル」もおすすめです。外はカリッ、中はもっちりとした独特の食感で、甘いトッピングにも、しょっぱいトッピングにも良く合います。
このように、焼いたり揚げたりしたお餅は、トッピング次第で和菓子にも洋風おやつにも、おかずにも変身してくれる頼もしい食材です。「今日は甘い系」「今日はおかず系」とテーマを決めて、家族で好きなトッピングを持ち寄ってみると、ちょっとしたお餅パーティーのような時間になります。次の章では、こうしたアレンジの中から、子どもや高齢者でも安心して食べやすい工夫について、もう少し丁寧に見ていきましょう。
第4章…子どもから高齢者まで~無理なくおいしく味わうやさしいお餅アレンジ~
お餅は、日本の冬には欠かせないご馳走ですが、同時に「喉に詰まりやすい食べ物」としてもよく知られています。特に、小さな子どもや高齢者がいるご家庭・施設では、美味しさと同じくらい「安心して食べられる形」に工夫することが大切になります。ここでは、無理なく、美味しく、そして出来る限り安全に楽しむためのアイデアを、少し眺めてみましょう。
まず意識したいのは、「大きさ」と「軟らかさ」です。大きくて伸びが強いお餅は、よく噛める大人にとっては魅力でも、噛む力や飲み込む力が弱い人には負担になります。小さく切って、ひと口で食べ切れるサイズにすること。焼き過ぎて固くし過ぎず、程良く軟らかい状態で食卓に出すこと。この二つだけでも、グッと安心感が違ってきます。「早く食べなさい」と急かさず、時間をかけてゆっくり噛んでもらえる雰囲気作りも、立派な工夫の1つです。
幼児や小学生くらいの子どもには、「お餅そのものをたくさん食べてもらう」のではなく、「ちょっとだけ混ぜて楽しむ」発想も役に立ちます。例えば、薄く切ったお餅を細かく刻んで、卵スープや野菜スープに少量だけ入れてみたり、お粥やリゾット風ご飯に小さく混ぜ込んだり。少しずつトロミを足すような感覚で使えば、お餅のもちもち感はしっかり楽しめるのに、喉に負担をかけにくい一品になります。食べる時は必ず傍で様子を見て、「よく噛んでね」と声をかけてあげると安心です。
一方、高齢者の場合は、噛む力だけでなく、飲み込む力や、口の中で食べ物を動かす力も弱くなりがちです。焼き餅よりも、煮て軟らかくしたお餅の方が向いていることが多く、さらに一度に口に入れる量を少なくすることで、グッと食べやすくなります。おすましや味噌汁に、ごく小さく切ったお餅を少量加えて「トロミのある汁物」として楽しむ。大根おろしのような水分の多いものや、トロミのついたあんを合わせて、スルリと飲み込みやすいように整える。こうした工夫は、家庭でも介護の現場でも、昔から自然と受け継がれてきた知恵と言えるかもしれません。
また、無理に「お餅の形」に拘らないことも大切です。どうしても不安がある場合は、市販のもち粉や白玉粉を使って、白玉団子や軟らかい団子状にしてしまうという方法もあります。元々はお餅と同じお米が原料なので、「お餅を食べている気分」はちゃんと味わえますし、形や大きさを自由に調整できるのが大きな利点です。ご家族で一緒に丸めれば、それ自体が冬の小さなイベントにもなります。
「量」を控えめにすることも、実はとても大事なポイントです。お餅は腹持ちがよく、少しでも満足感が出やすい食べ物です。汁物やおかずと組み合わせながら、一人辺りのお餅の個数を予め決めておくと、「つい食べ過ぎた」が防ぎやすくなります。特に、持病のある方や、噛む力・飲み込む力に不安がある方の場合は、「今日はほんのひと切れだけ」「味見程度にしておこう」といった、控えめな楽しみ方がちょうど良いことも多いものです。
子ども、高齢者、忙しい世代の大人たち。誰もが同じ量、同じ硬さのお餅を食べる必要はありません。それぞれに合った大きさや柔らかさ、食べるスピードに合わせて、「うちの家族にちょうど良いお餅の形」を探していくことが、結果的に一番の安心に繋がります。「今年はどう工夫しようか」と会話をしながら食卓を囲めば、お餅は単なる食材ではなく、家族のコミュニケーションを支えてくれる冬のパートナーになってくれます。次のまとめでは、ここまでのアイデアを振り返りながら、「今年のお正月のお餅とどう向き合うか」をもう一度やさしく整理してみましょう。
[広告]まとめ…今年のお正月はひと口だけ新しいお餅にチャレンジしてみよう
ここまで、お正月のお餅を「鏡餅」と「お雑煮」という特別な存在からいったん離して、少し自由な視点で眺めてみました。昔から受け継がれてきた形はそのまま大事にしながらも、それ以外の場面では、もっと気楽に、もっと自分好みに楽しんで良い食材なのだと感じていただけたのではないでしょうか。
まず、お餅は温かい汁物との相性がとても良いことを改めて確認しました。お鍋やすき焼き、お汁粉やお茶漬けの中で、お餅はトロリと溶けて汁全体に旨味とまろやかさを足してくれます。寒い季節、湯気の立つ器を手に持ちながら、少しずつお餅を齧る時間は、それだけで冬のご褒美のような一時です。
次に、香ばしく焼いたり揚げたりして、きなこやあんこ、バターやチーズ、納豆や大根おろしと組み合わせる楽しみ方もありました。同じお餅でも、甘くも出来るし、おかずにも出来る。和風にも洋風にも寄せられる。台所にある調味料や、パンに塗るスプレッド、冷蔵庫の定番食材を少し合わせるだけで、「うちだけの定番お餅メニュー」が生まれていきます。
そして忘れてはいけないのが、「誰がどんな状態で食べるか」という視点でした。小さな子どもや高齢者にとっては、お餅は楽しいご馳走であると同時に、少し気をつけたい食材でもあります。大きさを小さくすること、軟らかさを調整すること、一度に口へ入れる量を控えめにすること。必要であれば白玉ややわらかい団子に姿を変えて楽しむこと。そうした工夫を重ねることで、「美味しい」と「安心」を両方守ることが出来ます。
お餅は、ただお腹を満たすだけの食べ物ではありません。同じテーブルを囲む家族や仲間と、「今日はどんな食べ方にする?」「この組み合わせ、美味しいね」と言葉を交わす切っ掛けにもなります。今年のお正月は、いつものきなこやあんこ、磯辺焼きに加えて、ひと口分だけ新しい組み合わせを試してみてはいかがでしょうか。
「ちょっとだけ冒険してみる」「合わなかったら来年は戻せばいい」。それくらいの軽い気持ちで、お餅との付き合い方を少し広げてみると、冬の食卓は今までよりもずっと豊かで、温かな時間になってくれそうです。
今日も閲覧ありがとうございましたm(__)m
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