1月の高齢者レクリエーション~お正月料理で楽しく脳トレする方法~
目次
はじめに…1月の空気をそのままレクリエーションにする発想
お正月から小正月までの間、施設や病院のフロアには、いつもとは少し違う空気が流れますよね。門松やしめ飾り、書き初めの半紙、テレビから聞こえるお正月番組の音…。カレンダーが新しい年にめくられた瞬間から、利用者さんの頭の中には、それぞれの「マイお正月の思い出」が甦っています。この「1月ならではの空気」を、そのままレクリエーションに生かさないのはもったいない、というのが今回のお話の出発点です。
高齢者のレクリエーションというと、どうしても「脳トレの日」「調理の日」「体操の日」と分けて考えがちです。スケジュール表に綺麗に分かれているのを見ると、職員側としては安心しますが、利用者さんからすると「今日はこれをやる日なんだね」と、どこか受け身になってしまうことも多いのではないでしょうか。そこで今回は、敢えてその境界線を緩くして、「脳トレ」と「料理」と「お正月の思い出」をひとまとめにしてしまう企画をご提案します。
1月は、昔ながらの遊びや行事を取り入れやすい時期です。羽子板、福笑い、かるた、鏡開き、お雑煮…。どれも単体でも十分楽しいのですが、「毎年だいたい同じことをしている気がする」と感じている職員さんも多いはずです。定番はそのまま大切にしつつ、「今年は少し違うね」「これは初めてだね」と利用者さんに感じてもらえるひと工夫を、そこにそっと足していくことが出来たら理想的です。
そのための切り口として、この記事では「お正月料理を使った脳トレ」という考え方を軸にします。料理は、材料を思い出す、分量を考える、手順を確認する、味や香りを確かめるなど、自然とたくさんの情報を頭の中で整理する活動です。さらに、同じメニューでも「うちの家ではこうだったよ」と思い出話が広がりやすく、会話の切っ掛けにもなります。つまり、お正月料理は「五感を使った思い出スイッチ」であり、「楽しく取り組める脳トレの教材」にもなり得るのです。
もちろん、現場では人員配置や時間の制約、嚥下やアレルギーなど、安全面での配慮も欠かせません。この記事では、そうした現実的なハードルも踏まえながら、無理なく取り入れやすい形に整理してご紹介していきます。「レクリエーションだから、もっと自由に遊んでいい」「でも、安全と衛生面はきっちり守りたい」――この2つを両立させるためのヒントとして、1月らしい雰囲気にぴったりの企画を、一緒に組み立てていきましょう。
[広告]第1章…なぜ1月に脳トレと料理を組み合わせると盛り上がるのか
1月は、高齢者施設や病院にとって、他の月とは少し違う特別な時間です。普段と同じフロアでも、門松やしめ飾りが飾られ、テレビからはお正月番組が流れ、利用者さんたちの会話にも「昔はね…」という話題が自然と増えてきます。暦の上で区切られた「新しい年」という意識が、心の中のスイッチを1つ入れてくれる時期と言えるかもしれません。
そのスイッチが一番入りやすいのが、実はお正月の「食卓の記憶」です。お雑煮の味、黒豆のかたさ、数の子の食感、家によってまったく違う味付け…。利用者さんの中には、家族に振る舞う側だった方もいれば、子どもの頃に卓袱台を囲んでいた思い出が鮮明な方もいます。こうした思い出は、年齢を重ねても心の奥に残りやすく、匂いや味を切っ掛けに一気に甦ります。
一方で、いわゆる「脳トレ」と呼ばれるプリント学習や計算問題は、どうしても学生時代の勉強を連想させます。「テストみたいで苦手」「点数を付けられている気がする」と感じる利用者さんもいて、楽しむ前に身構えてしまうことも少なくありません。職員としては良かれと思って用意していても、「またこれか」と受け止められてしまえば、もったいないですよね。
そこで、1月ならではの「食卓の思い出」と「脳の活性化」を1つにまとめる発想が生きてきます。料理は、材料を思い出す、順番を考える、道具を選ぶ、火加減を調整する、味を確かめる…と、自然にたくさんの情報処理を必要とします。さらに、お正月料理であれば、「うちの家は丸餅だった」「お雑煮は白味噌だった」など、思い出話がどんどん広がります。つまり、料理そのものが「頭と心を同時に動かす活動」になってくれるのです。
ここに「脳トレの要素」を少しだけ意識して混ぜると、ただの調理レクから一歩進んだ時間に変わります。例えば、「この具材はいくつ入っていましたか」「ご家庭のお雑煮の具を思い出してみましょう」といった問い掛けを加えるだけでも、記憶を辿る作業が生まれます。プリントを見せられると身構える方でも、目の前に本物の食材や香りがあると、不思議と楽しみながら頭を使ってくれます。
もう1つ、1月が適している理由は、「いつもの日常に、少しだけ非日常が混じる月」だからです。施設によっては初詣に出掛けたり、書き初めや福笑いをしたりと、行事が続きます。ここで料理と脳トレをそれぞれ別々に行うと、どうしてもメニューが固定化し、「今年も去年と同じかな」という印象になりがちです。しかし、敢えて2つを組み合わせることで、「今年は味を当てる遊びがついたお正月料理」「皆の家の味を比べながら楽しむ時間」といった、ちょっとした驚きを生み出すことができます。
利用者さんにとって大事なのは、「今日は何をするのか」ではなく、「ここで過ごしてよかった」と感じられるかどうかです。1月という思い出の多い時期に、料理を通して頭と心を動かす時間を用意することで、「懐かしい」「面白い」「美味しい」が一度に味わえる一時が生まれます。脳トレと料理を組み合わせる狙いは、まさにこの「全部まとめて楽しんでもらうための仕掛け」を作ることにあるのです。
第2章…お正月料理を脳トレに変える~五感と会話を引き出す工夫~
お正月料理を使ったレクリエーションの一番の強みは、「五感をまとめて刺激できること」です。目で色合いを見て、鼻で香りを感じて、耳でジュウジュウという音を聞いて、手で食材に触れて、最後に口で味わう。これだけたくさんの情報が一度に頭の中に入ってくるので、紙の問題をじっと見ている時間とはまったく違う種類の集中が生まれます。しかも、その集中は「頑張らなくちゃ」というものではなく、「美味しそう」「どんな味かな」というワクワクに支えられています。
例えば、お雑煮をテーマにするなら、まずは「見て感じる脳トレ」から始められます。具材をお皿に並べて、「これは何でしょう」「何色が多いですか」「丸いものはいくつありますか」など、簡単な問いかけをしてみます。ここでは正解を競うのではなく、利用者さんが気付いたことを自由に口に出せる雰囲気作りが大切です。「昔は人参を花の形に切ったよ」「うちは大根は入れなかったね」など、ポツリと出てきたひと言が、そのまま会話のタネになっていきます。
次に、「思い出を辿る脳トレ」として、ご家庭の味をテーマに話を広げます。「おうちのお雑煮は、どんなお出汁でしたか」「子どもの頃、好きだったお正月料理は何でしたか」と順番に伺っていくと、その方だけの物語が少しずつ見えてきます。味の記憶は、家族構成や当時の暮らし方とも深く結びついていることが多く、「お父さんはこうしてくれてね」「お母さんは忙しくてね」といったエピソードが自然と出てきます。これらは全て、立派な記憶のトレーニングであり、同時に、その方の人生を尊重する時間にもなります。
実際の調理に入る時には、「段取りを考えること」自体を優しい脳トレに変えていきます。「まずは何から切りましょうか」「次はお餅を焼くのと煮るの、どちらを先にしますか」といった問い掛けをしながら、手順を一緒に組み立てていきます。ここでも、完璧な順番を当ててもらう必要はありません。「前はこうしていた気がする」「こうしたら早く出来るかも」と、考えた内容を口にしてもらうことが大事です。職員側は、安全面をしっかり守りつつ、利用者さんの「こうしたい」を出来るだけ尊重していきます。
味見の場面も、工夫次第でとても良い脳トレになります。同じお雑煮でも、「少しお出汁を濃くしたもの」「お餅を小さく切ったもの」「具材を1つだけ変えたもの」など、ほんの少し違うパターンを用意して、「違いが分かりますか」「どれが一番、家の味に近いですか」と聞いてみます。微妙な味の差を感じ取ろうとすると、人は自然に集中しますし、「これは何が違うんだろう」と頭を働かせます。その過程で、「やっぱり家の味が一番だね」という安心感も一緒に味わってもらうことが出来ます。
また、調理が難しい方が多いフロアでは、紙や写真、食品サンプルを使った「イメージ調理」でもかまいません。具材のカードを並べて「これでわが家のお雑煮を作るとしたら、どれを選びますか」と聞き、選んだ組み合わせをホワイトボードに書き出していくだけでも、立派なレクリエーションになります。最後に「施設オリジナルの一杯」を職員が代表して実際に作ってみれば、「皆で考えた味」という特別感が生まれます。
このように、お正月料理を少しだけ工夫して使うことで、「作る・思い出す・話す・味わう」が一度に実現できます。難しい道具や特別な教材を用意しなくても、身近なメニューをていねいに扱うことで、利用者さんの五感と会話をしっかり引き出す時間に変えられるのが、この企画の大きな魅力なのです。
第3章…味あてゲームで楽しむ1日~準備から当日進行までの流れ~
ここからは、具体的にどのような1日を組み立てると、お正月料理を使った脳トレが楽しく進むのかをイメージしていきます。中心になるのは「味当てゲーム」です。目隠しをしてひと匙ずつ違う料理を味わい、「これは何かな」「どこの家の味かな」と想像してもらう時間は、自然と集中力と会話を生み出します。とはいえ、準備や安全面を考えずに進めてしまうと、職員側の負担が大きくなってしまいますので、無理なく取り入れられる形に整理してみましょう。
準備編~事前アンケートとメニュー作り~
まずは、当日の軸となる料理を決めるところから始めます。おすすめは、施設で提供しやすく、ご家庭の思い出とも結び付きやすいお雑煮や煮しめ、紅白なますなど、数種類のお正月料理です。12月のうちに、利用者さんやご家族に「我が家のお正月料理」を書いてもらう簡単なアンケートを配り、「必ずしも全部は再現できないかもしれませんが、皆さんの家の味をヒントに、施設オリジナルのお正月料理を考えたいと思います」とお伝えしておきます。このひと言があるだけで、「自分の家の味が大事にされている」という気持ちが生まれます。
集まったアンケートは、職員同士で眺めながら、「多くのご家庭で登場している料理」「施設の設備で無理なく作れる料理」「嚥下状況に合わせて形を調整しやすい料理」を中心に、2~3品を選びます。ここで、全てを完璧に再現しようと頑張り過ぎないことが大切です。元の味を参考にしつつ、「施設バージョン」として安全に提供できる形に調整していきましょう。また、味当てゲーム用に、同じ料理を少しずつ味付け違いで用意できると、当日の盛り上がりがグッと変わります。
前日までに確認しておきたいのは、アレルギーや嚥下機能に関する情報です。普段の食事で気を付けている点をもう一度整理し、「この方には具材を細かく刻したものを」「この方にはペースト状にして少量だけを」など、味当てゲーム用の一匙をどう用意するか、具体的にイメージしておきます。さらに、目隠しを使う企画ですから、誤嚥や咽込みを防ぐためにも、ひと匙の量を小さく、温度をやや低めに保てるよう、職員間でルールを共有しておくと安心です。
当日編~1日の流れと味当てゲームの進め方~
当日のスケジュールは、午前と午後でメリハリをつけると進行しやすくなります。午前中は、軽い体操や歌、昔話を交えた談話などで体と心をほぐしながら、「今日は皆さんの家のお正月料理を、少しずつ味わい比べる日です」と予告しておきます。この時に、アンケートを書いてくれた方へ「この料理、書いてくださいましたよね」と声を掛けると、それだけで表情が明るくなり、その後の参加意欲にも繋がります。
味当てゲームは、お昼ご飯の前後どちらか、比較的ゆっくり時間が取れるタイミングで行います。まずは、テーブルごとに小さなトレーを用意し、ひと匙サイズの料理を数種類ずつ並べます。利用者さんには、順番に目を閉じてもらい、介助者が「今から〇番の一匙が入りますね」「まずは香りを感じてみてください」「では、ゆっくり口を開けてください」といった声掛けをしながら、スプーンを口元まで運びます。目隠しをする場合は、視界が完全に遮られて不安にならないよう、必ず事前に説明し、「嫌な方は目を閉じるだけでも大丈夫ですよ」と選択肢を用意しておきましょう。
ひと匙を味わったら、「何の料理だと思いますか」「家の味と似ていますか」「もう少し甘い方が好きですか」など、感じたことを自由に話してもらいます。正解を当てることよりも、「美味しい」「懐かしい」「これは初めての味」といった感想を引き出すことを大切にします。答え合わせの時には、「この味は〇〇さんの家のアンケートを参考にしました」「こちらは施設オリジナルで、皆さんの意見をまとめた味付けです」と紹介すると、その場に一体感が生まれます。
ゲームの最後には、好評だった味を少し多めに盛り付けた「本番のお皿」を提供し、「さっきのひと匙が、こんな一品になりました」と締め括ります。ひと匙で集中して味わった後の一皿は、いつもの食事よりも特別に感じられるはずです。午後の時間には、「今日の好きだった味ベスト3を教えてください」と振り返りをしたり、「来年はどんな料理を試してみたいですか」と次回へのアイデアを聞いてみたりすると、毎年少しずつ内容を育てていく切っ掛けにもなります。
こうして1日の流れを組み立ててみると、味当てゲームは決して難しい企画ではありません。事前の準備で安全面と段取りをしっかり整えておけば、当日は、利用者さんの笑顔と会話の流れに合わせて柔軟に進行できます。職員にとっても、「ただ作って食べて終わり」ではなく、「味わいながら一緒に楽しむ時間」として、やり甲斐を感じやすい1日になるでしょう。
第4章…安全と満足感を両立させるポイントとアレンジ例
味当てゲームや調理を取り入れたレクリエーションは、とても楽しい一方で、安全への配慮が欠かせません。特に高齢の方の場合、嚥下機能や持病、アレルギーなど、1人1人の条件が違います。ここでは、「楽しくて美味しい時間」でありながら、「安心して参加できる時間」にするためのポイントと、現場で使いやすいアレンジ例をまとめてみます。
安全面で押さえておきたい基本ポイント
まず大前提として意識したいのは、「量より質」「無理に全員同じことをさせない」という考え方です。味当てゲームと聞くと、つい多くの品目を用意したくなりますが、ひと口ごとの負担を考えると、品目は少なめでも構いません。ひと匙の量を小さく、温度をやや低めに保ち、時間を掛けて味わってもらうことを優先しましょう。
嚥下機能に不安のある方や、普段から飲み込みに注意している方には、具材を細かく刻んだり、トロミをつけたり、ペースト状にしたりと、その方専用の形を予め用意しておくと安心です。「皆と同じメニューだけれど、自分に合った形」というだけで、参加する意欲はグッと高まります。事前に看護師や栄養士と相談し、「この方にはこの形」という目安を書き出しておくと、当日の職員同士の連携もスムーズになります。
目隠しを使う場合は、安心感の確保が何より大切です。視界が遮られるだけで不安が強くなる方もいるので、「どうしても不安な方は、目を閉じるだけでも大丈夫です」「見ながら一緒に味わう参加も大歓迎です」と、予め選択肢を提示しておきましょう。また、ひと匙を口元に運ぶ際には、「今からスプーンが近づきます」「これから少し冷たいものが入ります」と、段階ごとに声を掛けることで、驚かせずに済みます。
衛生面も、普段の食事以上に意識しておきたい部分です。味当て用のスプーンは使い捨てか、ひと口ごとに交換できるように準備し、同じ器から何人もが直接口をつけないようにします。盛り付けや取り分けを行うテーブルと、利用者さんが座るテーブルを分けるなど、動線も予めイメージしておくと、当日のバタつきを減らせます。「楽しくてつい立ち歩いてしまう」タイプの方がいる場合は、職員が傍についてトレーを持って回る方法も良いでしょう。
現場で使いやすいアレンジ例
同じ構成のレクリエーションでも、施設の規模や利用者さんの状態によって、向いている形は変わります。ここからは、少しずつ手を加えながら、自分の現場に合わせていけるアレンジの例をいくつかご紹介します。
まず試しやすいのは、「デモンストレーション型」のアレンジです。調理そのものは職員が中心となって進め、利用者さんには香りを嗅いだり、具材を見比べたり、完成した料理を味見したりしてもらう形です。時間や人手が限られているフロアでも取り入れやすく、「今日は職員が皆さんの家の味を再現してみます」という雰囲気作りもしやすくなります。味当てゲームも、品目を少なめにして、代表者だけが目隠しをするなど、負担の少ない形に調整できます。
もう少し参加型にしたい場合は、「役割分担型」にするのもおすすめです。具材の名前を読み上げる係、数を数える係、味見の感想をまとめる係、ホワイトボードに書く係など、直接調理をしなくても参加できる役割を用意しておきます。「手先は動かしづらいけれど、声はよく出る」「字は書き難いけれど、味の感想ならたくさん言える」など、得意な部分に合わせて役割を割り振ることで、誰もが「自分もこの企画の一員だ」と感じられるようになります。
調理そのものが難しいフロアでは、「想像だけで楽しむ料理レク」という方向もあります。お正月料理の写真や食品サンプルを並べ、「この中から自分の家の味を選ぶとしたら、どれとどれを組み合わせますか」「色だけで、一番おめでたいと思う組み合わせを選んでください」といった、視覚中心のクイズにするのです。最後に、人気の高かった組み合わせを、厨房と相談して別の日の行事食に取り入れてもらえれば、「あの日に皆で決めたメニューだね」と、記憶にも残りやすくなります。
さらに、一年を通して広げていくアレンジとして、「季節ごとの味当て」に発展させる方法もあります。春は桜餅や草餅、夏はかき氷のシロップ、秋はさつまいもやきのこの料理など、季節ごとの食材に置き替えることで、「1月だけの特別な企画」から「季節の味を楽しむシリーズ」へと育てていくことが出来ます。根っこの考え方は同じでも、季節ごとに少しずつ内容が変わることで、利用者さんからの「次は何かな」という期待も生まれていきます。
安全と満足感は、どちらか一方を採るものではなく、「ちょうど良い着地点を現場ごとに探していくもの」です。無理のない範囲で、出来ることから少しずつ取り入れていくことで、その施設らしい「お正月料理レクリエーション」の形が見えてきます。小さな工夫を積み重ねながら、利用者さんと一緒に「来年はこうしてみようか」と話せる関係を育てていけたら、1月の時間は、きっと毎年楽しみな行事になっていくはずです。
[広告]まとめ…毎年アップデートする1月レクリエーションのすすめ
お正月から小正月までの時間は、ただカレンダーが変わるだけではなく、利用者さんの心の中に眠っている「昔の食卓」「家族との時間」を、そっと呼び起こしてくれる大切な季節です。そこに、脳を心地よく使う仕掛けを少しだけ加えることで、1月のレクリエーションは、単なる行事消化ではなく、「ここで過ごして良かった」と感じてもらえる特別な一時に変わっていきます。
紙の問題集や計算ドリルだけが脳トレではありません。お正月料理を眺めて具材を思い出すこと、家の味を語り合うこと、ひと匙の違いに耳を傾けること、段取りを一緒に考えること。こうした何気ないやりとりの中に、記憶・注意・判断・言葉のやりとりがギュッと詰まっています。「勉強させられている時間」ではなく、「美味しくて楽しい時間」の中で自然と頭を使ってもらえるのが、この企画の一番の魅力です。
同時に、安全面や人手の問題など、現場ならではの事情があるのも事実です。だからこそ「完璧な再現」を目指し過ぎず、「今年はここまでやってみよう」「来年はもう少し踏み込んでみよう」と、毎年少しずつ育てていく考え方が大切になります。初年度はデモンストレーション中心、次の年は味当てゲームを追加、その次の年には季節ごとのシリーズへ……というように、小さな一歩を積み重ねることで、その施設らしい形が自然と形になっていきます。
利用者さんにとっては、「自分の家の味を思い出してもらえた」「話を聞いてもらえた」という体験が、何よりの喜びになります。職員にとっても、「食事介助の延長」ではなく、「一緒に笑い、一緒に驚き、一緒に味わう時間」として、やりがいを感じられる瞬間が増えていくはずです。
1月のレクリエーションを見直す時、「何をやるか」の前に、「どんな気持ちで終わってもらいたいか」というゴールを思い浮かべてみてください。懐かしさと楽しさ、そして「また来年もやりたいね」というひと言。そのための1つの方法として、お正月料理を使った脳トレ企画を、自分たちなりにアレンジしながら取り入れてみていただければ嬉しいです。
今日も閲覧ありがとうございましたm(__)m
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