お正月の定番遊びを今の暮らしにアレンジ!室内と外で子どもと笑う1日
目次
はじめに…お正月の遊びは“縁起”と“家族時間”を繋ぐ橋
お正月というと、初詣やお年玉、おせち料理など、いろいろな光景が思い浮かびますよね。けれど昔から大切にされてきたのは、ご馳走だけではなく、「皆で同じ遊びをして笑う時間」でもありました。羽根突きや凧あげ、福笑い、かるた…。どれも一見ただの遊びに見えますが、本当は子どもの成長や家族の幸せを願う、ささやかな祈りが込められています。
少し前までは、近所の空き地や公園で子どもたちが走り回り、お爺ちゃんお婆ちゃんも一緒になって遊ぶ姿が当たり前にありました。ところが今は、住宅事情や安全面の心配もあり、外で思い切り遊ぶ機会が減っています。その一方で、家の中で過ごす時間は増えました。せっかくなら、この「家の中時間」と「短い外遊びの時間」を、お正月ならではの特別な遊びで、ギュッと濃い家族時間に変えてしまいたいところです。
昔ながらの遊びは、そのままでも十分楽しいのですが、今の暮らしに合わせて、ほんの少し工夫を加えると、子どもたちの目がキラッと光ります。「どうせなら写真も撮りたくなる」「思い出として語りたくなる」ような、お正月の小さなイベントに早変わりします。遊び方に正解はありません。由来や意味をふんわりと押さえつつ、家族なりのルールやアレンジを足していくことこそが、現代のお正月遊びの楽しみ方なのかもしれません。
この記事では、羽根突きや凧上げ、福笑い、かるたなどの定番遊びが持つ意味や歴史を辿りながら、「室内でほっこり楽しむ遊び」と「外で体を動かして楽しむ遊び」を、今の暮らしに合う形でご紹介していきます。さらに、広い庭や公園がなくても工夫次第で楽しめるアイデアも交えながら、「今年のお正月、どう遊ぼうかな?」と想像するだけでワクワクしてくる時間をお届け出来れば嬉しいです。
[広告]第1章…羽根突き・凧上げ・福笑い…お正月遊びに隠れた意味と歴史
お正月の遊びを思い浮かべると、羽根突き、凧あげ、福笑い、独楽、かるたなど、昔からお馴染みのものがいくつもありますよね。どれも「ただの遊び」に見えますが、元々は子どもの成長を願ったり、一年の無事を祈ったりと、きちんとした意味や由来が背景にあると言われています。そうした物語を少し知っておくと、遊びそのものがグッと味わい深くなってきます。
羽根突き~コンコンと邪気を跳ね除ける音~
まずは、昔の女の子のお正月遊びとして知られている羽根突き。今では飾り用の華やかな羽子板の方が有名ですが、元々は素朴な板と羽で、空に向かってコンコンと打ち合う遊びでした。羽根についている黒い玉は「むくろじ」という木の種で、古くから「悪いモノを払う力がある」と信じられてきました。子どもが病気になりやすかった時代、「羽根を打つたびに邪気を跳ね除けて、健やかに育ちますように」という願いが込められていたと言われています。
羽根突きは、本来2人で向かい合い、相手のミスを笑うのではなく、「どこまで続けられるかな」と息を合わせて遊ぶもの。夢中で打ち合っていると、いつの間にか大人の方が本気になってしまい、子どもがケラケラ笑っている、なんて光景もお正月らしい微笑ましさですよね。
凧上げ~空高く伸びていく願い事~
冬の澄んだ空に、糸の先でフワリと揺れる凧。高く上がれば上がるほど、子どもが元気に育つ、商売が上手くいく、勉強が伸びる……そんな「伸びゆく運」の象徴として親しまれてきました。昔は男の子の誕生祝いや節句の頃にも凧上げをすることが多く、「この子の人生も、空のように開けていきますように」と願いを託したとも言われています。
とはいえ、実際に糸を最大まで伸ばしてみると、風にあおられて腕ごと持っていかれそうになったり、足元がフラッと浮いたような感覚になったりします。子どもの頃に「ちょっと飛ばされそうになった」経験がある方もいるかもしれませんね。あのヒヤッとする感じも含めて、凧上げは少しスリルのあるお正月の冒険でした。
福笑い~笑う門には福来るをそのまま形に~
おたふくの顔に目や鼻、口などを置いていく福笑いは、「笑う門には福来る」という言葉を、そのまま遊びにしたような存在です。目隠しをしている人は真剣でも、周りで見ている人は「あっ…そこは耳じゃないよ!」と突っ込みながら笑いをこらえきれません。完成した顔がどれほどおかしな出来映えでも、「変だからこそ、皆で笑える」。その笑い声こそが、新しい年に福を呼び込むとされてきました。
昔は、おたふくのふくよかな頬やにっこり笑った口元が、「家の中に笑顔が溢れますように」という願いを象徴していたとも言われています。家族の誰かをモデルにした福笑いにしてみると、「似てる?」「似てない?」と会話も弾み、今の暮らしにもスッと馴染みます。
独楽とカード遊び~クルクル回る運と人とのご縁~
丸くて小さな独楽は、紐を巻いて勢いよく投げ、グルグルと回る様子を楽しむ遊びです。スッと立って、安定して回り続ける独楽の姿には、「一年がつつがなく、安定して回っていきますように」という祈りが込められてきました。上手な人になると、床だけでなく手の平や紐の上でも回したり、他の独楽とぶつけ合って勝負したりと、「技」と「対戦」の世界も広がっていきます。
一方、かるたや百人一首、貝合わせなどのカード遊びは、「正しい組み合わせを見つける」「対になるものを探す」ことで楽しむ遊びです。似た絵柄を見分けたり、歌の一部を聞いて残りを思い出したりすることで、記憶力や集中力が自然と鍛えられます。また、札を取る時には他の人の動きも見る必要があり、「誰がどれを狙っているか」「どの札を譲るか」など、人との距離感や駆け引きも生まれます。こうした体験が、「人とのご縁を結ぶ」「周りと調和していく」ことを学ぶ切っ掛けになってきました。
このように、お正月の定番遊びには、ただ暇潰しをするだけではない、家族の願いと季節のしきたりがたくさん詰まっています。由来を知った上で遊んでみると、「昔の人はこんなことを思っていたのか」と感じられて、子どもとの会話も自然と膨らみます。次の章からは、こうした遊びを現代の暮らしの中で、室内と室外、それぞれどのように楽しんでいけるかをご紹介していきます。
第2章…室内でほっこり遊ぶお正月 福笑いとかるたを家族オリジナルに
お正月に実家へ集まると、こたつの周りに家族がギュッと集まり、外は寒くても部屋の中はポカポカ…という場面が生まれます。せっかくなら、ただテレビを眺めるだけでなく、「今年もよろしくね」と笑い合える室内遊びを用意しておきたいところです。ここでは、昔ながらの福笑いやかるた、百人一首などを、今の暮らしに合わせて少しアレンジして楽しむヒントをまとめてみます。
家族の顔で福笑い~今年一番の笑い初めに~
福笑いと言えば、おかめの顔が定番ですが、今の子どもたちには少しピンとこないこともあります。そこでおすすめなのが、「家族オリジナル福笑い」です。用意するのは、画用紙とペン、はさみ、のり、そして目を隠すためのタオルなど、ごく身近なものだけで十分です。
まず、大きめの紙に、顔の輪郭だけを描きます。モデルはお父さんでもお母さんでも、お爺ちゃんお婆ちゃんでも構いません。「これは誰の顔にする?」と相談するところから、もう遊びが始まっています。輪郭が描けたら、別の紙に目、鼻、口、眉毛、耳、頬の丸、髭、髪型などをたくさん描き、パーツごとに切り分けます。ちょっと極端なくらい大きな目や長い眉毛にしておくと、出来上がりがグッと面白くなります。
さらに、透明のセロファンを小さく切って、瞼の部分に重ねればアイシャドー風に、口元に重ねれば口紅風に見えてきます。歯の部分に黒い紙を重ねて「お歯黒風」にしてみたり、頬の辺りに丸く切った赤い紙を重ねてチークのようにしてみたりと、昔の化粧を真似しつつ遊ぶのもお勧めです。目隠しをした人が、周りの声だけを頼りにパーツを置いていき、最後に目隠しを外した瞬間、「えっ、こんな顔になってたの!?」と大笑いになる。そのひと笑いが、家族の一年の空気をふんわりと明るくしてくれます。
食べ物や家族のエピソードで作るオリジナルかるた
かるたや百人一首は、元々、文字を覚えたり、和歌に親しんだりするための遊びでした。とはいえ、小さな子どもにいきなり難しい歌を暗記してもらうのは、なかなかハードルが高いものです。そこで、お正月だけの特別な遊びとして「我が家オリジナルかるた」を作ってしまう方法があります。
用意するのは、同じ大きさのカード状の紙をたくさん。読み札と取り札をそれぞれ別の山にしておきます。左上に大きく五十音を書き、その文字から始まる「ひとことメッセージ」や「家族のあるある」を考えていきます。例えば、「あ」の札なら「あったかいおしるこもう一杯」「い」の札なら「いつもより長いこたつ会議」「う」の札なら「うたた寝してこたつから出られない」など、日常の光景をそのまま短い言葉にしていくと、家族ならではのネタだらけのかるたになっていきます。
食べものだけで揃えれば「食いしん坊かるた」に、遊びだけで揃えれば「ワンパクかるた」に、出来事を中心にすれば「今年の思い出かるた」や「じいじばあばの思い出かるた」にもなります。予め「食べ物」「遊び」「建物」「出来事」「動物」など、いくつかの分野を決めて、それぞれの分野から何枚ずつ作るか決めておくと、バランスよく作りやすくなります。
作る時間も遊びのうちです。文字がまだ書けない小さな子は絵だけ担当、大人が文字を添える。高齢の家族は、「昔はね…」と昔話を交えながら文言を考えてくれるかもしれません。完成したかるたは、その年だけで終わらせず、毎年数枚ずつ増やしていくのも素敵です。台紙に貼ってアルバムのように残しておけば、「去年はこんなこと書いていたね」と振り返る楽しみも増えていきます。
百人一首や言葉遊びは「無理なく」「緩く」が続けるコツ
百人一首に挑戦してみたいけれど、いきなり本格的な取り札争奪戦は難しそう…という場合は、遊び方を緩くアレンジしてみましょう。まずは上の句と下の句を色分けしたり、好きな歌だけを十首ほど選んで「お気に入りだけ百人一首」にしてみる方法があります。絵札を眺めて「この人はどんな性格なのかな」「どんな場面でこの歌を詠んだのかな」と想像を膨らませるだけでも、立派な遊びになります。
言葉遊びが好きな家族であれば、五七五だけを考えて句会ごっこをしても楽しいものです。お題を「お正月」「こたつ」「家族の口癖」などに決めて、1人1つずつ短い句を出し合い、一番「それっぽい」と思ったものに拍手を送る。点数を競わなくても、「それ分かる」「それうちでも良くある」という共感で盛り上がる時間が生まれます。
室内遊びの良いところは、動きが緩やかなので、年齢や体力にあまり左右されないことです。長時間座っているのがつらい人は、途中から見学に回っても構いませんし、耳だけ参加でも楽しめます。「出来る人が、出来る範囲で参加する」「笑い声がたくさん出れば成功」というくらいの気持ちで緩く構えることが、お正月の室内遊びを長く続けるコツと言えるでしょう。
このように、昔ながらの遊びに少しだけ手作り要素や家族ネタを足していくと、世界に1つだけの「我が家仕様のお正月遊び」へと変わっていきます。次の章では、外の空気を吸いながら体を動かして楽しむお正月遊びと、その安全な楽しみ方について見ていきます。
第3章…外で思いきり体を動かすお正月 凧あげや羽根つきを現代風に
室内でゆったり遊ぶお正月も良いですが、冬の澄んだ空気の中で、少しだけ体を動かしてみる時間も心地良いものです。冷たい風にほっぺたがキュッとなる感覚や、吐く息が白く見える面白さは、画面越しには味わえない冬ならではの体験です。凧あげや羽根突き、独楽などの遊びは、元々、外で元気に動くことを前提とした遊びですから、安全に配慮しながら「今の環境に合うやり方」にアレンジして楽しんでみましょう。
凧上げは「場所選び」と「程良い高さ」が大事
凧上げと言えば、子どもにとっては冬休みの大イベントでした。とはいえ、今は電線が多かったり、交通量が多かったりして、好きな場所で自由に凧を飛ばすことが難しくなっています。まずは、近くに凧上げが許可されている広場や河川敷、公園などがないか、地域の情報を確認してみると安心です。自治体や地域の団体が、年始に凧上げ会を企画していることもあり、そうした行事を利用すると、ルールが整っていて参加しやすい場合もあります。
家庭で楽しむ場合は、「とにかく高く飛ばす」ことだけに拘らず、「子どもの背丈より少し高いくらい」「木や電線から十分離れた高さ」といった、程良い範囲で楽しむのも1つの工夫です。糸を長く出し過ぎると、コントロールが難しくなり、風に煽られて思わぬ方向に流されてしまいます。親子で一緒に糸を持ち、「ここまで伸ばしたらストップ」という目安を最初に決めておくと、安心して遊べます。
凧そのものも、昔ながらの竹ひごと和紙を使って手作りする方法と、市販の丈夫な凧を使う方法があります。手作りの場合は、軽くて扱いやすいビニールの袋に棒を通して簡単な凧を作り、子どもに絵を描いてもらうだけでも特別感が出ます。足の部分にセロファンや色紙の帯を付けると、風に揺れてキラキラと動き、見ているだけでも楽しい飾りになります。糸の色を赤や黄色にして、空の中で凧と糸のラインが見えやすくなるよう工夫するのもお勧めです。
羽根突きや「なんちゃって羽根突き」で軽く運動
古風な羽根突きは、羽根と板を使って打ち合う遊びですが、身近な道具で代用すれば、現代風の「なんちゃって羽根突き」として楽しむことも出来ます。例えば、庭や公園では、軽いゴムボールや軟らかいスポンジボールを、ラケット代わりの板やミニバドミントン用のラケットで打ち合っても、十分に羽根突き気分が味わえます。
本来の羽根には、子どもの無病息災を願う意味がありますから、「〇回続いたら今年は風邪を引かないね」「△回を目標にしよう」と、遊びの中でさりげなく願い事を口にしてみるのも素敵です。点数をつけて勝敗を決めても良いですが、小さな子どもやお年寄りも混じる場合は、「何回続いたか」を皆で応援する協力型のルールにすると、年齢差関係なく楽しめます。
スペースが限られている場合は、ボールを地面に落とさないように、上に向かって打ち上げるだけのルールでも十分運動になります。室外で体を動かすといっても、激しいスポーツのように汗だくになる必要はありません。少し息が上がって、「寒いのに体がポカポカしてきたね」と笑い合えるくらいの運動量がちょうど良いかもしれません。
独楽回しや地面遊びで「じっくり集中する時間」を
凧あげや羽根突きのようなダイナミックな遊びに比べて、独楽回しは、体を激しく動かさずとも十分楽しめる外遊びです。紐の巻き方や投げ方にちょっとしたコツが必要で、「上手く回せない」「あ、今のは綺麗だった」といった手応えを味わえるのが魅力です。土の地面や芝生の上など、多少傷がついても気にならない場所を選んで遊ぶと安心です。
独楽そのものにマジックペンや絵の具で模様を描いておくと、回した時に色が混ざり合って見え方が変わるので、子どもたちも興味津々になります。「止まっている時はシマシマ模様なのに、回すと丸い輪になって見える」など、小さな発見が次々に生まれます。慣れてきたら、地面に小さな円を描いて「この中でどれだけ長く回せるか」「円から出さずに回し続けられるか」といった遊び方に発展させることも出来ます。
また、外遊びとしては、地面にチョークで円や道を描いて、鬼ごっこのルートを決めたり、ケンケンパのマス目を描いたりする昔ながらの遊びも、お正月と相性が良いです。家の前のちょっとしたスペースや、公園の隅に描いて遊べば、「ここが私たちの特設遊び場」という特別感も生まれます。地面の絵は雨が降れば消えてしまいますが、その儚さもまた季節の思い出として心に残ります。
外での遊びはどうしても危険が伴いますが、「どこまでなら安全か」「どこから先はやめておこうか」と、一緒にルールを話し合うこと自体が、子どもにとって大事な学びになります。凧上げにしても羽根突きにしても、必ず大人が傍で見守り、「今日はここまでにしようか」と区切りを付けてあげることで、楽しい記憶のままおうちに帰ることが出来ます。
このように、外遊びのお正月は、特別な道具や広大な場所がなくても、「少しの工夫」と「皆で楽しむ気持ち」があれば十分に楽しめます。次の章では、庭や公園が殆どないご家庭や、天候に恵まれない年でも、お正月の遊び心を諦めずに楽しめるアイデアをまとめていきます。
第4章…場所がなくても大丈夫!小さな家でもできるお正月遊びアレンジ集
お正月の遊びというと、広い庭や河川敷、公園などを思い浮かべがちですが、実際には「アパートで上の階」「駐車場も狭い」「近くに広い公園がない」というご家庭も多いですよね。さらに、せっかくの元日や三が日が雨や強風になる年もあります。そんな時に「危ないからやめておこう」で終わってしまうと、子どもたちは少し物足りない気持ちになってしまいますし、大人もどこか心残りです。
でも、小さなおうちでも大丈夫です。工夫次第で、室内だけでも「お正月らしい遊び心」をしっかり味わうことが出来ます。ここでは、部屋が狭くても、道具が少なくても、今日からすぐに出来るお正月遊びのアレンジをいくつかご紹介します。
まずお勧めしたいのは、「床に優しい遊び方」を意識したアレンジです。例えば凧上げの「空に伸びていく感じ」を真似したい時、実際の凧と長い糸は使えなくても、小さめのビニール袋に紐を付けて、お部屋の中でフワリと揺らしてみることは出来ます。子どもが体を左右にゆっくり動かし、その動きに合わせてビニールがユラユラと「飛ぶ」。窓から入る風が少しだけあれば、それだけでも子どもにとっては十分「凧ごっこ」です。壁や照明に当たらないよう、遊ぶ場所を一角に決めておけば安全です。
羽根突きも、「床に落としたらアウト」というルールをやめて、「落ちても良いから上に打ち上げるゲーム」に変えてしまえば、グッと気が楽になります。羽根やラケットの代わりに、軟らかい風船を使うと、音も静かで床や家具を傷つけ難く、アパートでも遊びやすくなります。「風船を落とさないように何回触れるか」「家族全員で順番に触って、何周、回せるか」といったルールにすれば、ほんの少しのスペースでも盛り上がります。お正月の遊びそのものは変わっても、「皆で体を動かして笑う」という本質はしっかり残ります。
次に、紙とペンだけで楽しめる遊びを、もう少し広げてみましょう。福笑いやかるたに加えて、「お正月双六」を手作りするのも良いアイデアです。大きめの紙にクネクネと道を描き、その道に「こたつでみかんを食べる1回休み」「お年玉をもらって1マス進む」「おせちを摘まみ食いして1マス戻る」など、家族ならではの出来事を書き込んでいきます。駒は小さな消しゴムでも折り紙でも構いません。サイコロが無ければ、紙に数字を書いて裏返し、1枚引いて進む仕組みにしても良いでしょう。
この「お正月双六」は、部屋の広さに関係なく遊べる上に、その年ならではのエピソードを混ぜ込めるのが魅力です。「じいじが昼間からうたた寝している1回休み」「子どもが年賀状の山をひっくり返した2マス戻る」など、家族内の定番ネタを書き込むと、「それあるある!」と笑いが増えます。後から見返した時に、「この年はこんなことがあったね」と、とても深い思い出話にもなります。
また、スペースが限られている時こそ、「声」と「表情」を主役にした遊びも力を発揮します。百人一首が難しければ、「ことわざかるた」や「早口言葉大会」にしてしまうのも1つの方法です。お題を決めて、一人ずつ順番に言葉を繋げていくしりとりや、「お正月にあった嬉しかったことを一言ずつ足して、1つの物語を作る」といった遊びは、机の周りだけで完結します。体を大きく動かさなくても、頭の中と口は大いに動き、場は自然と温かくなります。
さらに、遠く離れた家族とも一緒に遊びたい場合には、画面越しのやりとりも活用できます。電話越しに福笑いの様子を実況してもらったり、写真を送り合って「どの顔が面白かったか」を話題にしたりと、道具を共有できなくても楽しめる工夫はたくさんあります。例えば、こちらの家で作ったオリジナルかるたの札を写真に撮って送り、「今日はこの札の話をしよう」と、お題トークの切っ掛けにするのも面白い使い方です。
大切なのは、「伝統的な遊びを、昔の形そのままで再現しなくてはならない」と気負い過ぎないことです。羽根突きは風船遊びに、凧上げはビニール袋のフワフワ遊びに、かるたは家族オリジナルのメッセージカードに姿を変えても、そこに「笑い」と「願い」と「一緒に過ごす時間」があれば、ちゃんとお正月の遊びになっています。
小さなおうち、小さなテーブルでも、「これなら出来そうだね」と言いながら工夫を重ねることで、家族の会話は自然と増えていきます。そして、その会話の積み重ねこそが、子どもにとって何よりの思い出になっていきます。最後のまとめでは、ここまで見てきた室内と室外の遊び、そして小さな家での工夫を振り返りながら、「お正月に一緒に遊ぶ」という時間の価値について、もう一度ゆっくり考えてみましょう。
[広告]まとめ…形を変えても続いていく“お正月に一緒に遊ぶ”という贅沢
お正月の遊びは、羽根突きや凧上げ、福笑いに独楽、かるたなど、どれも少し昔なつかしい響きを持っています。ただの懐かしさではなく、その1つ1つに「子どもが健やかに育つように」「家族の一年が穏やかでありますように」という願いが込められてきたことを知ると、遊びそのものがちょっと特別なものに見えてきます。
室内では、福笑いやかるたを「我が家バージョン」に作り替えることで、お正月ならではの温かな時間が生まれます。家族の顔をモデルにした福笑いで大笑いしたり、日常のあるあるネタや好きな食べものを題材にしたオリジナルかるたで盛り上がったりすると、その年だけの小さな物語がいくつも生まれていきます。遊ぶ時間だけでなく、カードやパーツを手作りする過程も含めて、全部が思い出になっていくのが室内遊びの良さです。
外に出られる時は、冷たい空気の中で凧上げや羽根突き、独楽回しなど、体を少し動かす遊びを取り入れてみると、お正月の一日がグッと立体的になります。高く上がる凧に願いを重ねたり、「何回続けられるかな」と羽根突きに挑戦したり、綺麗に回る独楽に見入ったりする時間は、子どもにとって小さな冒険であり、大人にとっては忘れていた感覚を思い出させてくれる瞬間でもあります。
とはいえ、住まいの環境や天候によって、大きく体を動かす遊びが難しい年もあります。そんな時こそ、風船を使った「なんちゃって羽根突き」や、ビニール袋と紐で楽しむ簡単な「凧ごっこ」、家族の出来事をマス目に書き込んだ手作り双六など、小さな工夫が力を発揮します。広い庭や公園がなくても、テーブル1つ分のスペースと紙とペンがあれば、お正月らしい遊び心を十分に味わうことが出来ます。
今は、親世代と祖父母世代が別々の場所で過ごすお正月も増えています。それでも、電話や画面越しに福笑いの結果を見せ合ったり、手作りかるたや双六の写真を送り合ったりすれば、「同じ遊びを共有している」という繋がりを感じることが出来ます。離れていても、同じテーマの遊びで笑い合えるのは、現代ならではのお正月の楽しみ方と言えるかもしれません。
お正月の遊びに、完璧な形は必要ありません。昔ながらの遊び方をそのまま楽しんでも良いですし、家族の暮らしに合わせて大胆にアレンジしてしまっても構いません。大事なのは、「今年も一緒に遊ぼうか」「ちょっとやってみようか」と声を掛け合い、同じ場を共有することです。その短い時間の中で交わされる笑顔や言葉は、子どもにとっても大人にとっても、長く心に残る宝物になります。
新しい年の始まりに、豪華なイベントでなくても構いません。昔から伝わる遊びに、少しだけ今の暮らしの工夫を足して、「我が家流のお正月遊び」を育てていくこと。その積み重ねこそが、「また来年も一緒に遊びたいね」と言い合える、ささやかで贅沢なお正月の時間を作っていくのだと思います。
今日も閲覧ありがとうございましたm(__)m
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