防災の夏!安心の夏!~高齢者や障害のある方のための「普段備え」入門~
目次
はじめに…その日が来る前に暮らしの中で出来ることを増やしておく
夏は、何となく身軽です。服も軽く、水分も気になり、窓を開ける時間も増えます。けれど、その身軽さの横で、「備え」は後回しになりがちです。防災は気になる。でも押し入れの奥を見た瞬間、急にお茶でも飲みたくなる。そんな小さな現実、ありますよね。
けれど、災害は人の都合を待ってくれません。季節も時間も選ばず、ある日、突然にフッと日常の隙間に入ってきます。特に高齢者や障害のある方にとっては、避難そのものが大仕事です。移動に時間がかかることもあれば、薬や医療機器、食事の工夫が欠かせないこともあります。避難行動要支援者(避難に手助けが必要な方)という言葉があるのは、それだけ備え方が千差万別だからです。
この話は、怖がるためのものではありません。むしろ逆です。普段の暮らしを少し整えておくと、いざという時の気持ちは随分と違います。一朝一夕で完璧を目指す必要はありません。水を置く、連絡先を書く、通る道を確かめる。そんな小さな積み重ねが、心細さを静かに減らしてくれます。
しかも、防災の準備は「もしもの日」だけのためではありません。停電した夜、体調を崩した朝、買い物に行けない日にも役立ちます。言ってしまえば、防災は特別な行事ではなく、暮らしの足腰を整えること。派手さはありませんが、こういう土台ほど後で効いてきます。
この記事では、高齢者や障害のある方、そして支えるご家族が、今日から無理なく始められる備えを優しく見ていきます。気合いだけで走り出す内容ではなく、「これなら出来そう」と思える形で進めます。防災袋を開けたら乾パンが時代を語り始めた、という事態を避けつつ、明日の安心を少しずつ増やしていきましょう。
[広告]第1章…災害は待ってくれない~まずは自宅の危ない場所を見直そう~
防災の準備というと、水や食べ物を揃える話に目が向きやすいのですが、最初に手をつけたいのは家の中です。何故かというと、地震でも停電でも大雨でも、「避難する前」にまず自宅の中で身を守れるかどうかが大きいからです。特に高齢者や障害のある方が暮らす家では、ほんの少しの段差や置き方のクセが、危機一髪の場面を生むことがあります。
普段は平気な場所でも、夜だったり、慌てていたり、足元が見え難かったりすると話が変わります。寝室からトイレまでの通り道に荷物が出ている。玄関に靴が並び過ぎている。延長コードが床を横切っている。こういう光景、見慣れている分「うちの景色です」と言いたくなるのですが、災害時にはその景色が急に手強くなります。家の中が、いつもの家ではなく「小さな障害物競走会場」になってしまうわけです。いや、開催しなくて良い競技ですよね。
見直しの出発点は、家の中の動線(人が動く道筋)を辿ることです。朝起きてから寝るまで、どこを通り、どこで立ち止まり、何に手を伸ばすのか。その流れを実際に歩いてみると、意外と「あれ、この椅子、ここに必要だったかな?」「この棚、ちょうど頭の高さだな…」と気づきます。防災は特別な場所を見るのではなく、毎日の暮らしをもう一度、丁寧に見る作業でもあります。
まず気にしたいのは寝室です。就寝中に揺れが起きた時、枕元の近くに倒れやすい家具があると、それだけで不安が増えます。背の高い棚やテレビ、重い置き物が頭の近くにないかを確認し、出来れば固定しておきたいところです。家具固定(家具が倒れ難いように留める工夫)は地味ですが、用意周到の代表選手です。目立たないのに、いざという時に仕事をします。
そして、ベッドや布団の傍には、懐中電灯や足元灯を置いておくと安心です。停電した夜は、見慣れた部屋でも急に別世界になります。昼なら軽く跨げる新聞紙1つでも、暗い中では存在感を増してきます。紙なのに偉そうです。さらに、メガネや杖、補聴器、車いすのブレーキ位置など、本人にとって欠かせない物がすぐ手に届くかも大切です。探し物の時間が長くなるほど、不安はジワジワ広がります。
次に廊下と玄関です。ここは「逃げる道」であり「迎える道」でもあります。避難の時に使うだけでなく、助けに来た人が通る道でもあるので、出来るだけスッキリさせておきたい場所です。手すりの近くに物が置かれていないか、靴や傘が足に引っかかりやすくなっていないか、玄関のたたきに段差が多過ぎないかを見ます。歩行器や杖を使う方がいるなら、曲がり角の幅も確認したいところです。通れると思っていたのに、いざとなると通り難い。これは家具にも人の気持ちにも、時々ある話です。
台所も見落とせません。火を使う場所である上に、食器や調味料、鍋など「落ちると痛いもの」が集まりやすいからです。高い棚の重い食器は、なるべく下の方へ。よく使う物ほど取り出しやすい場所へ。ガラス製品ばかりが手の届く範囲に並んでいるなら、少し配置を変えるだけでも安心感が違います。冷蔵庫や食器棚の転倒防止も忘れたくありません。大きな家具は黙って立っているようで、揺れた時だけ急に存在感を出します。普段、静かな人が宴会で急に歌い出す感じに少し似ていますが、こちらは笑っている場合ではありません。
トイレや洗面所も大事です。床が濡れやすく、狭くて姿勢を変え難い場所なので、転倒リスク(転びやすさの危険)が高くなりがちです。足拭きマットが滑りやすくないか、必要な手すりが使いやすい位置にあるか、非常時にすぐ使える紙類があるかを見ておくと安心です。体調が不安定な方ほど、こうした場所の使いやすさが日々の落ち着きに直結します。
ここで大切なのは、「綺麗な家にしよう」ではなく「安全に動ける家にしよう」という視点です。片付けが目的になると気が重くなりますが、転び難くする、取り出しやすくする、助けが入りやすくする、と考えると手をつけやすくなります。完璧を目指して疲れるより、危ない所を1つ減らす方がずっと実用的です。
防災は、買い足すことより先に、置き方を変えるだけで進むことがあります。家の中を見直す作業は、派手ではありません。でも、毎日使う場所が少し安心になるだけで、気持ちも軽くなります。まずは寝室から玄関まで、本人の歩幅で、本人の目線で、ゆっくり見てみましょう。そこには「備える」というより「暮らしを整える」に近い発見が、ちゃんとあります。
第2章…逃げる備えと残る備え~我が家を安心の拠点にする考え方~
防災というと、「とにかく外へ逃げる」と思いやすいのですが、実はそこに新しい視点があります。災害の時は、全員が同じ動きをするのではなく、その人の体調や住まいの状態に合わせて動くことが大切です。外へ移る備えも必要ですし、自宅に留まる備えも必要です。どちらか片方だけではなく、両方を持っておく。この考え方があるだけで、気持ちはかなり落ち着きます。
高齢者や障害のある方にとって、移動はそれ自体が大仕事です。階段が難しい方もいれば、暑さや寒さで体力を消耗しやすい方もいます。服薬の時間が決まっていたり、医療機器が必要だったり、食事に配慮が必要なこともあります。そんな中で「みんなが出るから、うちも急いで出よう」となると、却って右往左往しやすくなります。避難は大事。でも、急ぐだけが正解ではない。ここを知っておくと、備えの質が変わってきます。
そこで考えたいのが、在宅避難(自宅で安全を保ちながら過ごすこと)です。家が倒壊の危険が少なく、浸水や土砂の不安が低い場所なら、自宅に残る方が体への負担が小さい場合があります。慣れたトイレ、慣れた寝床、いつもの薬、いつもの動線。こうした「普段通り」が保てるだけで、心身の疲れ方は随分と違います。避難所に行くことが立派で、自宅に残るのは消極的、という話ではありません。自分に合った場所で安全を確保することが、何より大切です。
ただし、ここで大切な言葉は冷静沈着であることです。家に残ると決めるなら、その家がどんな災害に弱いかを先に知っておきたいところです。川の近くなのか、低い土地なのか、急な斜面の近くなのか。停電した時にエアコンが止まると困るのか、水が出ないと一気に生活が苦しくなるのか。こうした点を見ておくと、「残る」が現実的かどうかが見えてきます。住まいは毎日見ているようで、意外と性格を知らないものです。長年の付き合いなのに、梅雨時の機嫌しか分からない友人みたいなところがあります。
一方で、外へ移る備えも欠かせません。分散避難(避難先を1つに決め打ちしない考え方)という考えがあります。避難所だけでなく、親族の家、知人宅、福祉避難所(配慮が必要な方のための避難先)など、行き先を複数イメージしておく方法です。大きな避難所が合わない方もいます。人の多さで疲れてしまう方、音や光が気になりやすい方、介助のしやすさが必要な方には、少し落ち着ける場所の方が向いていることもあります。逃げる先を1つだけにしてしまうと、その場所が使えなかった時に困ります。行き先がいくつかあると、心の中にも逃げ道が出来ます。
ここで役に立つのが、「外に行く時セット」と「家に残る時セット」を分けて考えることです。持ち出し袋に全部を詰め込もうとすると、気合いだけが先に立ってしまいます。結果、袋が重くなり、「これを背負って走るのは誰だろう」と静かに現実へ戻ります。そこで、外に出る時に必要なものはすぐ持てる形にし、家に残る時に必要な物は取り出しやすい場所にまとめる。この分け方をしておくと、いざという時に判断が早くなります。
そしてもう1つ大切なのが、家族の中で「どんな時に出るか、どんな時は残るか」を言葉にしておくことです。地震ならどうするのか。大雨ならどうするのか。昼なら、夜なら、一人の時ならどうするのか。これを決めておくと、迷いが少なくなります。災害の時は、情報が多いほど頭が疲れます。テレビもスマホも親切なくらい何かを伝えてくれますが、受け取る側はそこまで多機能ではありません。人間の頭は、炊飯器ほど静かに賢くはないのです。
ここでの新しい気付きは、「避難」は移動だけを指す言葉ではない、ということです。安全な場所を選び、そこで暮らしを繋ぐことまで含めて備えです。自宅を安心の拠点にする準備も、外へ移る段取りを整えることも、どちらも同じくらい大事です。臨機応変に動ける人ほど、事前に静かな準備をしています。
災害の時に頼りになるのは、気合いよりも段取りです。出るか、残るか。その2つを対立させず、「どちらにも動ける家」にしておくこと。それが、高齢者や障害のある方の暮らしを優しく守る土台になります。慌ててから考えるより、元気な日のひと工夫。これが後になって、じんわり効いてきます。
[広告]第3章…持ち出し袋だけでは足りない~体調と生活に合わせた備蓄の整え方~
備えというと、つい非常用の袋に気持ちが集まります。もちろん持ち出し袋は大切です。けれど、高齢者や障害のある方の暮らしを考えると、それだけでは足りません。新しい視点はここです。防災の備蓄は「生き延びる物」だけでなく、「いつもの暮らしを続ける物」まで含めて考える方が役に立ちます。
水や食べ物は欠かせませんが、それと同じくらい大切なのが、その人にとっての必需品です。薬、入れ歯の手入れ用品、補聴器の電池、紙おむつ、尿取りパッド、トロミ剤、軟らかい食品、皮膚を守る保湿用品。どれも、無いと急に生活が不安定になります。元気な人にとっての「ちょっと不便」が、別の人には「かなり困る」になる。ここは十人十色です。同じ家族でも必要な物は違いますし、同じ年齢でも体の事情はそれぞれです。
食べ物の備えも、ただ長持ちすれば良いわけではありません。固い物が食べ難い方、塩分を控えたい方、水分量に気を付けたい方、飲み込みに配慮が必要な方には、その人に合った食品が必要です。嚥下機能(飲み込む力)のことを考えると、喉を通りやすい物かどうかは大事なポイントです。非常時だから何でも食べよう、とはなりません。口は正直です。普段から食べ慣れていない物を前にすると、非常時なのに気分は給食の苦手メニューになることがあります。
ここでおすすめしたいのが、日常備蓄(普段使いしながら切らさない備え)です。特別な物だけを押し入れにしまうより、いつも使っている品を少し多めに置き、使ったら買い足す形の方が続きやすいのです。レトルトのお粥、飲み慣れた水分補給飲料、栄養補助のゼリー、常温でも扱いやすい食品など、暮らしの延長で考えると無理がありません。しまい込んで存在を忘れ、数年後に「これはもう備蓄なのか、歴史資料なのか」と首を傾げる事態も減らせます。
そして忘れやすいのが、食べること以外の備えです。停電した時、冷房や暖房が止まると体調への影響は小さくありません。特に夏は、熱中症(体に熱がこもって危険な状態)の心配が高まります。冷感用品、うちわ、汗拭き、体温を見られる体温計など、暑さを凌ぐ工夫はぜひ加えたいところです。冬なら防寒具や毛布、カイロ。季節が違えば備える顔触れも変わります。防災袋の中身にも衣替えが必要、というわけです。
さらに大切なのが、情報を持ち出せる形にしておくことです。服薬内容、かかりつけ医、アレルギー、緊急連絡先、今はマイナンバーカードもですね、そして使っている便利な福祉用具のこと。これらを紙に書いておくと、いざという時に助かります。スマホに入っているから大丈夫と思いがちですが、充電切れや通信の不調は珍しくありません。紙は静かですが頼もしいです。文句も言わず、圏外にもなりません。
備蓄で目を向けたいのは量より相性です。たくさんあるのに使えない、食べられない、見つからないでは心細いままです。有備無患とはよく言ったもので、備えが役立つのは、その人の暮らしに合っている時です。見た目の立派さより、手に取りやすさ。品数の多さより、使い慣れ。ここを押さえると、備えはグッと現実的になります。
防災の準備は、「特別な時のセット作り」だけではありません。いつもの生活を少し止まり難くする工夫でもあります。薬が続けられる、食事が取りやすい、清潔が保ちやすい。それだけで不安はかなり和らぎます。持ち出し袋を作ったら終わり、ではなく、その人の毎日をそのまま支えられる備えへ。そこまで届くと、準備はグッと頼もしくなります。
第4章…助けてもらう準備も実力のうち~家族・近所・支援先との繋がりを育てる~
防災では、物の備えと同じくらい、人との備えが大切です。ここが、この章の結論です。高齢者や障害のある方の暮らしでは、自分だけで全部を抱え込まないことが、むしろ落ち着いた備えに繋がります。助けを求める準備まで含めて防災、と考えると景色が変わってきます。
普段、元気に見える方でも、災害の時は状況が変わります。停電でエレベーターが止まる。水が出難い。道が混む。家族がすぐ来られない。そんな時、「うちは何とかします」で押し切ろうとすると、途中で息切れしやすくなります。日常では遠慮が美徳に見える場面もありますが、非常時は少し話が違います。むしろ、どこで誰に声を掛けるかが決まっている方が安心です。自力で全部やろうとして台所の高い棚に手を伸ばし、後で「あれは脚立ではなく勇気だった」と反省する感じには、出来ればなりたくありません。
そこで考えたいのが、安否確認(無事かどうかの確認)の流れです。災害が起きた時、誰が最初に連絡するのか。電話が繋がらない時はどうするのか。家族だけでなく、近所の方、親しい知人、支援に関わる人の中で、「まずこの人」「次はこの人」という順番を緩やかに決めておくと、気持ちがかなり違います。何も決めていないと、いざという時に全員が全員へ連絡しようとして、頭の中が混線しやすいのです。人の心は多機能ですが、同時にあれこれ押されると、急に固まることがあります。
近所との繋がりも、派手でなくて構いません。毎日立ち話をしなくても、「この家には足の不自由な人がいる」「この時間帯は家にいることが多い」くらいを知ってもらえるだけで違います。顔を合わせた時に挨拶をする。天気の話を一言でも交わす。これだけでも立派な土台です。相互扶助という言葉がありますが、これは難しい話ではなく、「困った時に思い出してもらえる関係」を少しずつ作ることに近いのだと思います。
家族が離れて暮らしている場合は、役割分担を軽く決めておくと安心です。誰が電話をするのか、誰が必要な物を持って向かうのか、誰が支援先へ連絡するのか。家族会議というほどの重たい場でなくても、雑談の中で話しておけます。「その時になったら考えよう」は、平時には優しい言葉ですが、非常時には少し頼りないことがあります。冷蔵庫に貼るメモほど静かで、しかし頼もしいものもありません。
支援を受けている方なら、ケアマネジャー(介護の相談役)や訪問看護、訪問介護、相談支援専門員など、普段、関わる人たちにも、防災の話を少ししておくと良いです。どこまで手助けが必要か、避難するなら何が欠かせないか、自宅に残るなら何が心配か。個別避難計画(支援が必要な人ごとの避難の段取り)という考え方もありますが、難しく構えなくて大丈夫です。まずは「この人は何に困りやすいか」を言葉にして共有すること。そのひと手間が、いざという時の臨機応変に繋がります。
そして、連絡先はスマホの中だけに閉じ込めないことも大切です。紙に書いて、すぐ見える場所へ。財布の中、持ち出し袋、冷蔵庫の扉の内側など、複数あっても困りません。スマホは便利ですが、充電が切れたり、慌てて画面が上手く開かなかったりします。顔認証が通らないほどこちらが必死、ということもあります。機械も人も、余裕がある時の方が気前よく協力してくれます。
この章で大事にしたい気付きは、「助けてもらう」は受け身ではない、ということです。誰に、何を、どこまでお願いするかを前もって考えておくのは、とても能動的な備えです。備えあれば憂いなし、という言葉は昔からありますが、物だけでなく人の繋がりにも当てはまります。家族、近所、支援先。その線が細くても、何本かあるだけで安心感はグッと増します。
防災は、孤軍奮闘するための訓練ではありません。暮らしを続けるために、人と人が少しずつ手を繋ぐ準備です。一人で頑張り過ぎないことも、立派な知恵です。声を掛けやすい関係を、元気な日のうちに少し育てておく。その積み重ねが、いざという時の心細さをそっと減らしてくれます。
[広告]まとめ…備えは怖さ集めではなくて明日を落ち着いて迎えるための習慣
防災の備えは、怖さを集める作業ではなく、暮らしを少しずつ整える作業です。ここが、この記事で一番お伝えしたかった視点です。家の中を見直すことも、出る備えと残る備えを分けて考えることも、体調や生活に合う物を揃えることも、人との繋がりを育てることも、全部バラバラの話ではありません。毎日を無理なく続けるための、用意周到な下拵えです。
高齢者や障害のある方の防災では、「みんなと同じ形」に合わせるより、「その人らしい形」に整える方が役に立ちます。歩く速さも、必要な薬も、落ち着ける場所も、安心できる声掛けも、人それぞれです。防災は、立派な袋を作って終わる話ではなく、その人の暮らしに合わせて育てていくもの。そう考えると、少し肩の力が抜けます。
そして新しい気付きとして、防災は非常時だけの技術ではありません。通りやすい廊下、取り出しやすい薬、連絡しやすい相手、暑さや寒さを凌ぐ工夫。これらは災害の日だけでなく、体調を崩した日や買い物に出難い日にも役立ちます。防災とは、特別な日にだけ使う知恵ではなく、普段の暮らしを静かに支える生活力なのだと思います。
もちろん、最初から完璧に揃える必要はありません。一歩一歩で十分です。今日は寝室を見直す。明日は連絡先を紙に書く。次の買い物で、いつも使う品を少し多めに置いてみる。その積み重ねが、いざという時の落ち着きに繋がります。気合いを入れ過ぎて疲れてしまうと、備える前にこちらの電池が切れます。人間も充電式だなあと、たまに思います。
災害は起きないに越したことはありません。それでも、備えがある暮らしは、気持ちの置き場を作ってくれます。不安をゼロにすることは難しくても、慌て方を和らげることは出来ます。そういう準備は、地味でも着実です。
今日できる小さな見直しが、明日の安心をそっと支えてくれます。身構え過ぎず、でも後回しにし過ぎず。そんなほど良い距離感で、防災を暮らしの中に置いていけたら良いですね。
[ 広告 ]今日も閲覧ありがとうございましたm(__)m
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